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泊
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と
ふりがな文庫
“
泊
(
と
)” の例文
「ゆるしなく、かってに
出歩
(
である
)
いたり、また
泊
(
と
)
まってきたようなものは、さっそく
店
(
みせ
)
を
出
(
で
)
ていってもらう。」という
規則
(
きそく
)
がありました。
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぼくは
運
(
うん
)
がよかったよ。こん夜は
泊
(
と
)
めてもらいたいね。ひさしぶりにゆっくり
眠
(
ねむ
)
りたいんだ。ベッドを
血
(
ち
)
でよごしてすまなかったね。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
リボーの店には、外国から政治上の事で脱走して来た人達が
泊
(
と
)
まることもあった。その頃には、マスケリーという著名な画家がおった。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
この長田は長田の
荘司
(
しょうじ
)
の事で、例の源の義朝を
泊
(
と
)
めて置きながらこれを暗殺して平家の方に党した等の事蹟に
基
(
もとづ
)
いて作ったもので
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
一晩
(
ひとばん
)
、
其
(
そ
)
のお
醫師
(
いしや
)
の
離座敷
(
はなれざしき
)
のやうな
處
(
ところ
)
に
泊
(
と
)
められますと、
翌朝
(
あけのあさ
)
、
咽喉
(
のど
)
へも
通
(
とほ
)
りません
朝御飯
(
あさごはん
)
が
濟
(
す
)
みました。
間
(
ま
)
もなくでございましたの。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
どうもひとのうちの
門口
(
かどぐち
)
に立って、もしもし今晩は、私は旅の者ですが、日が
暮
(
く
)
れてひどく困っています。今夜一晩
泊
(
と
)
めて下さい。
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「おやおや、それはお
困
(
こま
)
りだろう。だがごらんのとおり
原中
(
はらなか
)
の一
軒家
(
けんや
)
で、せっかくお
泊
(
と
)
め
申
(
もう
)
しても、
着
(
き
)
てねる
布団
(
ふとん
)
一
枚
(
まい
)
もありませんよ。」
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こういうと、へんに聞こえるかもしれませんが、ニールスたちは、どうも、
農園
(
のうえん
)
に
泊
(
と
)
めてもらう気には、なれないらしいのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そのふもとにやや大なる船
泊
(
と
)
まりいる。正面に
丹左衛門尉基康
(
たんざえもんのじょうもとやす
)
その左右に数名の
家来
(
けらい
)
槍
(
やり
)
をたてて
侍立
(
じりつ
)
す。その前に俊寛、康頼、成経ひざまずく。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「一つ
皮肉
(
ひにく
)
に、せんだって使者にまじってきた、
菊池半助
(
きくちはんすけ
)
をたずねて、
一晩
(
ひとばん
)
泊
(
と
)
めてくれと
申
(
もう
)
しこんで見ようじゃないか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんとさまざまな存在を、この「アインフリイト」はすでに
泊
(
と
)
めたことだろう。一人の文士さえも、今ここにいる。
トリスタン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
あくる日の
晩
(
ばん
)
、また一人のお客が、この宿に
泊
(
と
)
まりました。このお客も前夜のお客と同じように親切にもてなされて、いい気持ちで
寝床
(
ねどこ
)
につきました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
男は、今宮へ行けば市営の無料宿泊所もあるが、しかし、人間そんな所の
厄介
(
やっかい
)
になるようではもうしまいだと言いながら、その小屋に
泊
(
と
)
めてくれました。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
徳川
家康
(
いえやす
)
は三人を
紫野
(
むらさきの
)
の
大徳寺
(
だいとくじ
)
に
泊
(
と
)
まらせておいて、翌年の春
秀忠
(
ひでただ
)
といっしょに
上洛
(
じょうらく
)
した時に
目見
(
めみ
)
えをさせた。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
正三君はこの
安斉
(
あんざい
)
先生に主事室へ呼びつけられてお学友の
心得
(
こころえ
)
を申し渡された。それは生まれてはじめてよそに
泊
(
と
)
まって心細い一夜をすごした
翌朝
(
よくあさ
)
だった。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
わしも
其
(
そ
)
ん
時
(
とき
)
や
嚊
(
かゝあ
)
に
死
(
し
)
なれた
當座
(
たうざ
)
なもんだからさう
薄情
(
はくじやう
)
なことも
出來
(
でき
)
ねえと
思
(
おも
)
つて、そんでも一
晩
(
ばん
)
泊
(
と
)
めて、わしも
困
(
こま
)
つちや
居
(
ゐ
)
たが
穀
(
こく
)
もちつたあ
遣
(
や
)
つたのせ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「みんな汽車でつかれただろう。今晩は、宿屋にでも
泊
(
と
)
まったつもりで、のんきにくつろぐんだな。もっとも、郷里にはがきだけはすぐ出しておくがいい。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
だつてねえ婆やさん——それはあなたが私を
泊
(
と
)
めてくれなかつたり、
騙
(
かた
)
りだと思つたりしたせゐではないの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
第四日は五色温泉を経て
三
(
さん
)
の
公
(
こ
)
の峡谷を探り、もし行けたらば
八幡平
(
はちまんだいら
)
、
隠
(
かく
)
し
平
(
だいら
)
までも見届けて、
木樵
(
きこ
)
りの小屋にでも
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
うか、
入
(
しお
)
の
波
(
は
)
まで出て来て泊まる。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
父
(
とう
)
さんの
幼少
(
ちひさ
)
な
時分
(
じぶん
)
には、
昔
(
むかし
)
のお
大名
(
だいみやう
)
が
木曽路
(
きそぢ
)
を
通
(
とほ
)
る
時
(
とき
)
に
泊
(
と
)
まつたといふ
古
(
ふる
)
い
部屋
(
へや
)
まで
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その國から上つておいでになる時に、
難波
(
なにわ
)
の
灣
(
わん
)
を經て河内の白肩の津に船をお
泊
(
と
)
めになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
そうすれば東京湾に
臨
(
のぞ
)
んだ姉ヶ崎附近だろうとせられて居る。一首の意は、海上潟の沖にある
洲
(
す
)
のところに、船を
泊
(
と
)
めよう、今夜はもう
更
(
ふ
)
けてしまった、というのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
旅人でも
泊
(
と
)
めてやる場合でないとその有難味は見えないが、衣服になると永く持つとは言っても、その一部分だけは毎年主婦の手によって、家内の者にそれぞれ配給する。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いくら
大胆不敵
(
だいたんふてき
)
の二十面相でも、もう正体がわかってしまった今、探偵と肩をならべて、ホテルの人たちや
泊
(
と
)
まり客のむらがっている玄関を、通りぬける勇気はなかったのです。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
マリユスはクールフェーラックに言った、「
泊
(
と
)
めてもらいにきたよ。」クールフェーラックは寝床の二枚の
蒲団
(
ふとん
)
を一枚ぬき出して、それを
床
(
ゆか
)
にひろげて言った、「さあ寝たまえ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「御迷惑じゃろうが、
泊
(
と
)
めてもらえますまいかな?」と、老人は入り口から言った。
再度生老人
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
槍の坊主小屋あたりに
泊
(
と
)
まる考だのに、まだその半途、今日はとても行けぬ、しかしこんな峰頂では、露営は
覚束
(
おぼつか
)
ない、ぐずぐずしていると日が暮れる、立往生するのも馬鹿げている
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
本郷
(
ほんごう
)
の家まで帰るのに、もうひっそりと寝しずまった町々を歩いて来たのであったが、時々はあまりに遅い時間になってしまって、そのまま
泊
(
と
)
めていただいたことなどもかなりにあった。
左千夫先生への追憶
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
連れ戻すために来たんだが……その手筈だったんだが、あの模様ではね。……まあ今晩一晩だけ
泊
(
と
)
めてやったらいいだろう。幾代も兼子もそう云ってるんだから、お前もそのつもりでね。
子を奪う
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あかしのつくころに
糟谷
(
かすや
)
は帰ってきた。西田は帰ってしまうにしのびないで、
泊
(
と
)
まって話しすることにする。夜になって礼子や下女の笑い声ももれた。細君もおきて
酒肴
(
しゅこう
)
の
用意
(
ようい
)
に
手伝
(
てつだ
)
った。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
其
(
その
)
日は積荷の都合で出帆しないと云ふので、
其
(
その
)
晩は僕も平野丸の
客室
(
サロン
)
に蚊に食はれながら
泊
(
と
)
めて貰つた。晶子は
思郷病
(
しきやうびやう
)
に罹つてひどくヒステリツクになつて居る。其れに少し体の加減も損じて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
此奴
(
こいつ
)
は
迂
(
うつ
)
かり
京都
(
きやうと
)
まで
往
(
い
)
つて、
萬一
(
ひよつと
)
宿
(
やど
)
がないと困ると思ひまして、
京都
(
きやうと
)
の三
条
(
でう
)
白河橋
(
しらかはばし
)
に
懇意
(
こんい
)
な
者
(
もの
)
がございますから、
其人
(
そのひと
)
の
処
(
ところ
)
へ郵便を出して、
私
(
わたし
)
が
参
(
まゐ
)
るから
何
(
ど
)
うか
泊
(
と
)
めて
下
(
くだ
)
さいと
申
(
まう
)
して
遣
(
や
)
りますると
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『お前が、
俺許
(
おらどこ
)
さ
泊
(
と
)
めて
呉
(
く
)
ろづな?』と、無遠慮に叱る樣に言ふ。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「妙な事だね。それじゃ
泊
(
と
)
めてくれないかも知れんね」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そんなら、今夜はここに
泊
(
と
)
まろう」
恐竜艇の冒険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(お
泊
(
と
)
め
申
(
まを
)
すとなりましたら、あの、
他生
(
たしやう
)
の
縁
(
えん
)
とやらでござんす、あなた
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
を
遊
(
あそ
)
ばしますなよ。)
先
(
ま
)
づ
恐
(
おそ
)
ろしく
調子
(
てうし
)
が
可
(
い
)
いぢやて。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
男
(
おとこ
)
は、さまざまな
空想
(
くうそう
)
にふけりました。そして
幾日
(
いくにち
)
も
幾日
(
いくにち
)
も
旅
(
たび
)
をつづけました。
男
(
おとこ
)
は、
夜
(
よる
)
になるとさびしい
宿屋
(
やどや
)
に
泊
(
と
)
まりました。
おかしいまちがい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ガンたちは森の中の
沼地
(
ぬまち
)
に
泊
(
と
)
まり場所を見つけて、そこに
舞
(
ま
)
いおりました。けれども、ニールスにはねるような所がありません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「ああ、おばあさん。じつはこの
原
(
はら
)
の中で日が
暮
(
く
)
れたので、
泊
(
とま
)
る
家
(
うち
)
がなくって
困
(
こま
)
っている
者
(
もの
)
です。
今夜
(
こんや
)
一晩
(
ひとばん
)
どうかして
泊
(
と
)
めては
頂
(
いただ
)
けますまいか。」
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
秋之坊という俳人を幻住庵に
泊
(
と
)
めた時の句で、何も御馳走はないが、唯だ蚊が小さいのだけが御馳走だというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ぎゃあぎゃあと、
嬰児
(
あかご
)
の泣く声やら、亭主のどなる声やらして、どうして、それ以外の旅人を
泊
(
と
)
める席があるだろうかと疑われるような狭さであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瞽女
(
ごぜ
)
は
村落
(
むら
)
から
村落
(
むら
)
の「まち」を
渡
(
わた
)
つて
歩
(
ある
)
いて
毎年
(
まいねん
)
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
ふ
宿
(
やど
)
に
就
(
つい
)
てそれから
村落中
(
むらぢう
)
を
戸毎
(
こごと
)
に
唄
(
うた
)
うて
歩
(
ある
)
く
間
(
あひだ
)
に、
處々
(
ところ/″\
)
で
一人分
(
いちにんぶん
)
づゝの
晩餐
(
ばんさん
)
の
馳走
(
ちそう
)
を
承諾
(
しようだく
)
して
貰
(
もら
)
つて
置
(
お
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
なんだって、あんな男をとめる気になったんだろう? おれが
宿屋
(
やどや
)
のあるじなら、相手の顔をよくよくながめ、名まえをたしかめてから、
泊
(
と
)
めるか、泊めないか決めるね。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「
都多
(
つた
)
の細江」は姫路から西南、現在の津田・細江あたりで、
船場川
(
せんばがわ
)
の川口になっている。当時はなるべく陸近く
舟行
(
しゅうこう
)
し、少し風が荒いと船を
泊
(
と
)
めたので、こういう歌がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私はとにかく津村を
促
(
うなが
)
してその岩の上から
腰
(
こし
)
を
擡
(
もた
)
げた。そして、宮滝で
俥
(
くるま
)
を
雇
(
やと
)
って、その晩
泊
(
と
)
めて貰うことにきめてあった
国栖
(
くず
)
の昆布家へ着いた時は、すっかり夜になっていた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
右の八幡の神楽組かつて附馬牛村に行きて
日暮
(
ひぐ
)
れ宿を取り兼ねしに、ある貧しき者の家にて
快
(
こころよ
)
くこれを
泊
(
と
)
めて、五升
桝
(
ます
)
を伏せてその上にゴンゲサマを
座
(
す
)
え置き、人々は
臥
(
ふ
)
したりしに
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
(
青金
(
あおがね
)
の
鉱山
(
こうざん
)
できいて来たのですが、何でも鉱山の人たちなども
泊
(
と
)
めるそうで。)
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「けれど私たちは
無宿者
(
やどなし
)
を
泊
(
と
)
める譯にや行かないよ。飛んでもないこつたよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
婆さんは日本のオト大将と
島川
(
しまかは
)
少将とを一度
泊
(
と
)
めた事があると話したが「オト」は
奥
(
おく
)
の
間違
(
まちがひ
)
かも知れない。
此
(
この
)
婆さんは「
戦
(
そよ
)
ぐ麦」の中の「
小作女
(
こさくをんな
)
」と云ふ詩に歌はれた人
好
(
ずき
)
のする
快濶
(
くわいくわつ
)
な婆さんである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「
泊
(
と
)
めてくれる家がなかったもんですから。……」
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
泊
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“泊”を含む語句
漂泊
淡泊
宿泊
夜泊
梁山泊
御泊
碇泊
寝泊
一泊
大泊
停泊
漂泊者
寺泊
漂泊人
飄泊
泊客
安泊
旅泊
小泊瀬山
宿泊人
...