“思做”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもひな33.3%
おもひなし33.3%
おもいな22.2%
おもいなし11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一度ひとたびは絶えし恋ながら、なほ冥々めいめいに行末望あるが如く、さるは、彼が昔のままのかたちなるを、今もそのひとりを守りて、時の到るを待つらんやうに思做おもひなさるるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
混雑する旅人の群にまぎれて、先方さきの二人も亦た時々盗むやうに是方こちらの様子を注意するらしい——まあ、思做おもひなしせゐかして、すくなくとも丑松には左様さうれたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
仕方がないから、聞える儘に其音に聴入っていると、思做おもいなしで種々いろいろに聞える。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
益々顔を皺めながら文三が続いて起上ろうとして、叔母に呼留められて又坐直すわりなおして、不思議そうに恐々おそるおそる叔母の顔色をうかがッて見てウンザリした。思做おもいなしかして叔母の顔はとがッている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)