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おほき
ふりがな文庫
“
大
(
おほき
)” の例文
山家
(
やまが
)
あたりに
住
(
す
)
むものが、
邸中
(
やしきぢう
)
、
座敷
(
ざしき
)
まで
大
(
おほき
)
な
茸
(
きのこ
)
が
幾
(
いく
)
つともなく
出
(
で
)
て
祟
(
たゝ
)
るのに
困
(
こう
)
じて、
大峰
(
おほみね
)
葛城
(
かつらぎ
)
を
渡
(
わた
)
つた
知音
(
ちいん
)
の
山伏
(
やまぶし
)
を
頼
(
たの
)
んで
來
(
く
)
ると
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天上の最も
明
(
あきらか
)
なる星は
我手
(
わがて
)
に在りと言はまほしげに、紳士は彼等の
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て見ざりし
大
(
おほき
)
さの
金剛石
(
ダイアモンド
)
を飾れる
黄金
(
きん
)
の指環を
穿
(
は
)
めたるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
爪長
(
つめなが
)
く、
大
(
おほき
)
さは七
尺
(
しやく
)
乃至
(
ないし
)
一
丈
(
じやう
)
二三
尺
(
じやく
)
位
(
ぐら
)
いの
巨鳥
(
きよてう
)
が、
天日
(
てんじつ
)
も
暗
(
くら
)
くなる
迄
(
まで
)
夥
(
おびたゞ
)
しく
群
(
ぐん
)
をなして、
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
を
目懸
(
めが
)
けて、
襲
(
おそ
)
つて
來
(
き
)
たのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
景色
(
けしき
)
は
大
(
おほき
)
いが
變化
(
へんくわ
)
に
乏
(
とぼ
)
しいから
初
(
はじ
)
めての
人
(
ひと
)
なら
兔
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
自分
(
じぶん
)
は
既
(
すで
)
に
幾度
(
いくたび
)
か
此海
(
このうみ
)
と
此
(
この
)
棧道
(
さんだう
)
に
慣
(
な
)
れて
居
(
ゐ
)
るから
強
(
しひ
)
て
眺
(
なが
)
めたくもない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
法願
(
ほうぐわん
)
は
凍
(
こほ
)
り
相
(
さう
)
な
手
(
て
)
に
鉦
(
かね
)
を
提
(
さ
)
げてちらほらと
大
(
おほき
)
な
塊
(
かたまり
)
のやうな
姿
(
すがた
)
が
動
(
うご
)
いて
來
(
く
)
るまでは
力
(
ちから
)
の
限
(
かぎ
)
り
辻
(
つじ
)
に
立
(
た
)
つてかん/\と
叩
(
たゝ
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
『今日は、今日は』と
大
(
おほき
)
な声で続けざまに幾度も云ひましたが、やつぱり黙つて返事をしませんでした。今度は一人一人
仲のわるい姉妹
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
終
(
しまひ
)
には往生寺の山の上に登つて、
苅萱
(
かるかや
)
の墓の
畔
(
ほとり
)
に立ち乍ら、
大
(
おほき
)
な声を出して呼び叫んだ時代のことを憶出して見ると——実に一生の
光景
(
ありさま
)
は変りはてた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
尤
(
もっと
)
も
音色
(
ねいろ
)
が
美
(
うつく
)
しい
割
(
わり
)
に
毛並
(
けなみ
)
は
案外
(
あんがい
)
つまらない
鳥
(
とり
)
で、ある
時
(
とき
)
不図
(
ふと
)
近
(
ちか
)
くの
枝
(
えだ
)
にとまっているところを
見
(
み
)
ると、
大
(
おほき
)
さは
鳩位
(
はとぐらい
)
、
幾分
(
いくぶん
)
現界
(
げんかい
)
の
鷹
(
たか
)
に
似
(
に
)
て、
頚部
(
けいぶ
)
に
長
(
なが
)
い
毛
(
け
)
が
生
(
は
)
えていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
新坊は、常にない智恵子の此挙動に
喫驚
(
びつくり
)
して、泣くのは
礑
(
はた
)
と止めて不安相に
大
(
おほき
)
く眼を
睜
(
みは
)
つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
コレハ/\よく作られたと
賞揚
(
しやうやう
)
一
番
(
ばん
)
、その
後
(
あと
)
で
新詩
(
しんし
)
を
一律
(
いちりつ
)
また
贈
(
おく
)
られては、
再
(
ふたゝ
)
び胸に山を
築
(
きづ
)
く、こゝは
大
(
おほき
)
に
考
(
かんが
)
へもの、
面
(
まのあた
)
り
捧
(
さゝ
)
げずに遠く
紙上
(
しじやう
)
で
吹聴
(
ふいちやう
)
せば、先生
髯
(
ひげ
)
を
握
(
にぎ
)
りながら
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
えらう早く
来
(
き
)
たな、まだ
薄暗
(
うすぐら
)
いのに。金「エヘヽヽ
昨晩
(
さくばん
)
は
大
(
おほき
)
にお
喧
(
やか
)
ましうございます。坊「ウム
値切
(
ねぎつ
)
た人か、サ
此方
(
こつち
)
へ
這入
(
はい
)
んなさい。金「へい、
有難
(
ありがた
)
う。坊「
穏坊
(
をんばう
)
/\、見て
上
(
あ
)
げろ。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いやに
文字
(
もんじ
)
の
間
(
あひだ
)
をくツ付けて
模様
(
もやう
)
のやうに太く書いてある
名題
(
なだい
)
の
木札
(
きふだ
)
を
中央
(
まんなか
)
にして、その左右には
恐
(
おそろ
)
しく顔の
小
(
ちひさ
)
い、眼の
大
(
おほき
)
い、
指先
(
ゆびさき
)
の太い人物が、
夜具
(
やぐ
)
をかついだやうな
大
(
おほき
)
い着物を着て
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「蘇州府の柳を
囉
(
もらひ
)
、庭前にさしおき、活し申候。
大
(
おほき
)
になり、枝をきられ候時に至候はば進上可致候やと御伝へ可被下候。柳は早き物に候。来年あたりは被贈可申候。徳見茂四郎より囉申候。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
猪子
(
いぬしゝ
)
して
(
ママ
)
は
大
(
おほき
)
なものよ、
大方
(
おほかた
)
猪
(
いぬしゝ
)
ン
中
(
なか
)
の
王様
(
わうさま
)
が
彼様
(
あんな
)
三角形
(
さんかくなり
)
の
冠
(
かんむり
)
を
被
(
き
)
て、
市
(
まち
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
而
(
そ
)
して、
私
(
わたし
)
の
母様
(
おつかさん
)
の
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
を
通
(
とほ
)
るのであらう。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
うろうろしてゐるうちに、もう赤鬼は
大
(
おほき
)
な鉄の棒をついて向ふからやつて来ました。赤鬼は、それはそれは大きな声で
子供に化けた狐
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
『
今初
(
いまはじ
)
めた
計
(
ばか
)
りです。』と
言
(
い
)
ふ
中
(
うち
)
、
浮木
(
うき
)
がグイと
沈
(
しづ
)
んだから
合
(
あは
)
すと、
餌釣
(
ゑづり
)
としては、
中々
(
なか/\
)
大
(
おほき
)
いのが
上
(
あが
)
つた。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
日
(
ひ
)
がとつぷりと
暮
(
く
)
れた
時
(
とき
)
彼
(
かれ
)
は
道端
(
みちばた
)
へ
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
卸
(
おろ
)
した。
其處
(
そこ
)
には
畑
(
はたけ
)
の
周圍
(
まはり
)
に
一畝
(
ひとうね
)
づつに
作
(
つく
)
つた
蜀黍
(
もろこし
)
が
丈
(
たけ
)
高
(
たか
)
く
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
草刈籠
(
くさかりかご
)
がすつと
地上
(
ちじやう
)
にこける
時
(
とき
)
蜀黍
(
もろこし
)
の
大
(
おほき
)
な
葉
(
は
)
へ
觸
(
ふ
)
れてがさりと
鳴
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
眞正面
(
まつしやうめん
)
に、
凹字形
(
あふじけい
)
の
大
(
おほき
)
な
建
(
たて
)
ものが、
眞白
(
まつしろ
)
な
大軍艦
(
だいぐんかん
)
のやうに
朦朧
(
もうろう
)
として
顯
(
あらは
)
れました。と
見
(
み
)
ると、
怪
(
あや
)
し
火
(
び
)
は、
何
(
なん
)
と、ツツツと
尾
(
を
)
を
曳
(
ひ
)
きつゝ。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『かしこまりました』と椋鳥は、二人の姉妹に白い布で目隠しをして、
大
(
おほき
)
な椋の木の
空洞
(
うつろ
)
の前へつれてゆきました。
仲のわるい姉妹
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
老叟は
笑
(
わら
)
つて『
先
(
ま
)
づ
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
はるゝならそれでもよし、イザお
暇
(
いとま
)
を
仕
(
し
)
ましよう、
大
(
おほき
)
にお
邪魔
(
じやま
)
で
御座
(
ござ
)
つた』と
客間
(
きやくま
)
を出たので
雲飛
(
うんぴ
)
も
喜
(
よろこ
)
び
門
(
もん
)
まで
送
(
おく
)
り出て、内に
還
(
かへ
)
つて見ると
石
(
いし
)
が無い。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
怪我人
(
けがにん
)
は
醫者
(
いしや
)
の
前
(
まへ
)
へ
出
(
で
)
ると
恐怖
(
きようふ
)
に
襲
(
おそ
)
はれたやうに
俄
(
にはか
)
に
鳴咽
(
をえつ
)
した。
醫者
(
いしや
)
は
横
(
よこ
)
に
膨
(
ふく
)
れた
大
(
おほき
)
な
身體
(
からだ
)
でゆつたりと
胡坐
(
あぐら
)
をかいた
儘
(
まゝ
)
怪我人
(
けがにん
)
の
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
捲
(
まく
)
つて
見
(
み
)
た。
怪我人
(
けがにん
)
の
上膊
(
じやうはく
)
が
挫折
(
ざせつ
)
してぶらりと
垂
(
た
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
鼻
(
はな
)
の
円
(
まる
)
い、
額
(
ひたひ
)
の
広
(
ひろ
)
い、
口
(
くち
)
の
大
(
おほき
)
い、……
其
(
そ
)
の
顔
(
かほ
)
を、
然
(
しか
)
も
厭
(
いや
)
な
色
(
いろ
)
の
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えたので、
暗夜
(
やみ
)
に
見
(
み
)
ました。……
坊主
(
ばうず
)
は
狐火
(
きつねび
)
だ、と
言
(
い
)
つたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出世すると云はれて、二人の
大
(
おほき
)
くみひらいた眼には、一層喜びの色があらはれました。
虹の橋
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
『これは
異
(
い
)
なことを
言
(
い
)
はるゝものじや、あんな
大
(
おほき
)
な
石
(
いし
)
が
如何
(
どう
)
して
袂
(
たもと
)
へ
入
(
はひ
)
る
筈
(
はず
)
がない』と
老人
(
ろうじん
)
に言はれて見ると、
袖
(
そで
)
は
輕
(
かる
)
く
風
(
かぜ
)
に
飄
(
ひるが
)
へり、手には一本の
長
(
なが
)
い
杖
(
つゑ
)
を
持
(
もつ
)
ばかり、
小石
(
こいし
)
一つ持て居ないのである。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
温泉
(
いでゆ
)
は、やがて
一浴
(
いちよく
)
した。
純白
(
じゆんぱく
)
な
石
(
いし
)
を
疊
(
たゝ
)
んで、
色紙形
(
しきしがた
)
に
大
(
おほき
)
く
湛
(
たゝ
)
へて、
幽
(
かす
)
かに
青味
(
あをみ
)
を
帶
(
お
)
びたのが、
入
(
はひ
)
ると、
颯
(
さつ
)
と
吹溢
(
ふきこぼ
)
れて
玉
(
たま
)
を
散
(
ち
)
らして
潔
(
いさぎよ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『土の中でうたつてるのは誰?』とみつ子さんと千代子さんが
大
(
おほき
)
な声で云ひますと
少女と海鬼灯
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
……
其
(
そ
)
の
毎
(
たび
)
に、
銀杏返
(
いてふがへし
)
の
黒
(
くろ
)
い
頭
(
あたま
)
が、
縦横
(
たてよこ
)
に
激
(
はげ
)
しく
振
(
ふ
)
れて、まん
円
(
まる
)
い
顔
(
かほ
)
のふら/\と
忙
(
せは
)
しく
廻
(
まは
)
るのが、
大
(
おほき
)
な
影法師
(
かげばうし
)
に
成
(
な
)
つて、
障子
(
しやうじ
)
に
映
(
うつ
)
る……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、
此
(
こ
)
の
沼
(
ぬま
)
は、
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて、お
考
(
かんが
)
へに
成
(
な
)
るほど
大
(
おほき
)
なものではないのです。
然
(
さ
)
うかと
云
(
い
)
つて、
向
(
むか
)
う
岸
(
ぎし
)
とさし
向
(
むか
)
つて
聲
(
こゑ
)
が
屆
(
とゞ
)
くほどは
小
(
ちひ
)
さくない。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大
(
おほき
)
な
像
(
ざう
)
で、
飯
(
めし
)
の
時
(
とき
)
なんぞ、
並
(
なら
)
んで
坐
(
すは
)
る、と
七才
(
なゝつ
)
の
年
(
とし
)
の
私
(
わたくし
)
の
芥子坊主
(
けしばうず
)
より、づゝと
上
(
うへ
)
に、
髪
(
かみ
)
の
垂
(
さが
)
つた
島田
(
しまだ
)
の
髷
(
まげ
)
が
見
(
み
)
えたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
塀
(
へい
)
から
押
(
おつ
)
かぶさりました、
其
(
そ
)
の
大
(
おほき
)
な
椎
(
しひ
)
の
樹
(
き
)
の
下
(
した
)
に
立
(
た
)
つて、
半紙
(
はんし
)
四
(
よ
)
つ
切
(
ぎ
)
りばかりの
縱長
(
たてなが
)
い——
膏藥
(
かうやく
)
でせう——
其
(
それ
)
を
提灯
(
ちやうちん
)
の
上
(
うへ
)
へ
翳
(
かざ
)
して、はツはツ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『えゝ、
大
(
おほき
)
な
声
(
こゑ
)
をさつしやりますな、
聞
(
き
)
こえるがのエ』と、
蒼
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
して、
其
(
そ
)
の
男
(
をとこ
)
は、
足許
(
あしもと
)
を
樹
(
き
)
の
梢
(
こずゑ
)
から
透
(
す
)
いて
見
(
み
)
える、
燈
(
ともしび
)
の
影
(
かげ
)
を
指
(
ゆびさ
)
したんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時間
(
じかん
)
の
都合
(
つがふ
)
で、
今日
(
けふ
)
はこちらへは
御不沙汰
(
ごぶさた
)
らしい。が、この
川
(
かは
)
を
向
(
むか
)
うへ
渡
(
わた
)
つて、
大
(
おほき
)
な
材木堀
(
ざいもくぼり
)
を
一
(
ひと
)
つ
越
(
こ
)
せば、
淨心寺
(
じやうしんじ
)
——
靈巖寺
(
れいがんじ
)
の
巨刹
(
きよさつ
)
名山
(
めいざん
)
がある。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
畜生
(
ちくしやう
)
、)といつたが
馬
(
うま
)
は
出
(
で
)
ないわ。びく/\と
蠢
(
うごめ
)
いて
見
(
み
)
える
大
(
おほき
)
な
鼻面
(
はなツつら
)
を
此方
(
こちら
)
へ
捻
(
ね
)
ぢ
向
(
む
)
けて
頻
(
しきり
)
に
私等
(
わしら
)
が
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
る
様子
(
やうす
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
怪火
(
あやしび
)
に
映
(
うつ
)
る、
其
(
そ
)
の
大瀧
(
おほだき
)
の
雪
(
ゆき
)
は、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
なる、ヅツンと
重
(
おも
)
い、
大
(
おほき
)
な
山
(
やま
)
の
頂
(
いたゞき
)
から
一雪崩
(
ひとなだ
)
れに
落
(
お
)
ちて
來
(
く
)
るやうにも
見
(
み
)
えました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
大
(
おほき
)
な
蛤
(
はまぐり
)
、
十
(
と
)
ウばかり。(
註
(
ちう
)
、ほんたうは
三個
(
さんこ
)
)として、
蜆
(
しゞみ
)
も
見事
(
みごと
)
だ、
碗
(
わん
)
も
皿
(
さら
)
もうまい/\、と
慌
(
あわ
)
てて
瀬戸
(
せと
)
ものを
噛
(
かじ
)
つたやうに、
覺
(
おぼ
)
えがきに
記
(
しる
)
してある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
広
(
ひろ
)
ツ
場
(
ぱ
)
でも
目
(
め
)
の
及
(
およ
)
ぶ
限
(
かぎり
)
芥子粒
(
けしつぶ
)
ほどの
大
(
おほき
)
さの
売薬
(
ばいやく
)
の
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
ないで、
時々
(
とき/″\
)
焼
(
や
)
けるやうな
空
(
そら
)
を
小
(
ちひ
)
さな
虫
(
むし
)
が
飛歩行
(
とびある
)
いた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
最
(
も
)
う
目貫
(
めぬき
)
の
町
(
まち
)
は
過
(
す
)
ぎた、
次第
(
しだい
)
に
場末
(
ばすゑ
)
、
町端
(
まちはづ
)
れの——と
言
(
い
)
ふとすぐに
大
(
おほき
)
な
山
(
やま
)
、
嶮
(
けはし
)
い
坂
(
さか
)
に
成
(
な
)
ります——あたりで。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
葡萄色
(
ぶだういろ
)
に
藍
(
あゐ
)
がかつて、づる/\と
蔓
(
つる
)
に
成
(
な
)
つて、
葉
(
は
)
は
蓮
(
はす
)
の
葉
(
は
)
に
肖如
(
そつくり
)
で、
古沼
(
ふるぬま
)
に
化
(
ば
)
けもしさうな
大
(
おほき
)
な
蓴菜
(
じゆんさい
)
の
形
(
かたち
)
である。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女中
(
ぢよちう
)
も
一荷
(
ひとに
)
背負
(
しよ
)
つてくれようとする
處
(
ところ
)
を、
其處
(
そこ
)
が
急所
(
きふしよ
)
だと
消口
(
けしぐち
)
を
取
(
と
)
つた
處
(
ところ
)
から、
再
(
ふたゝ
)
び
猛然
(
まうぜん
)
として
煤
(
すゝ
)
のやうな
煙
(
けむり
)
が
黒焦
(
くろこ
)
げに
舞上
(
まひあが
)
つた。
渦
(
うづ
)
も
大
(
おほき
)
い。
幅
(
はゞ
)
も
廣
(
ひろ
)
い。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
門
(
もん
)
が、
又
(
また
)
……
貴方
(
あなた
)
、
表
(
おもて
)
でもなければ
潛
(
くゞ
)
りでもなくつて、
土塀
(
どべい
)
へついて
一𢌞
(
ひとまは
)
り
𢌞
(
まは
)
りました、
大
(
おほき
)
な
椎
(
しひ
)
の
樹
(
き
)
があります、
裏門
(
うらもん
)
で
木戸口
(
きどぐち
)
だつたと
申
(
まを
)
すんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
よくある
習
(
ならひ
)
で——
醫師
(
いしや
)
の
手
(
て
)
ぬかり、
看護婦
(
かんごふ
)
の
不深切
(
ふしんせつ
)
。
何
(
なん
)
でも
病院
(
びやうゐん
)
の
越度
(
をちど
)
と
思
(
おも
)
つて、
其
(
それ
)
が
口惜
(
くや
)
しさに、もの
狂
(
ぐる
)
はしく
大
(
おほき
)
な
建
(
たて
)
ものを
呪詛
(
のろ
)
つて
居
(
ゐ
)
るんだらう。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
古風
(
こふう
)
な、
薄
(
うす
)
い、
小
(
ちひ
)
さな
髷
(
まげ
)
に
結
(
ゆ
)
つたのが、
唐銅
(
からかね
)
の
大
(
おほき
)
な
青光
(
あをびか
)
りのする
轆轤
(
ろくろ
)
に
井戸繩
(
ゐどなは
)
が、づつしり……
石築
(
いしづき
)
の
掘井戸
(
ほりゐど
)
。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
の、のびやかなあたりを、
早足
(
はやあし
)
に
急
(
いそ
)
いで
歸
(
かへ
)
るのに、
途中
(
とちう
)
で
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つて
岸
(
きし
)
が
違
(
ちが
)
つて、
石垣
(
いしがき
)
つゞきの
高塀
(
たかべい
)
について、
打
(
ぶ
)
つかりさうに
大
(
おほき
)
な
黒
(
くろ
)
い
門
(
もん
)
を
見
(
み
)
た。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
(
み
)
えますとも、
乾溝
(
からどぶ
)
の
背後
(
うしろ
)
がずらりと
垣根
(
かきね
)
で、
半分
(
はんぶん
)
折
(
を
)
れた
松
(
まつ
)
の
樹
(
き
)
の
大
(
おほき
)
な
根
(
ね
)
が
這出
(
はひだ
)
して
居
(
ゐ
)
ます。
其
(
その
)
前
(
まへ
)
に、
束
(
つく
)
ねた
黒土
(
くろつち
)
から
蒸氣
(
いきれ
)
の
立
(
た
)
つやうな
形
(
かたち
)
で
居
(
ゐ
)
るんですよ。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜
(
よ
)
があけたわ、
顔
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
つたわ、
旅館
(
りよくわん
)
の
縁側
(
えんがは
)
から、
築山
(
つきやま
)
に
松
(
まつ
)
の
生
(
は
)
へたのが
幾
(
いく
)
つも
霞
(
かすみ
)
の
中
(
なか
)
に
浮
(
う
)
いて
居
(
ゐ
)
る、
大
(
おほき
)
な
池
(
いけ
)
を
視
(
なが
)
めて、いゝなあと
言
(
い
)
つたつて、それまでだ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
同町内
(
どうちやうない
)
の
瀧君
(
たきくん
)
に、ひと
俵
(
たはら
)
贈
(
おく
)
らうかな、……
水上
(
みなかみ
)
さんは
大
(
おほき
)
な
目
(
め
)
をして、
二七
(
にしち
)
の
縁日
(
えんにち
)
に
金魚藻
(
きんぎよも
)
を
探
(
さが
)
して
行
(
ゆ
)
く。……
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
藪
(
やぶ
)
のあるのは
旧
(
もと
)
大
(
おほき
)
いお
邸
(
やしき
)
の
医者様
(
いしやさま
)
の
跡
(
あと
)
でな、
此処等
(
こゝいら
)
はこれでも一ツの
村
(
むら
)
でがした、十三
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
の
大水
(
おほみづ
)
の
時
(
とき
)
、から一
面
(
めん
)
に
野良
(
のら
)
になりましたよ、
人死
(
ひとじに
)
もいけえこと。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
其處
(
そこ
)
から
膝
(
ひざ
)
に
手
(
て
)
を
組
(
く
)
んで、
枕許
(
まくらもと
)
へふら/\と、
下
(
お
)
りたんです。
其
(
そ
)
の
脇
(
わき
)
の
下
(
した
)
の
兩方
(
りやうはう
)
を、
背後
(
うしろ
)
から
何
(
なん
)
ですか、
大
(
おほき
)
な
黒
(
くろ
)
い
手
(
て
)
が
二
(
ふた
)
ツ
出
(
で
)
て、
据
(
す
)
ゑて
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
たんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
母様
(
おつかさん
)
。だつて、
大
(
おほき
)
いんだもの、そして
三角形
(
さんかくなり
)
の
冠
(
かんむり
)
を
被
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ました。さうだけれども、
王様
(
わうさま
)
だけれども、
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
るからねえ、びしよぬれになつて、
可哀想
(
かあいさう
)
だつたよ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
はるかに
歩行
(
ある
)
いて
又
(
また
)
門
(
もん
)
あり。
畫棟彫梁
(
ぐわとうてうりやう
)
虹
(
にじ
)
の
如
(
ごと
)
し。さて
中
(
なか
)
へ
入
(
はひ
)
ると、
戸
(
と
)
が
一
(
ひと
)
ツ。
雲
(
くも
)
の
扉
(
とびら
)
に
月
(
つき
)
が
開
(
ひら
)
く。
室内
(
しつない
)
に、
其
(
そ
)
の
大
(
おほき
)
さ
釣鐘
(
つりがね
)
の
如
(
ごと
)
き
香爐
(
かうろ
)
が
据
(
すわ
)
つて、
霞
(
かすみ
)
の
如
(
ごと
)
き
香
(
かう
)
を
吹
(
ふ
)
いた。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
“大”を含む語句
大丈夫
大人
大概
大海
大洋
大神
大方
大切
大家
大分
大通
大臣
大変
大将
大根
大嫌
大地
大略
大王
大食
...