“百花園”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひゃっかえん88.9%
ひやくくわゑん11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏、日ざかりに、しばしばわたくしは百花園ひゃっかえんを訪問する。そして、蓮の葉の一ぱいに、岸よりも高くひしめきつつもり上ったあの池のまえに立つ。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
明治の末、わたくしが西洋から帰って来た頃には梅花は既に世人の興をくべき力がなかった。向嶋むこうじま百花園ひゃっかえんなどへ行っても梅は大方枯れていた。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
はからざりき、かずに/\とつゞけるのをいて、ひらけば向島むかうじまなり。それより百花園ひやくくわゑんあそぶ。黄昏たそがれたり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
よい/\の、いぬの、ばゞの、金時計きんどけいの、淺葱あさぎふんどしの、其上そのうへに、子抱こかゝへ亭主ていしゆには、こりや何時いつまでもせられたら、くらまうもれぬぞと、あたふた百花園ひやくくわゑんげてる。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)