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と
ふりがな文庫
“
制
(
と
)” の例文
女房の
制
(
と
)
めるのもきかずに、彼はおまきの台所へ忍んで行って、内の様子を窺っていると、やがておまきの嬉しそうな声がきこえた。
半七捕物帳:12 猫騒動
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と手真似で
制
(
と
)
めて、かくしから取りだした一ルイの金貨を
卓子
(
テーブル
)
の隅においた。それから彼は坐りこんで語りだした。声は少しふるえを帯びていた。
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
ばかりでなく、爺があまり馬鹿馬鹿しい苦労などをする時には、むしろ、
罵
(
ののし
)
りに近い言葉で
制
(
と
)
めることがあった。
山茶花
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
如何
(
どう
)
いうものだか、内でお
祖母
(
ばあ
)
さんが
舐
(
なめ
)
るようにして可愛がって呉れるが、一向嬉しくない。
反
(
かえっ
)
て
蒼蠅
(
うるさ
)
くなって、出るなと
制
(
と
)
める袖の下を潜って外へ駈出す。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そして直ぐにも加藤の家に移る積りだつたが、色々と小川家の人達に
制
(
と
)
められて、一日だけ延ばした。小川家には急に不愉快な、そして寂しい空氣が籠つた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
娘の君子は、警官に抱き
制
(
と
)
められながらも、母親の変りはてた姿へおいおいと声をあげて泣きかけていた。
銀座幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
『なんだ、人を
制
(
と
)
めておいて、自分は怖しく気早に駈けて行く。いつも、先陣をやるのはあの手だな』
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口さがない女中どもの舌だけは
制
(
と
)
めようがなく、もういい加減拡まったとみえて近所の人々、泊り客などの
愕
(
おどろ
)
いた顔が、遠くの庭隅、廊下のあちこちに群れ集ってこそこそささやき合っているのを
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と
制
(
と
)
めもせず、老人はうなずいた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
来て見ると
此
(
こ
)
の始末で、
仔細
(
わけ
)
は知らぬが七兵衛
老爺
(
じじい
)
の箒の
下
(
もと
)
に、一人の女が殴り倒されているので、
制
(
と
)
めずには
居
(
い
)
られぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
福田病院では、
附添
(
つきそい
)
に来てくれた美波さんという看護婦が文学好きだったので、私が未だ読書を
制
(
と
)
められていた頃から、毎日のように読んでもらっていた。
骨を削りつつ歩む:――文壇苦行記――
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
そして直ぐにも加藤の家に移る積りだつたが、色々と小川家の人達に
制
(
と
)
められて、一日だけ延ばした。小川家には急に不愉快な、そして寂しい空気が籠つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
又之丞は、
制
(
と
)
めた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに一方の高島の方は二階番のお吉と仲好くなり過ぎてしまった。仇討なんぞはあぶないからお
止
(
よ
)
しなさいと、女がしきりに心配して
制
(
と
)
めるようになった。
半七捕物帳:04 湯屋の二階
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
顔を
顰
(
しか
)
めたり、自分で調合した薬を
嚥
(
の
)
んだりしていたのであったが、それでも、山の畠に、
陸稲
(
おかぼ
)
の落ち穂を拾いに行くのだと言って、嫁のおもんが
制
(
と
)
めたにもかかわらず
山茶花
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
制
(
と
)
める人が無ければ、殺しかねまじき勢ひだ。滅多に負ける事がない。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
納屋
(
なや
)
で稲を
扱
(
こ
)
いでいたのであったが、父親が、おもんが
制
(
と
)
めるのを
肯
(
き
)
かずに出て行ったらしい気配なので、
世間体
(
せけんてい
)
などを考え、どうしても引き止めなければならないと思って庭へ出て来た。
山茶花
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
制
常用漢字
小5
部首:⼑
8画
“制”を含む語句
制服
制動機
制止
制度
禁制
制裁
強制
女人禁制
節制
制御
制馭
抑制
制限
制帽
圧制者
裁制補導
箝制
以夷制夷
制規
制作
...