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丁
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ちやう
ふりがな文庫
“
丁
(
ちやう
)” の例文
さて、三
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
、……
日
(
ひ
)
は
違
(
ちが
)
ひます。なれども、
同
(
おな
)
じ
此
(
こ
)
の
霜月
(
しもつき
)
の
夜
(
よ
)
さり、
丁
(
ちやう
)
ど
同
(
おな
)
じ
今
(
いま
)
の
時刻
(
じこく
)
、
私
(
われら
)
にもお
前樣
(
まへさま
)
と
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
がありました。……
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
丁
(
ちやう
)
ど道臣が朝の
日供
(
につく
)
に拜殿へ出てゐたので、千代松は竹丸を相手にして、社務所を兼ねた家の勝手口でこんなことを
喋舌
(
しやべ
)
つてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
丁
(
ちやう
)
ど先頭の第一人が、三段を
一足飛
(
いツそくとび
)
に躍上ツて、入口の
扉
(
ドアー
)
に手を掛けた時であツた。扉を反對の
裡
(
うち
)
からぎいと
啓
(
あ
)
けて、のツそり入口に突ツ立ツた
老爺
(
おやぢ
)
。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
病氣
(
びやうき
)
に
良
(
よ
)
くない、』『
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
りさうですから』など
宿
(
やど
)
の
者
(
もの
)
がとめるのも
聞
(
き
)
かず、
僕
(
ぼく
)
は
竿
(
さを
)
を
持
(
もつ
)
て
出掛
(
でか
)
けた。
人家
(
じんか
)
を
離
(
はな
)
れて四五
丁
(
ちやう
)
も
泝
(
さかのぼ
)
ると
既
(
すで
)
に
路
(
みち
)
もなければ
畑
(
はたけ
)
もない。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二人
(
ふたり
)
は
又
(
また
)
寺
(
てら
)
を
空
(
から
)
にして
連立
(
つれだ
)
つて
出
(
で
)
た。
山門
(
さんもん
)
の
通
(
とほ
)
りを
略
(
ほゞ
)
一
丁
(
ちやう
)
程
(
ほど
)
奧
(
おく
)
へ
來
(
く
)
ると、
左側
(
ひだりがは
)
に
蓮池
(
はすいけ
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
暫くすると、欧陽詢は気が
注
(
つ
)
いたやうに馬を
促立
(
せきた
)
てた。馬は食べさしの草を
啣
(
くは
)
へた儘ぽか/\と歩き出した。
漸
(
やつ
)
と
小
(
こ
)
一
丁
(
ちやう
)
も来たかと思ふと、欧陽詢はだしぬけに手綱を引張つて馬を
後退
(
あとかへ
)
らさうとする。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
得たりと歡びける
斯
(
かく
)
て吾助は桝屋方に居ること凡そ半年餘りなるが
生
(
うま
)
れ得ての
好色
(
かうしよく
)
者なれば家内に
召使
(
めしつか
)
ふ下女に
折々
(
をり/\
)
不義など
仕掛
(
しかけ
)
れども既に前章にも
言
(
い
)
ふ如く至て
醜
(
みにく
)
き男ゆゑ誰あつて心に
從
(
したが
)
はんといふ者なかりしに其頃此桝屋へ上總の在方より
奉公
(
ほうこう
)
に來りしお
兼
(
かね
)
といふ女今年十七歳なるが
丁
(
ちやう
)
百には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
御夢想
(
ごむさう
)
の
藥
(
くすり
)
ぢやに……
何
(
なん
)
の
病疾
(
やまひ
)
も
速
(
すみや
)
かに
治
(
なほ
)
るで、
買
(
か
)
ひないな……
丁
(
ちやう
)
ど、
來合
(
きあ
)
はせたは、あなた
樣
(
さま
)
お
導
(
みちび
)
きぢや……
仇
(
あだ
)
には
思
(
おも
)
はれますな。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
母に叱られた竹丸は、風呂場へ行つて
丁
(
ちやう
)
ど沸きかけた風呂へ入り、手拭で
泡沫玉
(
あぶくだま
)
を拵へて遊んでゐると、お時が顏色を變へて走つて來た。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
僕
(
ぼく
)
は
溪流
(
けいりう
)
に
沿
(
そ
)
ふて
此
(
この
)
淋
(
さび
)
しい
往來
(
わうらい
)
を
當
(
あて
)
もなく
歩
(
あ
)
るいた。
流
(
ながれ
)
を
下
(
くだ
)
つて
行
(
ゆ
)
くも二三
丁
(
ちやう
)
、
上
(
のぼ
)
れば一
丁
(
ちやう
)
、
其中
(
そのなか
)
にペンキで塗つた
橋
(
はし
)
がある、
其間
(
そのあひだ
)
を、
如何
(
どん
)
な
心地
(
こゝち
)
で
僕
(
ぼく
)
はぶらついたらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
丁
(
ちやう
)
ど此の日の
前夜
(
ぜんや
)
も、周三は、父から結婚問題に就いて
嚴重
(
げんぢう
)
な
談判
(
だんぱん
)
を
吃
(
く
)
ツたのであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
を
切
(
き
)
り
開
(
ひら
)
いて、一二
丁
(
ちやう
)
奧
(
おく
)
へ
上
(
のぼ
)
る
樣
(
やう
)
に
建
(
た
)
てた
寺
(
てら
)
だと
見
(
み
)
えて、
後
(
うしろ
)
の
方
(
はう
)
は
樹
(
き
)
の
色
(
いろ
)
で
高
(
たか
)
く
塞
(
ふさ
)
がつてゐた。
路
(
みち
)
の
左右
(
さいう
)
も
山續
(
やまつゞき
)
か
丘續
(
をかつゞき
)
の
地勢
(
ちせい
)
に
制
(
せい
)
せられて、
決
(
けつ
)
して
平
(
たひら
)
ではない
樣
(
やう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
忘
(
わす
)
れ
果
(
は
)
てて、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く、
其
(
その
)
家
(
や
)
を
音信
(
おとづ
)
れて
聞
(
き
)
くと、お
柳
(
りう
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
爾時
(
そのとき
)
……。あはれ、
草木
(
くさき
)
も、
婦人
(
をんな
)
も、
靈魂
(
たましひ
)
に
姿
(
すがた
)
があるのか。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其の時
丁
(
ちやう
)
ど父はお宮の用事で四五日泊りがけに
他
(
よそ
)
へ行つてゐたが、母は忽ち其の見も知りもしなかつた修驗者と
懇
(
ねんご
)
ろになつて
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
危險
(
あぶな
)
う
御座
(
ござ
)
います」と
云
(
い
)
つて
宜道
(
ぎだう
)
は
一足先
(
ひとあしさき
)
へ
暗
(
くら
)
い
石段
(
いしだん
)
を
下
(
お
)
りた。
宗助
(
そうすけ
)
はあとから
續
(
つゞ
)
いた。
町
(
まち
)
と
違
(
ちが
)
つて
夜
(
よる
)
になると
足元
(
あしもと
)
が
惡
(
わる
)
いので、
宜道
(
ぎだう
)
は
提灯
(
ちやうちん
)
を
點
(
つ
)
けて
僅
(
わづか
)
一
丁
(
ちやう
)
許
(
ばかり
)
の
路
(
みち
)
を
照
(
て
)
らした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
成
(
な
)
りたけ
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れて、
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
をお
通
(
とほ
)
んなさい。
何
(
なん
)
なら
豫
(
あらかじ
)
め
其
(
そ
)
の
用心
(
ようじん
)
で、
丁
(
ちやう
)
ど
恁
(
か
)
うして
人通
(
ひとゞほ
)
りはなし——
構
(
かま
)
はず
駈出
(
かけだ
)
したら
可
(
い
)
いでせう……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
道頓堀の夜景は
丁
(
ちやう
)
どこれから、といふ時刻で、筋向うの芝居は
幕間
(
まくあひ
)
になつたらしく、
讚岐
(
さぬき
)
屋の店は一時に立て込んで、二階からの通し物や、芝居の本家や前茶屋からの出前で
鱧の皮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
二三日
(
にさんにち
)
經
(
た
)
つて、
弴
(
とん
)
さんに
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
をした。
丁
(
ちやう
)
ど
其日
(
そのひ
)
、
同
(
おな
)
じ
白樺
(
しらかば
)
の
社中
(
しやちう
)
で、
御存
(
ごぞん
)
じの
名歌集
(
めいかしふ
)
『
紅玉
(
こうぎよく
)
』の
著者
(
ちよしや
)
木下利玄
(
きのしたりげん
)
さんが
連立
(
つれだ
)
つて
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
道頓堀の夜景は
丁
(
ちやう
)
どこれから、といふ時刻で、筋向うの芝居は
幕間
(
まくあひ
)
になつたらしく、
讃岐屋
(
さぬきや
)
の店は一時に立て込んで、二階からの通し物や、芝居の本家や前茶屋からの出前で
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我
(
われ
)
は
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つて、
双
(
さう
)
の
眼
(
まなこ
)
で
明
(
あきら
)
かに
見
(
み
)
る
采
(
さい
)
の
目
(
め
)
を、
多勢
(
たぜい
)
が
暗中
(
あんちゆう
)
に
摸索
(
もさく
)
して、
丁
(
ちやう
)
か、
半
(
はん
)
か、
生
(
せい
)
か、
死
(
し
)
か、と
喧々
(
がや/\
)
騒
(
さわ
)
ぎ
立
(
た
)
てるほど
可笑
(
をかし
)
な
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
口
(
くち
)
へ
冷
(
つめた
)
いものが
入
(
はひ
)
つて、
寢臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
居
(
ゐ
)
るのが
分
(
わか
)
りましたつけ……
坊主
(
ばうず
)
が
急
(
きふ
)
に
鉦
(
かね
)
を
鳴
(
な
)
らしたのは、
丁
(
ちやう
)
ど、
釣臺
(
つりだい
)
が
病院
(
びやうゐん
)
の
門
(
もん
)
を
入
(
はひ
)
る
時
(
とき
)
だつたさうです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
辿
(
たど
)
りかゝつた
其
(
そ
)
のたら/\
上
(
あが
)
りの
長
(
なが
)
い
坂
(
さか
)
の、
下
(
した
)
から
丁
(
ちやう
)
ど
中央
(
なかば
)
と
思
(
おも
)
ふ
處
(
ところ
)
で、
靄
(
もや
)
のむら/\と、
動
(
うご
)
かない
渦
(
うづ
)
の
中
(
なか
)
を、
見
(
み
)
え
隱
(
がく
)
れに、
浮
(
う
)
いつ
沈
(
しづ
)
みつする
體
(
てい
)
で
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
枝
(
えだ
)
の
所々
(
しよ/\
)
、
濁
(
にご
)
つた
月影
(
つきかげ
)
のやうな
可厭
(
いや
)
な
色
(
いろ
)
の
靄
(
もや
)
が
搦
(
から
)
んで、
星
(
ほし
)
もない……
山
(
やま
)
深
(
ふか
)
く
谷川
(
たにがは
)
の
流
(
ながれ
)
に
望
(
のぞ
)
んだ
思
(
おも
)
ひの、
暗夜
(
やみ
)
の
四谷
(
よツや
)
の
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
、
時刻
(
じこく
)
は
丁
(
ちやう
)
ど一
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
まだ
可笑
(
をか
)
しい
事
(
こと
)
がある、ずツと
後
(
あと
)
で……
此
(
こ
)
の
番町
(
ばんちやう
)
の
湯
(
ゆ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと、かへりがけに、
錢湯
(
せんたう
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が「
先生々々
(
せんせい/\
)
」
丁
(
ちやう
)
ど
午
(
ひる
)
ごろだから
他
(
ほか
)
に
一人
(
ひとり
)
も
居
(
ゐ
)
なかつた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
釣
(
つり
)
ランプ(……あゝ
久
(
ひさ
)
しいが
今
(
いま
)
だつてランプなしには
居
(
ゐ
)
られますか。)それが
丁
(
ちやう
)
ど
先生
(
せんせい
)
の
肩
(
かた
)
の
上
(
うへ
)
の
見當
(
けんたう
)
に
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兩人
(
りやうにん
)
の
裾
(
すそ
)
の
所
(
ところ
)
が、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
横
(
よこ
)
、
一間
(
いつけん
)
に
三尺
(
さんじやく
)
、
張
(
はり
)
だしの
半戸
(
はんと
)
だな、
下
(
した
)
が
床張
(
ゆかば
)
り、
突當
(
つきあた
)
りがガラス
戸
(
ど
)
の
掃
(
はき
)
だし
窓
(
まど
)
で、そこが
裏山
(
うらやま
)
に
向
(
むか
)
つたから、
丁
(
ちやう
)
どその
窓
(
まど
)
へ
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
今頃
(
いまごろ
)
だで——それ/\、それよ
矢張
(
やつぱ
)
り
此
(
こ
)
の
道
(
みち
)
だ。……
私
(
わし
)
と
忠蔵
(
ちうざう
)
がお
供
(
とも
)
でやしたが、
若奥様
(
わかおくさま
)
がね、
瑞巌寺
(
ずゐがんじ
)
の
欄間
(
らんま
)
に
舞
(
ま
)
つてる、
迦陵頻伽
(
かりようびんが
)
と
云
(
い
)
ふ
声
(
こゑ
)
でや
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
と
)
見
(
み
)
ると、
両方
(
りやうはう
)
から
柄
(
え
)
を
合
(
あ
)
はせて、しつくり
組
(
く
)
むだ。
其
(
そ
)
の
破
(
やぶ
)
れ
傘
(
がさ
)
が
輪
(
わ
)
に
成
(
な
)
つて、
畷
(
なはて
)
をぐる/\と
廻
(
まは
)
つて
丁
(
ちやう
)
と
留
(
と
)
まる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
(
ひと
)
つでない、
二
(
ふた
)
つでもない。
三頭
(
みつ
)
も
四頭
(
よつ
)
も
一齊
(
いつせい
)
に
吠
(
ほ
)
え
立
(
た
)
てるのは、
丁
(
ちやう
)
ど
前途
(
ゆくて
)
の
濱際
(
はまぎは
)
に、また
人家
(
じんか
)
が七八
軒
(
けん
)
、
浴場
(
よくぢやう
)
、
荒物屋
(
あらものや
)
など
一廓
(
ひとくるわ
)
になつて
居
(
ゐ
)
る
其
(
その
)
あたり。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おやと
思
(
おも
)
ふと、
灰色
(
はひいろ
)
の
扉
(
ひらき
)
が
開
(
あ
)
いて、……
裏口
(
うらぐち
)
ですから、
油紙
(
あぶらがみ
)
なんか
散
(
ち
)
らかつた、
廊下
(
らうか
)
のつめに、
看護婦
(
かんごふ
)
が
立
(
た
)
つて、
丁
(
ちやう
)
ど
釣臺
(
つりだい
)
を
受取
(
うけと
)
る
處
(
ところ
)
だつたんですつて。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……こゝの
此
(
こ
)
の
書棚
(
しよだな
)
の
上
(
うへ
)
には、
花
(
はな
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
插
(
さ
)
してなかつた、——
手附
(
てつき
)
の
大形
(
おほがた
)
の
花籠
(
はなかご
)
と
並
(
なら
)
べて、
白木
(
しらき
)
の
桐
(
きり
)
の、
軸
(
ぢく
)
ものの
箱
(
はこ
)
が
三
(
み
)
ツばかり。
其
(
そ
)
の
眞中
(
まんなか
)
の
蓋
(
ふた
)
の
上
(
うへ
)
に……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天守
(
てんしゆ
)
に
於
(
おい
)
ては、
予
(
かね
)
て
貴女
(
あなた
)
と
双六
(
すごろく
)
を
打
(
う
)
つて
慰
(
なぐさ
)
みたいが、
御承知
(
ごしようち
)
なければ、
致
(
いたし
)
やうも
無
(
な
)
かつた
折
(
をり
)
から……
丁
(
ちやう
)
ど
僥倖
(
さいはひ
)
、いや
固
(
もと
)
より、
固
(
もと
)
より
望
(
のぞ
)
み
申
(
まを
)
す
処
(
ところ
)
……とある!
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、
何時
(
いつ
)
何處
(
どこ
)
から
乘組
(
のりく
)
んだか、つい、それは
知
(
し
)
らなかつたが、
丁
(
ちやう
)
ど
私
(
わたし
)
たちの
並
(
なら
)
んで
掛
(
か
)
けた
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
——
墓地
(
ぼち
)
とは
反對
(
はんたい
)
——の
處
(
ところ
)
に、二十三四の
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
婦人
(
ふじん
)
が
居
(
ゐ
)
る……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
後日
(
ごじつ
)
、
東京驛
(
とうきやうえき
)
へ
歸
(
かへ
)
つた
時
(
とき
)
、
居合
(
ゐあ
)
はせた
赤帽君
(
あかばうくん
)
に、その二十四——のを
聞
(
き
)
くと、
丁
(
ちやう
)
ど
非番
(
ひばん
)
で
休
(
やす
)
みだと
云
(
い
)
ふ。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
と
小脇
(
こわき
)
に
引
(
ひき
)
そばめて
上
(
あ
)
げつゝ、
高々
(
たか/″\
)
と
仰向
(
あふむ
)
いた、さみしい
大
(
おほき
)
な
頭
(
あたま
)
ばかり、
屋根
(
やね
)
を
覗
(
のぞ
)
く
來日
(
くるひ
)
ヶ峰
(
みね
)
の
一處
(
ひとところ
)
を
黒
(
くろ
)
く
抽
(
ぬ
)
いて、
影法師
(
かげぼふし
)
を
前
(
まへ
)
に
落
(
おと
)
して、
高
(
たか
)
らかに
笛
(
ふえ
)
を
鳴
(
な
)
らした。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
九時五十分
(
くじごじつぷん
)
かの
終汽車
(
しまひぎしや
)
で、
東京
(
とうきやう
)
を
出
(
で
)
るんです。……
靜岡
(
しづをか
)
へ、
丁
(
ちやう
)
ど、
夜
(
よ
)
あけに
着
(
つ
)
きますから。
其
(
それ
)
だと、どつちを
見
(
けん
)
ぶつしても、
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
のうちに
修善寺
(
しゆぜんじ
)
へ
參
(
まゐ
)
られますよ。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十九にはなるまい
新姐
(
しんぞ
)
を
前
(
さき
)
に、
一足
(
ひとあし
)
さがつて、
櫛卷
(
くしまき
)
にした
阿母
(
おふくろ
)
がついて、
此
(
こ
)
の
店
(
みせ
)
へ
入
(
はひ
)
りかけた。が、
丁
(
ちやう
)
ど
行者
(
ぎやうじや
)
の
背後
(
うしろ
)
を、
斜
(
なゝめ
)
に
取
(
とり
)
まはすやうにして、
二人
(
ふたり
)
とも
立停
(
たちど
)
まつた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……しかし
無理
(
むり
)
もない。こんな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つたのは
恰
(
あたか
)
も
箱根
(
はこね
)
の
山中
(
さんちう
)
で、
丁
(
ちやう
)
ど
丑三
(
うしみつ
)
と
言
(
い
)
ふ
時刻
(
じこく
)
であつた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど、
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
空模樣
(
そらもやう
)
、
雲
(
くも
)
と
同一
(
おなじ
)
に
淀
(
どんよ
)
りとして、
雲
(
くも
)
の
動
(
うご
)
く
方
(
はう
)
へ、
一所
(
いつしよ
)
に
動
(
うご
)
いて、
時々
(
とき/″\
)
、てら/\と
天
(
てん
)
に
薄日
(
うすび
)
が
映
(
さ
)
すと、
其
(
そ
)
の
光
(
ひかり
)
を
受
(
う
)
けて、
晃々
(
きら/\
)
と
光
(
ひか
)
るのが、
沼
(
ぬま
)
の
面
(
おもて
)
に
眼
(
まなこ
)
があつて
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上
(
うへ
)
は
大屋根
(
おほやね
)
の
廂
(
ひさし
)
ぐらゐで、
下
(
した
)
は、
然
(
さ
)
れば
丁
(
ちやう
)
ど
露地裏
(
ろぢうら
)
の
共同水道
(
きやうどうすゐだう
)
の
處
(
ところ
)
に、よその
女房
(
かみ
)
さんが
踞
(
しやが
)
んで
洗濯
(
せんたく
)
をして
居
(
ゐ
)
たが、
立
(
た
)
つと
其
(
そ
)
の
頭
(
あたま
)
ぐらゐ、と
思
(
おも
)
ふ
處
(
ところ
)
を、スツ/\と
浮
(
う
)
いて
通
(
とほ
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
丁
(
ちやう
)
ど
私
(
わたし
)
と
向
(
む
)
き
合
(
あ
)
ひに、まともに
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
る
處
(
ところ
)
で、
目
(
め
)
を
眠
(
ねむ
)
るやうにして
爽
(
さわや
)
かに
唱
(
とな
)
へた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
潮
(
しほ
)
は
其
(
そ
)
の
時々
(
とき/″\
)
變
(
かは
)
るのであらうが、
祭
(
まつり
)
の
夜
(
よ
)
は、
思出
(
おもひだ
)
しても、
何年
(
なんねん
)
にも、いつも
暗
(
くら
)
いやうに
思
(
おも
)
はれる。
時候
(
じこう
)
が
丁
(
ちやう
)
ど
梅雨
(
つゆ
)
にかゝるから、
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
らない
年
(
とし
)
の、
月
(
つき
)
ある
頃
(
ころ
)
でも、
曇
(
くも
)
るのであらう。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
目
(
め
)
の
下
(
した
)
に、
火箸
(
ひばし
)
の
尖
(
さき
)
で
突
(
つゝ
)
いた、
疵
(
きず
)
がポツツリ
見
(
み
)
える、ト
確
(
たしか
)
に
覺
(
おぼ
)
えて
忘
(
わす
)
れぬ、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
しゆく
)
はづれで、
飯屋
(
めしや
)
の
縁側
(
えんがは
)
の
下
(
した
)
から
出
(
で
)
た
畜生
(
ちくしやう
)
を、
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
でくらはしたのが、
丁
(
ちやう
)
ど
同
(
おな
)
じ
左
(
ひだり
)
の
目
(
め
)
の
下
(
した
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど、まだ
灯
(
あかし
)
を
入
(
い
)
れたばかりの
暮方
(
くれがた
)
でね、……
其
(
そ
)
の
高樓
(
たかどの
)
から
瞰下
(
みお
)
ろされる
港口
(
みなとぐち
)
の
町通
(
まちどほり
)
には、
燒酎賣
(
せうちううり
)
だの、
雜貨屋
(
ざつくわや
)
だの、
油賣
(
あぶらうり
)
だの、
肉屋
(
にくや
)
だのが、
皆
(
みな
)
黒人
(
くろんぼ
)
に
荷車
(
にぐるま
)
を
曳
(
ひ
)
かせて、……
商人
(
あきんど
)
は、
各自
(
てん/″\
)
に
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
これ
)
は……しかし、
菖蒲
(
あやめ
)
、
杜若
(
かきつばた
)
は——
翌日
(
よくじつ
)
、
湯
(
ゆ
)
の
山
(
やま
)
の
水
(
みづ
)
を
處々
(
ところ/″\
)
見
(
み
)
た、
其處
(
そこ
)
にも、まだ
一輪
(
いちりん
)
も
咲
(
さ
)
かなかつた。
蕾
(
つぼ
)
んだのさへない。——
盛
(
さかり
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
一月
(
ひとつき
)
おくれる。……
六月
(
ろくぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
だらうと
言
(
い
)
ふのである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
可
(
い
)
い
鹽梅
(
あんばい
)
に、
貴下
(
あなた
)
がお
逢
(
あ
)
ひなさいましたやうな、
大勢
(
おほぜい
)
の
御婦人
(
ごふじん
)
づれでも
來合
(
きあ
)
はせて
下
(
くだ
)
されば
可
(
よ
)
うございますけれどもねえ……でないと……
畜生
(
ちくしやう
)
……だの——
阿魔
(
あま
)
——だのツて……
何
(
なん
)
ですか
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「よく
來
(
き
)
てねえ、
丁
(
ちやう
)
ど
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た
處
(
ところ
)
なんですよ、
心
(
こゝろ
)
が
通
(
つう
)
じたんだわね。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
瞳
(
ひとみ
)
を
離
(
はな
)
して、あとへ
一歩
(
ひとあし
)
振向
(
ふりむ
)
いた
處
(
ところ
)
が、
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、やゝ
高
(
たか
)
い
向岸
(
むかうぎし
)
の、
崖
(
がけ
)
の
家
(
うち
)
の
裏口
(
うらぐち
)
から、
巖
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
れる
状
(
さま
)
の
石段
(
いしだん
)
五六段
(
ごろくだん
)
を
下
(
お
)
りた
汀
(
みぎは
)
に、
洗濯
(
せんたく
)
ものをして
居
(
ゐ
)
た
娘
(
むすめ
)
が、
恰
(
あたか
)
もほつれ
毛
(
げ
)
を
掻
(
か
)
くとて
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
およしなされば
可
(
よ
)
いのに、
借
(
か
)
りものの
籠
(
かご
)
に、
折
(
を
)
つて
來
(
き
)
たしぼりの
山茶花
(
さゞんくわ
)
と
白
(
しろ
)
の
小菊
(
こぎく
)
を
突込
(
つツこ
)
んで、をかしく
葉
(
は
)
を
撮
(
つま
)
んだり、
枝
(
えだ
)
を
吹
(
ふ
)
いたり、
飴細工
(
あめざいく
)
ではあるまいし……
對
(
つゐ
)
をなすものの
人
(
ひと
)
がらも
丁
(
ちやう
)
ど
可
(
よ
)
い。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
般若湯
(
はんにやたう
)
を
少
(
すこ
)
しばかり、
幸
(
さいは
)
ひ
腥
(
なまぐさ
)
を
口
(
くち
)
にせぬ
場合
(
ばあひ
)
で、
思出
(
おもひだ
)
すに
丁
(
ちやう
)
ど
可
(
い
)
い。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“丁”の解説
丁(てい、ひのと)は、十干の4番目である。
陰陽五行説では火性の陰に割り当てられており、ここから日本では「ひのと」(火の弟)ともいう。
(出典:Wikipedia)
丁
常用漢字
小3
部首:⼀
2画
“丁”を含む語句
庖丁
丁々
馬丁
沈丁花
丁抹
園丁
仕丁
輿丁
丁度
白丁
壮丁
菜切庖丁
丁稚
丁卯
丁字形
一丁字
廷丁
丁半
丁字屋
丁亥
...