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勝手
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かつて
ふりがな文庫
“
勝手
(
かつて
)” の例文
A
馬鹿
(
ばか
)
を
云
(
い
)
つちやいかん。
統計
(
とうけい
)
は
神聖
(
しんせい
)
だ。
勝手
(
かつて
)
に
算出
(
さんしゆつ
)
して
堪
(
たま
)
るもんか。それよりか
君
(
きみ
)
、
俺
(
おれ
)
の
今度
(
こんど
)
の
年賀状
(
ねんがじやう
)
の
趣向
(
しゆかう
)
を
見
(
み
)
せてやらう。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
聞き三吉然らば御
歸
(
かへり
)
迄
相待
(
あひまつ
)
申
可
(
べし
)
と言て上り
込
(
こみ
)
一向
動
(
うご
)
かぬ故小兵衞も是非なく密と
勝手
(
かつて
)
の方より出て
表
(
おもて
)
へ廻り只今歸りし
體
(
てい
)
にて三吉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
剰
(
あまつさ
)
へ
酔
(
よひ
)
に
乗
(
じよう
)
じて、
三人
(
さんにん
)
おの/\、
其
(
そ
)
の
中
(
うち
)
三婦人
(
さんふじん
)
の
像
(
ざう
)
を
指
(
ゆびさ
)
し、
勝手
(
かつて
)
に
撰取
(
よりど
)
りに、おのれに
配
(
はい
)
して、
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で、
腕
(
うで
)
を
圧
(
お
)
し、
耳
(
みゝ
)
を
引
(
ひ
)
く。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なほさら
五月蠅
(
うるさ
)
く
厭
(
いと
)
はしく
車
(
くるま
)
のおとの
門
(
かど
)
に
止
(
とま
)
るを
何
(
なに
)
よりも
氣
(
き
)
にして、それお
出
(
いで
)
と
聞
(
きく
)
がいなや、
勝手
(
かつて
)
もとの
箒
(
はうき
)
に
手拭
(
てぬぐひ
)
をかぶらせぬ。
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「あゝ
奇麗
(
きれい
)
になつた。
何
(
ど
)
うも
食
(
く
)
つた
後
(
あと
)
は
汚
(
きた
)
ないものでね」と
宗助
(
そうすけ
)
は
全
(
まつた
)
く
食卓
(
しよくたく
)
に
未練
(
みれん
)
のない
顏
(
かほ
)
をした。
勝手
(
かつて
)
の
方
(
はう
)
で
清
(
きよ
)
がしきりに
笑
(
わら
)
つてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
わが
國名
(
こくめい
)
は「ニホン」または「ニツポン」である。
外人
(
ぐわいじん
)
は
思
(
おも
)
ひ/\に
勝手
(
かつて
)
な
稱呼
(
せうこ
)
を
用
(
もち
)
ゐてゐるが、それは
外人
(
ぐわいじん
)
の
自由
(
じいう
)
である。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
『一、二、三、
進
(
すゝ
)
め』の
號令
(
がうれい
)
もなく、
各自
(
てんで
)
に
皆
(
みな
)
勝手
(
かつて
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
して
勝手
(
かつて
)
に
止
(
と
)
まりましたから、
容易
(
ようい
)
に
競爭
(
きやうさう
)
の
終
(
をは
)
りを
知
(
し
)
ることが
出來
(
でき
)
ませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
岬
(
みさき
)
のやうな
形
(
かたち
)
に
偃
(
は
)
うて
居
(
ゐ
)
る
水田
(
すゐでん
)
を
抱
(
かゝ
)
へて
周圍
(
しうゐ
)
の
林
(
はやし
)
は
漸
(
やうや
)
く
其
(
そ
)
の
本性
(
ほんしやう
)
のまに/\
勝手
(
かつて
)
に
白
(
しろ
)
つぽいのや
赤
(
あか
)
つぽいのや、
黄色
(
きいろ
)
つぽいのや
種々
(
いろ/\
)
に
茂
(
しげ
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
かれ
)
は
詮方
(
せんかた
)
なくお
眠
(
やす
)
みなさい、とか、
左樣
(
さやう
)
なら、とか
云
(
い
)
つて
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
やうとすれば、『
勝手
(
かつて
)
にしやがれ。』と
怒鳴
(
どな
)
り
付
(
つ
)
ける
權幕
(
けんまく
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ところが
家來
(
けらい
)
たちは
主人
(
しゆじん
)
の
愚
(
おろか
)
なことを
謗
(
そし
)
り、
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
りに
行
(
ゆ
)
くふりをして、めい/\の
勝手
(
かつて
)
な
方
(
ほう
)
へ
出
(
で
)
かけたり、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
に
引
(
ひ
)
き
籠
(
こも
)
つたりしてゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
しかしベシーは、お孃さんに着物を着せてしまふと、たいてい蝋燭を持つてすぐに、明るいお
勝手
(
かつて
)
か、取締りの女の部屋へ、行つてしまふのだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
御城與力
(
おしろよりき
)
は、
御城代
(
ごじやうだい
)
の
預
(
あづか
)
り
物
(
もの
)
だが
町奉行
(
まちぶぎやう
)
は
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
を
貰
(
もら
)
つたのだ。
詰
(
つ
)
まり
各々
(
おの/\
)
は
今日
(
けふ
)
から、この
但馬
(
たじま
)
の
貰
(
もら
)
ひ
物
(
もの
)
だ。
貰
(
もら
)
ひ
物
(
もの
)
だから、
活
(
い
)
かさうと
殺
(
ころ
)
さうと
但馬
(
たじま
)
の
勝手
(
かつて
)
だ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
勝手
(
かつて
)
の方へ立いで見れば
家内
(
かない
)
の男女
狂気
(
きやうき
)
のごとく
駈
(
かけ
)
まはりて、
家財
(
かざい
)
を水に
流
(
なが
)
さじと
手当
(
てあたり
)
しだいに
取退
(
とりのく
)
る。水は
低
(
ひくき
)
に随て
潮
(
うしほ
)
のごとくおしきたり、
已
(
すで
)
に
席
(
たゝみ
)
を
浸
(
ひた
)
し
庭
(
には
)
に
漲
(
みなぎ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
勝手
(
かつて
)
な
氣焔
(
きえん
)
もやゝ
吐
(
は
)
き
疲
(
くた
)
ぶれた
頃
(
ころ
)
で、
蓋
(
けだ
)
し
話頭
(
わとう
)
を
轉
(
てん
)
じて
少
(
すこ
)
し
舌
(
した
)
の
爛
(
たゞ
)
れを
癒
(
いや
)
さうといふ
積
(
つも
)
りらしい。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
またその
室
(
しつ
)
の
兩側
(
りようがは
)
の
壁
(
かべ
)
近
(
ちか
)
くには、
幾百
(
いくひやく
)
といふ
多
(
おほ
)
くの
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
しがあつて、
種類別
(
しゆるいべつ
)
に
整理
(
せいり
)
した
昆蟲標本
(
こんちゆうひようほん
)
でいっぱいになつてをり、
誰
(
たれ
)
でも
勝手
(
かつて
)
に
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
ることが
出來
(
でき
)
るので
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
人間
(
にんげん
)
は
勝手
(
かつて
)
なもので、
私
(
わたくし
)
は
前夜
(
ぜんや
)
は
夜半
(
やはん
)
まで
眠
(
ねむ
)
られなかつたに
係
(
かゝは
)
らず、
翌朝
(
よくあさ
)
は
暗
(
くら
)
い
内
(
うち
)
から
目
(
め
)
が
醒
(
さ
)
めた。五
時
(
じ
)
三十
分
(
ぷん
)
頃
(
ごろ
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
を
伴
(
ともな
)
つて、
私
(
わたくし
)
の
部室
(
へや
)
の
戸
(
と
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
稼
(
かせ
)
ぐものあれば
遊
(
あそ
)
ぶ者あり
覚
(
さ
)
める者あれば
酔
(
ゑ
)
ふ者あるが即ち
世
(
よ
)
の
実相
(
じつさう
)
なれば
己
(
おの
)
れ
一人
(
ひとり
)
が
勝手
(
かつて
)
な
出放題
(
ではうだい
)
をこねつけて
好
(
い
)
い
子
(
こ
)
の
顔
(
かほ
)
をするは云はふ
様
(
やう
)
なき
歿分暁漢
(
わからずや
)
言語同断
(
ごんごどうだん
)
といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
これは
蜂
(
はち
)
が
來
(
き
)
て
梨
(
なし
)
をたべるものですから、
蜂
(
はち
)
をよけるために
紙袋
(
かみぶくろ
)
をかぶせるのです。お
勝手
(
かつて
)
の
横
(
よこ
)
には
祖父
(
おぢい
)
さんの
植
(
う
)
ゑた
桐
(
きり
)
の
木
(
き
)
がありました。その
桐
(
きり
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
は一
面
(
めん
)
に
桑畑
(
くはばたけ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
イ言はして置けば父をさし置きて我れ
面白
(
おもしろ
)
の
勝手
(
かつて
)
の理窟、左衞門聞く耳持たぬぞ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
銘々
(
めい/\
)
勝手
(
かつて
)
に
分
(
わか
)
つた々々と
自分
(
じぶん
)
の
議論
(
ぎろん
)
に
都合
(
つがふ
)
の
好
(
い
)
い
方
(
はう
)
にのみ
眼
(
め
)
を
配
(
くば
)
つて、
毫
(
がう
)
も
學術的研究
(
がくじゆつてきけんきう
)
は
行
(
おこな
)
はれず、一
方
(
ぱう
)
は
後
(
あと
)
から
彌生式
(
やよひしき
)
が
混入
(
こんにふ
)
したと
云
(
い
)
ひ、一
方
(
ぱう
)
は、
否
(
いな
)
、
然
(
しか
)
らずと
云
(
い
)
ひ。
水掛論
(
みづかけろん
)
で
終
(
をは
)
つて
了
(
しま
)
つた。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「まア。」と近子は
呆
(
あき
)
れて見せて、「
隨分
(
ずゐぶん
)
勝手
(
かつて
)
なんでございますね。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
勝手
(
かつて
)
は
寢
(
ね
)
しなに
聞
(
き
)
いて
置
(
お
)
いた、
縁側
(
えんがは
)
について
出
(
で
)
ようとすると、
途絶
(
とだ
)
えて
居
(
ゐ
)
たのが、ばたりと
當
(
あた
)
ツて、二三
度
(
ど
)
續
(
つゞ
)
けさまにばさ、ばさ、ばさ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
家
(
うち
)
を
出
(
で
)
るほどなら
此樣
(
こん
)
な
貧乏世帶
(
びんぼうしよたい
)
の
苦勞
(
くろう
)
をば
忍
(
しの
)
んでは
居
(
ゐ
)
ませぬと
泣
(
な
)
くに
貧乏世帶
(
びんぼうしよたい
)
に
飽
(
あ
)
きがきたなら
勝手
(
かつて
)
に
何處
(
どこ
)
なり
行
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
はう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
立てゝ三歳なる文藏を
守立
(
もりたて
)
て奉公人の
取締
(
とりしまり
)
も
行屆
(
ゆきとゞ
)
きしかば
漸次々々
(
しだい/\
)
に
勝手
(
かつて
)
宜
(
よく
)
なりし故所々へ貸金
等
(
とう
)
もいたし番頭に忠兵衞と
言者
(
いふもの
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ぢや、君が菓子を
買
(
かひ
)
に
行
(
い
)
けば
可
(
い
)
いのに」と代助は
勝手
(
かつて
)
を
出
(
で
)
ながら、
門野
(
かどの
)
に
当
(
あた
)
つた。
門野
(
かどの
)
はそれでも、まだ、返事をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
徒勞
(
むだ
)
だよおめえ、
誰
(
だれ
)
がいふことだつて
聽
(
き
)
く
苦勞
(
くらう
)
はねえんだから」
婆
(
ばあ
)
さん
等
(
ら
)
は
互
(
たがひ
)
に
勝手
(
かつて
)
なことをがや/\と
語
(
かた
)
り
續
(
つゞ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
外人
(
ぐわいじん
)
がこれを
如何
(
いか
)
に
取扱
(
とりあつか
)
はうとも、それは
外人
(
ぐわいじん
)
の
勝手
(
かつて
)
である。たゞ
吾人
(
ごじん
)
は
斷
(
だん
)
じて
外人
(
ぐわいじん
)
の
取扱
(
とりあつか
)
ひに
模倣
(
もほう
)
し、
姓
(
せい
)
と
名
(
めい
)
とを
切
(
き
)
り
離
(
はな
)
しこれを
逆列
(
ぎやくれつ
)
してはならぬ。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
『そんな
容貌
(
かほつき
)
をしたものは
全
(
まつた
)
く
好
(
この
)
まん』と
王樣
(
わうさま
)
が
申
(
まを
)
されました、『それは
何時
(
いつ
)
でも
勝手
(
かつて
)
にわが
手
(
て
)
を
接吻
(
キツス
)
する』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そんな
辣腕
(
らつわん
)
と
質
(
たち
)
は
違
(
ちが
)
つても、
都合上
(
つがふじやう
)
、
勝手
(
かつて
)
よろしき
處
(
ところ
)
で
俥
(
くるま
)
を
替
(
か
)
へるのが
道中
(
だうちう
)
の
習慣
(
ならはし
)
で、
出發點
(
しゆつぱつてん
)
で、
通
(
とほ
)
し、と
極
(
き
)
めても、そんな
約束
(
やくそく
)
は
通
(
とほ
)
さない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勝手
(
かつて
)
ばたらきの
女子
(
をんな
)
ども
可笑
(
をか
)
しがりて、
東京
(
とうきやう
)
は
鬼
(
おに
)
の
住
(
す
)
む
處
(
ところ
)
でもなきを、
土地
(
とち
)
なれねば
彼
(
あ
)
のやうに
怕
(
こは
)
きものかと、
美事
(
みごと
)
田舍
(
ゐなか
)
ものにしてのけられぬ。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼等
(
かれら
)
のしをらしい
者
(
もの
)
はそれでも
午前
(
ごぜん
)
の
幾時間
(
いくじかん
)
を
懸命
(
けんめい
)
に
働
(
はたら
)
いて
父
(
ちゝ
)
なるものゝ
小言
(
こごと
)
を
聞
(
き
)
かぬまでに
厩
(
うまや
)
の
傍
(
そば
)
に
草
(
くさ
)
を
積
(
つ
)
んでは、
午後
(
ごご
)
の
幾時間
(
いくじかん
)
を
勝手
(
かつて
)
に
費
(
つひや
)
さうとする。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
小六
(
ころく
)
は
義太夫
(
ぎだいふ
)
などを
聞
(
き
)
くより、
宅
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
て
餠
(
もち
)
でも
燒
(
や
)
いて
食
(
く
)
つた
方
(
はう
)
が
勝手
(
かつて
)
だといふので、
留守
(
るす
)
を
頼
(
たの
)
んで
二人
(
ふたり
)
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
生
(
うま
)
れてから
是迄
(
これまで
)
に
只
(
たつ
)
た一
度
(
ど
)
しか
海岸
(
かいがん
)
へ
行
(
い
)
つたことがないので、
勝手
(
かつて
)
に
斯
(
か
)
う
獨斷
(
ひとりぎめ
)
をして
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其方
懷姙
(
くわいにん
)
のよし我等
血筋
(
ちすぢ
)
に
相違
(
さうゐ
)
是なし
若
(
もし
)
男子
(
なんし
)
出生に於ては
時節
(
じせつ
)
を以て
呼出
(
よびいだ
)
すべし女子たらば其方の
勝手
(
かつて
)
に致すべし
後日
(
ごにち
)
證據
(
しようこ
)
の爲我等身に
添
(
そへ
)
大切に致候
短刀
(
たんたう
)
相添
(
あひそへ
)
遣
(
つか
)
はし置者也
依而
(
よつて
)
如件
(
くだんのごとし
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
やれ
貰
(
もら
)
へと
無茶苦茶
(
むちやくちや
)
に
進
(
すゝ
)
めたてる
五月蠅
(
うるさ
)
さ、
何
(
ど
)
うなりと
成
(
な
)
れ、
成
(
な
)
れ、
勝手
(
かつて
)
に
成
(
な
)
れとて
彼
(
あ
)
れを
家
(
うち
)
へ
迎
(
むか
)
へたは
丁度
(
てうど
)
貴孃
(
あなた
)
が
御懷妊
(
ごくわいにん
)
だと
聞
(
きゝ
)
ました
時分
(
じぶん
)
の
事
(
こと
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うか/\と、あとを
歩行
(
ある
)
いた
方
(
はう
)
は
勝手
(
かつて
)
だが、
彼
(
かれ
)
は
勝手
(
かつて
)
を
超越
(
てうゑつ
)
した
朝飯前
(
あさめしまへ
)
であらうも
知
(
し
)
れない。
笛
(
ふえ
)
の
音
(
ね
)
が
胸
(
むね
)
に
響
(
ひゞ
)
く。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さうして
今朝
(
けさ
)
早
(
はや
)
く
來
(
き
)
た
刑事
(
けいじ
)
の
話
(
はなし
)
をし
始
(
はじ
)
めた。
刑事
(
けいじ
)
の
判定
(
はんてい
)
によると、
賊
(
ぞく
)
は
宵
(
よひ
)
から
邸内
(
ていない
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んで、
何
(
なん
)
でも
物置
(
ものおき
)
かなぞに
隱
(
かく
)
れてゐたに
違
(
ちがひ
)
ない。
這入口
(
はいりくち
)
は
矢張
(
やは
)
り
勝手
(
かつて
)
である。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
井戸
(
ゐど
)
は
車
(
くるま
)
にて
綱
(
つな
)
の
長
(
なが
)
さ十二
尋
(
ひろ
)
、
勝手
(
かつて
)
は
北向
(
きたむ
)
きにて
師走
(
しはす
)
の
空
(
そら
)
のから
風
(
かぜ
)
ひゆう/\と
吹
(
ふき
)
ぬきの
寒
(
さむ
)
さ、おゝ
堪
(
た
)
えがたと
竈
(
かまど
)
の
前
(
まへ
)
に
火
(
ひ
)
なぶりの一
分
(
ぷん
)
は一
時
(
じ
)
にのびて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
……
去年
(
きよねん
)
の
春
(
はる
)
ごろまでは、
樹蔭
(
こかげ
)
の
徑
(
みち
)
で、
戸田街道
(
とだかいだう
)
の
表通
(
おもてどほ
)
りへ
土地
(
とち
)
の
人
(
ひと
)
たちも
勝手
(
かつて
)
に
通行
(
つうかう
)
したのだけれども、いまは
橋際
(
はしぎは
)
に
木戸
(
きど
)
が
出來
(
でき
)
て、
館
(
くわん
)
の
構内
(
こうない
)
に
成
(
な
)
つた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父上
(
ちゝうへ
)
なくならば
親代
(
おやがは
)
りの
我
(
わ
)
れ、
兄上
(
あにうへ
)
と
捧
(
さゝ
)
げて
竈
(
かまど
)
の
神
(
かみ
)
の
松
(
まつ
)
一
本
(
ぽん
)
も
我
(
わ
)
が
託宣
(
たくせん
)
を
聞
(
き
)
く
心
(
こゝろ
)
ならば、いかにもいかにも
別戸
(
べつこ
)
の
御主人
(
ごしゆじん
)
に
成
(
な
)
りて、
此家
(
このや
)
の
爲
(
ため
)
には
働
(
はたら
)
かぬが
勝手
(
かつて
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
嘸
(
さぞ
)
うちたての
蕎麥
(
そば
)
を
罵
(
のゝし
)
つて、
梨
(
なし
)
に
醉
(
よ
)
つてる
事
(
こと
)
だらう。まだ
其
(
それ
)
は
勝手
(
かつて
)
だが、
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
量見
(
りやうけん
)
で、
紅葉先生
(
こうえふせんせい
)
の
人格
(
じんかく
)
を
品評
(
ひんぺう
)
し、
意圖
(
いと
)
を
忖度
(
そんたく
)
して
憚
(
はゞか
)
らないのは
僭越
(
せんゑつ
)
である。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
悲
(
かな
)
しいと
言
(
い
)
へば
商買
(
しようばい
)
がらを
嫌
(
きら
)
ふかと一ト
口
(
くち
)
に
言
(
い
)
はれて
仕舞
(
しまう
)
、ゑゝ
何
(
ど
)
うなりとも
勝手
(
かつて
)
になれ、
勝手
(
かつて
)
になれ、
私
(
わたし
)
には
以上
(
いじよう
)
考
(
かんが
)
へたとて
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
の
行
(
ゆ
)
き
方
(
かた
)
は
分
(
わか
)
らぬなれば
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
呼出
(
よびだ
)
しを
掛
(
か
)
ける
氣
(
き
)
の、
勝手
(
かつて
)
は
知
(
し
)
つた
裏口
(
うらぐち
)
へ
𢌞
(
まは
)
つて、
垣根
(
かきね
)
から
覗
(
のぞ
)
くと、
長閑
(
のどか
)
な
日
(
ひ
)
の
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あ
)
けて、
背戸
(
せど
)
にひら/\と
蝶々
(
てふ/\
)
の
飛
(
と
)
ぶのを
見
(
み
)
ながら、
壁
(
かべ
)
は
黒
(
くろ
)
い
陰氣
(
いんき
)
な
納戸
(
なんど
)
に
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
なりと
仰
(
おつ
)
しやれ、
言譯
(
いひわけ
)
は
後
(
のち
)
にしまするとて
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りて
引
(
ひ
)
けば
彌次馬
(
やぢうま
)
がうるさいと
氣
(
き
)
をつける、
何
(
ど
)
うなり
勝手
(
かつて
)
に
言
(
い
)
はせませう、
此方
(
こちら
)
は
此方
(
こちら
)
と
人中
(
ひとなか
)
を
分
(
わ
)
けて
伴
(
ともな
)
ひぬ。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勝手
(
かつて
)
に
木像
(
もくざう
)
を
刻
(
きざ
)
まば
刻
(
きざ
)
め、
天晴
(
あつぱ
)
れ
出来
(
でか
)
したと
思
(
おも
)
ふなら、
自分
(
じぶん
)
に
其
(
それ
)
を
女房
(
にようぼう
)
のかはりにして、
断念
(
あきら
)
めるが
分別
(
ふんべつ
)
の
為処
(
しどころ
)
だ。
見事
(
みごと
)
だ、
美
(
うつくし
)
いと
敵手
(
あひて
)
を
強
(
し
)
ゆるは、
其方
(
そつち
)
の
無理
(
むり
)
ぢや、
分
(
わか
)
つたか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人事
(
ひとごと
)
我事
(
わがこと
)
分別
(
ふんべつ
)
をいふはまだ
早
(
はや
)
し、
幼
(
おさな
)
な
心
(
ごゝろ
)
に
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
花
(
はな
)
のみはしるく、
持
(
もち
)
まへの
負
(
ま
)
けじ
氣性
(
ぎせう
)
は
勝手
(
かつて
)
に
馳
(
は
)
せ
廻
(
まわ
)
りて
雲
(
くも
)
のやうな
形
(
かたち
)
をこしらへぬ、
氣違
(
きちが
)
ひ
街道
(
かいだう
)
、
寢
(
ね
)
ぼけ
道
(
みち
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
こ
)
の
按摩
(
あんま
)
どのは、
團栗
(
どんぐり
)
の
如
(
ごと
)
く
尖
(
とが
)
つた
頭
(
あたま
)
で、
黒目金
(
くろめがね
)
を
掛
(
か
)
けて、
白
(
しろ
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
の
上被
(
うはつぱり
)
で、
革鞄
(
かはかばん
)
を
提
(
さ
)
げて、そくに
立
(
た
)
つて、「お
療治
(
れうぢ
)
。」と
顯
(
あら
)
はれた。——
勝手
(
かつて
)
が
違
(
ちが
)
つて、
私
(
わたし
)
は
一寸
(
ちよつと
)
不平
(
ふへい
)
だつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒
(
くろ
)
ぬり
塀
(
べい
)
の
表
(
おもて
)
かまへとお
勝手
(
かつて
)
むきの
經濟
(
けいざい
)
は
別
(
べつ
)
ものぞかし、
推
(
をし
)
はかりに
人
(
ひと
)
の
上
(
うへ
)
は
羨
(
うら
)
やまぬ
物
(
もの
)
よ、
香月左門
(
かうづきさもん
)
といひし
舊幕臣
(
きうばくしん
)
、
彼
(
か
)
の
學士
(
がくし
)
の
父親
(
ちヽおや
)
とは
𧘕𧘔
(
かみしも
)
の
肩
(
かた
)
をならべし
間
(
あいだ
)
なるが
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
……
新坂
(
しんざか
)
とか、
見附
(
みつけ
)
の
坂
(
さか
)
とか、
勝手
(
かつて
)
に
稱
(
とな
)
へて
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はせるが、
大
(
おほ
)
きな
新
(
あたら
)
しい
坂
(
さか
)
である。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
繩
(
なは
)
につながれて
引
(
ひ
)
かれてゆくやうな
我
(
わ
)
れをば、あなたは
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
ふてくれねば、
勝手
(
かつて
)
にしろといふ
風
(
ふう
)
で
我
(
わ
)
れの
事
(
こと
)
とては
少
(
すこ
)
しも
察
(
さつ
)
してくれる
樣子
(
やうす
)
が
見
(
み
)
えぬ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“勝手”で始まる語句
勝手口
勝手元
勝手許
勝手向
勝手次第
勝手元迄
勝手気儘
勝手称
勝手過
勝手三眛