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薄粥
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うすがゆ
ふりがな文庫
“
薄粥
(
うすがゆ
)” の例文
……然しそれから一
刻
(
とき
)
も経ったであろうか、ちょうど牧二郎に昼の
薄粥
(
うすがゆ
)
を与えているところへ、息を切らして多助が戻って来た。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
趣味として
夜寒
(
よさむ
)
の粥を感ずる能力を持たない彼は、秋の
宵
(
よい
)
の冷たさを対照に置く
薄粥
(
うすがゆ
)
の暖かさを普通の俳人以上に珍重して
啜
(
すす
)
る事ができた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
火の
浪
(
なみ
)
に
吹放
(
ふきはな
)
されて、西へ——西へ——毎日々々、百日と六日の
間
(
あいだ
)
、鳥の影一つ見えない
大灘
(
おおなだ
)
を漂うて、お米を二
升
(
しょう
)
に水一
斗
(
と
)
の
薄粥
(
うすがゆ
)
で、二十人の一日の
生命
(
いのち
)
を
繋
(
つな
)
いだのも、はじめの内。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
重湯
(
おもゆ
)
か、
薄粥
(
うすがゆ
)
、
或
(
あるひ
)
は
麺麭
(
パン
)
を
少量
(
せうりやう
)
と
言
(
い
)
はれたけれども、
汽車
(
きしや
)
で、そんなものは
得
(
え
)
られなかつた。
乘通
(
のりとほ
)
しは
危險
(
きけん
)
だから。……で、
米原
(
まいばら
)
で
泊
(
とま
)
つたが、
羽織
(
はおり
)
も
着
(
き
)
ない
少年
(
せうねん
)
には、
粥
(
かゆ
)
は
煮
(
に
)
てくれぬ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
隆二はおまじりの
薄粥
(
うすがゆ
)
をそっと啜った、「お父さんはここでなにをしているの」
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
あとの
大勢
(
おほぜい
)
つたら、
其
(
そ
)
のあくる
日
(
ひ
)
から、
火
(
ひ
)
の
雨
(
あめ
)
、
火
(
ひ
)
の
風
(
かぜ
)
、
火
(
ひ
)
の
浪
(
なみ
)
に
吹放
(
ふきはな
)
されて、
西
(
にし
)
へ——
西
(
にし
)
へ——
毎日々々
(
まいにち/\
)
、
百日
(
ひやくにち
)
と
六日
(
むいか
)
の
間
(
あひだ
)
、
鳥
(
とり
)
の
影
(
かげ
)
一
(
ひと
)
つ
見
(
み
)
えない
大灘
(
おほなだ
)
を
漂
(
たゞよ
)
うて、お
米
(
こめ
)
を二
升
(
しよう
)
に
水
(
みづ
)
一
斗
(
と
)
の
薄粥
(
うすがゆ
)
で
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
粥
漢検準1級
部首:⽶
12画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷