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包
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つゝ
ふりがな文庫
“
包
(
つゝ
)” の例文
友染
(
いうぜん
)
の
切
(
きれ
)
に、
白羽二重
(
しろはぶたへ
)
の
裏
(
うら
)
をかさねて、
紫
(
むらさき
)
の
紐
(
ひも
)
で
口
(
くち
)
を
縷
(
かゞ
)
つた、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんが
手縫
(
てぬい
)
の
服紗袋
(
ふくさぶくろ
)
に
包
(
つゝ
)
んで、
園
(
その
)
に
贈
(
おく
)
つた、
白
(
しろ
)
く
輝
(
かゞや
)
く
小鍋
(
こなべ
)
である。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜
(
よる
)
は
戸毎
(
こごと
)
の
瓦斯
(
がす
)
と
電燈
(
でんとう
)
を
閑却
(
かんきやく
)
して、
依然
(
いぜん
)
として
暗
(
くら
)
く
大
(
おほ
)
きく
見
(
み
)
えた。
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
世界
(
せかい
)
と
調和
(
てうわ
)
する
程
(
ほど
)
な
黒味
(
くろみ
)
の
勝
(
か
)
つた
外套
(
ぐわいたう
)
に
包
(
つゝ
)
まれて
歩
(
ある
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
取出して
飮
(
のみ
)
暫時
(
しばし
)
其處に休み居ける中段々夜も
更行
(
ふけゆき
)
四邊
(
あたり
)
も
寂
(
しん
)
としける此時
手拭
(
てぬぐひ
)
に深く
面
(
おも
)
てを
包
(
つゝ
)
みし男二人伊勢屋の
門
(
かど
)
に
彳
(
たゝず
)
み内の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
庭
(
には
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
けてしんみりと
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を
反覆
(
くりかへ
)
す
時
(
とき
)
繁茂
(
はんも
)
した
柹
(
かき
)
や
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
は
彼等
(
かれら
)
が
唯
(
ゆゐ
)
一の
味方
(
みかた
)
で
月夜
(
つきよ
)
でさへ
深
(
ふか
)
い
陰翳
(
かげ
)
が
安全
(
あんぜん
)
に
彼等
(
かれら
)
を
包
(
つゝ
)
む。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
と
余
(
よ
)
とは、
夢中
(
むちう
)
に
成
(
な
)
つて、それを
採集
(
さいしふ
)
した。
其數
(
そのすう
)
實
(
じつ
)
に二
百
(
ひやく
)
七十六
本
(
ほん
)
。それを四
箇
(
こ
)
の
大布呂敷
(
おほふろしき
)
に
包
(
つゝ
)
み、二
箇
(
こ
)
宛
(
づゝ
)
を
分
(
わ
)
けて
持
(
も
)
つ
事
(
こと
)
にした。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
お
答
(
こた
)
へ
承
(
うけたま
)
はらずば
歸邸
(
きてい
)
いたし
難
(
がた
)
し
平
(
ひら
)
にお
伺
(
うかゞ
)
ひありたしと
押返
(
おしかへ
)
せば、それ
程
(
ほど
)
に
仰
(
おほ
)
せらるゝを
包
(
つゝ
)
むも
甲斐
(
かひ
)
なし、
誠
(
まこと
)
のこと申
上
(
あげ
)
ん
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんが
朴
(
ほほ
)
の
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
で
包
(
つゝ
)
んで
下
(
くだ
)
さる
※
(
あつ
)
い
握飯
(
おむすび
)
の
香
(
にほひ
)
でも
嗅
(
か
)
いだ
方
(
はう
)
が、お
錢
(
あし
)
を
出
(
だ
)
して
買
(
か
)
つたお
菓子
(
くわし
)
より
餘程
(
よほど
)
おいしく
思
(
おも
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
陰中
(
いんちゆう
)
に
陽
(
やう
)
を
包
(
つゝ
)
み、
陽中
(
やうちゆう
)
に
陰
(
いん
)
を
抱
(
いだく
)
は天地
定理中
(
ぢやうりちゆう
)
の
定格
(
ぢやうかく
)
也。
老子経
(
らうしきやう
)
第四十二
章
(
しやう
)
に
曰
(
いはく
)
、
万物
(
ばんぶつ
)
負
レ
陰而
(
いんをおびて
)
抱
レ
陽
(
やうをいだく
)
沖気以
(
ちゆうきもつて
)
為
レ
和
(
くわをなす
)
といへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
沖
(
おき
)
なる
島山
(
しまやま
)
の
頂
(
いたゞき
)
は
紫嵐
(
しらん
)
に
包
(
つゝ
)
まれ、
天地
(
てんち
)
見
(
み
)
るとして
清新
(
せいしん
)
の
氣
(
き
)
に
充
(
み
)
たされて
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
、
濱
(
はま
)
は
寂寞
(
じやくばく
)
として
一
(
いつ
)
の
人影
(
じんえい
)
なく、
穩
(
おだや
)
かに
寄
(
よ
)
せては
返
(
か
)
へす
浪
(
なみ
)
を
弄
(
ろう
)
し
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
汝
(
そなた
)
の
黒
(
くろ
)
い
外套
(
マントル
)
で
頬
(
ほゝ
)
に
羽
(
は
)
ばたく
初心
(
うぶ
)
な
血
(
ち
)
をすッぽりと
包
(
つゝ
)
んでたも、すれば
臆病
(
おくびゃう
)
な
此
(
この
)
心
(
こゝろ
)
も、
見
(
み
)
ぬゆゑに
強
(
きつ
)
うなって、
何
(
なに
)
するも
戀
(
こひ
)
の
自然
(
しぜん
)
と
思
(
おも
)
ふであらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いま
申
(
まを
)
した
古墳
(
こふん
)
は
皆
(
みな
)
圓塚
(
まるづか
)
でありまして、その
中
(
なか
)
に
漆
(
うるし
)
で
塗
(
ぬ
)
つた
棺
(
かん
)
を
埋
(
うづ
)
め、その
上
(
うへ
)
を
大
(
おほ
)
きな
石塊
(
いしころ
)
で
包
(
つゝ
)
んだものであります。これを
積
(
つ
)
み
石
(
いし
)
塚
(
づか
)
といひます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
出雲人
(
いづもびと
)
の
作
(
つく
)
つた、
幾重
(
いくへ
)
にも
取
(
と
)
り
廻
(
まは
)
す、
屏風
(
びようぶ
)
・
張
(
とばり
)
の
類
(
るい
)
よ。われ/\、
新
(
あたら
)
しく
結婚
(
けつこん
)
したものを
包
(
つゝ
)
むために、
幾重
(
いくへ
)
の
圍
(
かこ
)
ひを
作
(
つく
)
つてあることよ。あゝ、その
幾重
(
いくへ
)
の
屏風
(
びようぶ
)
・
張
(
とばり
)
よ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
スパスパやりながら
餘念
(
よねん
)
もなく
其邊
(
そのへん
)
を
見廻
(
みまわ
)
して
居
(
を
)
る
内
(
うち
)
、
見
(
み
)
ると
今
(
いま
)
葉卷
(
はまき
)
の
箱
(
はこ
)
の
包
(
つゝ
)
んであつた
新聞紙
(
しんぶんし
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今まで
胸
(
むね
)
に
包
(
つゝ
)
んでゐたうれしさを一
時
(
じ
)
に
吐
(
は
)
き出すやうにはしやいだ
声
(
こゑ
)
で
奧
(
おく
)
さんの名を
呼
(
よ
)
んだ。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その時つい気のついたは
小
(
こ
)
むろ
山
(
さん
)
から
頂
(
いたゞ
)
いて
来
(
き
)
た
毒消
(
どくけし
)
の
御封
(
ごふう
)
、これ
幸
(
さいは
)
ひと
懐中
(
ふところ
)
に手を入れましたが
包
(
つゝ
)
みのまゝ口へ
入
(
い
)
れて雪をつかんで
入
(
い
)
れて
呑
(
の
)
みましたが、
毒消
(
どくけし
)
の
御利益
(
ごりやく
)
か
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
互
(
たがひ
)
になんとなくつまらない、とりとめもない
不安
(
ふあん
)
と
遣瀬
(
やるせ
)
なさが、
空虚
(
くうきよ
)
な
心
(
こゝろ
)
を
包
(
つゝ
)
んでゐるやうであつた。
二人
(
ふたり
)
は
家
(
いへ
)
にゐることが
淋
(
さび
)
しく、
夜
(
よる
)
になつて
寢
(
ね
)
ることがものたりなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
道子
(
みちこ
)
は
母
(
はゝ
)
のみならず
父
(
ちゝ
)
の
墓
(
はか
)
も——
戦災
(
せんさい
)
で
生死不明
(
せいしふめい
)
になつた
為
(
た
)
め、
今
(
いま
)
だに
立
(
た
)
てずにある
事
(
こと
)
を
語
(
かた
)
り、
母
(
はゝ
)
の
戒名
(
かいみやう
)
と
共
(
とも
)
に
並
(
なら
)
べて
石
(
いし
)
に
掘
(
ほ
)
つて
貰
(
もら
)
ふやうに
頼
(
たの
)
み、
百円札
(
ひやくゑんさつ
)
二三
枚
(
まい
)
を
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝ
)
んで
出
(
だ
)
した。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
凝乎
(
じいつ
)
と、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
の
中
(
なか
)
に
横
(
よこた
)
へられた
私
(
わたし
)
の
體
(
からだ
)
の
中
(
なか
)
で、
柔
(
やはら
)
かな
暖
(
あたゝ
)
かさに
包
(
つゝ
)
まれながら、
何
(
なん
)
といふもの
寂
(
さび
)
しい
聲
(
こゑ
)
をたてゝ
私
(
わたし
)
のこゝろの
唄
(
うた
)
ふ
事
(
こと
)
だらう!
一寸
(
ちよつと
)
でも
身動
(
みうご
)
きをしたらその
聲
(
こゑ
)
はすぐに
消
(
き
)
えよう
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
しかし何しろ一流どこばかしの顔寄せで、作家としてこの上もない名誉の事だから、その名誉に甘んじて、この際原稿料などは
包
(
つゝ
)
み
金
(
がね
)
で辛抱して戴きたい。実は私の方でも作家を相手に原稿料を
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さけ
難
(
がた
)
い
睡
(
ねむ
)
りに
包
(
つゝ
)
まれる…………
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
包
(
つゝ
)
み
繞
(
めぐ
)
らす
雪絹
(
ゆきぎぬ
)
の
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
綾
(
あや
)
に
包
(
つゝ
)
める
毛衣
(
けごろも
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
鄰家
(
となり
)
はと、
穴
(
あな
)
から
少
(
すこ
)
し、
恁
(
か
)
う
鼻
(
はな
)
の
尖
(
さき
)
を
出
(
だ
)
して、
覗
(
のぞ
)
くと、おなじやうに、
提灯
(
ちやうちん
)
を
家族
(
みんな
)
で
袖
(
そで
)
で
包
(
つゝ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
魂
(
たましひ
)
なんど
守護
(
しゆご
)
するやうに——
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
最後に彼の周囲を人間のあらん
限
(
かぎ
)
り
包
(
つゝ
)
む社会に対しては、彼は何の考も纏めなかつた。事実として、社会は制裁の権を有してゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうすると
畑
(
はた
)
を
包
(
つゝ
)
む
遠
(
とほ
)
い
近
(
ちか
)
い
林
(
はやし
)
には
嫩葉
(
わかば
)
の
隙間
(
すきま
)
から
少
(
すくな
)
い
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
がまた
軟
(
やはら
)
かなさうして
稍
(
やゝ
)
深
(
ふか
)
い
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
にぽつり/\と
明
(
あか
)
るく
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こん
)
で
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
申立てしも今聞
通
(
とほ
)
りなり
眞直
(
まつすぐ
)
に申立よ此上
包
(
つゝ
)
み
祕
(
かく
)
すに於ては
急度
(
きつと
)
申付るぞと聞て善右衞門ヘイ
明白
(
めいはく
)
に申上ます私しは
然樣
(
さやう
)
なる者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
廣小路
(
ひろこうぢ
)
を
出
(
いづ
)
れば
車
(
くるま
)
もあり、
阿關
(
おせき
)
は
紙入
(
かみい
)
れより
紙幣
(
しへい
)
いくらか
取出
(
とりいだ
)
して
小菊
(
こぎく
)
の
紙
(
かみ
)
にしほらしく
包
(
つゝ
)
みて、
録
(
ろく
)
さんこれは
誠
(
まこと
)
に
失禮
(
しつれい
)
なれど
鼻紙
(
はながみ
)
なりとも
買
(
か
)
つて
下
(
くだ
)
され
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
牧之
(
ぼくし
)
常
(
つね
)
におもへらく、寒気の頃
捕
(
とれ
)
たる
鮞
(
はらゝご
)
と
男魚
(
をな
)
の
白䱊
(
しらこ
)
とをまじへ、
鮏
(
さけ
)
居
(
を
)
る川の
沙石
(
しやせき
)
に
包
(
つゝ
)
み、
瓶
(
かめ
)
やうのものにうつし入れ、鮏なき
国
(
くに
)
の海に
通
(
つう
)
ずる山川の
清流
(
せいりう
)
に
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
殆
(
ほと
)
んど
闇黒
(
やみ
)
に
全體
(
ぜんたい
)
を
包
(
つゝ
)
まれて
居
(
を
)
つたが、
私
(
わたくし
)
の
一念
(
いちねん
)
の
屆
(
とゞ
)
いて
幾分
(
いくぶ
)
か
神經
(
しんけい
)
の
鋭
(
するど
)
くなつた
爲
(
ため
)
か、それとも
瞳
(
ひとみ
)
の
漸
(
やうや
)
く
闇黒
(
あんこく
)
に
馴
(
な
)
れた
爲
(
ため
)
か、
私
(
わたくし
)
は
辛
(
からう
)
じて
其
(
その
)
燈光
(
ひかり
)
の
主體
(
ぬし
)
を
認
(
みと
)
め
得
(
え
)
た
途端
(
とたん
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかしそれも、けっして
理
(
り
)
くつらしくは
出
(
で
)
てをらずに、このほがらかな
調子
(
ちようし
)
に、
玉
(
たま
)
のように
包
(
つゝ
)
まれて、たゞ
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に、
及
(
およ
)
び
雁
(
かり
)
の
列
(
れつ
)
に
動
(
うご
)
かされた
氣分
(
きぶん
)
として、
胸
(
むね
)
に
觸
(
ふ
)
れて
來
(
き
)
ます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふんだな、さつき
身延山
(
みのぶさん
)
へお
参
(
まゐ
)
りに
来
(
き
)
た人が道に迷つて
此処
(
こゝ
)
に
来
(
き
)
たが、それは
吉原
(
よしはら
)
にゐた時に出た客なんだよ、三
両
(
りやう
)
包
(
つゝ
)
んで出したが
跡
(
あと
)
に
切餅
(
きりもち
)
(二十五
両
(
りやう
)
包
(
づゝみ
)
)二
俵
(
へう
)
位
(
ぐらゐ
)
はある
様子
(
やうす
)
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝ
)
みまして、
紙
(
かみ
)
の
上
(
うへ
)
にも
父
(
とう
)
さんを
送
(
おく
)
る
言葉
(
ことば
)
を
書
(
か
)
いて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ヂュリ や、
誰
(
た
)
れぢゃ、
夜
(
よる
)
の
闇
(
やみ
)
に
包
(
つゝ
)
まれて、
内密事
(
ないしょうごと
)
を
聞
(
き
)
きゃった
其方
(
そなた
)
は?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
幻花子
(
げんくわし
)
は、
此土瓶
(
このどびん
)
を
布呂敷
(
ふろしき
)
に
包
(
つゝ
)
み、
背
(
せ
)
に
斜
(
はす
)
に
掛
(
か
)
けて
負
(
お
)
ひ、
自轉車
(
じてんしや
)
に
反身
(
そりみ
)
で
乘
(
の
)
つて
走
(
はし
)
らすのを、
後
(
うしろ
)
から
見
(
み
)
て
行
(
ゆ
)
く
佛骨子
(
ぶつこつし
)
が、
如何
(
どう
)
かして
自轉車
(
じてんしや
)
から
落
(
お
)
ちて、
土瓶
(
どびん
)
を
破
(
こは
)
したら
面白
(
おもしろ
)
からうと
呪
(
のろ
)
つたといふ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
傍
(
かたはら
)
の
風呂敷包
(
ふろしきづつみ
)
を
引寄
(
ひきよ
)
せ
其
(
それ
)
に
包
(
つゝ
)
んで
了
(
しま
)
つた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
やがて、とことはの
闇
(
やみ
)
となり、
雲
(
くも
)
は
墨
(
すみ
)
の
上
(
うへ
)
に
漆
(
うるし
)
を
重
(
かさ
)
ね、
月
(
つき
)
も
星
(
ほし
)
も
包
(
つゝ
)
み
果
(
は
)
てて、
時々
(
とき/″\
)
風
(
かぜ
)
が
荒
(
あ
)
れ
立
(
た
)
つても、
其
(
そ
)
の
一片
(
いつぺん
)
の
動
(
うご
)
くとも
見
(
み
)
えず。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
加
(
くはへ
)
候由私しは數年の出入
屋敷
(
やしき
)
の事故先一旦の
難儀
(
なんぎ
)
を
救
(
すく
)
ふ心に候へども
斯
(
かく
)
御尋ねの上は
包
(
つゝ
)
まず申上るにより御役人樣方の
御慈悲
(
おじひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夜半から強く雨が降り
出
(
だ
)
した。
釣
(
つ
)
つてある
蚊帳
(
かや
)
が、却つて寒く見える位な
音
(
おと
)
がどう/\と
家
(
いへ
)
を
包
(
つゝ
)
んだ。代助は其
音
(
おと
)
の
中
(
うち
)
に夜の
明
(
あ
)
けるのを
待
(
ま
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
此
(
こ
)
れまあ、
勘次等
(
かんじら
)
にも
濟
(
す
)
まねえつちつてつ
處
(
ところ
)
さ、わし
等
(
ら
)
も
洪水
(
みづ
)
でねえ」おつたは
風呂敷
(
ふろしき
)
で
南京米
(
なんきんまい
)
の
袋
(
ふくろ
)
をきりつと
包
(
つゝ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夫
(
そ
)
れならどうしてと
問
(
と
)
はれゝば
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
さまざま
是
(
こ
)
れは
何
(
ど
)
うでも
話
(
はな
)
しのほかの
包
(
つゝ
)
ましさなれば、
誰
(
だ
)
れに
打明
(
うちあ
)
けいふ
筋
(
すぢ
)
ならず、
物言
(
ものい
)
はずして
自
(
おの
)
づと
頬
(
ほゝ
)
の
赤
(
あか
)
うなり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雪に
潰
(
つぶさ
)
れざる
為
(
ため
)
也。
庭樹
(
にはき
)
は大小に
随
(
したが
)
ひ
枝
(
えだ
)
の
曲
(
まぐ
)
べきはまげて
縛束
(
しばりつけ
)
、
椙丸太
(
すぎまるた
)
又は竹を
添
(
そ
)
へ
杖
(
つゑ
)
となして
枝
(
えだ
)
を
強
(
つよ
)
からしむ。雪
折
(
をれ
)
をいとへば也。
冬草
(
ふゆくさ
)
の
類
(
るゐ
)
は
菰筵
(
こもむしろ
)
を以
覆
(
おほ
)
ひ
包
(
つゝ
)
む。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は、
其
(
その
)
泉
(
いづみ
)
の
流
(
ながれ
)
に
美麗
(
びれい
)
なる
小魚
(
こざかな
)
を
見出
(
みいだ
)
したとて、
魚
(
うを
)
を
追
(
お
)
ふに
餘念
(
よねん
)
なき
間
(
あひだ
)
、
私
(
わたくし
)
は
唯
(
と
)
ある
大樹
(
たいじゆ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
横
(
よこたは
)
つたが、いつか
睡魔
(
すいま
)
に
襲
(
おそ
)
はれて、
夢
(
ゆめ
)
となく
現
(
うつゝ
)
となく、いろ/\の
想
(
おもひ
)
に
包
(
つゝ
)
まれて
居
(
を
)
る
時
(
とき
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
むゝ、
侍童
(
こわらは
)
めが
何
(
なに
)
か
來
(
き
)
たと
知
(
し
)
らせをる。いま/\しい、
何者
(
なにもの
)
であらう、
今頃
(
いまごろ
)
此邊
(
このあたり
)
へ
彷徨
(
さまよ
)
うて、
俺
(
おれ
)
が
眞情
(
まごゝろ
)
の
囘向
(
ゑかう
)
をば
妨
(
さまた
)
げをる。や、
炬火
(
たいまつ
)
を
持
(
も
)
って
來
(
く
)
るわ!……
夜
(
よる
)
よ、ちっとの
間
(
ま
)
、
俺
(
おれ
)
を
包
(
つゝ
)
んでくれい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と
云
(
い
)
つて
金
(
かね
)
を一
円
(
ゑん
)
包
(
つゝ
)
んで出すと、
奥
(
おく
)
から
和尚様
(
をしやうさま
)
が出て
来
(
き
)
まして
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おまけに、もえ
黄
(
ぎ
)
の
夜具
(
やぐ
)
ぶろしきを
上被
(
うはつぱ
)
りにかけて、
包
(
つゝ
)
んで
寢
(
ね
)
た。
一
(
ひと
)
つはそれに
對
(
たい
)
する
敵愾心
(
てきがいしん
)
も
加
(
くは
)
はつたので。……
先
(
ま
)
づ
奮發
(
ふんぱつ
)
した。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上
(
うへ
)
から桜の葉が
時〻
(
とき/″\
)
落ちて
来
(
く
)
る。其一つが
籃
(
バスケツト
)
の
蓋
(
ふた
)
の上に
乗
(
の
)
つた。
乗
(
の
)
つたと思ふうちに吹かれて行つた。風が女を
包
(
つゝ
)
んだ。女は秋の
中
(
なか
)
に立つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
泣
(
な
)
くにも
人目
(
ひとめ
)
を
恥
(
はぢ
)
れば二
階
(
かい
)
座敷
(
ざしき
)
の
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
身
(
み
)
を
投
(
なげ
)
ふして
忍
(
しの
)
び
音
(
ね
)
の
憂
(
う
)
き
涕
(
なみだ
)
、これをば
友
(
とも
)
朋輩
(
ほうばい
)
にも
洩
(
も
)
らさじと
包
(
つゝ
)
むに
根生
(
こんぜう
)
のしつかりした、
氣
(
き
)
のつよい
子
(
こ
)
といふ
者
(
もの
)
はあれど
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
改札口
(
かいさつぐち
)
を
冷
(
つめた
)
く
出
(
で
)
ると、
四邊
(
あたり
)
は
山
(
やま
)
の
陰
(
かげ
)
に、
澄渡
(
すみわた
)
つた
湖
(
みづうみ
)
を
包
(
つゝ
)
んで、
月
(
つき
)
に
照返
(
てりかへ
)
さるゝ
爲
(
ため
)
か、
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
く
艶
(
つや
)
やかに、
黒
(
くろ
)
く、
且
(
か
)
つ
玲瓏
(
れいろう
)
として
透通
(
すきとほ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから二三分は
全
(
まつた
)
く静かになつた。部屋は
煖炉
(
だんろ
)
で
温
(
あたゝ
)
めてある。
今日
(
けふ
)
は
外面
(
そと
)
でも、さう寒くはない。
風
(
かぜ
)
は死に尽した。
枯
(
か
)
れた
樹
(
き
)
が
音
(
おと
)
なく冬の
日
(
ひ
)
に
包
(
つゝ
)
まれて立つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
聞
(
きゝ
)
なされませ
書生
(
しよせい
)
の
千葉
(
ちば
)
が
初戀
(
はつこひ
)
の
哀
(
あは
)
れ、
國
(
くに
)
もとに
居
(
お
)
りました
時
(
とき
)
そと
見初
(
みそ
)
めたが
御座
(
ござ
)
りましたさうな、
田舍物
(
いなかもの
)
の
事
(
こと
)
なれば
鎌
(
かま
)
を
腰
(
こし
)
へさして
藁草履
(
わらぞうり
)
で、
手拭
(
てぬぐ
)
ひに
草束
(
くさたば
)
ねを
包
(
つゝ
)
んでと
思召
(
おぼしめし
)
ませうが
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
包
常用漢字
小4
部首:⼓
5画
“包”を含む語句
風呂敷包
引包
紙包
一包
黄包車
上包
包物
金包
莚包
袱紗包
小包
菰包
二包
皮包
押包
藁包
竹皮包
革包
麺包
包囲
...