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其人
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そのひと
ふりがな文庫
“
其人
(
そのひと
)” の例文
本國
(
ほんごく
)
日本
(
につぽん
)
を
立去
(
たちさ
)
つた
人
(
ひと
)
、
其人
(
そのひと
)
に
今
(
いま
)
や
斯
(
か
)
かる
孤島
(
はなれじま
)
の
上
(
うへ
)
にて
會合
(
くわいごう
)
するとは、
意外
(
いぐわい
)
も、
意外
(
いぐわい
)
も、
私
(
わたくし
)
は
暫時
(
しばし
)
五里霧中
(
ごりむちう
)
に
彷徨
(
はうくわう
)
したのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
バルタ
最前
(
さいぜん
)
、
此
(
この
)
水松
(
いちゐ
)
の
蔭
(
かげ
)
で
居眠
(
ゐねむ
)
ってゐますうちに、
夢
(
ゆめ
)
うつゝに、
主人
(
しゅじん
)
とさる
人
(
ひと
)
とが
戰
(
たゝか
)
うて、
主人
(
しゅじん
)
が
其人
(
そのひと
)
をば
殺
(
ころ
)
したと
見
(
み
)
ました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
元来意見があつて、
人
(
ひと
)
がそれに
則
(
のつと
)
るのぢやない。
人
(
ひと
)
があつて、
其人
(
そのひと
)
に
適
(
てき
)
した様な意見が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るのだから、
僕
(
ぼく
)
の説は
僕
(
ぼく
)
丈に通用する丈だ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
右の
通
(
とほ
)
り重四郎一件
落着
(
らくちやく
)
と成しは
誠
(
まこと
)
に天道正直の
道
(
みち
)
を
照
(
てら
)
し給ふ所なり然れども
其人
(
そのひと
)
其罪無して杉戸屋富右衞門は
如何
(
いか
)
なる其身の
業報
(
ごふはう
)
にや
煙草入
(
たばこいれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其人
(
そのひと
)
に
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
自分
(
じぶん
)
の
持地
(
もちち
)
からは
澤山
(
たくさん
)
破片
(
はへん
)
が
出
(
で
)
るが、
未
(
ま
)
だ
誰
(
たれ
)
も
發掘
(
はつくつ
)
した
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いといふ。
然
(
さ
)
らば
近日
(
きんじつ
)
發掘
(
はつくつ
)
をさして
呉
(
く
)
れと
其場
(
そのば
)
で
手金
(
てきん
)
を
打
(
う
)
つた。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
晏嬰
(
あんえい
)
乃
(
すなは
)
ち
田穰苴
(
でんじやうしよ
)
を
薦
(
すす
)
めて
曰
(
いは
)
く、『
穰苴
(
じやうしよ
)
は
田氏
(
でんし
)
の
(四)
庶孽
(
しよげつ
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、
然
(
しか
)
れども
其人
(
そのひと
)
、
文
(
ぶん
)
は
能
(
よ
)
く
衆
(
しう
)
を
附
(
つ
)
け、
武
(
ぶ
)
は
能
(
よ
)
く
敵
(
てき
)
を
威
(
おど
)
す。
願
(
ねが
)
はくは
君
(
きみ
)
之
(
これ
)
を
試
(
こころ
)
みよ』
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
そして
老先生
(
らうせんせい
)
が
權藏
(
ごんざう
)
に
告
(
つ
)
げた
言葉
(
ことば
)
、あれが
其註解
(
そのちゆうかい
)
です、そして
權藏
(
ごんざう
)
其人
(
そのひと
)
を
以
(
もつ
)
て
先生
(
せんせい
)
は
實物教育
(
じつぶつけういく
)
の
標本
(
へうほん
)
としたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
漣山人
(
さゞなみさんじん
)
は
此頃
(
このごろ
)
入社したので、
夙
(
かね
)
て
一六翁
(
いちろくおう
)
の
三男
(
さんなん
)
に
其人
(
そのひと
)
有りとは聞いて
居
(
ゐ
)
たが、顔を見た事も無かつたのであつた所、社員の
内
(
うち
)
に
山人
(
さんじん
)
と
善
(
よ
)
く
識
(
し
)
る者が有つて
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ウィリアム
第
(
だい
)
一
世
(
せい
)
、
其人
(
そのひと
)
の
立法
(
りつぱふ
)
は
羅馬
(
ローマ
)
法皇
(
はふわう
)
の
御心
(
みこゝろ
)
に
愜
(
かな
)
ひ、
忽
(
たちま
)
ちにして
首領
(
しゆれう
)
の
必要
(
ひつえう
)
ありし
英人
(
えいじん
)
の
從
(
したが
)
ふ
所
(
ところ
)
となり、
近
(
ちか
)
くは
纂奪
(
さんだつ
)
及
(
およ
)
び
征服
(
せいふく
)
を
恣
(
ほしひまゝ
)
にするに
至
(
いた
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
が、これが安行でないとすると、
何処
(
いずこ
)
の何者であろう。たとい角川家の主人
其人
(
そのひと
)
にあらずとも、
一個
(
ひとり
)
の人間が惨殺されて
此処
(
ここ
)
に
横
(
よこた
)
わっているのは事実である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
左樣
(
さう
)
であらう、
校内
(
かうない
)
一
(
いち
)
の
人
(
ひと
)
だとお
前
(
まへ
)
も
常
(
つね
)
に
褒
(
ほ
)
めたではないか、
其人
(
そのひと
)
であるから
決
(
けつ
)
してお
前
(
まへ
)
を
恨
(
うら
)
んで
死
(
し
)
ぬ、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
はある
筈
(
はず
)
がない、
憤
(
いきどほ
)
りは
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
してなので
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
珠運は
立鳥
(
たつとり
)
の跡ふりむかず、一里あるいた
頃
(
ころ
)
不図
(
ふと
)
思い出し、二里あるいた頃珠運様と呼ぶ声、まさしく
其人
(
そのひと
)
と
後
(
うしろ
)
見れば何もなし、三里あるいた頃、もしえと
袂
(
たもと
)
取る様子
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
幾度
(
いくど
)
掛
(
か
)
けてもチヤンと、
存生中
(
ぞんしやうちゆう
)
に
物言
(
ものい
)
ふ
通
(
とほ
)
り、
音色
(
おんしよく
)
が
発
(
はつ
)
するのだから
其人
(
そのひと
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
蘇生
(
よみかへつ
)
て
対話
(
たいわ
)
でもするやうな
心持
(
こゝろもち
)
になるのだから、
大
(
おほ
)
きに
是
(
これ
)
は
追善
(
つゐぜん
)
の
為
(
ため
)
に
宜
(
よ
)
からうと考へられまする。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
萬事
(
ばんじ
)
其人
(
そのひと
)
に
任
(
まか
)
せて
其人
(
そのひと
)
の
獨立心
(
どくりつしん
)
に
依頼
(
いらい
)
せしめる
樣
(
やう
)
な
習慣
(
しふくわん
)
をつけねばなりません。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
其人
(
そのひと
)
は
未
(
ま
)
だ三十
歳
(
さい
)
に
足
(
た
)
らぬ
若
(
わか
)
い
男
(
をとこ
)
で、
頬骨
(
ほゝぼね
)
の
廣
(
ひろ
)
い、
眼
(
め
)
の
小
(
ちひ
)
さい、ブルネト、
其祖先
(
そのそせん
)
は
外國人
(
ぐわいこくじん
)
で
有
(
あ
)
つたかのやうにも
見
(
み
)
える、
彼
(
かれ
)
が
町
(
まち
)
に
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
は、
錢
(
ぜに
)
と
云
(
い
)
つたら一
文
(
もん
)
もなく、
小
(
ちひ
)
さい
鞄
(
かばん
)
只
(
たゞ
)
一個
(
ひとつ
)
と
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さうしたならば
銀行
(
ぎんかう
)
に
在
(
あ
)
る
金
(
かね
)
が
減
(
へ
)
る、
減
(
へ
)
れば
金利
(
きんり
)
が
上
(
あが
)
る。
或
(
ある
)
る
人
(
ひと
)
が十三
圓
(
ゑん
)
五十
錢
(
せん
)
の
金
(
かね
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
つたとすると、
其金
(
そのかね
)
が一
圓
(
ゑん
)
の
割合
(
わりあい
)
で
減
(
へ
)
る。さうしたならばそれだけ
其人
(
そのひと
)
の
買
(
か
)
ふ
力
(
ちから
)
は
減少
(
げんせう
)
する
譯
(
わけ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
千島
(
ちしま
)
の
事抔
(
ことなど
)
噂
(
うはさ
)
しあへるを耳にしては、
夫
(
それ
)
は
斯
(
か
)
く
彼
(
あれ
)
は
此
(
かう
)
と話して
聞
(
きか
)
せたく鼻はうごめきぬ、
予
(
よ
)
は
洋杖
(
ステツキ
)
にて足を
突
(
つ
)
かれし
其人
(
そのひと
)
にまで、
此方
(
こなた
)
より
笑
(
ゑみ
)
を作りて
会釈
(
ゑしやく
)
したり、
予
(
よ
)
は
何処
(
いづく
)
とさして
歩
(
あゆ
)
みたるにあらず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
子
(
し
)
の
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
は
其人
(
そのひと
)
と
骨
(
ほね
)
と
皆
(
みな
)
已
(
すで
)
に
朽
(
く
)
ちたり、
獨
(
ひと
)
り
其言
(
そのげん
)
在
(
あ
)
る
耳
(
のみ
)
。
且
(
か
)
つ
君子
(
くんし
)
は、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
う
)
れば
則
(
すなは
)
ち
(二)
駕
(
が
)
し、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
え
)
ざれば
則
(
すなは
)
ち
(三)
蓬累
(
ほうるゐ
)
して
行
(
さ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
性格を上手にかく人は、これ
程
(
ほど
)
烈
(
はげ
)
しい事件の下に主人公を置かないでも、淡々たる尋常の
些事
(
さじ
)
のうちに動かすべからざる
其人
(
そのひと
)
の特色を発揮し得るものである。
『煤煙』の序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其人
(
そのひと
)
今
(
いま
)
や
新聞
(
しんぶん
)
の
題目
(
だいもく
)
となつて
世人
(
よのひと
)
の
審
(
いぶか
)
る
旅路
(
たびぢ
)
に
志
(
こゝろざ
)
したといふ、
其
(
その
)
行先
(
ゆくさき
)
は
何地
(
いづこ
)
であらう、
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
は
何
(
なん
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これは
面白
(
おもし
)
ろい、
彼奴
(
きやつ
)
を
寫
(
うつ
)
してやらうと、
自分
(
じぶん
)
は
其儘
(
そのまゝ
)
其處
(
そこ
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
して、
志村
(
しむら
)
其人
(
そのひと
)
の
寫生
(
しやせい
)
に
取
(
と
)
りかゝつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
さま/″\に
何
(
ど
)
うも
堪
(
た
)
へられぬ
思
(
おも
)
ひの
有
(
あり
)
しに、
飛石
(
とびいし
)
の
足音
(
あしおと
)
は
背
(
せ
)
より
冷水
(
ひやみづ
)
をかけられるが
如
(
ごと
)
く、
顧
(
かへり
)
みねども
其人
(
そのひと
)
と
思
(
おも
)
ふに、わな/\と
慄
(
ふる
)
へて
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
も
變
(
かわ
)
るべく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんな理屈までは思い及ばぬにしても、お葉は気の強いと共に涙
脆
(
もろ
)
い女であった。
種々
(
いろいろ
)
考えると、
最初
(
はじめ
)
は
唯
(
ただ
)
憎いと思っていた重太郎
其人
(
そのひと
)
も、今は
漸々
(
だんだん
)
に可哀そうにもなって来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
遣
(
つかは
)
したる喜八とやらん
捕
(
とら
)
れたるや又外に
有事
(
あること
)
成
(
なる
)
かと
不審
(
ふしん
)
に思ひ
能
(
よく
)
聞
(
き
)
けば
其人
(
そのひと
)
は全く彼の
喜
(
き
)
八に
相違
(
さうゐ
)
なく火付盜賊に
陷
(
おち
)
いり
近々
(
きん/\
)
に
火罪
(
ひあぶり
)
との事なりしかば
田子
(
たこ
)
の
伊兵衞
(
いへゑ
)
思ふは
科
(
とが
)
なき者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くるは
相身互
(
あひみたが
)
ひ、
浮世
(
うきよ
)
を
煩
(
うるさ
)
う
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
には、
身一
(
みひと
)
つでさへも
多
(
おほ
)
いくらゐ、
強
(
あなが
)
ち
同志
(
つれ
)
を
追
(
お
)
はずともと、
只
(
たゞ
)
もう
己
(
おの
)
が
心
(
こゝろ
)
の
後
(
あと
)
をのみ
追
(
お
)
うて、
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くる
其人
(
そのひと
)
をば
此方
(
こちら
)
からも
避
(
さ
)
けました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さては
花漬売
(
はなづけうり
)
が心づかず落し
行
(
ゆき
)
しかと手に取るとたん、
早
(
は
)
や
其人
(
そのひと
)
床
(
ゆか
)
しく、
昨夕
(
ゆうべ
)
の亭主が物語今更のように、思い出されて、
叔父
(
おじ
)
の憎きにつけ世のうらめしきに付け、何となく
唯
(
ただ
)
お
辰
(
たつ
)
可愛
(
かわい
)
く
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さア
其人
(
そのひと
)
は
口惜
(
くや
)
しくつて
耐
(
たま
)
らないから、
預
(
あづ
)
けたに
違
(
ちが
)
ひない、
多助
(
たすけ
)
さんさへゐれば
其様
(
そのやう
)
なことを
云
(
い
)
ふ
筈
(
はず
)
はないのだから、
返
(
かへ
)
してくれ。と
云
(
い
)
つても
肯
(
き
)
かない。決して
預
(
あづ
)
かつた
覚
(
おぼ
)
えはない、と
云
(
い
)
ひ
張
(
は
)
る。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其人
(
そのひと
)
の
持地
(
もちち
)
を
發掘
(
はつくつ
)
する
事
(
こと
)
と
成
(
な
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
私
(
わたくし
)
はこの
頃
(
ごろ
)
になつて
益々
(
ます/\
)
感
(
かん
)
ずることは、
人
(
ひと
)
は
如何
(
どん
)
な
場合
(
ばあひ
)
に
居
(
ゐ
)
ても
常
(
つね
)
に
樂
(
たの
)
しい
心
(
こゝろ
)
を
持
(
もつ
)
て
其仕事
(
そのしごと
)
をすることが
出來
(
でき
)
れば、
則
(
すなは
)
ち
其人
(
そのひと
)
は
眞
(
まこと
)
の
幸福
(
かうふく
)
な
人
(
ひと
)
といひ
得
(
う
)
ることだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたくし
)
は
餘
(
あま
)
りの
嬉
(
うれ
)
しさに
言
(
げん
)
もなく、
其人
(
そのひと
)
の
顏
(
かほ
)
を
瞻
(
なが
)
めたが、
忽
(
たちま
)
ち
電氣
(
でんき
)
に
打
(
う
)
たれたかの
如
(
ごと
)
く
愕
(
おどろ
)
き
叫
(
さけ
)
んだよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
我
(
わ
)
が
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
ほど
耻
(
はづ
)
かしく
恐
(
おそ
)
ろしき
物
(
もの
)
はなし、
女同志
(
をんなどし
)
の
親
(
した
)
しきにても
此人
(
このひと
)
こそと
敬
(
うやま
)
ふ
友
(
とも
)
に、さし
向
(
むか
)
ひては
何
(
なに
)
ごとも
言
(
い
)
はれず、
其人
(
そのひと
)
の
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
に、
耻
(
はづ
)
かしきは
飽
(
あ
)
くまで
耻
(
はづ
)
かしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
代助は
嫂
(
あによめ
)
に
其人
(
そのひと
)
の名を
聞
(
き
)
かうと思つたが、
兄
(
あに
)
は
人
(
ひと
)
の
集
(
あつま
)
る所へさへ出れば、
何所
(
どこ
)
へでも
斯
(
かく
)
の如く平気に這入り込む程、
世間
(
せけん
)
の
広
(
ひろ
)
い、又
世間
(
せけん
)
を自分の
家
(
いへ
)
の様に心得てゐる男であるから
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
普通の人から見れば、彼は野蛮である、兇暴である、殆ど
𤢖
(
わろ
)
の
眷属
(
けんぞく
)
である。が、彼は決して
所謂
(
いわゆる
)
悪人では無かった。彼が獰猛野獣の如きは
其人
(
そのひと
)
境遇の罪で、
其人
(
そのひと
)
自身の罪では無かった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
吾
(
われ
)
当世の道理は
知
(
しら
)
ねど
此様
(
このよう
)
な気に入らぬ金受取る事
大嫌
(
だいきらい
)
なり、珠運様への百両は
慥
(
たしか
)
に返したれど
其人
(
そのひと
)
に礼もせぬ子爵から
此
(
この
)
親爺
(
おやじ
)
が
大枚
(
たいまい
)
の礼
貰
(
もらう
)
は
煎豆
(
いりまめ
)
をまばらの歯で
喰
(
く
)
えと云わるゝより有難迷惑
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此奴
(
こいつ
)
は
迂
(
うつ
)
かり
京都
(
きやうと
)
まで
往
(
い
)
つて、
萬一
(
ひよつと
)
宿
(
やど
)
がないと困ると思ひまして、
京都
(
きやうと
)
の三
条
(
でう
)
白河橋
(
しらかはばし
)
に
懇意
(
こんい
)
な
者
(
もの
)
がございますから、
其人
(
そのひと
)
の
処
(
ところ
)
へ郵便を出して、
私
(
わたし
)
が
参
(
まゐ
)
るから
何
(
ど
)
うか
泊
(
と
)
めて
下
(
くだ
)
さいと
申
(
まう
)
して
遣
(
や
)
りますると
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ロミオ
戀
(
こ
)
ひ
焦
(
こが
)
るゝ
效
(
かひ
)
もなく、
其人
(
そのひと
)
の
爲
(
ため
)
に
蔑視
(
さげす
)
まれて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
全體
(
ぜんたい
)
旅
(
たび
)
をしながら
何物
(
なにもの
)
をも
見
(
み
)
ず、
見
(
み
)
ても
何等
(
なんら
)
の
感興
(
かんきよう
)
も
起
(
おこ
)
さず、
起
(
おこ
)
しても
其
(
それ
)
を
折角
(
せつかく
)
の
同伴者
(
つれ
)
と
語
(
かた
)
り
合
(
あつ
)
て
更
(
さら
)
に
興
(
きよう
)
を
増
(
ま
)
すこともしないなら、
初
(
はじ
)
めから
其人
(
そのひと
)
は
旅
(
たび
)
の
面白
(
おもしろ
)
みを
知
(
し
)
らないのだ
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
よもや
植木屋
(
うゑきや
)
の
息子
(
むすこ
)
にてはあるまじく、さりとて
誰
(
た
)
れ
住替
(
すみかは
)
りし
風説
(
うはさ
)
も
聞
(
き
)
かねば
外
(
ほか
)
に
人
(
ひと
)
の
有
(
あ
)
る
筈
(
はず
)
なし、
不審
(
いぶかし
)
さよの
底
(
そこ
)
の
心
(
こゝ
)
ろは
其人
(
そのひと
)
床
(
ゆか
)
しければなり、
用
(
よう
)
もなき
庭歩行
(
にはあるき
)
にありし
垣根
(
かきね
)
の
際
(
きは
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すがらに
眠
(
ねむ
)
られず
思
(
おもひ
)
に
疲
(
つか
)
れてとろ/\とすれば
夢
(
ゆめ
)
にも
見
(
み
)
ゆる
其人
(
そのひと
)
の
面影
(
おもかげ
)
優
(
やさ
)
しき
手
(
て
)
に
背
(
そびら
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
も
只
(
たゞ
)
には
聞
(
き
)
かず
鼠
(
ねづみ
)
の
荒
(
あ
)
れにも
耳
(
みゝ
)
そばだてつ
疑心
(
ぎしん
)
は
暗鬼
(
あんき
)
を
生
(
しやう
)
ずる
奧
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
其人
(
そのひと
)
現在
(
げんざい
)
坐
(
ざ
)
すを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さすれば
夢
(
ゆめ
)
のあともなけれど、
悟
(
さと
)
らぬ
先
(
さき
)
の
誰
(
た
)
れも
誰
(
た
)
れも
思
(
おも
)
ひを
寄
(
よ
)
せしは
名
(
な
)
か
其人
(
そのひと
)
か、
醫科大學
(
いくわだいがく
)
の
評判男
(
ひようばんをとこ
)
に
松島忠雄
(
まつしまたヾを
)
と
呼
(
よ
)
ばれて
其頃
(
そのころ
)
二十七か八か、
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
けば
束髮
(
そくはつ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の
花
(
はな
)
やがて
笑
(
ゑ
)
みを
作
(
つく
)
り
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
扨
(
さて
)
は
園内
(
ゑんない
)
の
手入
(
てい
)
れを
賞
(
ほ
)
めなどして、
逍遙
(
そゞろあるき
)
の
端
(
はし
)
に
若
(
も
)
し
其人
(
そのひと
)
見
(
み
)
ゆるやと、
垣根
(
かきね
)
の
隣
(
となり
)
さしのぞけど、
園生
(
そのふ
)
廣
(
ひろ
)
くして
家
(
いへ
)
遠
(
とほ
)
く、
萱
(
かや
)
ぶきの
軒
(
のき
)
ば
半
(
なか
)
ば
掩
(
おほ
)
ふ
大樹
(
たいじゆ
)
の
松
(
まつ
)
の
滴
(
した
)
たる
如
(
ごと
)
き
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
の
目
(
め
)
に
立
(
たち
)
て
見
(
み
)
ゆるばか
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其人
(
そのひと
)
床
(
ゆか
)
しからねど
其心
(
そのこヽろ
)
にくからず、
文
(
ふみ
)
を
抱
(
いだ
)
きて
幾夜
(
いくよ
)
わびしが、
我
(
わ
)
れながら
弱
(
よわ
)
き
心
(
こヽろ
)
の
淺
(
あさ
)
ましさに
呆
(
あき
)
れ、
見
(
み
)
ればこそは
聞
(
き
)
けばこそは
思
(
おも
)
ひも
増
(
ま
)
すなれ、いざ
鎌倉
(
かまくら
)
に
身
(
み
)
を
退
(
の
)
がれて
此人
(
このひと
)
のことをも
忘
(
わす
)
れ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
抱
(
だ
)
かれるを
嫌
(
い
)
やがり、あやされヽば
泣
(
な
)
くと
同
(
おな
)
じく、
何故
(
なぜ
)
か
其人
(
そのひと
)
に
氣
(
き
)
が
合
(
あ
)
はず
去
(
さ
)
りとて
格別
(
かくべつ
)
に
仇
(
あだ
)
をして
困
(
こま
)
らせんなどヽ
念
(
ねん
)
の
入
(
い
)
りし
憎
(
に
)
くさでもなく、まこと
世間
(
せけん
)
見
(
み
)
ずの
我
(
わが
)
まヽから
起
(
おこ
)
りし
處爲
(
しよい
)
なれば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
花櫻
(
はなざくら
)
香山家
(
かやまけ
)
ときこえしは
門表
(
もんへう
)
の
從
(
じゆ
)
三
位
(
み
)
よむまでもなく、
同族中
(
どうぞくちう
)
に
其人
(
そのひと
)
ありと
知
(
し
)
られて、
行
(
ゆ
)
く
水
(
みづ
)
のながれ
清
(
きよ
)
き
江戸川
(
えどがは
)
の
西
(
にし
)
べりに、
和洋
(
わやう
)
の
家
(
や
)
づくり
美
(
び
)
は
極
(
きは
)
めねど、
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
の
足
(
あし
)
を
止
(
と
)
むる
庭木
(
にはき
)
のさまざま
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
又
(
また
)
斯
(
か
)
ういふ
旦那
(
だんな
)
さまを
態
(
わざ
)
と
見
(
み
)
たてゝ
私
(
わたし
)
の
一生
(
いつしやう
)
を
苦
(
くる
)
しませて
下
(
くだ
)
さるかと
思
(
おも
)
ふと
實家
(
じつか
)
の
親
(
おや
)
、まあ
親
(
おや
)
です、それは
恩
(
おん
)
のある
伯父樣
(
をぢさま
)
ですけれども
其人
(
そのひと
)
の
事
(
こと
)
も
恨
(
うら
)
めしいと
思
(
おも
)
ひまするし、
第一
(
だいいち
)
犯
(
をか
)
した
罪
(
つみ
)
も
無
(
な
)
い
私
(
わたし
)
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さはいへど
人妻
(
ひとづま
)
ならば
及
(
およ
)
ぶまじことなり
確
(
たしか
)
めて
後
(
のち
)
斷念
(
だんねん
)
せんのみ、
浮
(
うき
)
たる
戀
(
こひ
)
に
心
(
こゝ
)
ろを
盡
(
つ
)
くす
輕忽
(
あわつけ
)
しさよとも
覺
(
おぼ
)
さんなれど、
父祖傳來
(
ふそでんらい
)
の
舊交
(
きうかう
)
ありとて、
其人
(
そのひと
)
の
心
(
こゝろ
)
みゆる
物
(
もの
)
ならず、
家格
(
かかく
)
に
隨
(
したが
)
ひ
門地
(
もんち
)
を
尊
(
たつと
)
び
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昨日
(
きのふ
)
は
何方
(
いづかた
)
に
宿
(
やど
)
りつる
心
(
こゝろ
)
とてかはかなく
動
(
うご
)
き
初
(
そ
)
めては
中々
(
なか/\
)
にえも
止
(
と
)
まらずあやしや
迷
(
まよ
)
ふぬば
玉
(
たま
)
の
闇
(
やみ
)
色
(
いろ
)
なき
声
(
こゑ
)
さへ
身
(
み
)
にしみて
思
(
おも
)
ひ
出
(
い
)
づるに
身
(
み
)
もふるはれぬ
其人
(
そのひと
)
恋
(
こひ
)
しくなると
共
(
とも
)
に
恥
(
はづ
)
かしくつゝましく
恐
(
おそ
)
ろしくかく
云
(
い
)
はゞ
笑
(
わら
)
はれんかく
振舞
(
ふるま
)
はゞ
厭
(
いと
)
はれんと
仮初
(
かりそめ
)
の
返答
(
いらへ
)
さへはか/″\しくは
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“其人”で始まる語句
其人也
其人数
其人數
其人間
其人温厚謙恪