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爲
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ため
ふりがな文庫
“
爲
(
ため
)” の例文
新字:
為
今
(
いま
)
ぞ
廿日
(
はつか
)
の
月
(
つき
)
面
(
おも
)
かげ
霞
(
かす
)
んで、さし
昇
(
のぼ
)
る
庭
(
には
)
に
木立
(
こだち
)
おぼろおぼろと
暗
(
くら
)
く、
似
(
に
)
たりや
孤徽殿
(
こきでん
)
の
細殿口
(
ほそどのぐち
)
、
敏
(
さとし
)
が
爲
(
ため
)
には
若
(
し
)
くものもなき
時
(
とき
)
ぞかし。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
未だ
浮世
(
うきよ
)
慣
(
な
)
れぬ御身なれば、思ひ煩らひ給ふも
理
(
ことわり
)
なれども、
六十路
(
むそぢ
)
に近き此の老婆、いかで
爲
(
ため
)
惡
(
あ
)
しき事を申すべき、聞分け給ひしかや
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は、
片山
(
かたやま
)
一人
(
ひとり
)
を
得
(
う
)
る
爲
(
ため
)
には、
過去
(
くわこ
)
の一
切
(
さい
)
を
棄
(
す
)
てた。
肉親
(
にくしん
)
とも
絶
(
た
)
たなければならなかつた。もつとも、
母親
(
はゝおや
)
は
實母
(
じつぼ
)
ではなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
改札口
(
かいさつぐち
)
を
冷
(
つめた
)
く
出
(
で
)
ると、
四邊
(
あたり
)
は
山
(
やま
)
の
陰
(
かげ
)
に、
澄渡
(
すみわた
)
つた
湖
(
みづうみ
)
を
包
(
つゝ
)
んで、
月
(
つき
)
に
照返
(
てりかへ
)
さるゝ
爲
(
ため
)
か、
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
く
艶
(
つや
)
やかに、
黒
(
くろ
)
く、
且
(
か
)
つ
玲瓏
(
れいろう
)
として
透通
(
すきとほ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
Jesu
(
ヂェシュー
)
Maria
(
マリヤ
)
! どれほど
苦
(
にが
)
い
水
(
みづ
)
が
其
(
その
)
蒼白
(
あをじろ
)
い
頬
(
ほゝ
)
をローザラインの
爲
(
ため
)
に
洗
(
あら
)
うたことやら?
幾何
(
どれほど
)
の
鹽辛水
(
しほからみづ
)
を
無用
(
むだ
)
にしたことやら
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
し
比較的
(
ひかくてき
)
に
※去
(
くわこ
)
の三
年
(
ねん
)
は
私
(
わたくし
)
の
爲
(
ため
)
には
凌
(
しの
)
ぎ
易
(
やす
)
かつたよ、イヤ、
其間
(
そのあひだ
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
、
諸君
(
しよくん
)
には
想像
(
さうざう
)
も
出來
(
でき
)
ない
程
(
ほど
)
、
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
も
澤山
(
たくさん
)
あつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
るに
昨年
(
さくねん
)
十一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
に、
今年
(
こんねん
)
一
月
(
ぐわつ
)
十一
日
(
にち
)
に
於
(
おい
)
て
金解禁
(
きんかいきん
)
を
決行
(
けつかう
)
することに
決定
(
けつてい
)
發表
(
はつぺう
)
し
得
(
え
)
たことは
我國經濟
(
わがくにけいざい
)
の
爲
(
ため
)
に
非常
(
ひじやう
)
な
仕合
(
しあは
)
せである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
餘程
(
よほど
)
の
大火
(
おほび
)
を
焚
(
た
)
かなければ、
馬籠
(
まごめ
)
にて
見
(
み
)
たる
如
(
ごと
)
き
跡
(
あと
)
を
遺
(
のこ
)
すものでない。
竈
(
かまど
)
とか、
爐
(
ろ
)
とか、それ
位
(
くらゐ
)
の
火
(
ひ
)
の
爲
(
ため
)
に
出來
(
でき
)
たのでは
恐
(
おそ
)
らくあるまい。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
が
唯
(
た
)
ッた
一人
(
ひとり
)
場所
(
ばしよ
)
を
取
(
と
)
り
交
(
か
)
へた
爲
(
ため
)
に一
番
(
ばん
)
好
(
い
)
いことをしました、
愛
(
あい
)
ちやんは
以前
(
まへ
)
よりも
餘
(
よ
)
ッ
程
(
ぽど
)
割
(
わり
)
が
惡
(
わる
)
くなりました、だつて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
開
(
ひらい
)
てみらるゝに小判にて金百兩あり大岡殿心中に
甚
(
はなは
)
だ感じられ是は全く
由緒
(
ゆゐしよ
)
ある武士なり兎角零落に及んでも萬一の時の
爲
(
ため
)
にと
先祖
(
せんぞ
)
の意を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
私
(
わたし
)
だの、そら
此處
(
こゝ
)
にゐる
此
(
こ
)
の
不幸
(
ふかう
)
な
人達計
(
ひとたちばか
)
りが
恰
(
あだか
)
も
獻祭
(
けんさい
)
の
山羊
(
やぎ
)
の
如
(
ごと
)
くに、
衆
(
しゆう
)
の
爲
(
ため
)
に
此
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
れられてゐねばならんのか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この
爲
(
ため
)
に
兩少年
(
りようしようねん
)
は
各自
(
かくじ
)
の
家屋
(
かおく
)
のみならず、
重幸少年
(
しげゆきしようねん
)
の
如
(
ごと
)
きは
隣接
(
りんせつ
)
した
小學校
(
しようがつこう
)
と
二十戸
(
にじゆつこ
)
の
民家
(
みんか
)
とを
危急
(
ききゆう
)
から
救
(
すく
)
ひ
得
(
え
)
たのであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
年
(
とし
)
が
行
(
い
)
かない
爲
(
ため
)
か、
舌
(
した
)
が
能
(
よ
)
く
回
(
まは
)
らないので、
抗辯
(
かうべん
)
のしやうが
如何
(
いか
)
にも
億劫
(
おくくふ
)
で
手間
(
てま
)
が
掛
(
か
)
かつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
其所
(
そこ
)
を
特
(
とく
)
に
面白
(
おもしろ
)
く
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうして
又
(
また
)
食料
(
しよくれう
)
を
求
(
もと
)
める
爲
(
ため
)
に
勞力
(
らうりよく
)
を
他
(
た
)
に
割
(
さ
)
くことによつて、
作物
(
さくもつ
)
の
畦間
(
うねま
)
を
耕
(
たがや
)
すことも
雜草
(
ざつさう
)
を
除
(
のぞ
)
くことも一
切
(
さい
)
が
手後
(
ておく
)
れに
成
(
な
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
僕等
(
ぼくら
)
はもう
廣小路
(
ひろこうぢ
)
の「
常盤
(
ときわ
)
」にあの
椀
(
わん
)
になみなみと
盛
(
も
)
つた「おきな」を
味
(
あぢは
)
ふことは
出來
(
でき
)
ない。これは
僕等
(
ぼくら
)
下戸仲間
(
げこなかま
)
の
爲
(
ため
)
には
少
(
すくな
)
からぬ
損失
(
そんしつ
)
である。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
以上
(
いじやう
)
略述
(
りやくじゆつ
)
した
如
(
ごと
)
く、
日本家屋
(
にほんかをく
)
が
木造
(
もくざう
)
を
以
(
もつ
)
て
出發
(
しゆつぱつ
)
し、
木造
(
もくざう
)
を
以
(
もつ
)
て
發達
(
はつたつ
)
したのは、
國土
(
こくど
)
に
特産
(
とくさん
)
する
豊富
(
ほうふ
)
なる
木材
(
もくざい
)
のためであつて、
地震
(
ぢしん
)
の
爲
(
ため
)
ではない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
余
(
よ
)
は
現時
(
げんじ
)
人
(
ひと
)
より
羨
(
うらや
)
まるゝ
程
(
ほど
)
の
健康
(
けんかう
)
を
保
(
たも
)
ち
居
(
を
)
れども、
壯年
(
さうねん
)
の
頃
(
ころ
)
までは
體質
(
たいしつ
)
至
(
いた
)
つて
弱
(
よわ
)
く、
頭痛
(
づつう
)
に
惱
(
なや
)
まされ、
胃
(
ゐ
)
を
病
(
や
)
み、
屡
(
しば/\
)
風邪
(
ふうじや
)
に
犯
(
をか
)
され、
絶
(
た
)
えず
病
(
やまひ
)
の
爲
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
めり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
「私たちの云ふのは、あなたの
爲
(
ため
)
を思つてゐるからよ。」と、そんなに激しくない聲で、ベシーがつけ加へた
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
成程
(
なるほど
)
、
一日
(
いちにち
)
の苦
闘
(
とう
)
に
疲
(
つか
)
れて
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
ツて來る、
其處
(
そこ
)
には
笑顏
(
ゑがほ
)
で
迎
(
むか
)
へる
妻子
(
さいし
)
がある、
終日
(
しうじつ
)
の
辛勞
(
しんらう
)
は
一杯
(
いつぱい
)
の
酒
(
さけ
)
の
爲
(
ため
)
に、
陶然
(
たうぜん
)
として
酔
(
え
)
ツて、
全
(
すべ
)
て人生の
痛苦
(
つうく
)
を
忘
(
わす
)
れて了ふ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
一
醉漢
(
すいかん
)
ありて
酒毒
(
しゆどく
)
の
爲
(
ため
)
に
神經
(
しんけい
)
を
錯亂
(
さくらん
)
せられ、これが
爲
(
ため
)
に
自殺
(
じさつ
)
するに
至
(
いた
)
りたる
事
(
こと
)
ある
時
(
とき
)
は、彼は酒故に自殺したりと
言
(
い
)
ふを
躊躇
(
ちうちよ
)
せざるべし、酒は即ち自殺の原因なり。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
私達
(
わたしたち
)
の
知識
(
ちしき
)
を
廣
(
ひろ
)
め
學問
(
がくもん
)
の
爲
(
ため
)
になる
品物
(
しなもの
)
は
千差萬別
(
せんさばんべつ
)
で、その
種類
(
しゆるい
)
は
實
(
じつ
)
に
無限
(
むげん
)
に
多
(
おほ
)
いのでありますから、これをみんな
一
(
ひと
)
つの
場所
(
ばしよ
)
に
集
(
あつ
)
めて
陳列
(
ちんれつ
)
することは
容易
(
ようい
)
でありませんし
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
非
(
ひ
)
、
終
(
つひ
)
に
韓
(
かん
)
の
爲
(
ため
)
にして、
秦
(
しん
)
の
爲
(
た
)
めにせず、
(一一六)
此
(
こ
)
れ
人
(
ひと
)
の
情
(
じやう
)
也
(
なり
)
。
今
(
いま
)
、
王
(
わう
)
、
用
(
もち
)
ひず、
久
(
ひさ
)
しく
留
(
とど
)
めて
之
(
これ
)
を
歸
(
かへ
)
さば、
此
(
こ
)
れ
自
(
みづか
)
ら
患
(
うれひ
)
を
遺
(
のこ
)
す
也
(
なり
)
。
(一一七)
過法
(
くわはふ
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
誅
(
ちう
)
するに
如
(
し
)
かず
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はすぐに
自分自身
(
じぶんじしん
)
のために、また
子供達
(
こどもたち
)
の
爲
(
ため
)
めに
働
(
はたら
)
かなければならなかつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
間
(
ま
)
もなく
親戚
(
しんせき
)
に
子供
(
こども
)
を
預
(
あづ
)
けて
土地
(
とち
)
の
病院
(
びやうゐん
)
に
勤
(
つと
)
める
身
(
み
)
となつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
脇目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
去年
(
きよねん
)
の
彼岸
(
ひがん
)
が三月の二十一日なれば
今年
(
ことし
)
の
彼岸
(
ひがん
)
も
丁度
(
ちやうど
)
其日
(
そのひ
)
なり。
且
(
かつ
)
毎年
(
まいねん
)
の
日數
(
ひかず
)
同樣
(
どうやう
)
なるゆゑ、一年と
定
(
さだ
)
めて
約條
(
やくでう
)
したる
事
(
こと
)
は
丁度
(
ちやうど
)
一年の
日數
(
ひかず
)
にて
閏月
(
しゆんげつ
)
の
爲
(
ため
)
に
一箇月
(
いつかつき
)
の
損徳
(
そんとく
)
あることなし。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
されば
此
(
こ
)
の
家塾
(
かじゆく
)
で
放任主義
(
はうにんしゆぎ
)
を
行
(
おこな
)
ふのは
畢竟
(
ひつきやう
)
獨立心
(
どくりつしん
)
を
養
(
やしな
)
ふ
爲
(
ため
)
であつて、この
狹
(
せま
)
い
小
(
ちひ
)
さな
家塾
(
かじゆく
)
で
其
(
そ
)
の
習慣
(
しふくわん
)
をつけて
置
(
お
)
くのは
他日
(
たじつ
)
大
(
おほひ
)
なる
社會
(
しやくわい
)
、
廣
(
ひろ
)
き
世界
(
せかい
)
へ
出
(
い
)
て
事
(
こと
)
の
缺
(
か
)
けない
仕度
(
したく
)
で
御在
(
ござい
)
ます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
元來世に在らざる物又は君
在
(
いま
)
さぬ
爲
(
ため
)
に生じたる空虚に存在を
容
(
ゆる
)
したまはず。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
げに
唯
(
たゞ
)
わが
爲
(
ため
)
にわが爲に、
孤
(
ひと
)
り
空
(
むな
)
しくわれは咲きにほふと
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
桃太郎
(
もゝたらう
)
が
家臣
(
かしん
)
なる
雉子
(
きじ
)
の
一類
(
いちるゐ
)
の
爲
(
ため
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
るに
政府
(
せいふ
)
の
海外
(
かいぐわい
)
に
保有
(
ほいう
)
して
居
(
ゐ
)
る
對外資金
(
たいぐわいしきん
)
が
段々
(
だん/\
)
減少
(
げんせう
)
して
來
(
き
)
て、六千
萬圓
(
まんゑん
)
許
(
ばか
)
りになつた
爲
(
ため
)
に
段々
(
だん/\
)
爲替相場
(
かはせさうば
)
は
下
(
さが
)
つて
來
(
き
)
たのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
『えゝ、
無責任
(
むせきにん
)
なる
船員
(
せんいん
)
!
卑劣
(
ひれつ
)
なる
外人
(
くわいじん
)
!
海上
(
かいじやう
)
の
規則
(
きそく
)
は
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
ぞ。』と
悲憤
(
ひふん
)
の
腕
(
うで
)
を
扼
(
やく
)
すと、
夫人
(
ふじん
)
の
淋
(
さび
)
しき
顏
(
かほ
)
は
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
つた、
沈
(
しづ
)
んだ
聲
(
こゑ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
神聖
(
たふと
)
い
語
(
ことば
)
で
二人
(
ふたり
)
の
手
(
て
)
を
結
(
むす
)
び
合
(
あ
)
はして
下
(
くだ
)
されば、
戀
(
こひ
)
を
亡
(
ほろぼ
)
す
死
(
し
)
の
爲
(
ため
)
に
此身
(
このみ
)
が
如何樣
(
どのやう
)
にならうとまゝ。
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ぶことさへ
叶
(
かな
)
へば、
心殘
(
こゝろのこ
)
りはない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『
私
(
わたし
)
は
賣
(
う
)
る
爲
(
ため
)
にそれを
持
(
も
)
つてるのです』と
帽子屋
(
ばうしや
)
が
説明
(
せつめい
)
のやうに
言
(
い
)
ひ
足
(
た
)
しました、『
自分
(
じぶん
)
の
物
(
もの
)
は
一個
(
ひとつ
)
も
持
(
も
)
ちません。
私
(
わたし
)
は
帽子屋
(
ばうしや
)
ですもの』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
父が
後妻
(
こうさい
)
とし私が
爲
(
ため
)
に
繼母
(
まゝはゝ
)
なりしも家は段々衰へて父は四年以前より
苟且
(
かりそめ
)
の病ひにて
打臥
(
うちふし
)
たるが家の事
打任
(
うちまか
)
せたる彼のお早どのは夫の病氣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼等
(
かれら
)
は
平生
(
へいぜい
)
でもさうであるのに
酒
(
さけ
)
の
爲
(
ため
)
に
幾分
(
いくぶん
)
でも
興奮
(
こうふん
)
して
居
(
ゐ
)
るので、
各自
(
かくじ
)
の
口
(
くち
)
から
更
(
さら
)
に
聞
(
き
)
くに
堪
(
た
)
へぬ
雜言
(
ざふごん
)
が
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
日本
(
にほん
)
の
化物
(
ばけもの
)
は
後世
(
こうせい
)
になる
程
(
ほど
)
面白
(
おもしろ
)
くなつて
居
(
ゐ
)
るが、
是
(
これ
)
は
初
(
はじ
)
め
日本
(
にほん
)
の
地理的關係
(
ちりてきくわんけい
)
で
化物
(
ばけもの
)
を
想像
(
さうざう
)
する
餘地
(
よち
)
がなかつた
爲
(
ため
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
事
(
こと
)
によるとあの
女
(
をんな
)
は、わたしが
太刀打
(
たちうち
)
を
始
(
はじ
)
めるが
早
(
はや
)
いか、
人
(
ひと
)
の
助
(
たす
)
けでも
呼
(
よ
)
ぶ
爲
(
ため
)
に、
藪
(
やぶ
)
をくぐつて
逃
(
に
)
げたのかも
知
(
し
)
れない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
わたし
)
の
樣
(
やう
)
な
不運
(
ふうん
)
の
母
(
はゝ
)
の
手
(
て
)
で
育
(
そだ
)
つより
繼母御
(
まゝはゝご
)
なり
御手
(
おて
)
かけなり
氣
(
き
)
に
適
(
かな
)
ふた
人
(
ひと
)
に
育
(
そだ
)
てゝ
貰
(
もら
)
ふたら、
少
(
すこ
)
しは
父御
(
てゝご
)
も
可愛
(
かわゆ
)
がつて
後々
(
のち/\
)
あの
子
(
こ
)
の
爲
(
ため
)
にも
成
(
なり
)
ませう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昨日
(
きのふ
)
の
興奮
(
こうふん
)
の
爲
(
ため
)
にか、
彼
(
かれ
)
は
疲
(
つか
)
れて
脱然
(
ぐつたり
)
して、
不好不好
(
いやいや
)
ながら
言
(
い
)
つてゐる。
彼
(
かれ
)
の
指
(
ゆび
)
は
顫
(
ふる
)
へてゐる。
其顏
(
そのかほ
)
を
見
(
み
)
ても
頭
(
あたま
)
が
酷
(
ひど
)
く
痛
(
いた
)
んでゐると
云
(
い
)
ふのが
解
(
わか
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その
爲
(
ため
)
か、
今
(
いま
)
では
以前
(
いぜん
)
と
違
(
ちが
)
つて、まあ
普通
(
ふつう
)
の
小舅
(
こじうと
)
位
(
ぐらゐ
)
の
親
(
した
)
しみはあると
信
(
しん
)
じてゐる
樣
(
やう
)
なものゝ、
斯
(
こ
)
んな
場合
(
ばあひ
)
になると、つい
實際
(
じつさい
)
以上
(
いじやう
)
にも
氣
(
き
)
を
回
(
まは
)
して
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此蠻勇
(
このばんゆう
)
の
力
(
ちから
)
、それが
積
(
つも
)
り
積
(
つも
)
つて
見
(
み
)
ると、
運動
(
うんどう
)
の
爲
(
ため
)
とか、
好奇
(
かうき
)
の
慾
(
よく
)
とか、そればかりで
承知
(
しやうち
)
が
出來
(
でき
)
なくなつて、
初
(
はじ
)
めて
研究
(
けんきう
)
といふ
事
(
こと
)
に
重
(
おも
)
きを
置
(
おく
)
く
樣
(
やう
)
になり
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
即
(
すなは
)
ち
大正十二年
(
たいしようじゆうにねん
)
の
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
に
於
(
おい
)
ては
十萬
(
じゆうまん
)
の
生命
(
せいめい
)
と
五十五億圓
(
ごじゆうごおくえん
)
の
財産
(
ざいさん
)
とを
失
(
うしな
)
ひ、
二年後
(
にねんご
)
但馬
(
たじま
)
の
國
(
くに
)
のけちな
地震
(
ぢしん
)
の
爲
(
ため
)
、
四百
(
しひやく
)
の
人命
(
じんめい
)
と
三千萬圓
(
さんぜんまんえん
)
の
財産
(
ざいさん
)
とを
損
(
そん
)
し
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
幼君
(
えうくん
)
、「
飼鳥
(
かひどり
)
はよきものか」と
問
(
と
)
はせ
給
(
たま
)
へば、「いかにも
御慰
(
おんなぐさみ
)
になり
申
(
まを
)
すべし。
第一
(
だいいち
)
お
眼覺
(
めざめ
)
の
爲
(
ため
)
に
宜
(
よろ
)
しからむ。 ...
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
且
(
かつ
)
性來
(
せいらい
)
記憶力
(
きおくりよく
)
に
乏
(
とぼ
)
しき
余
(
よ
)
は、
此等
(
これら
)
の
病症
(
びやうしやう
)
の
爲
(
ため
)
に
益
(
ます/\
)
其
(
その
)
※退
(
げんたい
)
するを
感
(
かん
)
じ、
治療法
(
ちれうはふ
)
に
苦心
(
くしん
)
せる
時
(
とき
)
、
偶
(
たま/\
)
冷水浴
(
れいすゐよく
)
を
爲
(
な
)
して
神
(
かみ
)
に
祷願
(
たうぐわん
)
せば
必
(
かなら
)
ず
功驗
(
こうけん
)
ある
可
(
べ
)
しと
告
(
つ
)
ぐる
人
(
ひと
)
あり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
生れて
人間
(
にんげん
)
の價値をも知らず、宇宙の意味をも考へないで、一生を
衣食
(
いしよく
)
の
爲
(
ため
)
に
營々
(
えい/\
)
として
浪費
(
らうひ
)
して了ツたら、其は随分
辛
(
つら
)
いだらうが、
高
(
たか
)
が
些々
(
さゝ
)
たる
肉躰上
(
にくたいじよう
)
の
苦痛
(
くつう
)
のみなのだから
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そこへ
今朝
(
けさ
)
、
片山
(
かたやま
)
の
假
(
かり
)
出獄
(
しゆつごく
)
を
頼
(
たの
)
む
爲
(
ため
)
に
辯護士
(
べんごし
)
の
處
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
かけて
行
(
い
)
つたK
氏
(
し
)
が
戻
(
もど
)
つて
來
(
き
)
た。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
一
頑漢
(
ぐわんかん
)
ありて、社會の制裁と運命の自然なる威力に從順なる事能はず、これが
爲
(
ため
)
に
人
(
ひと
)
には
擯
(
しりぞ
)
けられ、
世
(
よ
)
には
捨
(
す
)
てられ、事業を愚弄し、人間をくだらぬものとし、階級秩序の如きをうるさきものとし
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
自らを
敢
(
あへ
)
て弱しと思ふにあらず、他の更に我より強きが
爲
(
ため
)
ぞ。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
此時
(
このとき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ!
見
(
み
)
ると一
尺
(
しやく
)
位
(
ぐら
)
いの
鰺
(
あぢ
)
で、
巨大
(
きよだい
)
なる
魚群
(
ぎよぐん
)
に
追
(
お
)
はれた
爲
(
ため
)
に、
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
艇中
(
ていちう
)
に
飛込
(
とびこ
)
んだのである。
天
(
てん
)
の
賜
(
たまもの
)
と
私
(
わたくし
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
取上
(
とりあ
)
げた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
日本
(
にほん
)
の
金解禁
(
きんかいきん
)
は
如何
(
いか
)
なる
用意
(
ようい
)
を
以
(
もつ
)
てするかは
可
(
か
)
なり
注目
(
ちうもく
)
されて
居
(
ゐ
)
る
爲
(
ため
)
に、
金解禁
(
きんかいきん
)
は
國
(
くに
)
の
内外
(
ないぐわい
)
に
於
(
おい
)
て
大問題
(
だいもんだい
)
であつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
カンテラの
光
(
ひかり
)
の
爲
(
ため
)
に
却
(
かへつ
)
て
眼界
(
がんかい
)
を
狹
(
せば
)
められた
商人
(
あきんど
)
は
木陰
(
こかげ
)
の
闇
(
やみ
)
から
見
(
み
)
れば
滑稽
(
こつけい
)
な
程
(
ほど
)
絶
(
た
)
えず
其
(
そ
)
の
眼
(
め
)
を
蹙
(
しか
)
めつゝ
外
(
そと
)
の
闇
(
やみ
)
を
透
(
すか
)
して
騷
(
さわ
)
がしい
群集
(
ぐんしふ
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
爲
部首:⽖
12画
“爲”を含む語句
所爲
行爲
爲方
爲事
爲出
處爲
有爲
何爲
爲替相場
以爲
其爲
爲合
爲人
爲難
爲可
爲樣
無爲
爲來
御爲
爲體
...