)” の例文
おたがいに達者たっしゃで、はたらくことはできるし、それに毎年まいねん気候きこうのぐあいもよくて、はたけのものもたくさんれて、こんな幸福こうふくなことはない。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
沖で引っかかったさばなら鯖、小鯛こだいなら小鯛をば、穫れたられただけ船に積んでエッサアエッサアと市場の下へ漕ぎ付けます。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
毎年まいねんれがすむと、やはりいへつくりかへ、あるひ屋根やねへたりして、おなじく、新室にひむろのうたげをおこなひました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
また農場へ行ってめまいをしてもいけません、なぜなら、その魚粕をつかうとキャベジでも麦でもずいぶんよくれます。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
糓類は何處どことも不作だつたが、カンバランドに至つては、全然れなかつた。山地の洪水は人々の財物を多く奪つた。
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)
「印度つてこんなに花の多い土地ところとは知らなかつた。こゝで蜂を飼つたら、しこたま蜜がれるに相違ない。」
「鳰一つがら、五俵ずつれでも……婆さん、そんな心配までしねえだって。さあ、風邪引ぐがら。」
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
さうしてれた米を足舂きにするのには、母家おもやの方で下男が一人、かゝり切りにするほどであつた。「水車舂きの米と、焦げた飯は喰へん。」と、太政官は始終さう言つてゐた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「たんとれべえなこんぢや、からばかしでもたえした出來できだな」といつて勘次かんじちかはこんだ。勘次かんじ庭先にはさきくりかげふたつのうすよこころがしておつぎと二人ふたり夏蕎麥なつそばつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そこで車は錦葵の種を売って十倍の利益を得、金もだんだんにできて、肥えた田を二百畝も作るようになった。それから多く麦をえると麦が多くれ、多くきびを植えると黍が多く穫れた。
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
呂宋ルソンなどという南方地方では、肥料もやらず蒔きっ放しで稲が年に二回も三回もれるという、稲は南方常夏の土地が原産だそうだ、我われはその米を唯一といってもいいほどの主食にしている
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
去年一年の天変地妖で米も野菜もれればこそ、持ち越しの米麦に木の根を混ぜて、ようやく冬までは支えて来たが年が代わって春にうつるや日頃怨みある木曽義明が一人の側室そばめにうつつを抜かし
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「同じ農業と云うても、近頃は私の若かった頃とは万事ころりと違うな。稲の種類も、こんなに今はたくさんになったが、眼目は何かと云うと、早う、たくさん収穫しようと皆が狙いおる。——早う、たくさんれる種類ほど、味ないな、どうも……」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
二人ふたりとも勉強家べんきょうかで、よくはたらいていましたから、毎年まいねん穀物こくもつはたくさんにれて、二人ふたりともこまるようなことはありませんでした。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きっと今年は去年きょねん旱魃かんばつめ合せと、それから僕の授業料じゅぎょうりょうぐらいをってみせる。実習は今日も苗代掘なわしろほりだった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
うつかりすつとちゝぎしまでへえるやうなふかばうえつとこぢやどうしたつて晩稻おくいねでなくつちやれるもんぢやねえな、それから役場やくば役人やくにん講釋かうしやくすつからふかばうぢやうだつちはなししたら
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「半作しかれない郷村は年貢御免になるそうな」
彩虹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あきになってれた野菜やさいは、みんなじょうできでありましたが、そのなかにも、大根だいこんは、ことによくできたのであります。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
王さまのすぐ下の裁判官さいばんかんの子もありましたし農商のうしょう大臣だいじんの子もました。また毎年じぶんの土地から十こく香油こうゆさえ長者ちょうじゃのいちばん目の子も居たのです。
もうこのころになると、この地方ちほうでは、いつあらしとなり、あられがってくるかしれません。百しょうは、せっせとはたけて、りいれをいそいでいました。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
高橋君のところは去年きょねん旱魃かんばつがいちばんひどかったそうだから今年はずいぶん難儀なんぎするだろう。それへくらべたらうちなんかは半分でもいくらでもれたのだからいい方だ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
農民一(考える)「すた、去年なも、ずいぶん雨降りだたんとも、ずいぶんゆぐれだます、まんつ、おらあだりでば大谷地中おおやぢうぢでおれのこれぁとったもの無ぃがったます。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざとれないふりをして、かくしておいた金剛石こんごうせきを、だれかがいきなりひっくりかえして、ばらまいたというふうに
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ねだんがやすくならないために、わざとれないふりをして、かくして置いた金剛石こんごうせきを、たれかがいきなりひっくりかえして、ばらいたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
二人がキャベジをるときは僕はいつでも見に行った。
黄いろのトマト (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)