)” の例文
新字:
文化ぶんくわ發達はつたつしてれば、自然しぜん何處どこ漠然ばくぜんとして稚氣ちきびてるやうな面白おもしろ化物思想ばけものしさうなどをれる餘地よちくなつてるのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
阿蘇あそ活動かつどうみぎほか一般いつぱん火山灰かざんばひばし、これが酸性さんせいびてゐるので、農作物のうさくぶつがいし、これをしよくする牛馬ぎゆうばをもいためることがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
春枝夫人はるえふじんいた心配しんぱいして『あまりに御身おんみかろんじたまふな。』と明眸めいぼうつゆびての諫言いさめごとわたくしじつ殘念ざんねんであつたが其儘そのまゝおもとゞまつた。
甘酒あまざけ時間じかんみじかいのとかうぢすくないのとであつつくむのがれいである。それだからたちまちにあまるけれどもまたたちまちに酸味さんみびてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それむかぎしいたとおもふと、四邊あたりまた濛々もう/\そらいろすこ赤味あかみびて、ことくろずんだ水面すゐめんに、五六にん氣勢けはひがする、さゝやくのがきこえた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わか血潮ちしほみなぎりに、私は微醺びくんでもびた時のやうにノンビリした心地こゝちになツた。友はそんなことは氣がかぬといふふう
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
テーヴェロとアルノの間のあらき巖の中にて最後の印をクリストより受け、二年ふたとせの間これを己が身にびき 一〇六—一〇八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
と、おたがひ微醺びくんびてへんはづつた氣分きぶん黄包車ワンポイソオり、ふたゝ四馬路スマロ大通おほどほりたのはもうよるの一ぎだつた。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
をとこは、——いえ、太刀たちびてれば、弓矢ゆみやたづさへてりました。ことくろえびらへ、二十あまり征矢そやをさしたのは、唯今ただいまでもはつきりおぼえてります。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ゑがかれた無論むろん冒險者アドヹンチユアラー字面じめんゆる範圍内はんゐないで、もつとつよ色彩しきさいびたものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ぎにつたほがらかなこゑくぶっぽうそう(佛法僧ぶつぽうそう)はきつゝきのるいで、かたちからすてゐますが、おほきさはその半分はんぶんもありません。羽毛うもう藍緑色あゐみどりいろで、つばさとが菫色すみれいろびてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
全体ぜんたいに樣々の沈紋ちんもん有り。他の土器どきと等しく火にけたる物にして、色はくろし。長さのきにあな有りて恰もぢくき取りたる紡錘の如し。思ふに此あなに糸をつらぬきて身にぶるに便にせしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
此處からは小石川牛込一帶の低地を眺めて、なか/\の景色ですが、そんなものは素より眼にも入らず、巨盜蝙蝠冠兵衞かうもりくわんべゑの亡靈だけが、三人の胸の中に、次第に現實味をびて生長して行くのです。
語氣ごきつよ沈痛ちんつうひゞきをびた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ればむらさきびて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
雪とかゞやく色をびて
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
温泉いでゆは、やがて一浴いちよくした。純白じゆんぱくいしたゝんで、色紙形しきしがたおほきたゝへて、かすかに青味あをみびたのが、はひると、さつ吹溢ふきこぼれてたまらしていさぎよい。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やが船尾せんびかたると、此處こゝ人影ひとかげまれで、すで洗淨せんじようをはつて、幾分いくぶん水氣すゐきびて甲板かんぱんうへには、つきひかり一段いちだん冴渡さへわたつてる。
のまだちないうちからにはのぞいてつきしろく、やがてそれがやゝ黄色味きいろみびてにはしげつたかきくりにほつかりと陰翳かげげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
暮色ぼしよくびたまちはづれの踏切ふみきりと、小鳥ことりのやうにこえげた三にん子供こどもたちと、さうしてそのうへ亂落らんらくするあざやか蜜柑みかんいろと——すべては汽車きしやまどそとに、またたひまもなくとほぎた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そのこゑ距離きよりとほいので、はげしく宗助そうすけ鼓膜こまくほどつよくはひゞかなかつたけれども、たしかに精一杯せいいつぱいふるつたものであつた。さうしてたゞ一人いちにん咽喉のどから個人こじん特色とくしよくびてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其上そのうへ危險性きけんせいびた大地震だいぢしん出會であふといふのは、ひと一生いつしようあひだおいおほくて一二回いちにかいにしかないはずであるから、われ/\が出會であところ地震ぢしんほとんど全部ぜんぶたいしたものでないといふことがいへる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
(第二)裝飾そうしよくとして身にびしが如きもの。(之を裝飾品と呼ぶ)
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
すもゝにはから背戸せどつゞいて、ちひさなはやしといつていゝくらゐ。あの、そこあまみをびた、美人びじんしろはだのやうな花盛はなざかりをわすれない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いぢんぢやねえ」勘次かんじたゞおそろしいをしてしかるやうにおさへる。勘次かんじはまだはだしろかつ薄赤味うすあかみびた人形にんぎやう手足てあしのやうな甘藷さつまいもめしむことがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其爲そのため貴君等きくんら兩人りやうにん大佐たいさ袂別わかれげ、一だい使命しめいびてこの空中くうちう飛行ひかうしてたのではありませんか。
いてゐると、經文きやうもんやうな、普通ふつう言葉ことばやうな、一種いつしゆふしびた文字もんじであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ヴェスヴィオの千九百六年せんくひやくろくねん大噴火だいふんかおいて、非常ひじようつよ電氣でんきびた噴煙ふんえんみとめたこともあり、そのなびいたけむりちかづいたとき服裝ふくそうにつけてゐた金屬きんぞく各尖端かくせんたんから電光でんこうはつしたことも經驗けいけんせられてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あるひいはく——禮服れいふく一千兩いつせんりやう土用干どようぼし——大禮服たいれいふく東京とうきやう出來できた。が、ばういたゞき、けんび、手套てぶくろしぼると、すわるのがへんだ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゝみしわひとつづゝ、いやな黄味きみびて、えかゝる提灯ちやうちんかげで、ひく/\とみなれる、猅々ひゝ化猫ばけねこである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゞさへ、おもけない人影ひとかげであるのに、またかげが、ほしのない外面とのもの、雨氣あまけびた、くもにじんで、屋根やねづたひにばうて、此方こなた引包ひきつゝむやうにおもはれる。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今年ことし非常ひじやうあつさだつた。また東京とうきやうらしくない、しめりびた可厭いや蒸暑むしあつさで、息苦いきぐるしくして、られぬばん幾夜いくよつゞいた。おなじくあつかつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、をりから、ざあ/\りにかぜ吹添ふきそつて、つぎ金屏風きんびやうぶ青味あをみびて、少々せう/\すゞしくぎた。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つき晃々きら/\まどたので、戞然からりたまはこひらいたやうに、山々やま/\谷々たに/″\錦葉もみぢにしきは、照々てら/\かゞやきびてさつまへまた卷絹まきぎぬ解擴ときひろげた。が、すゑ仄々ほの/″\うすく。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのとき横町よこちやうたて見通みとほしの眞空まぞらさら黒煙こくえん舞起まひおこつて、北東ほくとう一天いつてん一寸いつすんあまさず眞暗まつくらかはると、たちまち、どゞどゞどゞどゞどゞとふ、陰々いん/\たるりつびたおもすご
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けてそこんですこ白味しろみびて、とろ/\としかきしとすれ/″\に滿々まん/\たゝへた古沼ふるぬまですもの。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
室内しつない一面いちめん濛々もう/\としたうへへ、あくどい黄味きみびたのが、生暖なまぬるつくつて、むく/\あわくやうに、……獅噛面しかみづら切齒くひしばつた窓々まど/\の、隙間すきま隙間すきま天井てんじやう廂合ひあはひから流込ながれこむ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さかうへから、はるか小石川こいしかは高臺たかだい傳通院でんづうゐんあたりから、金剛寺坂上こんがうじざかうへ目白めじろけてまだあまはひらない樹木じゆもく鬱然うつぜんとしたそこ江戸川えどがは水氣すゐきびてうすよそほつたのがながめられる。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まへなるえん障子しやうじけた、十しよく電燈でんとうあかりとゞかない、むかし行燈あんどんだと裏通うらどほりにあたる、背中せなかのあたりくらところで、がブーンとく……の、陰氣いんきに、しづんで、殺氣さつきびた樣子やうす
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……なかに、紅絹もみきれに、しろかほばかりして褄折笠つまをりがさ姿すがたがある。紅茸べにたけらしい。あのつゆびたいろは、かすかひかりをさへはなつて、たとへば、妖女えうぢよえんがある。にはゑたいくらゐにおもふ。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くも所々ところ/″\すみにじんだ、てりまたかつつよい。が、なんとなくしめりびておもかつた。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おう」は普通ふつう乞食こつじきひとしく、かげもなき貧民ひんみんなり。頭髮とうはつ婦人をんなのごとくながびたるをむすばず、かたよりれてかゝといたる。跣足せんそくにて行歩かうほはなはけんなり。容顏ようがん隱險いんけんび、みゝさとく、するどし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
碧水金砂へきすゐきんさひるおもむきとはちがつて、靈山りやうぜんさき突端とつぱな小坪こつぼはまでおしまはした遠淺とほあさは、暗黒あんこくいろび、伊豆いづ七島しちたうゆるといふ蒼海原あをうなばらは、さゝにごりにごつて、はてなくおつかぶさつたやうにうづだか水面すゐめん
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれやゝいかりびて聲高こわだかになりぬ。旅僧たびそうすこしもさわがず
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぬまいろは、やゝ蒼味あをみびた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)