“薄粥”の読み方と例文
読み方割合
うすがゆ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……然しそれから一ときも経ったであろうか、ちょうど牧二郎に昼の薄粥うすがゆを与えているところへ、息を切らして多助が戻って来た。
日本婦道記:二十三年 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
趣味として夜寒よさむの粥を感ずる能力を持たない彼は、秋のよいの冷たさを対照に置く薄粥うすがゆの暖かさを普通の俳人以上に珍重してすする事ができた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
火のなみ吹放ふきはなされて、西へ——西へ——毎日々々、百日と六日のあいだ、鳥の影一つ見えない大灘おおなだを漂うて、お米を二しょうに水一薄粥うすがゆで、二十人の一日の生命いのちつないだのも、はじめの内。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)