道理だうり)” の例文
ちやんと勧善懲悪くわんぜんちようあく道理だうりがおわかりになるからかずに見てらつしやるのだ、其道理そのだうりわからなければ退屈たいくつして仕舞しまわけぢやアないか
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
て、」と、徐大盡じよだいじんひらいてめたも道理だうりおどろいたもはずで、いまうつくしいとびら模樣もやうは、おの美妻びさいねやなのであつた。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一つとおもへばうらみもる、なんれがつとめなり、ことにはれほどがらの相違さうゐもあることなればひとばいもある道理だうり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いやわたくし哲學者てつがくしやでもなんでもい。が、これ主張しゆちやうするのは、おほい各人かくじん義務ぎむだらうとおもふのです、これ道理だうりことで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
も待ず進み出御道理だうりの御尋問せがれ惣内は幼少えうせうの頃私しが毎度きうゑしによりて灸あとこれ有又子供同士の口論にかまきず
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さうだがね、此處ここまではなしがついてるんだから此方こつちでそれだけのことはれなくつちやれまでのことがみづあわなんだからね」と道理だうりかせても
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その瑣細ささい道理だうりふのはたとへば、眞赤まツかけた火箸ひばしながあひだつてると火傷やけどするとか、またゆび小刀ナイフごくふかると何時いつでもるとかふことです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
地寒ちかんのよわきとつよきとによりてこほりあつきうすきとのごとし。天に温冷熱をんれいねつの三さいあるは、人のはだへあたゝかにくひやゝ臓腑ざうふねつするとおな道理だうり也。気中きちゆう万物ばんぶつ生育せいいくこと/″\く天地の気格きかくしたがふゆゑ也。
それで日本にほんける賣値うりねやすくなる道理だうりであるがしか事實じじつ爲替相場かはせさうば騰貴とうきするだけ輸出品ゆしゆつひん賣値うりね低落ていらくするものではないのである。昨年さくねんぐわつ金解禁準備きんかいきんじゆんび着手以來ちやくしゆいらい生糸貿易きいとぼうえき實況じつきやうると
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
「お掛けになつてね。お好きなだけ何時までゞもお話しゝませう。そして道理だうりに合つたことでも合はないことでも、あなたの仰しやらなくてはならないことはすつかり聞かせていたゞきませう。」
物事ものごと道理だうりべんじてよく其本そのもとたづぬればすこしも不思儀ふしぎなることにあらず。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
人相にんさうわる望生ぼうせい。それが浴衣ゆかたがけに草鞋わらじ脚半きやはんかま萬鍬まんぐわつてる。東京とうきやうだとつたり、また品川しながはだともこたへる。あやしむのは道理だうりだ。それがまたいしるといふのだから、一そう巡査じゆんさあやしんで。
PAULパウル CLAUDELクラウデル が目をまはしたも道理だうり
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
さういふのも道理だうりだ。
自他の融合 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
不思議ふしぎ不思議ふしぎだ」といつたとてつたが不思議ふしぎであてにはならぬといふにはあらず、こゝの道理だうり噛分かみわけてさ、この七不思議なゝふしぎたまへや。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
首卷くびまきのはんけちにわかにかげして、途上とじよう默禮もくれいとも千ざい名譽めいよとうれしがられ、むすめもつおや幾人いくたり仇敵あだがたきおもひをさせてむこがねにとれも道理だうりなり
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あげても片便かただより若しや生別いきわかれにも成らんかと夫のみ心にかゝれりと袖に涙の玉霰たまあられ案事あんじくらすぞ道理だうりなり偖妹のお富は名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そりやア仁王門にわうもんだ、これから観音くわんおんさまのおだうだ。梅「道理だうりおほきいと思ひました……あゝ……あぶない。とおどろいて飛下とびさがる。近「フヽヽなんだい、みつともない、はとがゐるんだ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それにまあ本當ほんたういへばひと村落むらうしてるんだからさきこまつてるうち勘辨かんべんしてつたとると一しやうさきがひけて道理だうりだがそれが一ぱいつみにでもおとしてると
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いゝえ、てから、其上そのうへどく」かどくでないかをたしかめなくては』とひました、それとふのもあいちやんが、友達ともだちからをしへられた瑣細ささい道理だうりおぼえてなかつたため、野獸やじうころされたり
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
はふ道理だうり無茶苦茶むちやくちや犬畜生いぬちくしやうのやうなこゝろであらう、此樣このやうないたづらの畜生ちくしやうをば、御存ごぞんじのこととててんにもにもいかのやうに可愛かあいがつてくだすつて
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
負惜まけをしみをつたものゝ、家来けらいどもとかほ見合みあはせて、したいたも道理だうりあぶみ真中まんなかのシツペイのためにくぼんでた——とふのが講釈かうしやくぶんである。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ゆるし置者なりと御詫宣たくせん有けるとかやされば此畔倉重四郎も則ち是等の道理だうりに有んか前世の因縁いんねんも有しことなるかしかしながら是もたゞしばしうち斯る大惡不道も天のゆるしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へえー……河内屋かはちやさん……エーまア道理だうりこそ、此砂張このすばり建水こぼしがおまるといふのは、余程よほど嗜好者すきしやとはぞんじましたが……貴方あなた河内屋かはちやさんでございましたか……おもけないことで……。
道理だうりこそ、出入でいりをひとかくしてかたちせぬと、一晩あるばんさんが注進顏ちうしんがほで、てがららしくつたことおぼえてる。……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かまれて暖簾のれんはぢれゆゑぞもとたゞせば根分ねわけのきく親子おやこなからぬといふ道理だうりはなしよしらぬにせよるにせよそれは其方そなた御勝手ごかつてなり仇敵かたき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此方こちらしんからつくでもりやうにつては面白おもしろくなくえることもあらう、いさむさんだからとてとほもの道理だうり心得こゝろえた、利發りはつひとではあり隨分ずいぶん學者がくしやでもある
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うしてその時分じぶんぢやからといふて、滅多めツた人通ひとどほりのない山道やまみち朝顔あさがほいてるうちけぶり道理だうりもなし。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とかのぞたまふらんそはまた道理だうりなり君様きみさまつまばれんひと姿すがたあめしたつくして糸竹いとたけ文芸ぶんげいそなはりたるを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、にもつかぬことをうつかり饒舌しやべつた。靜岡しづをかまでくものが、濱松はままつ線路せんろびよう道理だうりがない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やみかすと、たかおほき坊主ばうずて、から三尺さんじやくばかりたかところちう胡座あぐらいたも道理だうりみぎは足代あじろんでいたわたしたうへ構込かまへこんで、らうことか、出家しゆつけくせ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たい土地とちはふみがたく、兀々こつ/\として月日つきひおくらねばならぬかとおもふに、のふさぐも道理だうりとせめては貴孃あなたでもあはれんでくれ給へ、可愛かわいさうなものではきかとふに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
夕間暮ゆふまぐれなるまゆかげびんもつれたが、目鼻立めはなだちも判明はつきりした、容色きりやうのいゝのを一目ひとめると、あつ、と其處そこ飛脚ひきやく尻餅しりもちいたも道理だうりこそ。一昨年をとゝしくなつた女房にようばうであつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
薄情はくじやうもの義理ぎりしらずとおしくるめてのおことば道理だうりなれど御無理ごむりなり此身このみひとつにとががあらばたれもせんかれもせんひざともといふ談合相手だんがふあひてあそばしてよとなみだながらひかへるたもと
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
意氣込いきごんではなしをすると——道理だうりこそ……三光社さんくわうしや境内けいだい大變たいへん赤蜻蛉あかとんぼで、あめ水溜みづたまりのあるところへ、びながらすい/\とりるのが一杯いつぱいで、うへ乘越のりこしさうでらなかつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平常つね道理だうりがよくわかひとではないか、しづめてかんがなほしてれ、植村うゑむらこと今更いまさらとりかへされぬことであるから、あとでもねんごろとぶらつてれば、おまへづから香花かうげでも手向たむければ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いかに、天變てんぺんさいいへども、はねえて道理だうりがない。畜生ちくしやうねずみ所業しわざ相違さうゐあるまい。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにきておんさげすみはづかしゝ、むつましかりしも道理だうり主從しうじゆうとはのみなりしならんなど、きみおもはれたてまつらん口惜くちをしさよ、これゆゑ雪三せつざうゆゑなり、松野まつの邪心じやしん一ツゆゑぞ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
道理だうりで、そこらの地内ちない横町よこちやうはひつても、つきとほしのかうがいで、つまつて、羽子はねいてるのが、こゑけはしなかつた。割前勘定わりまへかんぢやうすなは蕎麥屋そばやだ。とつても、まつうちだ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しゆう大事だいじつとめてれ、病氣やまひながくはるまじ、すこしよくば張弓はりゆみひきつゞいてあきなひもなる道理だうり、あゝ今半月いまはんつき今歳ことしすぎれば新年はることたるべし、何事なにごと辛棒しんぼう/\
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ついちかくは、ちかく、一昔前ひとむかしまへ矢張やつぱまへ道理だうりおいとしへだてないはずはないから、とをから三十までとしても、あひだはずとも二十ねんつのに、最初さいしよつたときから幾歳いくとせても
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あさこゝろそこはかとられまするうち御厭おいとはしさのたねまじるべし、かぎりもれずひろちてはみゝさへさへたま道理だうり有限あるかぎりだけのいへうち朝夕あさゆふものおもひのらで
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うでもよろしい、なんとなりあそばしませ、わたしわたしかんがとほりなことして、わるければわるくなれ、萬一まんいちよければそれこそまうものといふやうな無茶苦茶むちやくちや道理だうりけて、今頃いまごろわたしなにつてましたか
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
道理だうりこそ、てまへやとつてくれましたわかしうが、小蓑小路こみのこうぢまで、とまをしました。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はたしてさるゑないでる。もういまでは余程よつぽど年紀としであらう。すりや、さるのぢいさんだ。道理だうりで、かうた、ものゝわかつたやうな、そしてまじめで、けろりとした、めうかほをしてるんだ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いまねんのちたしとくるわがへりの若者わかものまをしき、大黒屋だいこくや美登利みどりとて生國せいこく紀州きしう言葉ことばのいさゝかなまれるも可愛かわゆく、だい一ははなれよき氣象きしやうよろこばぬひとなし、子供こども似合にあは銀貨ぎんくわれのおもきも道理だうり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それ道理だうりよ、かよはない、みやくもない、たましひのない、たかゞ木屑きくづ木像もくざうだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さとしもとより築山つきやまごしにをがむばかりのねがひならず、あはれ此君このきみ肺腑はいふりて秘密ひみつかぎにしたく、時機をりあれかしとつま待遠まちどほや、一月ひとつきばかりをあだくらしてちかづく便たよりのきこそは道理だうりなれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よしや深山みやまがくれでも天眞てんしんはないろ都人みやこびとゆかしがらする道理だうりなれば、このうへは優美ゆうびせいをやしなつてとくをみがくやうをしへ給へ、此地このちたりとてからさつぱり談合だんかうひざにもるまじきが
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おな道理だうりで、さかる/\鈴鹿すゞかくもる=といひ、あはせりたや足袋たびへて=ととなへる場合ばあひには、いづれもつかれやすめるのである、無益むえきなものおもひをすのである、むし苦勞くらうまぎらさうとするのである
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)