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迚
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と
ふりがな文庫
“
迚
(
と
)” の例文
謠へば面白いのだが、お秋さんには
迚
(
と
)
てもそんなことを
爲
(
さ
)
せて見ようつて出來ないから駄目だ。それどころではない。
炭焼のむすめ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
クヲテン怒て奸夫を殺さん
迚
(
と
)
逐ひ廻るを見て、クヲテンの母パールデン、荊棘に鈎られて留まれと詛ふと、果して棘に留められた所をクヲテンが殺した。
詛言に就て
(旧字旧仮名)
/
南方熊楠
(著)
二度とは
迚
(
と
)
ても見るやうなことはあるまい、と思つて、つい入つて見る気になつた。三年前の其の時の自分の心の有様などが
此等
(
これら
)
の見せ物によつて回想された。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
みのるの着物の裾はすつかり濡れて、足袋と下駄の臺のうしろにぴつたり
密着
(
くつつ
)
いては
歩行
(
あゆみ
)
のあがきを惡るくしてゐた。早い足の義男には
迚
(
と
)
ても追ひ付く事が出來なかつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
江戸で喧嘩をすると
野次馬
(
やじうま
)
が出て来て滅茶苦茶にして
仕舞
(
しま
)
うが、大阪では野次馬は
迚
(
と
)
ても出て来ない。夏の事で夕方
飯
(
めし
)
を
喰
(
くっ
)
てブラ/\出て行く。
申合
(
もうしあわせ
)
をして市中で大喧嘩の真似をする。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
あの年になつても人様に御あいそする事も何も知らぬ世間見ずの一こくでなあ、行末が案じられますわいの、あんたでもどうかして物にしてやつて下さらんにや
迚
(
と
)
てもが見込みは立ちませんや。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
彼等
(
かれら
)
は
惡戲者
(
いたづらもの
)
に
水
(
みづ
)
をさゝれて
慌
(
あわ
)
てた
機會
(
はづみ
)
に
或
(
ある
)
夜
(
よ
)
遁
(
に
)
げ
出
(
だ
)
して
畢
(
しま
)
つた。それは、
此
(
こ
)
の
儘
(
まゝ
)
では
二人
(
ふたり
)
は
迚
(
と
)
ても
添
(
そ
)
はされぬ
容子
(
ようす
)
だからどうしても
一
(
ひと
)
つに
成
(
な
)
らうといふのならば
何處
(
どこ
)
へか
二人
(
ふたり
)
で
身
(
み
)
を
隱
(
かく
)
すのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
迚
漢検1級
部首:⾡
8画
“迚”を含む語句
去迚
子迚