)” の例文
いわくカラハシは竹を割って作ったもので、一人一日の能率は稲三十六もみ約七二十一貫目をけばよいことになっていた。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それでも塩水せんをかけたので恰度ちょうどあったから本田の一町一たん分には充分じゅうぶんだろう。とにかくぼくは今日半日で大丈夫だいじょうぶ五十円の仕事しごとはしたわけだ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
下士族は出入しゅつにゅう共に心に関して身を労する者なれば、その理財の精細せいさいなること上士の夢にも知らざるもの多し。二人扶持ににんぶちとは一箇月かげつ玄米げんまいなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
満座は腹を抱えて笑い、さらに杯盤はいばんを新たにして、男と男の心胆をそそぎ合う酒幾。やがて鶏鳴けいめいまで聞いてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いりほど、大した大きいものではありませんが、何が入っているか、非常な重量で、口は丸い板で押えて、渋紙を掛けた上、縄で縛ってあります。
ぼくたちは、いえまえに、防火用ぼうかよういてある、みずはいった四だるを三にんはこびました。あんなときは、不思議ふしぎちからるものだと自分じぶんでもおどろきました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おおきいいえがありましてね、そこの飯炊めしたがまは、まず三ぐらいはける大釜おおがまでした。あれはえらいぜにになります。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
それはみな大小異なって居るので、まずボーチクというのがほぼ我が国の一ますと同じであって正当な枡である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ずばりとそれを一かつすると、たんまことにのごとし! 声また爽やかにわが退屈男ならでは言えぬ一語です。
よしや一の「モルヒ子」になぬためしありとも月夜つきよかまかれぬ工風くふうめぐらしべしとも、当世たうせい小説せうせつ功徳くどくさづかりすこしも其利益りやくかうむらぬ事かつるべしや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
干飯ほしいひ古酒こしゆ一筒ひとづつ、ちまき、あうざし(青麩あをふ)、たかんな(筍)方々かた/″\の物送りたまふて候。草にさける花、木のかはかうとしてほとけに奉る人、靈鷲山れいしうざんへ參らざるはなし。
階下には、大きな古樽ふるだるがゴロゴロ転がっている。その向うには一以上も入りそうなそれも大きな硝子壜ガラズびんが並んでいる。ひどい蜘蛛くもの巣がいたるところに掛っている。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『そんなおほきななりをしてさ!』(あいちやんはよくひます)『くなんテ!おだまんなさい、よ!』つても矢張やつぱりおなじやうにいてて!なみだの一ながした揚句あげく
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
昭和七年の晩秋に京浜に大暴風雨があって、東京市内はつぼ当り三ごくの雨量に、谷窪の大溝も溢れ出し、せっかく、仕立て上げた種金魚の片魚を流してしまった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
女たちは玉の杯で酒をすすめると、機嫌よく笑い興じながらかれは数の酒を飲んだ。
火のなみ吹放ふきはなされて、西へ——西へ——毎日々々、百日と六日のあいだ、鳥の影一つ見えない大灘おおなだを漂うて、お米を二しょうに水一薄粥うすがゆで、二十人の一日の生命いのちつないだのも、はじめの内。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ねつたがそれでれぐつと身體からだにやちからつけつちやつたな、所爲せゐだな十五んちなほつたな、そんだからぐにむぎの八はずん/\けたな、らこんで體格なりはちつちえがつをかつたな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
合徳利ごうどくりでもいっぱいにつれば一入りの空徳利からどくりさる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そうなると利太郎は面喰めんくらって毎日三の汗を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
のような血!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
孔明は、髪をさばき、剣を取り、いわゆるこうを踏みくといういのりの座に坐ったままうしろ向きになっていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それより山男、酒屋半之助方さかやはんのすけかたまいり、五合入程ごういりほど瓢箪ひょうたん差出さしだし、この中に清酒せいしゅお入れなされたくともうし候。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
されどもまず米の相場を一両に一と見込み、この割合にすれば、たとい塾中におるも外に旅宿するも、一ヶ月金六両にて、月俸、月金、結髪、入湯、筆紙の料
慶応義塾新議 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
入表の間切は畠方はたけがたの五こくに対して、田方が千二百六十七石あったのに、古見の間切の方は畠も九十七石余、田は千八百七十石以上、この畠はいわゆる常畠じょうばたであって
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
おれは、やりかけてきた仕事しごとがたくさんあるのだから、そんなことはしていられない。今夜こんやは、わらじを五そくつくらなければならないし、あすのあさは、三ばかりこめをつかなければならん。」
あとの大勢おほぜいつたら、のあくるから、あめかぜなみ吹放ふきはなされて、西にしへ——西にしへ——毎日々々まいにち/\百日ひやくにち六日むいかあひだとりかげひとえない大灘おほなだたゞようて、おこめを二しようみづ薄粥うすがゆ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夫婦ふうふ乳呑兒ちのみごと三にん所帶しよたい彼等かれら卯平うへいから殼蕎麥からそばが一しようむぎが一と、あとにもさきにもたつただけけられた。正月しやうぐわつ饂飩うどんてなかつた。有繋さすがにおふくろ小麥粉こむぎこかくしておしなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
火災はむしろ天祐てんゆうと先にいったが、食糧課員の調査表によると、出火前は、貯蔵精米が五百五十こく、玄米百十六石一とあって、一日の消費額二十九石として、今後
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しまってあるよ。三しまってある。とても僕たちだけで食べられるもんか。」
フランドン農学校の豚 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
この一句は一よいざめの水をのむより二人の目を冴えさせてしまった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鞍馬くらまの竹童、剣道けんどうは知らぬが、たんのごとしだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)