覺悟かくご)” の例文
新字:覚悟
九、 大地震だいぢしん場合ばあひには水道すいどう斷水だんすいするものと覺悟かくごし、機敏きびん貯水ちよすい用意よういをなすこと。またみづもちひざる消防法しようぼうほうをも應用おうようすべきこと。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
其處そこ何者なにものかゞるに相違さうゐない、ひとか、魔性ましやうか、其樣そんことかんがへてられぬ、かく探險たんけん覺悟かくごしたので、そろ/\とをかくだつた。
取出し見れば最早もはやかほ劔難けんなんさうあらはれたれば然ば明日は病氣といつはり供を除き捕手とりての向はぬ内に切腹せつぷくすべしと覺悟かくごを極め大膳のもと使つかひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それでも、どうにかして赫映姫かぐやひめ自分じぶんつまにしようと覺悟かくごした五人ごにんは、それ/″\いろいろの工夫くふうをして註文ちゆうもんしなつけようとしました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
解禁後かいきんご國民こくみん覺悟かくごついひろ國民こくみん理解りかいくことは將來しようらい金本位制きんほんゐせい維持ゐぢもつと必要ひつえう事項じかうかんがふるところである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
なんぢ覺悟かくごをせよ』女王樣ぢよわうさま唐突いきなりこゑいからし、ひながら地韛踏ぢだんだふんで、『あたまねるが、宜いか、たついま!さァ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
何處どこまでゝも——けれど、それがもしあなたの御迷惑ごめいわくになるとでも仰有おつしやるなら、わたし此處ここでおわかれします。でも、うちへはもうかへらない覺悟かくごです。』
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
老人らうじん若者わかもの自殺じさつ覺悟かくご最初さいしよからつてたのですけれども最後さいごまで直接ちよくせつにさうとは一言いちごんひませんでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
よろしい、わたしいまじつもつにつちもさつちもかん輪索わな陷沒はまつてしまつたのです。もう萬事休矣おしまひです覺悟かくごはしてゐます。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そへてふくろふさけ一段いちだんものすごしおたか決心けつしん眼光まなざしたじろがずおこゝろおくれかさりとては御未練ごみれんなりたかこゝろさきほどもまをとほきはめし覺悟かくごみちひと二人ふたり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まだ方角はうがくたしかでない。旅馴たびなれた野宿のじゆく覺悟かくごで、かすか黒雲くろくもごとひくやま四方しはうつゝんだ、はひのやうな渺茫べうばうたる荒野あらのあしにまかせて辿たどること二里にりばかり。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
チッバ なんぢゃ、いてゐながら、和睦わぼくぢゃ! 和睦わぼくといふことば大嫌だいきらひぢゃ、地獄ぢごくほどに、モンタギューの奴等やつらほどに、うぬほどにぢゃ。卑怯者ひけふものめ、覺悟かくごせい!
覺悟かくごの身仕舞見事に、兩の膝を扱帶しごきで結んで、片手に數珠ずじゆを掛けたまゝ、母の形見といふ懷劍くわいけんで、玉のやうな白い喉笛を掻き切らうとして居るではありませんか。
餘所よそくらべると閑靜かんせいはる支度したくも、御米およねからへば、ねん一度いちどいそがしさにはちがひなかつたので、あるひ何時いつどほり準備じゆんびさへいて、つねよりも簡單かんたんとし覺悟かくごをした宗助そうすけ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
卯平うへい身體からだわるつてからわづかあひだでも覺悟かくごをしたのでいくらでも財布さいふにはたくはへが出來できた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
よろしく自國じこく言語げんご尊重そんてうしてくまでこれを徹底てつていせしむるの覺悟かくごがなければならぬ。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
をとこもさうすればわたしの太刀たちに、ことにはならなかつたのです。が、薄暗うすぐらやぶなかに、ぢつとをんなかほ刹那せつな、わたしはをとこころさないかぎり、此處ここるまいと覺悟かくごしました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其後そのご一週間いつしゆうかんむなしく※去すぎさつたならば、櫻木大佐さくらぎたいさつひには覺悟かくごさだめて、稀世きせい海底戰鬪艇かいていせんとうていともに、うみ藻屑もくづえてしまうことであらう。
ころして我も死ぬ覺悟かくごなりとよばはらせ其處へ我々駈込かけこみ種々しゆ/″\詮議せんぎして菊が口より云々しか/″\いはせんは如何にやと申ければ三人是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまびたからとて甲斐かひはなしと覺悟かくごして、太吉たきち太吉たきちそばんで、おまへとゝさんのそばかゝさんと何處どちらい、ふてろとはれて、おいらはおとつさんはきら
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むかしから、落人おちうど七騎しちき相場さうばきまつたが、これは大國たいこく討手うつてである。五十萬石ごじふまんごくたゝかふに、きりもちひとつはなさけない。が、討死うちじに覺悟かくごもせずに、血氣けつきまかせて馳向はせむかつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大島小學校おほしませうがくかういまむら經濟けいざい維持ゐぢしてますが、しかしむら經濟けいざい首腦しゆなう池上權藏いけがみごんざうですから、學校がくかう保護者ほごしや依然いぜんとしてむかし覺悟かくごまできめた百姓ひやくしやう權藏ごんざうであります。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
大地震だいぢしん出會であつて屋外おくがいへの安全あんぜん避難ひなんはない場合ばあひは、家屋かおくつぶれること、かべ墜落ついらく煙突えんとつ崩壞ほうかいなどを覺悟かくごし、また木造家屋もくぞうかおくならば下敷したじきになつた場合ばあひ考慮こうりよして
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
またぱう我國わがくに經濟けいざい立直たてなほしが出來でき堅實けんじつなる基礎きそうへつのであるからこれよりきた生産費せいさんひ低減ていげんによりてうしなところつぐなけの用意ようい覺悟かくごをなすべきことゝかんがへるのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ロレ まゝ、かへらしめ。(藥瓶を渡し)さらば、たくましう覺悟かくごして、首尾しゅびようこと爲遂しとげさッしゃれ。わしはまたさる法師ほふしに、おこと殿御とのごへの書面しょめんたせ、いそいでマンチュアまでりませう。
かれ標準へうじゆんとしてをしへられたはづすことなくむぎかねばならぬものと覺悟かくごをしてるのである。それとともに一にちでもうして時間じかん空費くうひする自分じぶん瘡痍きずいてかれふかかなしんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もうかうなつたうへは、あなたと一しよにはられません。わたしは一思ひとおもひに覺悟かくごです。しかし、——しかしあなたもおになすつてください。あなたはわたしのはぢ御覽ごらんになりました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたくしはハツトおもつて一時いちじ遁出にげださうとしたが、今更いまさらげたとてなん甲斐かひがあらう、もう絶體絶命ぜつたいぜつめい覺悟かくごしたとき猛狒ゴリラはすでに目前もくぜん切迫せつぱくした。
うけたれば最早もはや初瀬留には逢事あふこともならず所詮生てはぢをかゝんよりはと覺悟かくごきはめし事なりと一伍一什いちぶしじふを物語れば五八は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なにおどろかせるがるしさに結局つまりいはねばならぬこと今日けふまでもだまつてりしなり、三ねんか五ねんかへるつもりなれどもそのほどは如何どうわからねばまづ當分たうぶんわかれの覺悟かくご
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのうち、すきて、縁臺えんだいに、うすべりなどを持出もちだした。なにうあらうとも、今夜こんや戸外おもてにあかす覺悟かくごして、まだにもみづにもありつけないが、ほついきをついたところへ——
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わし腹立はらだたせて、また罪惡ざいあくをかさせてくださるな。おゝ、はやなしゃれ。眞實しんじつわし自分じぶんよりも足下おぬし可愛いとしうおもうてゐる、わし自殺じさつをしようと覺悟かくごして此處こゝものであるにって。
金解禁後きんかいきんご國民こくみん覺悟かくご
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
おのれ難船なんせんふやうなものか、うぢや。)と、其處そこむねが、(おまへ隨分ずゐぶんつみつくつてるからうだかれぬ。)とこたへられたにや、覺悟かくごもせずばなるまい。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ともおもまたみづからはげましては、なんわけもなきこと、大英斷だいえいだん庭男にはをとことさへりしわれ此上このうへ出來できごと覺悟かくごまへなり、たゞあやふきは令孃ひめこヽろにて、首尾しゆびよくふみとヾきたりとも
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
のこれるはじうへならず、勿躰もつたいなき覺悟かくごこゝろうち侘言わびごとして、どうでもなれぬ生中なまなかきてぎんとすれば、人並ひとなみのういことつらいこと、さりとは此身このみへがたし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大方おほかたくあらむと、したることとて、民子たみこあらかじ覺悟かくごしたから、茶店ちやみせ草鞋わらぢ穿いてたので、此處こゝ母衣ほろから姿すがたあらはし、山路やまぢゆき下立おりたつと、爪先つまさきしろうなる。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なが大河おほかはみづしづ覺悟かくごきわめしかどひかれしうしがみ千筋ちすぢにはあらで一筋ひとすぢふといふ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
き、しまくと、元船もとぶね乘棄のりすてて、魔國まこくとこゝを覺悟かくごして、死裝束しにしやうぞくに、かみ撫着なでつけ、衣類いるゐ着換きかへ、羽織はおりて、ひもむすんで、てん/″\が一腰ひとこしづゝたしなみの脇差わきざしをさして上陸あがつたけれど
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
因果いんぐわふくめしなさけことばさても六三ろくさ露顯ろけんあかつきは、くびさしべて合掌がつしやう覺悟かくごなりしを、ものやはらかにかも御主君ごしゆくんが、げるぞ六三ろくさやしき立退たちのいてれ、れもあくまで可愛かあゆ其方そち
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
談話はなし聽人きゝてみな婦人ふじんで、綺麗きれいひと大分だいぶえた、とたちのであるから、羊羹やうかんいちご念入ねんいりむらさき袱紗ふくさ薄茶うすちや饗應もてなしまであつたが——辛抱しんばうをなさい——さけふものは全然まるでない。が、かねての覺悟かくごである。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あんまりなりよしさまそのこゝろならそれでよしわたくしにも覺悟かくごありとなみだはらつてきつとなるおたか
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
覺悟かくご次第しだい斷念あきらめもつくべし、いま此文これげて、あきらかのおこたいてたまはれ、次第しだいにて若樣わかさまにもおわかれにるべければと虚實きよじつをまぜて、子心こごヽろあはれとくやうたのみければ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたし手足てあしはたらかぬときりて何分なにぶんのお世話せはをおたのまをさねばらぬあかつき月給げつきうゑんらう、れをおもふといまのうち覺悟かくごめて、すこしはたがひにらきことなりとも當分たうぶん夫婦ふうふわかれして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
覺悟かくご今更いまさらなみだ見苦みぐるしゝとはげますはことばばかりれまづはらまぶたつゆえんとするいのちさてもはかなし此處こゝ松澤まつざは新田につた先祖累代せんぞるゐだい墓所ぼしよひるなほくら樹木じゆもくしげみを吹拂ふきはら夜風よかぜいとゞ悲慘ひさんこゑ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今夜こんやかへつてれとてつて引出ひきいだすやうなるもことあらだてじのおや慈悲じひ阿關おせきはこれまでの覺悟かくごしてお父樣とつさん、お母樣つかさん今夜こんやことはこれかぎり、かへりまするからはわたし原田はらだつまなり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白状はくぜうせば伯父おぢうへにもかゝる、つみ覺悟かくごうへなれどものがたき伯父樣おぢさまにまでぎぬせて、されぬは貧乏びんぼうのならひ、かゝることもするものひとひはせぬか、かなしやなんとしたらよかろ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うらまれるは覺悟かくごまへおにだともじやだともおもふがようござりますとて、ばちたゝみすこびあがりておもておろせば、なん姿すがたえるかとなぶる、あゝかへつたとえますとて茫然ぼんとしてるに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三五らうるか、一寸ちよつときてくれ大急おほいそぎだと、文次ぶんじといふ元結もとゆひよりのよぶに、なん用意よういもなくおいしよ、よしきたがるに敷居しきゐとびこゆるときこの二タまた野郎やらう覺悟かくごをしろ、横町よこてうつらよごしめたゞかぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)