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段々
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だん/\
ふりがな文庫
“
段々
(
だん/\
)” の例文
が、
彼
(
かれ
)
は
年月
(
としつき
)
の
經
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、
此事業
(
このじげふ
)
の
單調
(
たんてう
)
なのと、
明瞭
(
あきらか
)
に
益
(
えき
)
の
無
(
な
)
いのとを
認
(
みと
)
めるに
從
(
したが
)
つて、
段々
(
だん/\
)
と
厭
(
あ
)
きて
來
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
ふたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
手拭
(
てぬぐひ
)
を
浸
(
ひた
)
す
度
(
たび
)
に
小
(
ちひ
)
さな
手水盥
(
てうずだらひ
)
の
水
(
みづ
)
に
月
(
つき
)
が
全
(
まつた
)
く
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
を
失
(
うしな
)
つて
暫
(
しばら
)
くすると
手水盥
(
てうずだらひ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
から
聚
(
あつま
)
る
樣
(
やう
)
に
段々
(
だん/\
)
と
月
(
つき
)
の
形
(
かたち
)
が
纏
(
まと
)
まつて
見
(
み
)
えて
來
(
く
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
番頭久八は大いに驚き主人五兵衞へ
段々
(
だん/\
)
に
詫言
(
わびごと
)
に及び千太郎には厚く
異見
(
いけん
)
を加へ
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
と
執成
(
とりな
)
しければ五兵衞も
漸々
(
やう/\
)
怒
(
いか
)
りを治め此後を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
君子
(
くんし
)
は
庖廚
(
はうちう
)
の
事
(
こと
)
になんぞ、
關
(
くわん
)
しないで
居
(
ゐ
)
たが、
段々
(
だん/\
)
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
に
成
(
な
)
り、
座敷
(
ざしき
)
に
及
(
およ
)
んで、
棚
(
たな
)
、
小棚
(
こだな
)
を
掻
(
か
)
きまはし、
抽斗
(
ひきだし
)
をがたつかせる。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
るに
政府
(
せいふ
)
の
海外
(
かいぐわい
)
に
保有
(
ほいう
)
して
居
(
ゐ
)
る
對外資金
(
たいぐわいしきん
)
が
段々
(
だん/\
)
減少
(
げんせう
)
して
來
(
き
)
て、六千
萬圓
(
まんゑん
)
許
(
ばか
)
りになつた
爲
(
ため
)
に
段々
(
だん/\
)
爲替相場
(
かはせさうば
)
は
下
(
さが
)
つて
來
(
き
)
たのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
▼ もっと見る
「
左様
(
さう
)
ですな」と矢っ張り
煮
(
に
)
え
切
(
き
)
らない答をした。
父
(
ちゝ
)
はじつと代助を見てゐたが、
段々
(
だん/\
)
皺
(
しわ
)
の多い
額
(
ひたひ
)
を
曇
(
くも
)
らした。
兄
(
あに
)
は仕方なしに
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
相応
(
さうおう
)
に
商
(
あきな
)
ひもあるから、
商
(
あきな
)
ひ
高
(
だか
)
の
内
(
うち
)
より
貯
(
た
)
めて置いて、これを
多助
(
なすけ
)
に
預
(
あづ
)
けたのが
段々
(
だん/\
)
積
(
つも
)
つて、二百
両
(
りやう
)
ばかりになつた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
議場
(
ぎぜう
)
へ
出
(
で
)
る
政治家
(
せいちか
)
でも、
両国
(
れうこく
)
の
土俵
(
とへう
)
で
見
(
み
)
る
力士
(
りきし
)
でも、
伝統的
(
でんとうてき
)
なものが
亡
(
ほろ
)
びて、
段々
(
だん/\
)
小粒
(
こつぶ
)
になつて
来
(
く
)
るのにも
不思議
(
ふしぎ
)
はない。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼等
(
かれら
)
は
遙
(
はる
)
か
行
(
ゆ
)
かずして、
遠方
(
ゑんぱう
)
に
海龜
(
うみがめ
)
が、
爼形
(
まないたなり
)
の
小
(
ちひ
)
さな
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
に、
悲
(
かな
)
しさうにも
亦
(
また
)
淋
(
さび
)
しさうに
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
ました、
彼等
(
かれら
)
が
段々
(
だん/\
)
近寄
(
ちかよ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
に
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
即
(
すなは
)
ち
海水
(
かいすい
)
が
段々
(
だん/\
)
狹
(
せま
)
くなる
港灣
(
こうわん
)
に
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
むことになり、
隨
(
したが
)
つて
沖合
(
おきあひ
)
では
高
(
たか
)
さ
僅
(
わづか
)
に
一二尺
(
いちにしやく
)
にすぎなかつた
津浪
(
つなみ
)
も、
港灣
(
こうわん
)
の
奧
(
おく
)
に
於
(
おい
)
ては
數十尺
(
すうじつしやく
)
の
高
(
たか
)
さとなるのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
而
(
す
)
るとお前は中々此の望を
遂
(
とげ
)
させて呉れるやうな女ぢやない、で
段々
(
だん/\
)
飽いて來るやうになツたんだ。お前も
間尺
(
ましやく
)
に合はんと思ツてゐるだらうが、
俺
(
おれ
)
も
充
(
つま
)
らんさ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
畢竟
(
つまり
)
売捌
(
うりさばき
)
の方法が
疎略
(
そりやく
)
であつた
為
(
ため
)
に、
勘定
(
かんじやう
)
合つて
銭
(
ぜに
)
足
(
た
)
らずで、
毎号
(
まいがう
)
屹々
(
きつ/\
)
と
印刷費
(
いんさつひ
)
を
払
(
はら
)
つて行つたのが、
段々
(
だん/\
)
不如意
(
ふによい
)
と
成
(
な
)
つて、
二号
(
にがう
)
おくれ三
号
(
がう
)
おくれと
逐
(
おは
)
れる
有様
(
ありさま
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
食物
(
しよくもつ
)
の
事
(
こと
)
に
就
(
つい
)
て、
少
(
すこ
)
し
感
(
かん
)
じた
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
りますから
貴婦人方
(
あなたがた
)
に
御噺
(
おはな
)
し
致
(
いた
)
しますが、
今
(
いま
)
宮本
(
みやもと
)
さんから、
段々
(
だん/\
)
の
御噺
(
おはな
)
しが
有
(
あ
)
ツて、
兒護婦
(
こもり
)
の
不注意
(
ふちうい
)
より、
子供
(
こども
)
が
種々
(
しゆ/″\
)
の
者
(
もの
)
を
飮
(
の
)
み
込
(
こ
)
み
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
お
前
(
まへ
)
さまの
事
(
こと
)
は
宜
(
よろ
)
しくお
民
(
たみ
)
が
承知
(
しようち
)
して
居
(
お
)
れば
少
(
すこ
)
しも
心配
(
しんぱい
)
の
事
(
こと
)
はあらず、
唯
(
たヾ
)
これまでと
違
(
ちが
)
ひて
段々
(
だん/\
)
と
大人
(
おとな
)
になり
世間
(
せけん
)
の
交際
(
つきあい
)
も
知
(
し
)
らねばならず、
第
(
だい
)
一に六づかしきは
人
(
ひと
)
の
機嫌
(
きげん
)
なり
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
圓
(
まる
)
い
塚
(
つか
)
に
段々
(
だん/\
)
をつけたような
形
(
かたち
)
も
出來
(
でき
)
てまゐりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
そこで
段々
(
だん/\
)
怖
(
こわ
)
くなり
鸚鵡:(フランス)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
本部
(
ほんぶ
)
の
段々
(
だん/\
)
で
本部の段々で
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
お
品
(
しな
)
にのみ
焦
(
こが
)
れて
居
(
ゐ
)
たのであるが、
段々
(
だん/\
)
日數
(
ひかず
)
が
經
(
た
)
つて
不自由
(
ふじいう
)
を
感
(
かん
)
ずると
共
(
とも
)
に
耳
(
みゝ
)
を
聳
(
そばだ
)
てゝさういふ
噺
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
くやうに
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
二間
(
ふたま
)
三間
(
みま
)
、
段々
(
だん/\
)
に
次第
(
しだい
)
に
奧
(
おく
)
へ
深
(
ふか
)
く
成
(
な
)
ると……
燈火
(
ともしび
)
の
白
(
しろ
)
き
影
(
かげ
)
ほのかにさして、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ、
颯
(
さつ
)
と
紅
(
くれなゐ
)
の
簾
(
すだれ
)
が
靡
(
なび
)
く、
花
(
はな
)
の
霞
(
かすみ
)
に
入
(
い
)
る
心地
(
こゝち
)
。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勾引
(
かどはか
)
しはいたしませんが彼は友達の松五郎と云が
連來
(
つれきた
)
りまして
我姪
(
わがめひ
)
なりと
段々
(
だん/\
)
頼
(
たの
)
みまする故據ろなく三浦屋は私し名前にして
賣込
(
うりこみ
)
たる趣きを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其中
(
そのうち
)
に
又
(
また
)
拍子木
(
ひやうしぎ
)
を、二ツ打ち三ツ打ち四ツ打つやうになつて来ると、四ツ
辻
(
つじ
)
の
楽隊
(
がくたい
)
が
喇叭
(
らつぱ
)
に
連
(
つ
)
れて
段々
(
だん/\
)
近く
聞
(
きこ
)
えまする。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
段々
(
だん/\
)
集注
(
しふちゆう
)
して
凝
(
こ
)
り
固
(
かた
)
まつて、
仕舞
(
しまひ
)
に
鐵
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
の
樣
(
やう
)
にならなくては
駄目
(
だめ
)
だと
云
(
い
)
つた。さう
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
けば
聞
(
き
)
く
程
(
ほど
)
、
實際
(
じつさい
)
にさうなるのが、
困難
(
こんなん
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
話
(
はなし
)
は
段々
(
だん/\
)
進
(
すゝ
)
んだ。
私
(
わたし
)
の
詰問
(
きつもん
)
に
対
(
たい
)
して、
妻
(
つま
)
は一と
通
(
とほり
)
の
弁解
(
べんかい
)
をしてから、
其
(
それ
)
は
恋
(
こひ
)
と
云
(
い
)
ふほどでは
無
(
なか
)
つたと
説明
(
せつめい
)
する。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
一
割
(
わり
)
一
分
(
ぶ
)
も
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
つた
爲替相場
(
かはせさうば
)
が
貿易
(
ぼうえき
)
の
改善
(
かいぜん
)
せらるゝに
從
(
したが
)
つて
段々
(
だん/\
)
騰貴
(
とうき
)
して十一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
の
短期期限附
(
たんききげんづき
)
の
金解禁
(
きんかいきん
)
の
發表前
(
はつぺうぜん
)
には四十八
弗
(
ドル
)
二
分
(
ぶん
)
の一となつた。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
イワン、デミトリチは
初
(
はじ
)
めの
中
(
うち
)
は
院長
(
ゐんちやう
)
が
野心
(
やしん
)
でも
有
(
あ
)
るのでは
無
(
な
)
いかと
疑
(
うたが
)
つて、
彼
(
かれ
)
に
左右
(
とかく
)
遠
(
とほ
)
ざかつて、
不愛想
(
ぶあいさう
)
にしてゐたが、
段々
(
だん/\
)
慣
(
な
)
れて、
遂
(
つひ
)
には
全
(
まつた
)
く
素振
(
そぶり
)
を
變
(
か
)
へたので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
可哀相
(
かあいさう
)
に!それは
最
(
も
)
う
後
(
あと
)
の
祭
(
まつり
)
でした!
愛
(
あい
)
ちやんは
段々
(
だん/\
)
大
(
おほ
)
きくなるばかり、
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に
床
(
ゆか
)
の
上
(
うへ
)
へ
跪
(
ひざまづ
)
かなければならなくなつて、
其爲
(
そのため
)
に
部屋
(
へや
)
は
忽
(
たちま
)
ち一
寸
(
すん
)
の
隙間
(
すきま
)
もない
程
(
ほど
)
になりました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
段々
(
だん/\
)
に
喰
(
た
)
べへらして
天秤
(
てんびん
)
まで
賣
(
う
)
る
仕義
(
しぎ
)
になれば、
表店
(
おもてだな
)
の
活計
(
くらし
)
たちがたく、
月
(
つき
)
五十
錢
(
せん
)
の
裏屋
(
うらや
)
に
人目
(
ひとめ
)
の
恥
(
はぢ
)
を
厭
(
いと
)
ふべき
身
(
み
)
ならず、
又
(
また
)
時節
(
じせつ
)
が
有
(
あ
)
らばとて
引越
(
ひきこ
)
しも
無慘
(
むざん
)
や
車
(
くるま
)
に
乘
(
の
)
するは
病人
(
びやうほん
)
ばかり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
段々
(
だん/\
)
追想
(
つひさう
)
して見ると、
此
(
こ
)
の九年間の
硯友社
(
けんいうしや
)
及
(
およ
)
び
其
(
そ
)
の
社中
(
しやちう
)
の
変遷
(
へんせん
)
は
夥
(
おびたゞ
)
しいもので、書く
可
(
べ
)
き事も
沢山
(
たくさん
)
有れば書かれぬ事も
沢山
(
たくさん
)
ある、なか/\
面白
(
おもしろ
)
い事も有れば、
面白
(
おもしろ
)
くない事も有る、
成効
(
せいかう
)
あり
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
わが
國
(
くに
)
にはアメリカ
風
(
ふう
)
の
高層建築物
(
こうそうけんちくぶつ
)
が
段々
(
だん/\
)
増加
(
ぞうか
)
しつゝある。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
眠
(
ねむ
)
くはないので、ぱちくり/\
目
(
め
)
を
睜
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
ても、
物
(
もの
)
は
幻
(
まぼろし
)
に
見
(
み
)
える
樣
(
やう
)
になつて、
天井
(
てんじやう
)
も
壁
(
かべ
)
も
卓子
(
テエブル
)
の
脚
(
あし
)
も
段々
(
だん/\
)
消
(
き
)
えて
行
(
ゆ
)
く
心細
(
こゝろぼそ
)
さ。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
俺
(
おら
)
がとこちつともこら
離
(
はな
)
んねえんだよ
仕
(
し
)
やうねえやうだよ
本當
(
ほんたう
)
に」おつぎはもう
段々
(
だん/\
)
手
(
て
)
に
餘
(
あま
)
つて
來
(
き
)
た
與吉
(
よきち
)
を
膝
(
ひざ
)
にしていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
巡
(
めぐ
)
らし
段々
(
だん/\
)
聞
(
きけ
)
ば丁山小夜衣の兩人共に
追々
(
おひ/\
)
全盛
(
ぜんせい
)
に成て
朝夕
(
あしたゆふべ
)
に通ひ來る客も
絶間
(
たえま
)
なく吉原にても今は一二と呼るゝとの
噂
(
うは
)
さを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
その
)
うち
年
(
とし
)
が
段々
(
だん/\
)
片寄
(
かたよ
)
つて、
夜
(
よる
)
が
世界
(
せかい
)
の
三分
(
さんぶん
)
の
二
(
に
)
を
領
(
りやう
)
する
樣
(
やう
)
に
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
つて
來
(
き
)
た。
風
(
かぜ
)
が
毎日
(
まいにち
)
吹
(
ふ
)
いた。
其音
(
そのおと
)
を
聞
(
き
)
いてゐる
丈
(
だけ
)
でも、
生活
(
ライフ
)
に
陰氣
(
いんき
)
な
響
(
ひゞき
)
を
與
(
あた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた
切
(
き
)
り、
而
(
さう
)
して
齒
(
は
)
を
切
(
くひしば
)
つてゐるのであるが、
其
(
そ
)
れが
段々
(
だん/\
)
度重
(
たびかさ
)
なれば
重
(
かさな
)
る
程
(
ほど
)
、
堪
(
たま
)
らなく、
終
(
つひ
)
には
咽喉
(
のど
)
の
邊
(
あた
)
りまでがむづ/\して
來
(
く
)
るやうな
感
(
かん
)
じがして
來
(
き
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
不安
(
ふあん
)
の
火
(
ひ
)
の
手
(
て
)
は
段々
(
だん/\
)
揚
(
あが
)
つて
来
(
き
)
た。
其
(
それ
)
を
打消
(
うちけ
)
さうとする
傍
(
そば
)
から、「あの
始終
(
しゞう
)
人
(
ひと
)
の
顔色
(
かほいろ
)
を
読
(
よ
)
んでゐるやうな
目
(
め
)
の
底
(
そこ
)
には、
何等
(
なんら
)
かの
秘密
(
ひみつ
)
が
潜
(
ひそ
)
んでゐるに
違
(
ちがひ
)
ない。」と
私語
(
さゝや
)
くものがある。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
指図役
(
さしづやく
)
のお
方
(
かた
)
でございますか、
馬乗
(
ばじよう
)
で
令
(
れい
)
を
下
(
くだ
)
して
居
(
を
)
られます。四ツ
辻
(
つぢ
)
の
処
(
ところ
)
に
点
(
とも
)
つて
居
(
を
)
りました
電気燈
(
でんきとう
)
が、
段々
(
だん/\
)
明
(
あか
)
るくなつて
来
(
く
)
ると、
従
(
した
)
がつて
日
(
ひ
)
は西に
傾
(
かたむ
)
きましたやうでございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
輸入
(
ゆにふ
)
する
國
(
くに
)
の
貨幣
(
くわへい
)
での
買値
(
かひね
)
は
段々
(
だん/\
)
低落
(
ていらく
)
するのであるから
買手
(
かひて
)
は
買
(
か
)
ひ
易
(
やす
)
くなる
譯
(
わけ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
すると
忽
(
たちま
)
ち
愛
(
あい
)
ちやんは
妙
(
めう
)
な
心地
(
きもち
)
がして
來
(
き
)
たので、
何
(
ど
)
うしたことかと
甚
(
はなは
)
だ
不審
(
ふしん
)
に
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
ますと、
復
(
ま
)
たもや
段々
(
だん/\
)
大
(
おほ
)
きくなり
初
(
はじ
)
めました、
愛
(
あい
)
ちやんは
最初
(
さいしよ
)
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
つて
法廷
(
ほふてい
)
を
出
(
で
)
やうとしましたが
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
段々
(
だん/\
)
村
(
むら
)
が
遠退
(
とほの
)
いて、お
天守
(
てんしゆ
)
が
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
ると、
可怪
(
あやし
)
可恐
(
おそろし
)
い
事
(
こと
)
が
間々
(
まゝ
)
有
(
あ
)
るで、あの
船
(
ふね
)
も
魔
(
ま
)
ものが
漕
(
こ
)
いで
焼
(
や
)
くと、
今
(
いま
)
お
前様
(
めえさま
)
が
疑
(
うたが
)
はつせえた
通
(
とほ
)
り……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其所
(
そこ
)
を
段々
(
だん/\
)
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
て、
宗助
(
そうすけ
)
は
自分
(
じぶん
)
が
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
て
聞
(
き
)
いた
事
(
こと
)
のない
事實
(
じじつ
)
を
發見
(
はつけん
)
した
時
(
とき
)
に、
思
(
おも
)
はず
恐
(
おそ
)
れ
驚
(
おど
)
ろいた。
胎兒
(
たいじ
)
は
出
(
で
)
る
間際
(
まぎは
)
迄
(
まで
)
健康
(
けんかう
)
であつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さて
是真翁
(
ぜしんをう
)
の
宅
(
たく
)
を
暇乞
(
いとまごひ
)
して、
直
(
すぐ
)
に
本所
(
ほんじよ
)
へ
行
(
い
)
つて、少し
懇意
(
こんい
)
の人があつたから
段々
(
だん/\
)
聞いて見ると、
二
(
ふた
)
つ
目
(
め
)
の橋の
側
(
そば
)
に
金物屋
(
かなものや
)
さんが
有
(
あ
)
るから、そこへ
行
(
い
)
つて聞いたら
分
(
わか
)
るだらうと
云
(
い
)
ふ。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
軒
(
のき
)
の
數
(
かず
)
、また
窓
(
まど
)
の
數
(
かず
)
、
店
(
みせ
)
の
數
(
かず
)
、
道
(
みち
)
も
段々
(
だん/\
)
に
上
(
のぼ
)
るやうで、
家並
(
やなみ
)
は、がつくりと
却
(
かへ
)
つて
低
(
ひく
)
い。
軒
(
のき
)
は
俯向
(
うつむ
)
き、
屋根
(
やね
)
は
仰向
(
あふむ
)
く。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
所へ知らん
人
(
ひと
)
が突然あらはれた。唐辛子の
干
(
ほ
)
してある
家
(
いへ
)
の
影
(
かげ
)
から
出
(
で
)
て、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか河を向へ渡つたものと見える。
二人
(
ふたり
)
の
坐
(
すは
)
つてゐる方へ
段々
(
だん/\
)
近付いて
来
(
く
)
る。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
新吉の
居場処
(
いばしょ
)
も聞いたがうっかり逢う訳に参りません、
段々
(
だん/\
)
日数
(
ひかず
)
も
重
(
かさな
)
ると娘はくよ/\
欝
(
ふさ
)
ぎ始めました。すると或夜日暮から降出した雨に、少し風が荒く降っかけましたが、
門口
(
かどぐち
)
から
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
麓
(
ふもと
)
へ
出
(
で
)
ますと、
段々
(
だん/\
)
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
へ
追込
(
おひこ
)
みました。
何
(
ど
)
うされるのでございませう。——
意甚疑懼
(
こゝろはなはだぎくす
)
。
然業已賣與無如何
(
しかれどもすでに/\うるまたいかんともすべきなし
)
——
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雨は段々
濃
(
こ
)
くなつた。
雫
(
しづく
)
の
落
(
お
)
ちない場所は僅かしかない。
二人
(
ふたり
)
は
段々
(
だん/\
)
一つ所へ
塊
(
かた
)
まつて
来
(
き
)
た。肩と肩と
擦
(
す
)
れ合ふ位にして立ち
竦
(
すく
)
んでゐた。雨の
音
(
おと
)
の
中
(
なか
)
で、美禰子が
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
槍先
(
やりさき
)
の
功名
(
こうみやう
)
に
依
(
よつ
)
て
長年
(
ながねん
)
大禄
(
たいろく
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
して
居
(
を
)
つたが、
是
(
これ
)
から
追々
(
おひ/\
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
開
(
ひら
)
けて
来
(
く
)
るに
従
(
したが
)
つて
時勢
(
じせい
)
も
段々
(
だん/\
)
変化
(
へんくわ
)
して
参
(
まゐ
)
るから、
何
(
なに
)
か
身
(
み
)
に一
能
(
のう
)
を
具
(
そな
)
へたいと考へて、
予
(
よ
)
は
人知
(
ひとし
)
れず
医学
(
いがく
)
を研究したよ。
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さも/\
衰
(
おとろ
)
へた
形
(
かたち
)
で、
永代
(
えいたい
)
の
方
(
はう
)
から
長
(
なが
)
く
續
(
つゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
るが、
圖
(
づ
)
に
描
(
か
)
いて
線
(
せん
)
を
引
(
ひ
)
くと、
文明
(
ぶんめい
)
の
程度
(
ていど
)
が
段々
(
だん/\
)
此方
(
こつち
)
へ
來
(
く
)
るに
從
(
したが
)
うて、
屋根越
(
やねごし
)
に
鈍
(
にぶ
)
ることが
分
(
わか
)
るであらう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
殺
(
ころ
)
して
死
(
し
)
なう、と
逆上
(
ぎやくじやう
)
するうち、
段々
(
だん/\
)
委
(
くは
)
しく
聞
(
き
)
きますと、
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
が、
不思議
(
ふしぎ
)
に
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
ふのを
嫌
(
きら
)
ふ。
妙
(
めう
)
に
姿
(
すがた
)
を
隱
(
かく
)
したがるのは、
此
(
こ
)
の、
私
(
われら
)
ばかりには
限
(
かぎ
)
らぬ
樣子
(
やうす
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
空濠
(
からぼり
)
と
云
(
い
)
ふではない、が、
天守
(
てんしゆ
)
に
向
(
むか
)
つた
大手
(
おほて
)
の
跡
(
あと
)
の、
左右
(
さいう
)
に
連
(
つら
)
なる
石垣
(
いしがき
)
こそまだ
高
(
たか
)
いが、
岸
(
きし
)
が
浅
(
あさ
)
く、
段々
(
だん/\
)
に
埋
(
うも
)
れて、
土堤
(
どて
)
を
掛
(
か
)
けて
道
(
みち
)
を
包
(
つゝ
)
むまで
蘆
(
あし
)
が
森
(
もり
)
をなして
生茂
(
おひしげ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
段
常用漢字
小6
部首:⽎
9画
々
3画
“段々”で始まる語句
段々畑
段々壊
段々染