あらそ)” の例文
新字:
ぼくおもふに、いつたい僕等ぼくら日本人にほんじん麻雀マージヤンあそかた神經質しんけいしつぎる。あるひ末梢的まつせうてきぎる。勿論もちろんあらそひ、とらへ、相手あひてねら勝負事しようぶごとだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
はやがさめても何時いつまでもるのがいゝか、おそがさめてもむつくりきるのがいゝか、そのことで兄弟きやうだいあらそつてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
錢形平次に對する、多年の功名あらそひも、この晩の大捕物で全部片附きさうな氣がして、斯う言ふうちにも異常な興奮が五體に脈打ちます。
ぞ極めける或日又々郡奉行伊藤半右衞門は傳吉を呼出し汝が何程いつはりても惡事は最早知れてあり其夜暗闇くらやみにて昌次郎とあらそひしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ねぐらえだあらそつて、揉拔もみぬかれて、一羽いちはバタリとちてまはしたのを、みづをのませていきかへらせて、そしてはなしたひとがあつたのをおぼえてる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くさなか半身はんしんぼつして、二人ふたりはいひあらそつてゐた。をとこはげしくなにかいひながら、すぶるやうにをんなかた幾度いくど小突こづいた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
肥料ひれう工夫くふうがつかなかつたりするのとで作物さくもつ生育せいいくからいへば三日みつかあらそふやうなときでもおもひながらないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでもあらそはれぬ證擔しようこは、眼と眉がお房にそつくりで、若い時分はお房よりもあだツぽい女であツたらうと思はれる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
前夜ぜんやあめはれそら薄雲うすぐも隙間あひまから日影ひかげもれてはるものゝ梅雨つゆどきあらそはれず、天際てんさいおも雨雲あまぐもおほママかさなつてた。汽車きしや御丁寧ごていねい各驛かくえきひろつてゆく。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
物言ものいへばやがあらそひの糸口いとくち引出ひきいだし、いてうらんでれ/\のなかに、さりともくからぬ夫婦めをとおりふしのこなしわすれがたく、貴郎あなたうなされ、あなされとへば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いま世界せかい各國かくこくたがひへいみがき、こと海軍力かいぐんりよくには全力ぜんりよくつくして英佛露獨エイフツロドクわれをとらじと權勢けんせいあらそつてる、しかして目今もくこんその權力けんりよく爭議さふぎ中心點ちゆうしんてんおほ東洋とうやう天地てんち
三日みつかにしてのちへいろくす。病者びやうしやみなかんことをもとめ、あらそふるつて、でてこれめにたたかひおもむけり。しんこれき、めにり、えんこれき、みづわたつてく。
日本にほん英佛米伊えいふつべいいの四こくとも支那しな勸告くわんこくはつして、はや南北なんほくあらそひをめて『世界改造せかいかいざう偉業ゐげふ參加さんかせよ』とやつたね。支那しなはおかげ南北合同なんほくがふどう大共和國だいきようわこくになるだらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
競技者プレーヤーみん自分じぶんばんるのをたずして同時どうじあそたはむれ、えずあらそつて、針鼠はりねずみらうとしてたゝかつてゐますと、やが女王樣ぢよわうさまいたくお腹立はらだちになり、地鞴踏ぢだんだふみながら
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
其上そのうへ乘客じようきやくがみんな平和へいわかほをして、どれもこれもゆつたりと落付おちついてゐるやうえた。宗助そうすけこしけながら、毎朝まいあさ例刻れいこくさきあらそつてせきうばひながら、まるうち方面はうめんむか自分じぶん運命うんめいかへりみた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うるはしきかな、山や水や、いつはりなく、そねみなく、にくみなく、あらそひなし。人は生死のちまたに迷ひ、世は興亡こうばうのわだちをめぐる。山や、水や、かはるところなきなり。おもへばはづかしきわが身かな。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
あらそ將棋せうきやぶれていて死ぬなどは一しゆ悲壯ひそう美をかんじさせるが、迂濶うくわつに死ぬ事も出來ないであらうげん代のせん棋士きしは平ぼん
猛然とつかみかゝる八五郎、二人は一瞬動物のやうにあらそひました。が、到頭八五郎が勝つて、鐵を膝の下にギユツと引据ゑます。
助れば助けらるゝ天のめぐみあらそはれぬものと申さるゝに藤八はおほせの如く九助儀大金を持て歸村の程覺束おぼつかなしと私し儀存じ右の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はじめは人皆ひとみな懊惱うるさゝへずして、渠等かれらのゝしらせしに、あらそはずして一旦いつたんれども、翌日よくじつおどろ報怨しかへしかうむりてよりのちは、す/\米錢べいせんうばはれけり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
簡單かんたんながら一にちしきをはつたとき斗樽とだる甘酒あまざけ柄杓ひしやく汲出くみだして周圍しうゐつて人々ひと/″\あたへられた。しゆとして子供等こどもらさきあらそうてそのおほきな茶碗ちやわんへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
馬鹿ばか兄弟きやうだいだ。お前達まへたちがそんなことをつてあらそつてるうちに、太陽おてんとうさまはもうてしまつたぢやないか。』
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
歐米諸國をうべいしよこく寸尺すんしやく土地とちいへど自己じこ領分りようぶんとなさんときそひあらそひ、こゝに、一個いつこ無人島むじんとうでもあつて
針鼠はりねずみ針鼠はりねずみたゝかつてゐました、それがあいちやんには、二ひき針鼠はりねずみの一ぴき針鼠はりねずみいやうに使つかつて、たがひ勝負しやうぶあらそつてるやうにえました、只一たゞひと厄介やくかいことには
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
此子これおもざしにあらそはれないほどところ御座ございました、わたし此子これ可愛かあいいのですもの、うして旦那樣だんなさまにくとほせましやう、わたしくすれば旦那だんなさまもくしてくださります
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこで内心ないしん非常ひじやうおどろいたけれどなほも石を老叟らうそうわたすことはをしいので色々いろ/\あらそふた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
(九四)曠日くわうじつ彌久びきうして(九五)周澤しうたくすであつきをば、ふかはかるもうたがはれず、交〻こもごもあらそふもつみせられず、すなはあきらか利害りがいはかりてもつ其功そのこういたし、ただちに是非ぜひしてもつ(九六)其身そのみかざる。
したがつてまた、『地方的ちはうてきまた國家的こくかてき偏見へんけん』からは離脱りだつしてゐるつもりだけれども、日本人にほんじんと、日本語にほんごと、日本にほん風俗ふうぞく自然しぜんとにたいして、まだなりおほくの『愛着あいちやく』をつていることあらそはれない。
細君さいくんわるいともかねたとえて、其上そのうへあらそひもしなかつた。宗助そうすけ郵便いうびんつたまゝ座敷ざしきから玄關げんくわんた。細君さいくんをつと足音あしおといてはじめて、つたが、これちや縁傳えんづたひに玄關げんくわんた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼等かれらあらそひは、際限はてしもなくつゞいた。さうしてけてつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
無論むろんわたしにはのぞみの好敵こうてき手だつた。大正十三年から十四年へのばん除夜じよやの鐘をきながら、先生と勝負せうふあらそつた事もある。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
殺されいかでか罪にふくし申さんやと申すに大岡殿其方如何にあらそふとも河原の死骸しがいは馬丁とうつせみの兩人にして昌次郎夫婦は存命ぞんめいいたし居るぞ然るに傳吉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ある夕方ゆふがたこととうさんはなにかのことで三らうさんとあらそひまして、このあそ友達ともだちかせてしまひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
くりそばえだくひつてこしらへたかぎけた桔槹はねつるべが、ごうつとごとにぐらり/\とうごいて釣瓶つるべはづさうにしてははづれまいとしてあらそうてさわいでる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼等かれら競技ゲームをしてるあひだも、始終しゞゆう女王樣ぢよわうさま競技者プレーヤーあらそひをめませんでした、それで、『かれあたまねよ!』とか、『そのむすめあたまねよ!』とかさけんでられました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
洛陽伽藍記らくやうがらんきふ。帝業ていげふくるや、四海しかいこゝに靜謐せいひつにして、王侯わうこう公主こうしゆ外戚ぐわいせきとみすで山河さんがつくしてたがひ華奢くわしや驕榮けうえいあらそひ、ゑんをさたくつくる。豐室ほうしつ洞門どうもん連房れんばう飛閣ひかく
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さればこそひとたびたるはおどろかれふたゝたるはかしらやましく駿河臺するがだい杏雲堂きやううんだう其頃そのころ腦病患者なうびやうくわんじやおほかりしことひとつに此娘このむすめ原因もととは商人あきうどのする掛直かけねなるべけれどかく其美そのびあらそはれず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
船長閣下せんちやうかくかはやく、はやく、難破船なんぱせん運命うんめいは一ぷんびやう遲速ちそくをもあらそひますぞ。
婆やのお篠は、五十前後の巖乘な女で、いざとなつたら、相當力もありさうですが、不思議なことに大してあらそつた樣子もなく、床から半身をのり出しては居りますが、至つて平穩に死んで居るのです。
堂堂どうどう遠慮えんりよなくあらそつべく、よわき者やぶるる者がドシドシ蹴落けおとされて行く事に感傷的かんせうてき憐憫れんびんなどそゝぐべきでもあるまい。
ひつぎまへ銀樽ぎんそん一個いつか兇賊等きようぞくらあらそつてこれをむに、あまかんばしきこと人界じんかいぜつす。錦綵寶珠きんさいはうじゆ賊等ぞくらやがてこゝろのまゝに取出とりいだしぬ。さてるに、玉女ぎよくぢよひだりのくすりゆびちひさきたまめたり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あらそふ二人、平次は叩きのめすやうに、橋の欄干らんかんに押付けました。
せい凱歌かちどきこゑいさましく引揚ひきあげしにそれとかはりて松澤まつざは周章狼狽しうしやうらうばいまこと寐耳ねみゝ出水でみづ騷動さうどうおどろくといふひまもなくたくみにたくみし計略けいりやくあらそふかひなく敗訴はいそとなり家藏いへくらのみか數代すだいつゞきし暖簾のれんまでもみなかれがしたればよりおちたる山猿同樣やまざるどうやうたのむ木蔭こかげ雨森新七あめもりしんしちといふ番頭ばんとう白鼠しろねづみ去年きよねん生國しやうこくかへりしのち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
、これは麻雀界マージヤンかい論議ろんぎまとになつたことだが、麻雀マージヤンあそびといふより以上いじやううんあそびであることはあらそへない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
むかしそう武帝ぶていむすめ壽陽じゆやう麗姫れいき庭園ていゑんするときうめはなりて一片ひとひらかんばせかゝる。おもかげまたたぐふべきものなかりしより、當時たうじ宮女きうぢよみなあらそつて輕粉けいふんもつかほ白梅しらうめはなゑがく、しようして梅花粧ばいくわしやうふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
正に骨味ほねみけづるが如くあれほどひつ死に眞劍しんけんあらそたゝかはなければならないとは! さう言えば、むかしあらそ將棋せうきやぶれていて死んだわか棋士きしがあつた。
そのつて暫時ざんじきたらざるあひだうかゞうて、老若らうにやくあらそうて散策さんさく野遊やいうこゝろむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして本くわ二三年の時分には百五十てんにまでせりのぼつて、球突塲たまつきば常連ぜうれんでも大關格せきかくぐらゐになつたが、何としてもそのをり々の分に左右され勝ちな分の本せいあらそへなかつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
また將相達しやうしやうたちはなぜあれほど主權しゆけんあらそふのか? おほくの婢妾ひせうにくきたいために、ばくちにふけ悠悠いういう閑日月かんにちげつ自由じいうにしたいために、豪華がうくわ廊房らうばう阿片あへんゆめひたりたいために。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いふまでもなく先生はわたしの三田文科ぶんくわ生時だいからの先生であるが、球突たまつきでは始終ししう喧嘩けんくわあひ手で、銀座裏ぎんざうらの日勝亭せうてい勝負せうふあらそつて、その成績せいせきで風月どう洋食ようしよくのおごりつこをしたなどもしばしばである。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)