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其上
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そのうへ
ふりがな文庫
“
其上
(
そのうへ
)” の例文
さう
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
には
彼
(
かれ
)
は
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
る。
其上
(
そのうへ
)
懷
(
ふところ
)
に
多少
(
たせう
)
餘裕
(
よゆう
)
でもあると、
是
(
これ
)
で
一
(
ひと
)
つ
豪遊
(
がういう
)
でもして
見樣
(
みやう
)
かと
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
もある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
アンドレイ、エヒミチは
此
(
こ
)
の
切
(
せつ
)
なる
同情
(
どうじやう
)
の
言
(
ことば
)
と、
其上
(
そのうへ
)
涙
(
なみだ
)
をさへ
頬
(
ほゝ
)
に
滴
(
た
)
らしてゐる
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
顏
(
かほ
)
とを
見
(
み
)
て、
酷
(
ひど
)
く
感動
(
かんどう
)
して
徐
(
しづか
)
に
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
置捨に致たるに相違有まじ
其上
(
そのうへ
)
島
(
しま
)
の親住吉町吉兵衞よりの
歎願書
(
たんぐわんしよ
)
も是あり
夫
(
それ
)
も序に讀聞せよと云るゝに又々
目安方
(
めやすかた
)
の者右の
書付
(
かきつけ
)
を
讀上
(
よみあげ
)
る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
月光
(
げつくわう
)
其
(
その
)
滑
(
なめ
)
らかなる葉の
面
(
おも
)
に落ちて、葉は
宛
(
さ
)
ながら
碧玉
(
へきぎよく
)
の
扇
(
あふぎ
)
と
照
(
て
)
れるが、
其上
(
そのうへ
)
にまた黒き
斑点
(
はんてん
)
ありてちら/\
躍
(
おど
)
れり。
李樹
(
すもゝ
)
の影の
映
(
うつ
)
れるなり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
下部
(
かぶ
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が、
普通
(
ふつう
)
ので、
其上
(
そのうへ
)
に
彌生式
(
やよひしき
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
るとか、たしかそんな
事
(
こと
)
であつた。
今
(
いま
)
雜誌
(
ざつし
)
が
手元
(
てもと
)
に
無
(
な
)
いので
委
(
くは
)
しくは
記
(
しる
)
されぬ。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
独逸
(
どいつ
)
の
名高
(
なだか
)
い作者レツシングと
云
(
い
)
ふ人は、
至
(
いた
)
つて
粗忽
(
そそつか
)
しい
方
(
かた
)
で、
其上
(
そのうへ
)
法外
(
ばか
)
に忘れツぽいから、
無闇
(
むやみ
)
に
金子
(
かね
)
や
何
(
なに
)
かゞ
失
(
な
)
くなる
(洋)金の勘定を仕ずに来た
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
但
(
たゞ
)
し
此斥候
(
このせつこう
)
の
報告書
(
ほうこくしよ
)
とも
名
(
な
)
づくべきものは、
單
(
たん
)
に
地震波
(
ぢしんぱ
)
の
種々
(
しゆ/″\
)
の
形式
(
けいしき
)
のみであるから、これを
書取
(
かきと
)
り
其上
(
そのうへ
)
にそれを
讀
(
よ
)
み
取
(
と
)
ることを
必要
(
ひつよう
)
とする。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其上
(
そのうへ
)
仕事
(
しごと
)
をさするにあらず、
日夜
(
にちや
)
氣
(
き
)
まゝに
遊
(
あそ
)
ばせて、
食物
(
しよくもつ
)
は
望次第
(
のぞみしだい
)
、
海
(
うみ
)
のもの、
山
(
やま
)
のもの、
乞
(
こ
)
ふにまかせて
與
(
あた
)
へむに、
悲
(
かなし
)
む
理由
(
いはれ
)
は
無
(
な
)
きはずなり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
た
方
(
はう
)
が
幾
(
いく
)
ら
面白
(
おもしろ
)
かつたか
知
(
し
)
れないわ』と
呟
(
つぶや
)
いて、
最早
(
もう
)
これで
大
(
おほ
)
きくもならなければ
小
(
ちひ
)
さくもなれず、
其上
(
そのうへ
)
鼠
(
ねずみ
)
や
兎
(
うさぎ
)
に
追
(
お
)
ひ
使
(
つか
)
はれるんなら。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と。
此
(
こ
)
れ
(一五)
何
(
なに
)
を
以
(
もつ
)
て
稱
(
しよう
)
せられたる。
(一六)
太史公
(
たいしこう
)
曰
(
いは
)
く、
余
(
よ
)
、
箕山
(
きざん
)
に
登
(
のぼ
)
りしに、
其上
(
そのうへ
)
に
蓋
(
けだ
)
し
許由
(
きよいう
)
の
冢
(
つか
)
有
(
あ
)
りと
云
(
い
)
ふ。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
其上
(
そのうへ
)
で
若
(
も
)
し
物
(
もの
)
になりさうだツたら
何卒
(
どうか
)
怠惰屋
(
なまけや
)
の
弟子
(
でし
)
といふことに
願
(
ねが
)
ひたいものです。さうなると
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
でも
出來
(
でき
)
るだけのお
禮
(
れい
)
は致します積りで……
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
根太
(
ねだ
)
も
畳
(
たヽみ
)
も
大方
(
おほかた
)
朽
(
く
)
ち落ちて、
其上
(
そのうへ
)
に
鼠
(
ねずみ
)
の毛を
挘
(
むし
)
り
散
(
ちら
)
した
様
(
やう
)
な
埃
(
ほこり
)
と、
麹
(
かうじ
)
の様な
黴
(
かび
)
とが積つて居る。落ち残つた
根太
(
ねだ
)
の
横木
(
よこぎ
)
を一つ
跨
(
また
)
いだ時、
無気味
(
ぶきみ
)
な
菌
(
きのこ
)
の
様
(
やう
)
なものを踏んだ。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
目下弁護事務にて
頗
(
すこぶ
)
る有望の事件を担当し居り、
此
(
この
)
事件にして
成就
(
じやうじゆ
)
せば、
数万
(
すまん
)
の
報酬
(
はうしう
)
を得んこと容易なれば、
其上
(
そのうへ
)
にて
総
(
すべ
)
て花々しく処断すべし、
何卒
(
なにとぞ
)
暫しの苦悶を忍びて
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
月滿御前
(
つきまろごぜん
)
と
申
(
まを
)
すべし。
其上
(
そのうへ
)
、此國の
主
(
ぬし
)
八幡大菩薩は
卯月
(
うづき
)
八
日
(
か
)
にうまれさせ
給
(
たま
)
ふ。
娑婆世界
(
さばせかい
)
の教主
釋尊
(
しやくそん
)
も、又卯月八日に御誕生なりき。
今
(
いま
)
の
童女
(
どうによ
)
、又月は替れども、八日にうまれ給ふ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
其上
(
そのうへ
)
、
私
(
わたくし
)
は
懇意
(
こんい
)
の
船乘
(
せんどう
)
さんに
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ますと、
今度
(
こんど
)
の
航海
(
かうかい
)
には、
弦月丸
(
げんげつまる
)
に
澤山
(
たくさん
)
の
黄金
(
わうごん
)
と
眞珠
(
しんじゆ
)
とが
積入
(
つみい
)
れてあります
相
(
さう
)
な、
黄金
(
わうごん
)
と
眞珠
(
しんじゆ
)
とが
波
(
なみ
)
の
荒
(
あら
)
い
海上
(
かいじやう
)
で
集
(
あつま
)
ると、
屹度
(
きつと
)
恐
(
おそ
)
ろしい
祟
(
たゝり
)
を
致
(
いた
)
します。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もとより
奧樣
(
おくさま
)
が
派手
(
はで
)
作
(
つく
)
りに
田舍
(
いなか
)
ものゝ
姉者人
(
あねじやひと
)
がいさゝか
似
(
に
)
たるよしは
無
(
な
)
けれど、
中學校
(
ちうがくかう
)
の
試驗
(
しけん
)
前
(
まへ
)
に
夜明
(
よあか
)
しをつゞけし
頃
(
ころ
)
、
此
(
この
)
やうな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふて、
此
(
この
)
やうな
處作
(
しよさ
)
をして、
其上
(
そのうへ
)
には
蕎麥掻
(
そばが
)
きの
御馳走
(
ごちそう
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
(
わ
)
が
蔵
(
ざう
)
する
菊塢
(
きくう
)
の手紙には、
梅
(
うめ
)
一枝
(
いつし
)
画
(
ゑが
)
きて
其上
(
そのうへ
)
に
園
(
その
)
の春をお
分
(
わか
)
ち
申
(
まを
)
すといふ意味の句あり、また
曲亭馬琴
(
きよくていばきん
)
が
明
(
めい
)
を
失
(
しつ
)
してのち、
欝憂
(
うさ
)
を忘るゝために
己
(
おの
)
れと
記臆
(
きをく
)
せし
雑俳
(
ざつぱい
)
を
書
(
かき
)
つらねて、友におくりし
中
(
うち
)
に
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
それが
昨年
(
さくねん
)
の六
月
(
ぐわつ
)
三十
日
(
にち
)
に四十三
弗
(
ドル
)
四
分
(
ぶ
)
の三、
即
(
すなは
)
ち一
割
(
わり
)
一
分
(
ぶ
)
も
下
(
さが
)
つたのは
何故
(
なぜ
)
であるか。
累年
(
るゐねん
)
の
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
著
(
いちじる
)
しく、
對外貿易
(
たいぐわいぼうえき
)
も
改善
(
かいぜん
)
されない、
其上
(
そのうへ
)
昨年
(
さくねん
)
上半期
(
かみはんき
)
の
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
は二
億
(
おく
)
八千
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
よ
)
になつて
居
(
ゐ
)
る。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
ベンヺ
默
(
だま
)
ってゐたら、
尚
(
な
)
ほ
其上
(
そのうへ
)
に、
何
(
なに
)
を
爲出
(
しいだ
)
さうも
知
(
し
)
れぬわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
何
(
なに
)
しろ
小六
(
ころく
)
は
家
(
うち
)
へ
來
(
く
)
ると
極
(
き
)
めるより
外
(
ほか
)
に
道
(
みち
)
はあるまいよ。
後
(
あと
)
は
其上
(
そのうへ
)
の
事
(
こと
)
だ。
今
(
いま
)
ぢや
學校
(
がくかう
)
へは
出
(
で
)
てゐるんだね」と
宗助
(
そうすけ
)
が
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
燈
(
あかり
)
も
明
(
あか
)
るき
無料
(
むれう
)
の
官宅
(
くわんたく
)
に、
奴婢
(
ぬひ
)
をさへ
使
(
つか
)
つて
住
(
す
)
んで、
其上
(
そのうへ
)
、
仕事
(
しごと
)
は
自分
(
じぶん
)
の
思
(
おも
)
ふ
儘
(
まゝ
)
、
仕
(
し
)
ても
仕
(
し
)
ないでも
濟
(
す
)
んでゐると
云
(
い
)
ふ
位置
(
ゐち
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
洋卓
(
テーブル
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
殘
(
のこ
)
らず
見廻
(
みまは
)
しましたが、
其上
(
そのうへ
)
には
茶
(
ちや
)
の
他
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
もありませんでした。『
酒
(
さけ
)
な
ン
て
無
(
な
)
くッてよ』と
愛
(
あい
)
ちやんが
注意
(
ちうい
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
なに
)
はしかれ
車
(
くるま
)
の
齒
(
は
)
の
埋
(
うづ
)
まりますまで、
遣
(
や
)
るとしませう。
其上
(
そのうへ
)
は、三
人
(
にん
)
がかり五
人
(
にん
)
がかり、
三井寺
(
みゐでら
)
の
鐘
(
かね
)
をかつぐ
力
(
ちから
)
づくでは、とても
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
きはしませぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其上
(
そのうへ
)
、
氣象上
(
きしようじよう
)
の
大
(
おほ
)
きな
異變
(
いへん
)
については
單
(
たん
)
に
豫報
(
よほう
)
ばかりで
解決
(
かいけつ
)
されないこと、
昭和二年
(
しようわにねん
)
九月十三日
(
くがつじゆうさんにち
)
、
西九州
(
にしきゆうしゆう
)
に
於
(
お
)
ける
風水害
(
ふうすいがい
)
の
慘状
(
さんじよう
)
を
見
(
み
)
ても
明
(
あき
)
らかであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
立て下りけり
跡
(
あと
)
には彼の十歳ばかりなる三吉小僧のみ
彌々
(
いよ/\
)
一人殘され
其上
(
そのうへ
)
早
(
はや
)
日
(
ひ
)
は
暮
(
くれ
)
て白洲へは
灯
(
あか
)
りがつき
四邊
(
あたり
)
森々
(
しん/\
)
として
何
(
なに
)
とやら
物凄
(
ものすご
)
く成しかば三吉は聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其上
(
そのうへ
)
近年は世の中の
物騒
(
ぶつさう
)
なのに
伴
(
つ
)
れて和上の事を
色々
(
いろ/\
)
に言ふ者がある。最も在所の人の心を寒からしめた馬鹿々しい噂は、和上は勤王々々と云つて諸国の浪士に
交際
(
つきあ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
何
(
ど
)
うも
私
(
わたくし
)
は
腹
(
はら
)
が
空
(
へ
)
つて歩かれませぬ、
其上
(
そのうへ
)
塩梅
(
あんばい
)
が
悪
(
わる
)
うございまして。と
云
(
い
)
ふから
仕方
(
しかた
)
なしに
握飯
(
むすび
)
の
二個
(
ふたつ
)
に
銭
(
ぜに
)
の百か二百
遣
(
や
)
ると
当人
(
たうにん
)
は喜んで
其場
(
そのば
)
を
立退
(
たちの
)
くといふ。
是
(
これ
)
が
商売
(
しやうばい
)
になつて
居
(
ゐ
)
ました。
行倒の商売
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
しか
)
し
今
(
いま
)
の
塲合
(
ばあひ
)
何
(
なに
)
も
言
(
い
)
はずに
辛抱
(
しんばう
)
して
喰
(
く
)
つたが、
印度洋
(
インドやう
)
の
炎熱
(
えんねつ
)
が、
始終
(
しじう
)
其上
(
そのうへ
)
を
燒
(
や
)
く
樣
(
やう
)
に
照
(
てら
)
して
居
(
を
)
るのだから
堪
(
たま
)
らない、
其
(
その
)
晝食
(
ちうしよく
)
の
時
(
とき
)
、
一口
(
ひとくち
)
口
(
くち
)
にした
無邪氣
(
むじやき
)
の
少年
(
せうねん
)
は、
忽
(
たちま
)
ち
其
(
その
)
肉
(
にく
)
を
海上
(
かいじやう
)
に
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
玄子
(
げんし
)
と
余
(
よ
)
とは
先
(
ま
)
づ
林
(
はやし
)
に
入
(
い
)
りて、
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
り
來
(
きた
)
り、それを
柱
(
はしら
)
として
畑中
(
はたなか
)
に
立
(
た
)
て、
日避
(
ひよけ
)
の
布片
(
きれ
)
を
天幕
(
てんと
)
の
如
(
ごと
)
く
張
(
は
)
り、
豆
(
まめ
)
の
莖
(
くき
)
の
束
(
たば
)
にしてあるのを
借
(
か
)
り
來
(
きた
)
つて、
地
(
ち
)
に
置
(
お
)
き、
其上
(
そのうへ
)
に
布呂敷
(
ふろしき
)
シオルなど
敷
(
し
)
いて
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
この一
家
(
け
)
に
令孃
(
ひめ
)
ありと
見
(
み
)
て
心
(
こヽろ
)
を
盡
(
つ
)
くす
者
(
もの
)
なく、
有
(
あ
)
るは
甚之助殿
(
じんのすけどの
)
と
我
(
わ
)
れ
計
(
ばかり
)
なる
不憫
(
いぢら
)
しさよ、いざや
此心
(
このこヽろ
)
筆
(
ふで
)
に
言
(
い
)
はして、
時機
(
あは
)
よくは
何處
(
いづこ
)
へなりとも
暫時
(
しばし
)
伴
(
とも
)
なひ、
其上
(
そのうへ
)
にての
策
(
さく
)
は
又
(
また
)
如何樣
(
いかやう
)
にもあるべく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宅
(
うち
)
では
御米
(
およね
)
が
宗助
(
そうすけ
)
に
着
(
き
)
せる
春
(
はる
)
の
羽織
(
はおり
)
を
漸
(
やうや
)
く
縫
(
ぬ
)
ひ
上
(
あ
)
げて、
壓
(
おし
)
の
代
(
かは
)
りに
坐蒲團
(
ざぶとん
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
い
)
れて、
自分
(
じぶん
)
で
其上
(
そのうへ
)
へ
坐
(
すわ
)
つてゐる
所
(
ところ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
他
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
らは
好
(
い
)
い
幸
(
さいは
)
ひに
其
(
そ
)
れを
坐布團
(
ざぶとん
)
にして
其上
(
そのうへ
)
に
彼等
(
かれら
)
の
肘
(
ひぢ
)
を
載
(
の
)
せ、
其頭
(
そのあたま
)
を
越
(
こ
)
えて
向
(
むか
)
ひ
合
(
あは
)
せになつて
話
(
はな
)
してゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
品物
(
しなもの
)
は
佗
(
わび
)
しいが、なか/\の
御手料理
(
おてれうり
)
、
餓
(
う
)
えては
居
(
ゐ
)
るし
冥加
(
みやうが
)
至極
(
しごく
)
なお
給仕
(
きふじ
)
、
盆
(
ぼん
)
を
膝
(
ひざ
)
に
構
(
かま
)
へて
其上
(
そのうへ
)
を
肱
(
ひぢ
)
をついて、
頬
(
ほゝ
)
を
支
(
さゝ
)
えながら、
嬉
(
うれ
)
しさうに
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たわ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其上
(
そのうへ
)
に
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
つと
直
(
す
)
ぐに、
此
(
こ
)
の
野郎
(
やらう
)
、
此
(
こ
)
の
大馬鹿
(
おほばか
)
と
惡體
(
あくたい
)
が
初
(
はじ
)
まるので、
是等
(
これら
)
は
大地主
(
おほぢぬし
)
の
癖
(
くせ
)
であるが、
餘
(
あま
)
り
感心
(
かんしん
)
した
風
(
ふう
)
では
無
(
な
)
い、とドクトルも
思
(
おも
)
ふたのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其方儀
主人
(
しゆじん
)
庄三郎養子又七
妻
(
つま
)
熊と密通致し
其上
(
そのうへ
)
通
(
とほ
)
り
油町
(
あぶらちやう
)
伊勢屋三郎兵衞方にて
夜盜
(
やたう
)
相働
(
あひはたら
)
き金五百兩
盜
(
ぬす
)
み取り候段
重々
(
ぢゆう/\
)
不屆
(
ふとゞき
)
に
付
(
つき
)
町中
(
まちぢう
)
引廻
(
ひきまは
)
しの上
淺草
(
あさくさ
)
に於て
獄門
(
ごくもん
)
申付くる
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうして
深
(
ふか
)
い
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
はこの
質
(
しつ
)
の
層
(
そう
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
其表面
(
そのひようめん
)
まで
達
(
たつ
)
してゐるか、
或
(
あるひ
)
は
表面近
(
ひようめんちか
)
く
進
(
すゝ
)
んで
來
(
き
)
てゐて、
其上
(
そのうへ
)
を
陸界
(
りくかい
)
の
性質
(
せいしつ
)
のもので
薄
(
うす
)
く
被
(
おほ
)
ふてゐるくらゐにすぎぬと、かう
考
(
かんが
)
へられてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
好事魔
(
こうじま
)
多
(
おほ
)
しとはよく
人
(
ひと
)
の
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
で、
私
(
わたくし
)
も
其
(
その
)
理屈
(
りくつ
)
を
知
(
し
)
らぬではないが、
人間
(
にんげん
)
の
一生
(
いつせう
)
に
此樣
(
こん
)
な
旅行
(
りよかう
)
は、
二度
(
にど
)
も
三度
(
さんど
)
もある
事
(
こと
)
でない、
其上
(
そのうへ
)
大佐
(
たいさ
)
と
約束
(
やくそく
)
の
五日目
(
いつかめ
)
までは、
未
(
ま
)
た
三日
(
みつか
)
の
間
(
ひま
)
がある、そこで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
なれどもお
厭
(
いや
)
ならばお
厭
(
いや
)
にて、
寧
(
むしろ
)
、
斷然
(
さつぱり
)
、
目通
(
めどほ
)
りも
厭
(
いや
)
やなれば
疾
(
と
)
く
此處
(
こヽ
)
を
去
(
い
)
ねかし、とでも
發言
(
あり
)
て、いよ/\
成
(
な
)
るまじき
事
(
こと
)
と
知
(
し
)
らば
其上
(
そのうへ
)
に
覺悟
(
かくご
)
もあり、
斯
(
か
)
くまでの
思
(
おも
)
ひ
何
(
なん
)
としても
消
(
き
)
ゆる
筈
(
はず
)
なけれど
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此器械
(
このきかい
)
を
台
(
だい
)
にして
其上
(
そのうへ
)
へ
又
(
また
)
一工夫
(
ひとくふう
)
いたした人がある
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其上
(
そのうへ
)
、
山
(
やま
)
の
気
(
き
)
か、
女
(
をんな
)
の
香
(
にほひ
)
か、ほんのりと
佳
(
い
)
い
薫
(
かほり
)
がする、
私
(
わし
)
は
背後
(
うしろ
)
でつく
息
(
いき
)
ぢやらうと
思
(
おも
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其上
(
そのうへ
)
平岡の留守へ行き
中
(
あ
)
てゝ、
今日
(
こんにち
)
迄の事情を、特に経済の点に関して丈でも、充分聞き出すのは困難である。平岡が
家
(
うち
)
にゐる以上は、詳しい
話
(
はなし
)
の出来ないのは知れ切つてゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其上
(
そのうへ
)
珍
(
めづ
)
らかなる
熊
(
くま
)
の皮を
頂戴
(
ちやうだい
)
しましたよ、
敷皮
(
しきがは
)
を。
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さて
其上
(
そのうへ
)
に下着を着て胴着を着て合着を着て一番上が謂はずとも知れ切つて居る上着なり。
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其上
(
そのうへ
)
父
(
ちゝ
)
に対して
何時
(
いつ
)
にない同情があつた。其
顔
(
かほ
)
、其
声
(
こえ
)
、其代助を動かさうとする努力、凡てに老後の憐れを認める事が出来た。代助はこれをも、父の策略とは受取り得なかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
よい/\の、
犬
(
いぬ
)
の、
婆
(
ばゞ
)
の、
金時計
(
きんどけい
)
の、
淺葱
(
あさぎ
)
の
褌
(
ふんどし
)
の、
其上
(
そのうへ
)
に、
子抱
(
こかゝへ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
と
來
(
き
)
た
日
(
ひ
)
には、こりや
何時
(
いつ
)
までも
見
(
み
)
せられたら、
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
まうも
知
(
し
)
れぬぞと、あたふた
百花園
(
ひやくくわゑん
)
を
遁
(
に
)
げて
出
(
で
)
る。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
始めはそれを左程にも思はなかつたが、近頃では不愉快と云ふよりも寧ろ、行き
悪
(
にく
)
い度が日毎に強くなつて
来
(
き
)
た。
其上
(
そのうへ
)
留守の訪問が
重
(
かさ
)
なれば、下女に不審を起させる恐れがあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はじめの
内
(
うち
)
は一
廻
(
まはり
)
も
太
(
ふと
)
つたやうに
思
(
おも
)
はれて
痒
(
かゆ
)
さが
耐
(
たま
)
らなかつたが、しまひにはげつそり
痩
(
や
)
せたと、
感
(
かん
)
じられてづきづき
痛
(
いた
)
んでならぬ、
其上
(
そのうへ
)
を
用捨
(
ようしや
)
なく
歩行
(
ある
)
く
内
(
うち
)
にも
入交
(
いりまじ
)
りに
襲
(
おそ
)
ひをつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
美禰子は
答
(
こた
)
へなかつた。
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
を
濡
(
ぬ
)
れながら、博物館
前
(
まへ
)
の
広
(
ひろ
)
い原の
中
(
なか
)
に立つた。幸ひ雨は今
降
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
した許である。
其上
(
そのうへ
)
烈しくはない。女は雨の
中
(
なか
)
に立つて、
見廻
(
みまは
)
しながら、向ふの
森
(
もり
)
を
指
(
さ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
界隈
(
かいわい
)
の
貧民
(
ひんみん
)
の
兒
(
こ
)
で、つい
此
(
こ
)
の
茗荷谷
(
みやうがだに
)
の
上
(
うへ
)
に
在
(
あ
)
る、
補育院
(
ほいくゐん
)
と
稱
(
とな
)
へて
月謝
(
げつしや
)
を
取
(
と
)
らず、
時
(
とき
)
とすると、
讀本
(
とくほん
)
、
墨
(
すみ
)
の
類
(
るゐ
)
が
施
(
ほどこし
)
に
出
(
で
)
て、
其上
(
そのうへ
)
、
通學
(
つうがく
)
する
兒
(
こ
)
の、
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
暮
(
ぐら
)
しの
親達
(
おやたち
)
、
父親
(
ちゝおや
)
なり、
母親
(
はゝおや
)
なり
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
秋晴と云つて、此頃は東京の
空
(
そら
)
も
田舎
(
いなか
)
の様に深く見える。かう云ふ
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に
生
(
い
)
きてゐると思ふ丈でも
頭
(
あたま
)
は
明確
(
はつきり
)
する。
其上
(
そのうへ
)
野へ
出
(
で
)
れば申し分はない。気が
暢
(
の
)
び/\して
魂
(
たましい
)
が
大空
(
おほそら
)
程の
大
(
おほ
)
きさになる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“其上”で始まる語句
其上書
其上有白色蓮花