だい)” の例文
新字:
言はれて内室ないしつはひつて見ると成程なるほど石は何時いつにか紫檀したんだいかへつて居たので益々ます/\畏敬ゐけいねんたかめ、うや/\しく老叟をあふぎ見ると、老叟
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と、あはれや夕飯ゆふめし兼帶けんたいだいざるはしげた。ものだと、あるひはおとなしくだまつてたらう。が、對手あひてがばらがきだからたまらない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
單に形状けいじようのみを見るも穀類抔こくるゐなどにするときだいの如くにおもはるれど、アフリカの内地ないちの土人は現に同形どうけいの石器を同樣どうやう目的もくてきに用ゐ居るなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
たとへばつきといふひらたいおわんのようなもの、それにふたのついたもの、またそのつきたかだいのついた高坏たかつきといふようなものなどたくさんありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
見る行燈あんどうだいの上に書置かきおきの事と記したる一ぷうありて然も之れ娘お光の手跡しゆせきなれば一目見るより大きに驚き直に飛起とびおき封じ目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたくしだまつて點頭うなづくと夫人ふじんしづか立上たちあがり『皆樣みなさまのおみゝけがほどではありませんが。』とともなはれてピアノだいうへのぼつた。
下男共げなんどもて、かれ手足てあしり、小聖堂こせいだうはこつたが、かれいまめいせずして、死骸むくろだいうへ横臥よこたはつてゐる。つてつき影暗かげくらかれてらした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
茶呑茶碗ちやのみぢやわんひとつ/\にかれて、何處どこからかそなへられたいも牛蒡ごばう人參にんじん野菜やさい煮〆にしめ重箱ぢゆうばこまゝかれた。其處そこにはぜんだいなにもなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
よる煤竹すゝだけだいけた洋燈らんぷ兩側りやうがはに、ながかげゑがいてすわつてゐた。はなし途切とぎれたときはひそりとして、柱時計はしらどけい振子ふりこ音丈おとだけきこえることまれではなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
仕立したてかけの縫物ぬひものはりどめしてつは年頃としごろ二十餘はたちあまりの意氣いきをんなおほかみいそがしいをりからとてむすがみにして、すこながめな八丈はちぢやうまへだれ、おめしだいなしな半天はんてん
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
余等は市街を出ぬけ、石狩川を渡り、近文のアイヌ部落を遠目に見て、第七師團の練兵場を横ぎり、車を下りて春光臺しゆんくわうだいに上つた。春光臺は江戸川を除いた旭川のこうだいである。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
お房が周三のモデルになつて、彼の畫室ぐわしつのモデルだいに立つやうになツてから、もう五週間しうかんばかりになる。しか製作せいさく遲々ちゝとして一かう捗取はかどらぬ。辛面やツとかげとひなたが出來たくらゐのところである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
金之助の死體は、夜の明けぬうちに、だいで三丁目の大野田家に移しましたが、したゝかに血を呑んだ疊は、急に處分するわけにも行かず、そのまゝにして、次の夜の來るのを待つて居ります。
十一ぐわつ下旬げじゆんには千二百ゑんだいとなり十二ぐわつにはついに千百ゑんだいとなつた。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ありやあ、思想のだいですよ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
……なんとかや——いとんでさがして、やうやたけだいでめぐりひ、そこもはれて、三河島みかはしまげのびてゐるのだといふ。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蓮池れんちぎて、ひだりのぼところは、よるはじめての宗助そうすけつて、すこ足元あしもとなめらかにかなかつた。つちなかつてゐるいしに、一二下駄げただいけた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
遠國ゑんごくやまからすのだといふ模擬まがひおもだいへゴムせいおもてつた下駄げたけてるものもある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
或はだいの上に石を横たへて左手の指にてこれおさへ右手には、前述の骨角こつかくの如き堅き物にて作れる棒を持ち、此棒このばうの尖端を石片の周縁いんえんに當て少しづつし缺きしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
かたげて出行たりあとは徳右衞門をはじめ家内の者もホツト溜息ためいき吐計つくばかりなりかくて善六は神奈川だいへ行て駕籠かご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
左樣さうさとられたからは百年目ひやくねんめこの一件いつけん他人たにんもらすものならば、乃公おれかさだいぶはれたこと左樣さうなればやぶれかぶれ、おまへ御主人ごしゆじんいへだつて用捨ようしやはない、でもかけて
雲飛うんぴ先生せんせいなみだの出るほどうれしがり、早速さつそくいへかへつて、紫檀したんだいこしらえ之を安置あんちした。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ヨーロッパの博物館はくぶつかんにもありますが、ふる彫刻ちようこくなどはみなだいうへせてあつて、ぼたんをせばそれが自由じゆう廻轉かいてんするようになつてをりますので、見物人けんぶつにんひとところつてゐながら
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
太吉たきち何時いつしかだいより飯櫃めしびつとりおろして、よつちよいよつちよいとかつす、坊主ぼうずれがそばいとてつむりでつゝはしるに、こゝろなにおもふとなけれどしたおぼえのくてのどあなはれたるごと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
屋根やねよりたか大行燈おほあんどうて、白雪しらゆきやまみ、だいうへつて、やあ、がばり/\がばり/\とわめく。行燈あんどうにも、白山氷はくさんこほりがばり/\とる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はかまけたをとこは、だいうへにある撞木しゆもくげて、銅鑼どらかね眞中まんなかふたほどらした。さうして、ついとつて、廊下口らうかぐちて、おくはうすゝんでつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
念佛衆ねんぶつしゆう使つかつてなべ土瓶どびん茶碗ちやわんたゞごた/\とされてあつた。だいつきのランプは近所きんじよからりてたのであつた。麁朶そだほのほランプにひかりへてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
昇降口しようこうぐちの高さは少くとも三尺位は有るべし。おそらくは木製もくせい梯子はしご或はだいもうけ有りしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
はら目覺めざましくも又勇々敷ゆゝしくぞ見えたりけるかくて玄關に到れば取次の役人やくにん兩人下座敷げざしきまで出迎でむかへ案内して廣書院ひろしよゐんへ通せしを見るに上段にはみすおろし中には二でふだいの上ににしきしとねを敷て座を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
づ二だいの三等車とうしやつぎに二等車とうしやが一だいこのだいが一れつになつてゴロ/\と停車場ていしやぢやうて、暫時しばらくは小田原をだはら場末ばすゑ家立いへなみあひだのぼりにはひとくだりにはくるまはしり、はしとき喇叭らつぱいてすゝんだ。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あらゆる防水ぼうすい方便てだてつくされたが、微塵みぢん打碎うちくだかれたる屹水下きつすいかからは海潮かいてうたきごとほとばしりつて、その近傍きんぼうにはこと出來できない。十だい喞筒ポンプは、全力ぜんりよくみづ吐出はきだしてるがなん效能こうのうもない。
またさけみづ五六升ごろくしようもはひるような大瓶おほかめがあり、めづらしい恰好かつこうのものには、たけたかすかりのつぼをのせるだいだとか、つぼだいとくっついてゐるものだとか、くちまはりに人間にんげんうまちひさいかたちをつけた
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かたそろへて、ひなる……そで左右さいうからかさねたなかに、どちらのだらう、手燭てしよくか、だいか、裸火はだかび蝋燭らふそくさゝげてた。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
てよ、先刻さつき紳士しんしは、あゝして、鹽尻しほじり下車おりたとおもふが、……それともしつへて此處こゝまでたか、くるまが三だいそろつて。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
巨大きよだいなるくすのきらさないために、板屋根いたやねいた、小屋こやたかさは十ぢやうもあらう、あしいただいせかけたのが突立つツたつて、ほとん屋根裏やねうらとゞくばかり。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だい腕車わんしやにん車夫しやふは、茶店ちやみせとゞまつて、人々ひと/″\とともに手當てあてをし、ちつとでもあがきがいたら、早速さつそく武生たけふまでも其日そのひうち引返ひつかへすことにしたのである。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しをらしさのおかげかして、こうだいむかうにる、土手どてあがると、く、く、くぞ、そこに、よしきり。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とき袖崎そでさきつゞいて、背後うしろからならんでた五六だいくるまが、がら/\と川縁かはべりを、まちして通過とほりすぎる。看板かんばん薄黄色うすきいろが、まくけた舞臺ぶたいはしおもむきえた。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あゝ、いててくんねえ、眞個ほんとさかなくツちやあ、だいなし身體からだよわるツていふんだもの。」
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
し、とはれて、けますと、そこあなうちではなかつたのです。すつくりてたやうなたかみねの、うへにもうひとたふきましただいうへりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もとより何故なにゆゑといふわけはないので、墓石はかいしたふれたのを引摺ひきずりせて、ふたツばかりかさねてだいにした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
白帆しらほあちこち、處々ところ/″\煙突えんとつけむりたなびけり、ふりさければくももなきに、かたはらには大樹たいじゆ蒼空あをぞらおほひてものぐらく、のろひくぎもあるべきみきなり。おなじだい向顱卷むかうはちまきしたる子守女こもりをんな三人さんにんあり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
軍機ぐんきをもらすおそれはあるが、まぶとつて、きやくだいのものをわたくしせず、いろとつて、旦那だんな會計くわいけいわづらはさないことを、たちのために、旦那だんななるものに、諒解りやうかい要求えうきうする。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……そのちひさなだいりに、すな氣味きみわる階子段はしごだんがると、……プンとにほつた。げるやうなにほひである。ハツとおもふと、かうのせゐか、てこめたなかけむりつ。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところへ、荷車にぐるまが一だい前方むかうから押寄おしよせるがごとくにうごいて、たのは頬被ほゝかぶりをした百姓ひやくしやうである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みづからいたかげのやうに、すら/\とくろあふつて、くるまが三だい、ついまへから駈出かけだした。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こたへた、如何いかにも一だいうすぼんやりと、みだれて、もやながれさうにいてる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
昨夜ゆうべやとつた腕車くるまが二だいゆきかどたゝいたので、主從しうじうは、朝餉あさげ支度したく匇々そこ/\に、ごしらへして、戸外おもてると、東雲しのゝめいろともかず黄昏たそがれそらともえず、溟々めい/\濛々もう/\として、天地てんちたゞ一白いつぱく
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
子供こどもたちは、太鼓たいこばち用意よういして、やしろ境内けいだいそなへつけの大太鼓おほだいこをたゝきにき、またくるまのつきたる黒塗くろぬりだいにのせてれをきながらうちはやして市中しちうりまはる。ドヾンガドン。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
へい、それ引込ひきこめ、と仰有おつしやりますから、精々せい/″\目着めつかりませんやうに、突然いきなり蝋燭らふそくしてたでござります。やまかげりますで、くるまだい月夜つきよでも、一寸ちよいとにはきますまいとおもひまして、へい。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)