)” の例文
旧字:
小屋の前にむしろを敷いて葛岡はいたちる罠だという横長い四角い箱の入口の落しぶたの工合をかたん/\いわせながら落し試みていました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「芝生にあった大鹿ムースの角も、貴方がったのですか」と恐る恐るきくと「あれはこの冬のだ。昨年の冬は二頭猟ったが」という。
アラスカ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
古人これをった唯一の法は、毎人鏡を持ちて立ち向うに、バシリスクの眼毒が鏡のためにその身に返り、自業自得でやにわにたおれたのだ。
「いいいい。後のやつを、もっと熱くしておくんだぜ。それに、さかなといやあ、毎晩、いもか蓮根だ。あしたは弓を持って、裏山の小鳥でもって焼いておけよ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万作は時節とき相応鯉鮒鰻などの釣に出掛けることもあれば、網曳に雇われて行くこともあり、時々はまた鴨をりに行くこともあり、さもなければ裏の畑に麦蒔き大根作ることもある。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
これにつぐのが伊豆の天城山、丹波の雲ヶ畑、日向の霧島山あたりでれるものであるそうだが、紀州の猪が最も味がよろしいというのは、ここが団栗どんぐり林に富んでいるからであると言う。
たぬき汁 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
大きな石が積み重ねられ、植木が片寄せられたままになっている庸三の狭い庭にも、えさりに来て、枝から枝をくぐっているうぐいす軽捷けいしょうな姿が見られ、肌にとげとげしい余寒の風が吹いていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
山の餌をって、山の獣達と一緒に何んの苦労もなく生い立ったのですが、髪の毛が房々ふさふさと延び、ふたつの乳房が、こんもり盛上もりあがって、四肢に美しい皮下脂肪が乗り始める頃から、身を切られるような
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
食料としてのうさぎり方から山草の料理法など、すべての事柄について、すみの隅まで行き届いた細かい注意が払われていることが、聞き出すごとに分って来た。
因って豹を尊ぶ事無類で王族ならではその皮をるを得ず、これをり殺すに種々の作法あり
折ふし城中の山から、いのこを十数匹ってきた者があるので、酒倉を開き、猪を料理させて
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
周密の『癸辛雑識』続上に、北方の野猪大なるもの数百斤、最も獷猂こうかんにしてりがたし、つねに身を以て松樹をり脂を取って自ら潤し、しかる後に沙中に臥し沙を膏に附く。
今に至ってもその辺の土人は兎をらぬと見え、また後漢の劉昆弟子常に五百余人あり、春秋の饗射ごとに桑弧そうこ蒿矢こうしもて兎の首を射、県宰すなわち吏属を率いてこれをたとあり