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爭
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あらそ
ふりがな文庫
“
爭
(
あらそ
)” の例文
新字:
争
僕
(
ぼく
)
思
(
おも
)
ふに、いつたい
僕等
(
ぼくら
)
日本人
(
にほんじん
)
の
麻雀
(
マージヤン
)
の
遊
(
あそ
)
び
方
(
かた
)
は
神經質
(
しんけいしつ
)
過
(
す
)
ぎる。
或
(
あるひ
)
は
末梢的
(
まつせうてき
)
過
(
す
)
ぎる。
勿論
(
もちろん
)
技
(
ぎ
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
機
(
き
)
を
捉
(
とら
)
へ、
相手
(
あひて
)
を
覘
(
ねら
)
ふ
勝負事
(
しようぶごと
)
だ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
早
(
はや
)
く
眼
(
め
)
がさめても
何時
(
いつ
)
までも
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
るのがいゝか、
遲
(
おそ
)
く
眼
(
め
)
がさめてもむつくり
起
(
お
)
きるのがいゝか、そのことで
兄弟
(
きやうだい
)
が
爭
(
あらそ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
錢形平次に對する、多年の功名
爭
(
あらそ
)
ひも、この晩の大捕物で全部片附きさうな氣がして、斯う言ふうちにも異常な興奮が五體に脈打ちます。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ぞ極めける或日又々郡奉行伊藤半右衞門は傳吉を呼出し汝が何程
僞
(
いつ
)
はりても惡事は最早知れてあり其夜
暗闇
(
くらやみ
)
にて昌次郎と
爭
(
あらそ
)
ひしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
塒
(
ねぐら
)
に
枝
(
えだ
)
を
爭
(
あらそ
)
つて、
揉拔
(
もみぬか
)
れて、
一羽
(
いちは
)
バタリと
落
(
お
)
ちて
目
(
め
)
を
眩
(
まは
)
したのを、
水
(
みづ
)
をのませていきかへらせて、そして
放
(
はな
)
した
人
(
ひと
)
があつたのを
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
半身
(
はんしん
)
を
沒
(
ぼつ
)
して、
二人
(
ふたり
)
はいひ
爭
(
あらそ
)
つてゐた。
男
(
をとこ
)
は
激
(
はげ
)
しく
何
(
なに
)
かいひながら、
搖
(
ゆ
)
すぶるやうに
女
(
をんな
)
の
肩
(
かた
)
を
幾度
(
いくど
)
も
小突
(
こづ
)
いた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
肥料
(
ひれう
)
の
工夫
(
くふう
)
がつかなかつたりするのとで
作物
(
さくもつ
)
の
生育
(
せいいく
)
からいへば
三日
(
みつか
)
を
爭
(
あらそ
)
ふやうな
時
(
とき
)
でも
思
(
おも
)
ひながら
手
(
て
)
が
出
(
で
)
ないのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それでも
爭
(
あらそ
)
はれぬ
證擔
(
しようこ
)
は、眼と眉がお房にそつくりで、若い時分はお房よりも
仇
(
あだ
)
ツぽい女であツたらうと思はれる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
前夜
(
ぜんや
)
の
雨
(
あめ
)
が
晴
(
はれ
)
て
空
(
そら
)
は
薄雲
(
うすぐも
)
の
隙間
(
あひま
)
から
日影
(
ひかげ
)
が
洩
(
もれ
)
ては
居
(
ゐ
)
るものゝ
梅雨
(
つゆ
)
季
(
どき
)
は
爭
(
あらそ
)
はれず、
天際
(
てんさい
)
は
重
(
おも
)
い
雨雲
(
あまぐも
)
が
被
(
おほ
)
り
(
ママ
)
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
た。
汽車
(
きしや
)
は
御丁寧
(
ごていねい
)
に
各驛
(
かくえき
)
を
拾
(
ひろ
)
つてゆく。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
物言
(
ものい
)
へば
頓
(
やが
)
て
爭
(
あらそ
)
ひの
糸口
(
いとくち
)
を
引出
(
ひきいだ
)
し、
泣
(
な
)
いて
恨
(
うら
)
んで
摺
(
す
)
れ/\の
中
(
なか
)
に、さりとも
憎
(
に
)
くからぬ
夫婦
(
めをと
)
は
折
(
おり
)
ふしの
仕
(
し
)
こなし
忘
(
わす
)
れがたく、
貴郎
(
あなた
)
斯
(
か
)
うなされ、
彼
(
あ
)
あなされと
言
(
い
)
へば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
や
世界
(
せかい
)
の
各國
(
かくこく
)
は
互
(
たがひ
)
に
兵
(
へい
)
を
練
(
ね
)
り
武
(
ぶ
)
を
磨
(
みが
)
き、
特
(
こと
)
に
海軍力
(
かいぐんりよく
)
には
全力
(
ぜんりよく
)
を
盡
(
つく
)
して
英佛露獨
(
エイフツロドク
)
、
我
(
われ
)
劣
(
をと
)
らじと
權勢
(
けんせい
)
を
爭
(
あらそ
)
つて
居
(
を
)
る、
而
(
しか
)
して
目今
(
もくこん
)
其
(
その
)
權力
(
けんりよく
)
爭議
(
さふぎ
)
の
中心點
(
ちゆうしんてん
)
は
多
(
おほ
)
く
東洋
(
とうやう
)
の
天地
(
てんち
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三日
(
みつか
)
にして
後
(
のち
)
兵
(
へい
)
を
勒
(
ろく
)
す。
病者
(
びやうしや
)
も
皆
(
みな
)
行
(
ゆ
)
かんことを
求
(
もと
)
め、
爭
(
あらそ
)
ひ
奮
(
ふる
)
つて、
出
(
い
)
でて
之
(
これ
)
が
爲
(
た
)
めに
戰
(
たたかひ
)
に
赴
(
おもむ
)
けり。
晉
(
しん
)
の
師
(
し
)
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
き、
爲
(
た
)
めに
罷
(
や
)
め
去
(
さ
)
り、
燕
(
えん
)
の
師
(
し
)
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
き、
水
(
みづ
)
を
度
(
わた
)
つて
解
(
と
)
く。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
日本
(
にほん
)
は
英佛米伊
(
えいふつべいい
)
の四
國
(
こく
)
と
共
(
とも
)
に
支那
(
しな
)
に
勸告
(
くわんこく
)
を
發
(
はつ
)
して、
早
(
はや
)
く
南北
(
なんほく
)
の
爭
(
あらそ
)
ひを
止
(
や
)
めて『
世界改造
(
せかいかいざう
)
の
偉業
(
ゐげふ
)
に
參加
(
さんか
)
せよ』とやつたね。
支那
(
しな
)
はお
蔭
(
かげ
)
で
南北合同
(
なんほくがふどう
)
の
大共和國
(
だいきようわこく
)
になるだらう。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
競技者
(
プレーヤー
)
は
皆
(
みん
)
な
自分
(
じぶん
)
の
番
(
ばん
)
の
來
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
たずして
同時
(
どうじ
)
に
遊
(
あそ
)
び
戯
(
たはむ
)
れ、
絶
(
た
)
えず
爭
(
あらそ
)
つて、
針鼠
(
はりねずみ
)
を
取
(
と
)
らうとして
戰
(
たゝか
)
つてゐますと、
軈
(
やが
)
て
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
甚
(
いた
)
くお
腹立
(
はらだ
)
ちになり、
地鞴踏
(
ぢだんだふ
)
みながら
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其上
(
そのうへ
)
乘客
(
じようきやく
)
がみんな
平和
(
へいわ
)
な
顏
(
かほ
)
をして、どれもこれも
悠
(
ゆつ
)
たりと
落付
(
おちつ
)
いてゐる
樣
(
やう
)
に
見
(
み
)
えた。
宗助
(
そうすけ
)
は
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けながら、
毎朝
(
まいあさ
)
例刻
(
れいこく
)
に
先
(
さき
)
を
爭
(
あらそ
)
つて
席
(
せき
)
を
奪
(
うば
)
ひ
合
(
あ
)
ひながら、
丸
(
まる
)
の
内
(
うち
)
方面
(
はうめん
)
へ
向
(
むか
)
ふ
自分
(
じぶん
)
の
運命
(
うんめい
)
を
顧
(
かへり
)
みた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
うるはしきかな、山や水や、
僞
(
いつは
)
りなく、そねみなく、
憎
(
にく
)
みなく、
爭
(
あらそ
)
ひなし。人は生死のちまたに迷ひ、世は
興亡
(
こうばう
)
のわだちを
廻
(
めぐ
)
る。山や、水や、かはるところなきなり。おもへば
恥
(
はづ
)
かしきわが身かな。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
爭
(
あらそ
)
ひ
將棋
(
せうき
)
に
敗
(
やぶ
)
れて
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
いて死ぬなどは一
種
(
しゆ
)
の
悲壯
(
ひそう
)
美を
感
(
かん
)
じさせるが、
迂濶
(
うくわつ
)
に死ぬ事も出來ないであらう
現
(
げん
)
代の
專
(
せん
)
門
棋士
(
きし
)
は平
凡
(
ぼん
)
に
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
猛然と
掴
(
つか
)
みかゝる八五郎、二人は一瞬動物のやうに
爭
(
あらそ
)
ひました。が、到頭八五郎が勝つて、鐵を膝の下にギユツと引据ゑます。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
助れば助けらるゝ天の
惠
(
めぐみ
)
爭
(
あらそ
)
はれぬものと申さるゝに藤八は
仰
(
おほせ
)
の如く九助儀大金を持て歸村の程
覺束
(
おぼつか
)
なしと私し儀存じ右の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
初
(
はじ
)
めは
人皆
(
ひとみな
)
懊惱
(
うるさゝ
)
に
堪
(
た
)
へずして、
渠等
(
かれら
)
を
罵
(
のゝし
)
り
懲
(
こ
)
らせしに、
爭
(
あらそ
)
はずして
一旦
(
いつたん
)
は
去
(
さ
)
れども、
翌日
(
よくじつ
)
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
報怨
(
しかへし
)
を
蒙
(
かうむ
)
りてより
後
(
のち
)
は、
見
(
み
)
す/\
米錢
(
べいせん
)
を
奪
(
うば
)
はれけり。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
簡單
(
かんたん
)
乍
(
なが
)
ら一
日
(
にち
)
の
式
(
しき
)
が
畢
(
をは
)
つた
時
(
とき
)
四
斗樽
(
とだる
)
の
甘酒
(
あまざけ
)
が
柄杓
(
ひしやく
)
で
汲出
(
くみだ
)
して
周圍
(
しうゐ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
人々
(
ひと/″\
)
に
與
(
あた
)
へられた。
主
(
しゆ
)
として
子供等
(
こどもら
)
が
先
(
さき
)
を
爭
(
あらそ
)
うて
其
(
その
)
大
(
おほ
)
きな
茶碗
(
ちやわん
)
を
換
(
か
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
馬鹿
(
ばか
)
な
兄弟
(
きやうだい
)
だ。お
前達
(
まへたち
)
がそんなことを
言
(
い
)
つて
爭
(
あらそ
)
つて
居
(
ゐ
)
るうちに、
太陽
(
おてんとう
)
さまはもう
出
(
で
)
てしまつたぢやないか。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
歐米諸國
(
をうべいしよこく
)
は
寸尺
(
すんしやく
)
の
土地
(
とち
)
と
雖
(
いへど
)
も
自己
(
じこ
)
の
領分
(
りようぶん
)
となさんと
競
(
きそひ
)
爭
(
あらそ
)
ひ、
若
(
も
)
し
茲
(
こゝ
)
に、
一個
(
いつこ
)
の
無人島
(
むじんとう
)
でもあつて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
針鼠
(
はりねずみ
)
は
他
(
た
)
の
針鼠
(
はりねずみ
)
と
鬪
(
たゝか
)
つてゐました、それが
愛
(
あい
)
ちやんには、二
疋
(
ひき
)
の
針鼠
(
はりねずみ
)
が
他
(
た
)
の一
疋
(
ぴき
)
の
針鼠
(
はりねずみ
)
を
好
(
い
)
いやうに
使
(
つか
)
つて、
互
(
たがひ
)
に
勝負
(
しやうぶ
)
を
爭
(
あらそ
)
つてるやうに
見
(
み
)
えました、
只一
(
たゞひと
)
つ
厄介
(
やくかい
)
な
事
(
こと
)
には
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此子
(
これ
)
が
面
(
おも
)
ざしに
爭
(
あらそ
)
はれないほど
似
(
に
)
た
處
(
ところ
)
が
御座
(
ござ
)
いました、
私
(
わたし
)
は
此子
(
これ
)
が
可愛
(
かあい
)
いのですもの、
何
(
ど
)
うして
旦那樣
(
だんなさま
)
を
憎
(
にく
)
み
通
(
とほ
)
せましやう、
私
(
わたし
)
が
善
(
よ
)
くすれば
旦那
(
だんな
)
さまも
善
(
よ
)
くして
下
(
くだ
)
さります
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこで
内心
(
ないしん
)
非常
(
ひじやう
)
に
驚
(
おどろ
)
いたけれど
尚
(
なほ
)
も石を
老叟
(
らうそう
)
に
渡
(
わた
)
すことは
惜
(
をし
)
いので
色々
(
いろ/\
)
と
言
(
い
)
ひ
爭
(
あらそ
)
ふた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(九四)
曠日
(
くわうじつ
)
彌久
(
びきう
)
して
(九五)
周澤
(
しうたく
)
既
(
すで
)
に
渥
(
あつ
)
きを
得
(
え
)
ば、
深
(
ふか
)
く
計
(
はか
)
るも
疑
(
うたが
)
はれず、
交〻
(
こもごも
)
爭
(
あらそ
)
ふも
罪
(
つみ
)
せられず、
廼
(
すなは
)
ち
明
(
あきらか
)
に
利害
(
りがい
)
を
計
(
はか
)
りて
以
(
もつ
)
て
其功
(
そのこう
)
を
致
(
いた
)
し、
直
(
ただ
)
ちに
是非
(
ぜひ
)
を
指
(
さ
)
して
以
(
もつ
)
て
(九六)
其身
(
そのみ
)
を
飾
(
かざ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
從
(
したが
)
つて
又
(
また
)
、『
地方的
(
ちはうてき
)
又
(
また
)
は
國家的
(
こくかてき
)
の
偏見
(
へんけん
)
』からは
離脱
(
りだつ
)
してゐる
積
(
つも
)
りだけれども、
日本人
(
にほんじん
)
と、
日本語
(
にほんご
)
と、
日本
(
にほん
)
の
風俗
(
ふうぞく
)
と
自然
(
しぜん
)
とに
對
(
たい
)
して、まだ
可
(
か
)
なり
多
(
おほ
)
くの『
愛着
(
あいちやく
)
』を
持
(
も
)
つている
事
(
こと
)
は
爭
(
あらそ
)
はれない。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
細君
(
さいくん
)
は
惡
(
わる
)
いとも
云
(
い
)
ひ
兼
(
かね
)
たと
見
(
み
)
えて、
其上
(
そのうへ
)
爭
(
あらそ
)
ひもしなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
郵便
(
いうびん
)
を
持
(
も
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
座敷
(
ざしき
)
から
直
(
す
)
ぐ
玄關
(
げんくわん
)
に
出
(
で
)
た。
細君
(
さいくん
)
は
夫
(
をつと
)
の
足音
(
あしおと
)
を
聞
(
き
)
いて
始
(
はじ
)
めて、
座
(
ざ
)
を
立
(
た
)
つたが、
是
(
これ
)
は
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
の
縁傳
(
えんづた
)
ひに
玄關
(
げんくわん
)
に
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等
(
かれら
)
の
爭
(
あらそ
)
ひは、
際限
(
はてし
)
もなく
續
(
つゞ
)
いた。さうして
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けて
行
(
い
)
つた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
無論
(
むろん
)
、
私
(
わたし
)
には
望
(
のぞ
)
みの
好敵
(
こうてき
)
手だつた。大正十三年から十四年への
晩
(
ばん
)
を
除夜
(
じよや
)
の鐘を
聞
(
き
)
きながら、先生と
勝負
(
せうふ
)
を
爭
(
あらそ
)
つた事もある。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
殺され
爭
(
いかで
)
か罪に
伏
(
ふく
)
し申さんやと申すに大岡殿其方如何に
爭
(
あらそ
)
ふとも河原の
死骸
(
しがい
)
は馬丁と
空
(
うつ
)
せみの兩人にして昌次郎夫婦は
存命
(
ぞんめい
)
いたし居るぞ然るに傳吉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ある
日
(
ひ
)
の
夕方
(
ゆふがた
)
の
事
(
こと
)
、
父
(
とう
)
さんは
何
(
なに
)
かの
事
(
こと
)
で三
郎
(
らう
)
さんと
爭
(
あらそ
)
ひまして、この
好
(
よ
)
い
遊
(
あそ
)
び
友達
(
ともだち
)
を
泣
(
な
)
かせてしまひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
の
側
(
そば
)
に
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
杙
(
くひ
)
に
打
(
う
)
つて
拵
(
こしら
)
へた
鍵
(
かぎ
)
の
手
(
て
)
へ
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けた
桔槹
(
はねつるべ
)
が、ごうつと
吹
(
ふ
)
く
毎
(
ごと
)
にぐらり/\と
動
(
うご
)
いて
釣瓶
(
つるべ
)
が
外
(
はづ
)
れ
相
(
さう
)
にしては
外
(
はづ
)
れまいとして
爭
(
あらそ
)
うて
騷
(
さわ
)
いで
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼等
(
かれら
)
が
競技
(
ゲーム
)
をしてる
間
(
あひだ
)
も、
始終
(
しゞゆう
)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
他
(
た
)
の
競技者
(
プレーヤー
)
と
爭
(
あらそ
)
ひを
止
(
や
)
めませんでした、それで、『
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねよ!』とか、『その
娘
(
むすめ
)
の
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねよ!』とか
叫
(
さけ
)
んで
居
(
を
)
られました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
洛陽伽藍記
(
らくやうがらんき
)
に
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
帝業
(
ていげふ
)
を
承
(
う
)
くるや、
四海
(
しかい
)
こゝに
靜謐
(
せいひつ
)
にして、
王侯
(
わうこう
)
、
公主
(
こうしゆ
)
、
外戚
(
ぐわいせき
)
、
其
(
そ
)
の
富
(
とみ
)
既
(
すで
)
に
山河
(
さんが
)
を
竭
(
つく
)
して
互
(
たがひ
)
に
華奢
(
くわしや
)
驕榮
(
けうえい
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
園
(
ゑん
)
を
脩
(
をさ
)
め
宅
(
たく
)
を
造
(
つく
)
る。
豐室
(
ほうしつ
)
、
洞門
(
どうもん
)
、
連房
(
れんばう
)
、
飛閣
(
ひかく
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さればこそ
一
(
ひと
)
たび
見
(
み
)
たるは
先
(
ま
)
づ
驚
(
おどろ
)
かれ
再
(
ふたゝ
)
び
見
(
み
)
たるは
頭
(
かしら
)
やましく
駿河臺
(
するがだい
)
の
杏雲堂
(
きやううんだう
)
に
其頃
(
そのころ
)
腦病患者
(
なうびやうくわんじや
)
の
多
(
おほ
)
かりしこと
一
(
ひと
)
つに
此娘
(
このむすめ
)
が
原因
(
もと
)
とは
商人
(
あきうど
)
のする
掛直
(
かけね
)
なるべけれど
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
其美
(
そのび
)
は
爭
(
あらそ
)
はれず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船長閣下
(
せんちやうかくか
)
、
早
(
はや
)
く、
早
(
はや
)
く、
難破船
(
なんぱせん
)
の
運命
(
うんめい
)
は一
分
(
ぷん
)
一
秒
(
びやう
)
の
遲速
(
ちそく
)
をも
爭
(
あらそ
)
ひますぞ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
婆やのお篠は、五十前後の巖乘な女で、いざとなつたら、相當力もありさうですが、不思議なことに大して
爭
(
あらそ
)
つた樣子もなく、床から半身をのり出しては居りますが、至つて平穩に死んで居るのです。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
堂堂
(
どうどう
)
と
遠慮
(
えんりよ
)
なく
爭
(
あらそ
)
ひ
勝
(
か
)
つべく、
弱
(
よわ
)
き者
敗
(
やぶ
)
るる者がドシドシ
蹴落
(
けおと
)
されて行く事に
感傷的
(
かんせうてき
)
な
憐憫
(
れんびん
)
など
注
(
そゝ
)
ぐべきでもあるまい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
棺
(
ひつぎ
)
の
前
(
まへ
)
に
銀樽
(
ぎんそん
)
一個
(
いつか
)
。
兇賊等
(
きようぞくら
)
爭
(
あらそ
)
つてこれを
飮
(
の
)
むに、
甘
(
あま
)
く
芳
(
かんば
)
しきこと
人界
(
じんかい
)
を
絶
(
ぜつ
)
す。
錦綵寶珠
(
きんさいはうじゆ
)
、
賊等
(
ぞくら
)
やがて
意
(
こゝろ
)
のまゝに
取出
(
とりい
)
だしぬ。さて
見
(
み
)
るに、
玉女
(
ぎよくぢよ
)
が
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
のくすり
指
(
ゆび
)
に
小
(
ちひ
)
さき
玉
(
たま
)
の
鐶
(
わ
)
を
嵌
(
は
)
めたり。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
爭
(
あらそ
)
ふ二人、平次は叩きのめすやうに、橋の
欄干
(
らんかん
)
に押付けました。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
制
(
せい
)
し
凱歌
(
かちどき
)
の
聲
(
こゑ
)
いさましく
引揚
(
ひきあ
)
げしにそれとかはりて
松澤
(
まつざは
)
が
周章狼狽
(
しうしやうらうばい
)
まこと
寐耳
(
ねみゝ
)
に
出水
(
でみづ
)
の
騷動
(
さうどう
)
おどろくといふ
暇
(
ひま
)
もなく
巧
(
たく
)
みに
巧
(
たく
)
みし
計略
(
けいりやく
)
に
爭
(
あらそ
)
ふかひなく
敗訴
(
はいそ
)
となり
家藏
(
いへくら
)
のみか
數代
(
すだい
)
續
(
つゞ
)
きし
暖簾
(
のれん
)
までも
皆
(
みな
)
かれが
手
(
て
)
に
歸
(
き
)
したれば
木
(
き
)
より
落
(
おち
)
たる
山猿同樣
(
やまざるどうやう
)
たのむ
木蔭
(
こかげ
)
の
雨森新七
(
あめもりしんしち
)
といふ
番頭
(
ばんとう
)
の
白鼠
(
しろねづみ
)
去年
(
きよねん
)
生國
(
しやうこく
)
へ
歸
(
かへ
)
りし
後
(
のち
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一
時
(
じ
)
、これは
麻雀界
(
マージヤンかい
)
の
論議
(
ろんぎ
)
の
的
(
まと
)
になつたことだが、
麻雀
(
マージヤン
)
が
技
(
ぎ
)
の
遊
(
あそ
)
びといふより
以上
(
いじやう
)
に
運
(
うん
)
の
遊
(
あそ
)
びであることは
爭
(
あらそ
)
へない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
むかし
宋
(
そう
)
の
武帝
(
ぶてい
)
の
女
(
むすめ
)
、
壽陽
(
じゆやう
)
麗姫
(
れいき
)
、
庭園
(
ていゑん
)
を
歩
(
ほ
)
する
時
(
とき
)
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
散
(
ち
)
りて
一片
(
ひとひら
)
其
(
そ
)
の
顏
(
かんばせ
)
に
懸
(
かゝ
)
る。
其
(
そ
)
の
俤
(
おもかげ
)
また
較
(
たぐ
)
ふべきものなかりしより、
當時
(
たうじ
)
の
宮女
(
きうぢよ
)
皆
(
みな
)
爭
(
あらそ
)
つて
輕粉
(
けいふん
)
を
以
(
もつ
)
て
顏
(
かほ
)
に
白梅
(
しらうめ
)
の
花
(
はな
)
を
描
(
ゑが
)
く、
稱
(
しよう
)
して
梅花粧
(
ばいくわしやう
)
と
云
(
い
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
正に
骨味
(
ほねみ
)
を
削
(
けづ
)
るが如くあれほど
必
(
ひつ
)
死に
眞劍
(
しんけん
)
に
爭
(
あらそ
)
ひ
戰
(
たゝか
)
はなければならないとは! さう言えば、
昔
(
むかし
)
爭
(
あらそ
)
ひ
將棋
(
せうき
)
に
敗
(
やぶ
)
れて
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
いて死んだ
若
(
わか
)
い
棋士
(
きし
)
があつた。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
其
(
その
)
去
(
さ
)
つて
暫時
(
ざんじ
)
來
(
きた
)
らざる
間
(
あひだ
)
を
窺
(
うかゞ
)
うて、
老若
(
らうにやく
)
爭
(
あらそ
)
うて
散策
(
さんさく
)
野遊
(
やいう
)
を
試
(
こゝろ
)
む。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして本
科
(
くわ
)
二三年の時分には百五十
點
(
てん
)
にまでせり
登
(
のぼ
)
つて、
球突塲
(
たまつきば
)
の
常連
(
ぜうれん
)
でも大
關格
(
せきかく
)
ぐらゐになつたが、何としてもその
折
(
をり
)
々の
氣
(
き
)
分に左右され勝ちな
自
(
じ
)
分の本
性
(
せい
)
は
爭
(
あらそ
)
へなかつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
また
將相達
(
しやうしやうたち
)
はなぜあれほど
主權
(
しゆけん
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ
合
(
あ
)
ふのか?
多
(
おほ
)
くの
婢妾
(
ひせう
)
の
肉
(
にく
)
に
倦
(
あ
)
きたいために、ばくちに
耽
(
ふけ
)
る
悠悠
(
いういう
)
閑日月
(
かんにちげつ
)
を
自由
(
じいう
)
にしたいために、
豪華
(
がうくわ
)
な
廊房
(
らうばう
)
で
阿片
(
あへん
)
の
夢
(
ゆめ
)
に
浸
(
ひた
)
りたいために。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
いふまでもなく先生は
私
(
わたし
)
の三田
文科
(
ぶんくわ
)
生時
代
(
だい
)
からの先生であるが、
球突
(
たまつき
)
では
始終
(
ししう
)
喧嘩
(
けんくわ
)
相
(
あひ
)
手で、
銀座裏
(
ぎんざうら
)
の日
勝亭
(
せうてい
)
で
勝負
(
せうふ
)
を
爭
(
あらそ
)
つて、その
成績
(
せいせき
)
で風月
堂
(
どう
)
の
洋食
(
ようしよく
)
のおごりつこをしたなどもしばしばである。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
爭
部首:⽖
8画
“爭”を含む語句
競爭
爭鬪
戰爭
爭論
日露戰爭
言爭
日清戰爭
競爭者
物爭
生存競爭
爭氣
爭端
爭議
爭鬩
日露戰爭後
相續爭
競爭品
紛爭
論爭
鬪爭
...