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二階
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にかい
ふりがな文庫
“
二階
(
にかい
)” の例文
また
二階
(
にかい
)
には
家々
(
いへ/\
)
の
道具類
(
どうぐるい
)
が、あるひは
織
(
お
)
り
物
(
もの
)
あるひは
木器
(
もくき
)
あるひは
陶器
(
とうき
)
といふように
種類
(
しゆるい
)
をわけて
見
(
み
)
られるようにしてあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
三階
(
さんがい
)
に
居合
(
ゐあは
)
せた
人
(
ひと
)
が、
階下
(
かいか
)
を
通
(
とほ
)
ることの
危險
(
きけん
)
を
侵
(
おか
)
してまで
屋外
(
おくがい
)
に
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
さうとする
不見識
(
ふけんしき
)
な
行動
(
こうどう
)
は
排斥
(
はいせき
)
すべきである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ひとへに
寄縋
(
よりすが
)
る、
薄暗
(
うすぐら
)
い、
消
(
き
)
えさうに、ちよろ/\またゝく……
燈
(
あかり
)
と
言
(
い
)
つては
此
(
この
)
一點
(
ひとつ
)
で、
二階
(
にかい
)
も
下階
(
した
)
も
臺所
(
だいどころ
)
も
内中
(
うちぢう
)
は
眞暗
(
まつくら
)
である。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
必
(
かなら
)
ず
朝夕
(
てうせき
)
の
餘暇
(
よか
)
には、
二階
(
にかい
)
の
窓
(
まど
)
より、
家外
(
かぐわい
)
の
小丘
(
せうきう
)
より、また
海濱
(
かいひん
)
の
埠頭
(
はとば
)
より、
籠手
(
こて
)
を
翳
(
かざ
)
して
遙
(
はる
)
かなる
海上
(
かいじやう
)
を
觀望
(
くわんぼう
)
せられん
事
(
こと
)
を。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
雑誌も
既
(
すで
)
に
売品
(
ばいひん
)
と
成
(
な
)
つた
以上
(
いじやう
)
は、
売捌
(
うりさばき
)
の
都合
(
つがふ
)
や
何
(
なに
)
や
彼
(
か
)
やで店らしい者が無ければならぬ、
因
(
そこ
)
で
酷算段
(
ひどさんだん
)
をして
一軒
(
いつけん
)
借
(
か
)
りて、
二階
(
にかい
)
を
編輯室
(
へんしうしつ
)
、下を
応接所
(
おうせつしよ
)
兼
(
けん
)
売捌場
(
うりさばきぢやう
)
に
充
(
あ
)
てゝ
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
先方
(
せんぱう
)
では
貴顕
(
きけん
)
のお
客様
(
きやくさま
)
ですから
丁寧
(
ていねい
)
の
取扱
(
とりあつか
)
ひでございましてお
上
(
かみ
)
の
方
(
かた
)
はお
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
奥座敷
(
おくざしき
)
といふので
私
(
わたくし
)
は
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
のお荷物の中の
少々
(
せう/\
)
ばかりの
明地
(
あきち
)
へ
寐
(
ね
)
かして
頂
(
いたゞ
)
く事に
相
(
あひ
)
なりました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
例
(
れい
)
の
酒癖
(
しゆへき
)
何處
(
どこ
)
の
店
(
みせ
)
にか
醉
(
ゑ
)
ひ
倒
(
たふ
)
れて
寢入
(
ねい
)
りても
仕舞
(
しまひ
)
しものかそれなればいよいよ
困
(
こま
)
りしことなり
家
(
うち
)
にても
嘸
(
さぞ
)
お
案
(
あん
)
じ
此家
(
こゝ
)
へも
亦
(
また
)
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なり
何
(
なに
)
とせんと
思
(
おも
)
ふ
程
(
ほど
)
より
積
(
つも
)
る
雪
(
ゆき
)
いとゞ
心細
(
こゝろぼそ
)
く
燭涙
(
しよくるゐ
)
ながるゝ
表
(
おもて
)
二階
(
にかい
)
に
一人
(
ひとり
)
取殘
(
とりのこ
)
されし
新田
(
につた
)
のお
高
(
たか
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其夏の事なりし
師匠
(
ししやう
)
感應院の
供
(
とも
)
して和歌山の城下なる
藥種屋市右衞門
(
やくしゆやいちゑもん
)
方へ參りけるに感應院は
奧
(
おく
)
にて祈祷の内寶澤は
店
(
みせ
)
に來り
番頭
(
ばんとう
)
若者も
皆
(
みな
)
心安
(
こゝろやす
)
ければ
種々
(
さま/″\
)
の
咄
(
はなし
)
などして居たり
然
(
しか
)
るに此日は藥種屋にて土藏の
蟲干
(
むしぼし
)
なりければ寶澤も
藏
(
くら
)
の
二階
(
にかい
)
へ上りて見物せしが
遂
(
つひ
)
に見も
慣
(
なれ
)
ざる品を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
塾
(
じゆく
)
の
山田
(
やまだ
)
は、
湯
(
ゆ
)
に
行
(
い
)
つて、
教場
(
けうぢやう
)
にも
二階
(
にかい
)
にも
誰
(
たれ
)
も
居
(
を
)
らず、
物音
(
ものおと
)
もしなかつた。
枕頭
(
まくらもと
)
へ……ばたばたといふ
跫音
(
あしおと
)
、ものの
近寄
(
ちかよ
)
る
氣勢
(
けはひ
)
がする。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二階
(
にかい
)
に
稍
(
や
)
や
體裁
(
ていさい
)
よき
三個
(
みつつ
)
の
室
(
へや
)
、
其
(
その
)
一室
(
ひとま
)
の
窓
(
まど
)
に、
白
(
しろ
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
が
風
(
かぜ
)
に
搖
(
ゆる
)
いで
居
(
を
)
る
所
(
ところ
)
は、
確
(
たしか
)
に
大佐
(
たいさ
)
の
居間
(
ゐま
)
と
思
(
おも
)
はるゝ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もし
階數
(
かいすう
)
が
七
(
なゝ
)
つ
八
(
や
)
つ、
高
(
たか
)
さが
百尺
(
ひやくしやく
)
程度
(
ていど
)
のものならば、
二階
(
にかい
)
三階
(
さんがい
)
或
(
あるひ
)
は
四階建
(
しかいだて
)
に
傷
(
いた
)
みが
最
(
もつと
)
も
著
(
いちじる
)
しいようである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
お
客
(
きやく
)
さまはお
二階
(
にかい
)
なりといふ
伴
(
ともな
)
はるゝ
梯子
(
はしご
)
の
一段
(
いちだん
)
又
(
また
)
一段
(
いちだん
)
浮世
(
うきよ
)
の
憂
(
う
)
きといふ
事
(
こと
)
知
(
し
)
らで
昇
(
のぼ
)
り
降
(
くだ
)
りせしこともありし
其時
(
そのとき
)
の
酌取
(
しやくと
)
り
女
(
をんな
)
我
(
わ
)
が
前
(
まへ
)
離
(
はな
)
れず
喋々
(
てふ/\
)
しく
欵待
(
もてな
)
したるが
彼
(
か
)
の
女
(
をんな
)
もし
居
(
を
)
らば
彌々
(
いよ/\
)
面目
(
めんぼく
)
なき
限
(
かぎ
)
りなり
其頃
(
そのころ
)
の
朋友
(
とも
)
今
(
いま
)
も
遊
(
あそ
)
びに
來
(
こ
)
んは
定
(
ぢやう
)
の
物
(
もの
)
何
(
なに
)
ぞのは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
理學士
(
りがくし
)
は
言掛
(
いひか
)
けて、
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
を
視
(
み
)
て、
而
(
そ
)
して
四邊
(
あたり
)
を
見
(
み
)
た。
恁
(
か
)
うした
店
(
みせ
)
の
端近
(
はしぢか
)
は、
奧
(
おく
)
より、
二階
(
にかい
)
より、
却
(
かへ
)
つて
椅子
(
いす
)
は
閑
(
しづか
)
であつた——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『それより
急
(
いそ
)
ぎ
新客
(
しんきやく
)
の
部室
(
へや
)
の
仕度
(
したく
)
をせよ、
部室
(
へや
)
は
二階
(
にかい
)
の
第二號室
(
だいにがうしつ
)
——
余
(
よ
)
の
讀書室
(
どくしよしつ
)
を
片付
(
かたづ
)
けて——。』と。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
當時
(
とうじ
)
二人
(
ふたり
)
とも
木造家屋
(
もくぞうかおく
)
の
二階
(
にかい
)
にをられたので、
下敷
(
したじき
)
になりながら
小屋組
(
こやぐみ
)
の
空所
(
くうしよ
)
に
挾
(
はさ
)
まり、
無難
(
ぶなん
)
に
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されたが、
階下
(
かいか
)
にゐた
家扶
(
かふ
)
は
主人夫婦
(
しゆじんふうふ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
案
(
あん
)
じながら
辛
(
から
)
うじて
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「それでも
階下
(
した
)
ばかりだもの。——
二階
(
にかい
)
は
天井
(
てんじやう
)
の
上
(
うへ
)
だらう、
空
(
そら
)
に
近
(
ちか
)
いんだからね、
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
には
何
(
なに
)
が
居
(
ゐ
)
るか
知
(
し
)
れません。……」
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
座敷
(
ざしき
)
は——こんな
貸家建
(
かしやだて
)
ぢやありません。
壁
(
かべ
)
も、
床
(
ゆか
)
も、
皆
(
みな
)
彩色
(
さいしき
)
した
石
(
いし
)
を
敷
(
し
)
いた、
明放
(
あけはな
)
した
二階
(
にかい
)
の
大廣間
(
おほひろま
)
、
客室
(
きやくま
)
なんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もの
干越
(
ほしごし
)
に、
蓑
(
みの
)
を
着
(
き
)
て
渡
(
わた
)
りたい
銀河
(
あまのがは
)
のやうに
隅田川
(
すみだがは
)
が
見
(
み
)
えるのに、
葉
(
は
)
が
茂
(
しげ
)
る
頃
(
ころ
)
は
燕
(
つばくろ
)
の
羽
(
は
)
ほどの
帆
(
ほ
)
も、ために
遮
(
さへぎ
)
られて、
唯吉
(
たゞきち
)
の
二階
(
にかい
)
から
隱
(
かく
)
れて
行
(
ゆ
)
く。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯
(
たゞ
)
姿
(
すがた
)
だけ
見
(
み
)
せれば
可
(
い
)
い。
温泉宿
(
ゆのやど
)
の
二階
(
にかい
)
は
高
(
たか
)
し。あの
欄干
(
らんかん
)
から
飛込
(
とびこ
)
ませろ、……
女房
(
にようばう
)
は
帰
(
かへ
)
らぬぞ、
女房
(
にようばう
)
は
帰
(
かへ
)
らぬぞ、と
羽
(
はね
)
で
天井
(
てんじやう
)
をばさばさ
遣
(
や
)
らせろ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月
(
つき
)
の
冴
(
さ
)
ゆる
夜
(
よ
)
は、
峰
(
みね
)
に
向
(
むか
)
つた
二階
(
にかい
)
の
縁
(
えん
)
の
四枚
(
よまい
)
の
障子
(
しやうじ
)
に、それか、あらぬか、
松影
(
まつかげ
)
射
(
さ
)
しぬ……
戸袋
(
とぶくろ
)
かけて
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
へ。……
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
第一
(
だいいち
)
、
二階
(
にかい
)
の
其窓
(
そのまど
)
にも、
階下
(
した
)
の
縁先
(
えんさき
)
にも、とり/″\に
風情
(
ふぜい
)
を
添
(
そ
)
へる、
岐阜提灯
(
ぎふぢやうちん
)
と、
鐵燈籠
(
かなどうろう
)
、
簾
(
すだれ
)
と
葭簀
(
よしず
)
の
涼
(
すゞ
)
しい
色
(
いろ
)
。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
若
(
わか
)
いものを
連
(
つ
)
れて、どたばた
引上
(
ひきあ
)
げる
時分
(
じぶん
)
には、
部屋
(
へや
)
の
前
(
まへ
)
から
階子段
(
はしごだん
)
の
上
(
うへ
)
へ
掛
(
か
)
けて、
女中
(
ぢよちゆう
)
まじりに、
人立
(
ひとだ
)
ちがするくらゐ、
二階
(
にかい
)
も
下
(
した
)
も
何
(
なに
)
となく
騒
(
さは
)
ぎ
立
(
た
)
つ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
その
)
身体
(
からだ
)
の
色
(
いろ
)
ばかりが
其
(
それ
)
である、
小鳥
(
ことり
)
ではない、ほん
とう
(
ママ
)
の
可愛
(
かあい
)
らしい、うつくしいのがちやうどこんな
工合
(
ぐあひ
)
に
朱塗
(
しゆぬり
)
の
欄干
(
らんかん
)
のついた
二階
(
にかい
)
の
窓
(
まど
)
から
見
(
み
)
えたさうで。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
つい
目
(
め
)
と
鼻
(
はな
)
の
間
(
あひだ
)
にある……
其處
(
そこ
)
に
居
(
ゐ
)
て、
人
(
ひと
)
が
一人
(
ひとり
)
、
燈
(
あかり
)
も
置
(
お
)
かず、
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
から、
此方
(
こなた
)
の
二階
(
にかい
)
を、
恁
(
か
)
う、
窓
(
まど
)
越
(
こ
)
しに
透
(
す
)
かすやうにして
涼
(
すゞ
)
むらしい
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えた
事
(
こと
)
である。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
五月雨
(
さみだれ
)
の
陰氣
(
いんき
)
な
一夜
(
あるよ
)
、
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
から
飛蒐
(
とびかゝ
)
るやうなけたゝましい
跫音
(
あしおと
)
がして、
格子
(
かうし
)
をがらりと
突開
(
つきあ
)
けたと
思
(
おも
)
ふと、
神樂坂下
(
かぐらざかした
)
の
其
(
そ
)
の
新宅
(
しんたく
)
の
二階
(
にかい
)
へ、いきなり
飛上
(
とびあが
)
つて
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……お
二階
(
にかい
)
の
病床
(
びやうしやう
)
を、
久
(
ひさ
)
しぶりで、
下階
(
した
)
の
八疊
(
はちでふ
)
の
縁
(
えん
)
さきで、
風
(
かぜ
)
冷
(
ひやゝ
)
かな
秋晴
(
あきばれ
)
に、
湯
(
ゆ
)
どうふを
召
(
あ
)
がりながら
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
頃
(
ころ
)
階下
(
した
)
に
居
(
ゐ
)
た
學生
(
がくせい
)
さんが、みし/\と
二階
(
にかい
)
へ
來
(
く
)
ると、
寢床
(
ねどこ
)
だつた
私
(
わたし
)
の
枕
(
まくら
)
もとで
大息
(
おほいき
)
をついて
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二階
(
にかい
)
が、また
二階
(
にかい
)
が
見
(
み
)
える。
黒
(
くろ
)
い
柱
(
はしら
)
に、
煤
(
すゝ
)
け
行燈
(
あんどん
)
。
木賃
(
きちん
)
御泊宿
(
おとまりやど
)
——
内湯
(
うちゆ
)
あり——と、
雨
(
あま
)
ざらしに
成
(
な
)
つたのを、
恁
(
か
)
う……
見
(
み
)
ると、
今
(
いま
)
めかしき
事
(
こと
)
ながら、
芭蕉
(
ばせを
)
が
奧
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
に……
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おい
山田
(
やまだ
)
下
(
お
)
りて
來
(
こ
)
い、と
二階
(
にかい
)
を
大聲
(
おほごゑ
)
で
呼
(
よ
)
ぶと、ワツといひさま、けたゝましく、
石垣
(
いしがき
)
が
崩
(
くづ
)
れるやうにがたびしと
駈
(
か
)
け
下
(
お
)
りて、
私
(
わたし
)
の
部屋
(
へや
)
へ
一所
(
いつしよ
)
になつた。いづれも
一言
(
ひとこと
)
もなし。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
洵
(
まこと
)
は、
兩側
(
りやうがは
)
にまだ
家
(
いへ
)
のありました
頃
(
ころ
)
は、——
中
(
なか
)
に
旅籠
(
はたご
)
も
交
(
まじ
)
つて
居
(
ゐ
)
ます——
一面識
(
いちめんしき
)
はなくつても、
同
(
おな
)
じ
汽車
(
きしや
)
に
乘
(
の
)
つた
人
(
ひと
)
たちが、
疎
(
まばら
)
にも、それ/″\の
二階
(
にかい
)
に
籠
(
こも
)
つて
居
(
ゐ
)
るらしい
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
下
(
した
)
にありける
露地
(
ろぢ
)
の
家
(
いへ
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んで……
打倒
(
うちたふ
)
れけるかはりに、
二階
(
にかい
)
へ
駈上
(
かけあが
)
つたものである。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
例年
(
れいねん
)
だと、その
薄
(
すゝき
)
を、
高樓
(
たかどの
)
——もちとをかしいが、この
家
(
いへ
)
で
二階
(
にかい
)
だから
高
(
たか
)
いにはちがひない。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雨戸
(
あまど
)
をおしめに
成
(
な
)
らんと
不可
(
いけ
)
ません。
些
(
ちつ
)
と
火
(
ひ
)
の
粉
(
こ
)
が
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
ました。あれ、
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
を
飛
(
と
)
びます。……あれがお
二階
(
にかい
)
へ
入
(
はひ
)
りますと、まつたく
危
(
あぶな
)
うございますで、ございますよ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先刻
(
さつき
)
、もしも、
二階
(
にかい
)
の
欄干
(
らんかん
)
で、
思
(
おも
)
ひがけず
目
(
め
)
に
着
(
つ
)
いた
唯
(
たゞ
)
一匹
(
いつぴき
)
がないとすると、
私
(
わたし
)
は
此
(
こ
)
の
幾千萬
(
いくせんまん
)
とも
數
(
すう
)
の
知
(
し
)
れない
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
のすべてを、
全體
(
ぜんたい
)
を、まるで
知
(
し
)
らないで
了
(
しま
)
つたであらう。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「もうそつちへ
行
(
ゆ
)
くわ、
靴
(
くつ
)
だから
足
(
あし
)
が
早
(
はや
)
い。」「
心得
(
こゝろえ
)
た。」
下
(
した
)
のさか
道
(
みち
)
の
曲
(
まが
)
れるを、
二階
(
にかい
)
から
突切
(
つきき
)
るのは
河川
(
かせん
)
の
彎曲
(
わんきよく
)
を
直角
(
ちよくかく
)
に、
港
(
みなと
)
で
船
(
ふね
)
を
扼
(
やく
)
するが
如
(
ごと
)
し、
諸葛孔明
(
しよかつこうめい
)
を
知
(
し
)
らないか
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
窓
(
まど
)
と
筋斜
(
すぢかひ
)
に
上下
(
うへした
)
差向
(
さしむか
)
つて
居
(
ゐ
)
る
二階
(
にかい
)
から、
一度
(
いちど
)
東京
(
とうきやう
)
に
來
(
き
)
て
博文館
(
はくぶんくわん
)
の
店
(
みせ
)
で
働
(
はたら
)
いて
居
(
ゐ
)
たことのある、
山田
(
やまだ
)
なにがしといふ
名代
(
なだい
)
の
臆病
(
おくびやう
)
ものが、あてもなく、おい/\と
沈
(
しづ
)
んだ
聲
(
こゑ
)
でいつた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
座敷
(
ざしき
)
は
二階
(
にかい
)
で、だゞつ
廣
(
ぴろ
)
い、
人氣
(
にんき
)
の
少
(
すく
)
ないさみしい
家
(
いへ
)
で、
夕餉
(
ゆふげ
)
もさびしうございました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
相州
(
さうしう
)
逗子
(
づし
)
に
住
(
すま
)
つた
時
(
とき
)
、
秋
(
あき
)
もややたけた
頃
(
ころ
)
、
雨
(
あめ
)
はなかつたが、あれじみた
風
(
かぜ
)
の
夜中
(
よなか
)
に、
破屋
(
あばらや
)
の
二階
(
にかい
)
のすぐその
欄干
(
らんかん
)
と
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
で、
化
(
ば
)
けた
禪坊主
(
ぜんばうず
)
のやうに、
哃喝
(
どうかつ
)
をくはしたが、
思
(
おも
)
はず
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「でも、
誰
(
だれ
)
も
居
(
ゐ
)
ないんだもの……
君
(
きみ
)
の
許
(
とこ
)
の
二階
(
にかい
)
は、
廣
(
ひろ
)
いのに、がらんとして
居
(
ゐ
)
る。……」
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
實
(
じつ
)
は、
炎
(
ほのほ
)
に
飽
(
あ
)
いて、
炎
(
ほのほ
)
に
背
(
そむ
)
いて、
此
(
こ
)
の
火
(
ひ
)
たとひ
家
(
いへ
)
を
焚
(
や
)
くとも、せめて
清
(
すゞ
)
しき
月
(
つき
)
出
(
い
)
でよ、と
祈
(
いの
)
れるかひに、
天
(
てん
)
の
水晶宮
(
すゐしやうぐう
)
の
棟
(
むね
)
は
櫻
(
さくら
)
の
葉
(
は
)
の
中
(
なか
)
に
顯
(
あら
)
はれて、
朱
(
しゆ
)
を
塗
(
ぬ
)
つたやうな
二階
(
にかい
)
の
障子
(
しやうじ
)
が
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
ぶ——
火事
(
くわじ
)
の
激
(
はげ
)
しさに
紛
(
まぎ
)
れた。が、
地震
(
ぢしん
)
が
可恐
(
おそろし
)
いため
町
(
まち
)
にうろついて
居
(
ゐ
)
るのである。
二階
(
にかい
)
へ
上
(
あが
)
るのは、いのち
懸
(
がけ
)
でなければ
成
(
な
)
らない。
私
(
わたし
)
は
意氣地
(
いくぢ
)
なしの
臆病
(
おくびやう
)
の
第一人
(
だいいちにん
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
書棚
(
しよだな
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
奧
(
おく
)
を
見
(
み
)
て、
抽出
(
ぬきだ
)
す
論語
(
ろんご
)
の
第一卷
(
だいいつくわん
)
——
邸
(
やしき
)
は、
置場所
(
おきばしよ
)
のある
所
(
ところ
)
とさへ
言
(
い
)
へば、
廊下
(
らうか
)
の
通口
(
かよひぐち
)
も
二階
(
にかい
)
の
上下
(
うへした
)
も、ぎつしりと
東西
(
とうざい
)
の
書
(
しよ
)
もつの
揃
(
そろ
)
つた、
硝子戸
(
がらすど
)
に
突當
(
つきあた
)
つて
其
(
それ
)
から
曲
(
まが
)
る
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
張合
(
はりあひ
)
のない
例
(
れい
)
の
寢坊
(
ねばう
)
が
朝飯
(
あさめし
)
を
濟
(
す
)
ましたあとだから、
午前
(
ごぜん
)
十時半頃
(
じふじはんごろ
)
だと
思
(
おも
)
ふ……どん/\と
色氣
(
いろけ
)
なく
二階
(
にかい
)
へ
上
(
あが
)
つて、やあ、いゝお
天氣
(
てんき
)
だ、
難有
(
ありがた
)
い、と
御禮
(
おれい
)
を
言
(
い
)
ひたいほどの
心持
(
こゝろもち
)
で
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
(
て
)
にバケツを
提
(
さ
)
げながら、「あとは、たらひでも、どんぶりでも、……
水瓶
(
みづがめ
)
にまだある。」と、この
手
(
て
)
が
二階
(
にかい
)
へ
屆
(
とゞ
)
いた、と
思
(
おも
)
ふと、
下
(
した
)
の
座敷
(
ざしき
)
の
六疊
(
ろくでふ
)
へ、ざあーと
疎
(
まばら
)
に、すだれを
亂
(
みだ
)
して
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
朝餉
(
あさげ
)
を
濟
(
す
)
ますと、
立處
(
たちどころ
)
に
床
(
とこ
)
を
取直
(
とりなほ
)
して、
勿體
(
もつたい
)
ない
小春
(
こはる
)
のお
天氣
(
てんき
)
に、
水
(
みづ
)
を
二階
(
にかい
)
まで
輝
(
かゞや
)
かす
日當
(
ひあた
)
りのまぶしさに、
硝子戸
(
がらすど
)
と
障子
(
しやうじ
)
をしめて、
長々
(
なが/\
)
と
掻卷
(
かいまき
)
した、これ
此
(
こ
)
の
安湯治客
(
やすたうぢきやく
)
、
得意
(
とくい
)
の
處
(
ところ
)
。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やがて
東華門
(
とうくわもん
)
に
至
(
いた
)
ると、こゝに、
一大旅店
(
いちだいりよてん
)
、
築地
(
つきぢ
)
ホテルと
言
(
い
)
ふ
構
(
かま
)
へのがある。
主人
(
しゆじん
)
は
此處
(
こゝ
)
に、と
少年
(
せうねん
)
の
導
(
みちび
)
くまゝに、
階子
(
はしご
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
其
(
そ
)
の
手代
(
てだい
)
は
二階
(
にかい
)
の
一室
(
いつしつ
)
、
表通
(
おもてどほ
)
りの
見晴
(
みはらし
)
と
云
(
い
)
ふのへ
通
(
とほ
)
る。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
中二階
(
ちうにかい
)
の
六疊
(
ろくでふ
)
を
中
(
なか
)
にはさんで、
梯子段
(
はしごだん
)
が
分
(
わか
)
れて
二階
(
にかい
)
が
二間
(
ふたま
)
、
八疊
(
はちでふ
)
と
十疊
(
じふでふ
)
——ざつとこの
間取
(
まど
)
りで、なかんづくその
中二階
(
ちうにかい
)
の
青
(
あを
)
すだれに、
紫
(
むらさき
)
の
總
(
ふさ
)
のしつとりした
岐阜提灯
(
ぎふぢやうちん
)
が
淺葱
(
あさぎ
)
にすくのに
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
雪
(
ゆき
)
は、
故郷
(
ふるさと
)
から
私
(
わたし
)
を
迎
(
むかひ
)
に
来
(
き
)
たものを、……
帰
(
かへ
)
る
気
(
き
)
は
些
(
ちつと
)
も
無
(
な
)
しに、
貴下
(
あなた
)
の
背
(
せな
)
に
凭
(
より
)
かゝつて、
二階
(
にかい
)
の
部屋
(
へや
)
へ
入
(
はい
)
りしなに、——
貴下
(
あなた
)
のお
父様
(
とうさま
)
が
御覧
(
ごらん
)
の
目
(
め
)
には、……
急
(
きふ
)
に
貴下
(
あなた
)
が
大
(
おほ
)
きく
成
(
な
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
はその
頃
(
ころ
)
牛込
(
うしごめ
)
の
南榎町
(
みなみえのきちやう
)
に
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
たが、
水道町
(
すゐだうちやう
)
の
丸屋
(
まるや
)
から
仕立上
(
したてあが
)
りを
持込
(
もちこ
)
んで、
御
(
お
)
あつらへの
疊紙
(
たゝう
)
の
結
(
むす
)
び
目
(
め
)
を
解
(
と
)
いた
時
(
とき
)
は、
四疊半
(
よでふはん
)
唯
(
たゞ
)
一間
(
ひとま
)
の
二階
(
にかい
)
半分
(
はんぶん
)
に
盛上
(
もりあが
)
つて、
女中
(
ぢよちう
)
が
細
(
ほそ
)
い
目
(
め
)
を
圓
(
まる
)
くした。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上
(
あが
)
れ、
二階
(
にかい
)
へと、マツチを
手探
(
てさぐ
)
りでランプを
點
(
つ
)
けるのに
馴
(
な
)
れて
居
(
ゐ
)
るから、いきなり
先
(
さき
)
へ
立
(
た
)
つて、すぐの
階子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
つて、ふすまを
開
(
あ
)
けると、むツと
打
(
う
)
つ
煙
(
けむり
)
に
目
(
め
)
のくらむより
先
(
さき
)
に、
机
(
つくゑ
)
の
前
(
まへ
)
に
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
階
常用漢字
小3
部首:⾩
12画
“二階”で始まる語句
二階家
二階建
二階屋
二階堂道蘊
二階堂
二階座敷
二階裏
二階住
二階造
二階立