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響
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ひゞ
ふりがな文庫
“
響
(
ひゞ
)” の例文
「一
度
(
ど
)
ならず、二
度
(
ど
)
三
度
(
ど
)
、
不思議
(
ふしぎ
)
打
(
ぶ
)
たせて
知
(
し
)
らせたに……」
婆
(
ばあ
)
さんの
聲
(
こゑ
)
が
次
(
つい
)
で
響
(
ひゞ
)
いた。
勘次
(
かんじ
)
もおつぎも
只
(
たゞ
)
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
ゐ
)
るのみである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
静かな
小路
(
こうぢ
)
の
中
(
うち
)
に、自分の
足音
(
あしおと
)
丈が高く
響
(
ひゞ
)
いた。代助は
馳
(
か
)
けながら猶恐ろしくなつた。
足
(
あし
)
を
緩
(
ゆる
)
めた時は、非常に
呼息
(
いき
)
が
苦
(
くる
)
しくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
品
(
ひん
)
よしと
喜
(
よろ
)
こぶ
人
(
ひと
)
ありけり十九といへど
深窓
(
しんそう
)
の
育
(
そだ
)
ちは
室咲
(
むろざ
)
きも
同
(
おな
)
じこと
世
(
よ
)
の
風
(
かぜ
)
知
(
し
)
らねど
松風
(
まつ ぜ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは
通
(
かよ
)
ふ
瓜琴
(
つまごと
)
のしらべに
長
(
なが
)
き
春日
(
はるび
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりで、
恁
(
か
)
うして
火
(
ひ
)
を
置
(
お
)
かせたまゝ、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
小間使
(
こまづかひ
)
さへ
遠
(
とほ
)
ざけて、ハタと
扉
(
ひらき
)
を
閉
(
とざ
)
した
音
(
おと
)
が、
谺
(
こだま
)
するまで
響
(
ひゞ
)
いたのであつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
病
(
や
)
んでゐる
胸
(
むね
)
には、どんな
些細
(
ささい
)
な
慄
(
ふる
)
えも
傳
(
つた
)
はり
響
(
ひゞ
)
く。そして
死
(
し
)
を
凝視
(
みつめ
)
れば
凝視
(
みつめ
)
る
程
(
ほど
)
、
何
(
なん
)
といふすべてが
私
(
わたし
)
に
慕
(
した
)
はしく
懷
(
なつか
)
しまれる
事
(
こと
)
であらう。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
遠くの
方
(
はう
)
から
飴売
(
あめうり
)
の
朝鮮笛
(
てうせんぶえ
)
が
響
(
ひゞ
)
き出した。笛の
音
(
ね
)
は思ひがけない
処
(
ところ
)
で、
妙
(
めう
)
な
節
(
ふし
)
をつけて
音調
(
おんてう
)
を低めるのが、言葉に
云
(
い
)
へない
幽愁
(
いうしう
)
を
催
(
もよほ
)
させる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
振分
(
ふりわ
)
けにして、
比較的
(
ひかくてき
)
輕
(
かる
)
さうなのを
余
(
よ
)
が
擔
(
かつ
)
いで
見
(
み
)
ると、
重
(
おも
)
いの
重
(
おも
)
くないのと、お
話
(
はなし
)
にならぬ。
肩骨
(
かたぼね
)
はメリ/\
響
(
ひゞ
)
くのである。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
カチインと
絶
(
た
)
※ず
聞
(
きこ
)
※てくる
球突
(
たまつき
)
の
球
(
たま
)
の
響
(
ひゞ
)
きはさういふ
塲面
(
ばめん
)
の
空氣
(
くうき
)
と
對應
(
たいおう
)
して、いかにも
感
(
かん
)
じの美しい、何ともいへない舞
台
(
たい
)
効果
(
こうくわ
)
をなしてゐる。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
良久
(
やゝあつ
)
て
小
(
ちひ
)
さな二
輪車
(
りんしや
)
の
響
(
ひゞ
)
きがしたと
思
(
おも
)
ふと、
皆
(
みん
)
なで一
緒
(
しよ
)
に
話
(
はな
)
しをする
好
(
い
)
い
澤山
(
たくさん
)
の
聲
(
こゑ
)
が一
時
(
じ
)
に
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
りました、
愛
(
あい
)
ちやんは
其言葉
(
そのことば
)
を
聞
(
き
)
き
分
(
わ
)
けました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
待内に
愈々
(
いよ/\
)
雨は
小止
(
こやみ
)
なく
早
(
はや
)
耳先へ
響
(
ひゞ
)
くのは市ヶ谷八
幡
(
まん
)
の
丑時
(
やつ
)
の
鐘
(
かね
)
時刻
(
じこく
)
はよしと長庵はむつくと起て弟の十兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
月光
(
げつこう
)
の
照
(
てら
)
す
下
(
もと
)
に
聞
(
きこ
)
えて
來
(
く
)
るその
波
(
なみ
)
の
響
(
ひゞ
)
きも、
思
(
おも
)
へば
夜
(
よ
)
の
更
(
ふ
)
けた
感
(
かん
)
じのすることだ。かうした
晩
(
ばん
)
に、この
海
(
うみ
)
に
舟旅
(
ふなたび
)
をして、
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
で
目
(
め
)
の
覺
(
さ
)
めてゐる
人
(
ひと
)
もあらう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其處
(
そこ
)
で「アウト」「ストライキ」の
聲
(
こゑ
)
は
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
空
(
そら
)
に
響
(
ひゞ
)
いて、
審判者
(
アンパイヤー
)
の
上衣
(
うはぎ
)
の
一人
(
ひとり
)
黒
(
くろ
)
いのも
目立
(
めだ
)
つて
見
(
み
)
える。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
門を入つて耳を澄ますと、成程秋の空氣に
響
(
ひゞ
)
いて、何處からともなく、
床
(
ゆか
)
しい鈴の音が聞えて來ます。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
そ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
遠
(
とほ
)
くから、
鼻
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
まみつゝ
檢死
(
けんし
)
の
模樣
(
もやう
)
を
見
(
み
)
たがつてゐる
群衆
(
ぐんしう
)
の
耳
(
みゝ
)
まで
響
(
ひゞ
)
くほど
高
(
たか
)
かつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そこで
撞
(
つ
)
く
鐘
(
かね
)
の
音
(
おと
)
は
谷
(
たに
)
から
谷
(
たに
)
へ
響
(
ひゞ
)
けて、
何處
(
どこ
)
の
家
(
いへ
)
へも
傳
(
つた
)
はつて
行
(
ゆ
)
きました。その
鐘
(
かね
)
の
音
(
おと
)
は、
年
(
とし
)
とつた
和尚
(
をしやう
)
さんの
前
(
まへ
)
の
代
(
だい
)
にも
撞
(
つ
)
き、そのまた
前
(
まへ
)
の
代
(
だい
)
にも
撞
(
つ
)
いて
來
(
き
)
たのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遠
(
とほ
)
くアムールの
岸
(
きし
)
を
噛
(
か
)
む
波
(
なみ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは、
興安嶺
(
こうあんれい
)
を
越
(
こ
)
え、
松花江
(
しようくわかう
)
を
渡
(
わた
)
り、
哈爾賓
(
はるびん
)
の
寺院
(
じゐん
)
を
揺
(
ゆ
)
すり、
間島
(
かんたう
)
の
村々
(
むら/\
)
に
伝
(
つた
)
はり、あまねく
遼寧
(
れいねい
)
の
公司
(
こんす
)
を
揺
(
ゆ
)
るがし、
日本駐屯軍
(
にほんちうとんぐん
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
に
迫
(
せま
)
る
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
思ひがけなき雪の夜に
御封
(
ごふう
)
と
祖師
(
そし
)
の
利益
(
りやく
)
にて、不思議と
命
(
いのち
)
助
(
たす
)
かりしは、
妙法蓮華経
(
めうほふれんげきやう
)
の七字より、一
時
(
じ
)
に
落
(
おと
)
す
釜
(
かま
)
ヶ
淵
(
ふち
)
、
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
る水より
鉄砲
(
てつぱう
)
の肩を
擦
(
こす
)
つてドツサリと、
岩間
(
いはま
)
に
響
(
ひゞ
)
く
強薬
(
つよぐすり
)
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
連
(
つれ
)
のもの七人こゝかしこにありて木を
伐
(
き
)
りて
居
(
ゐ
)
たりしに、山々に
響
(
ひゞ
)
くほどの大
声
(
こゑ
)
して
猫
(
ねこ
)
の
鳴
(
なき
)
しゆゑ、人々おそれおのゝきみな小屋にあつまり、手に/\
斧
(
をの
)
をかまへ
耳
(
みゝ
)
をすましてきけば
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一
人
(
にん
)
志
(
こゝろざ
)
しを
立
(
たて
)
て
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
に
其身
(
そのみ
)
をいたせば、
満都
(
まんと
)
の
人
(
ひと
)
皆
(
み
)
な動かされて梅の花さへ
余栄
(
よえい
)
を
得
(
え
)
たり、人は世に
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
るほどの
善事
(
よきこと
)
を
為
(
な
)
したきものなり、人は世に
効益
(
かうえき
)
を
与
(
あた
)
ふる
大人君子
(
たいじんくんし
)
に
向
(
むか
)
ひては
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
天地間
(
てんちかん
)
最早
(
もはや
)
小山某
(
こやまなにがし
)
といふ
畫
(
ゑ
)
かきの
書生
(
しよせい
)
は
居
(
ゐ
)
なくなる! と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
つた
時
(
とき
)
、
思
(
おも
)
はず
足
(
あし
)
を
止
(
とゞ
)
めた。
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
の
眞黒
(
まつくろ
)
に
繁
(
しげ
)
つた
枝
(
えだ
)
から
水
(
みづ
)
がぼた/\
落
(
お
)
ちる、
墓穴
(
はかあな
)
のやうな
溪底
(
たにそこ
)
では
水
(
みづ
)
の
激
(
げき
)
して
流
(
なが
)
れる
音
(
おと
)
が
悽
(
すご
)
く
響
(
ひゞ
)
く。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
わかき日のその靄に
音
(
ね
)
は
響
(
ひゞ
)
く、
静
(
しづ
)
こころなし。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
響
(
ひゞ
)
かざらめやその
羽
(
は
)
がひ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
念佛
(
ねんぶつ
)
の
濁
(
にご
)
つた
聲
(
こゑ
)
も
明
(
あか
)
るく
響
(
ひゞ
)
いた。
地上
(
ちじやう
)
を
掩
(
おほ
)
うた
霜
(
しも
)
が
滅切
(
めつきり
)
と
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
寮
(
れう
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
てられた
天棚
(
てんだな
)
の
粧飾
(
かざり
)
の
赤
(
あか
)
や
青
(
あを
)
の
紙
(
かみ
)
が
明瞭
(
はつきり
)
として
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
とせい/\、
肩
(
かた
)
を
揺
(
ゆすぶ
)
ると、
其
(
そ
)
の
響
(
ひゞ
)
きか、
震
(
ふる
)
へながら、
婦
(
をんな
)
は
真黒
(
まつくろ
)
な
髪
(
かみ
)
の
中
(
なか
)
に、
大理石
(
だいりせき
)
のやうな
白
(
しろ
)
い
顔
(
かほ
)
を
押据
(
おしす
)
えて、
前途
(
ゆくさき
)
を
唯
(
たゞ
)
熟
(
じつ
)
と
瞻
(
みまも
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
の
答
(
こたへ
)
は
半
(
なか
)
ば
夜着
(
よぎ
)
の
下
(
した
)
から
出
(
で
)
た。
其
(
その
)
聲
(
こゑ
)
が
籠
(
こも
)
つた
樣
(
やう
)
に
御米
(
およね
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
いた
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
濟
(
す
)
まない
顏
(
かほ
)
をして、
枕元
(
まくらもと
)
に
坐
(
すわ
)
つたなり
動
(
うご
)
かなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あゝ
嫌
(
いや
)
だ/\と
道端
(
みちばた
)
の
立木
(
たちき
)
へ
夢中
(
むちう
)
に
寄
(
より
)
かゝつて
暫時
(
しばらく
)
そこに
立
(
たち
)
どまれば、
渡
(
わた
)
るにや
怕
(
こわ
)
し
渡
(
わた
)
らねばと
自分
(
じぶん
)
の
謳
(
うた
)
ひし
聲
(
こゑ
)
を
其
(
その
)
まゝ
何處
(
どこ
)
ともなく
響
(
ひゞ
)
いて
來
(
く
)
るに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
の
狹
(
せま
)
い
知識
(
ちしき
)
の
範圍
(
はんい
)
では、
戯曲
(
ぎきよく
)
に
球突
(
たまつき
)
の
球
(
たま
)
の
響
(
ひゞ
)
きなどを
用
(
もち
)
ゐたのはひとりチエエホフあるのみのやうである。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
殊
(
こと
)
に、
二番
(
にばん
)
めの
句
(
く
)
、
三番
(
さんばん
)
めの
句
(
く
)
に、
注意
(
ちゆうい
)
なさい。おなじく
趣向
(
しゆこう
)
を
凝
(
こら
)
したところはあつても、さくら
田
(
た
)
への
方
(
ほう
)
は、いかにもすっきりと、
頭
(
あたま
)
に
響
(
ひゞ
)
くように
出來
(
でき
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
火鉢
(
ひばち
)
の
火
(
ひ
)
が
赤
(
あか
)
いのも、
鐵瓶
(
てつびん
)
が
優
(
やさ
)
しい
響
(
ひゞ
)
きに
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てゝゐるのも、ふと
擡
(
もた
)
げてみた
夜着
(
よぎ
)
の
裏
(
うら
)
が
甚
(
はなはだ
)
しく
色褪
(
いろあ
)
せてゐるのも、すべてが
皆
(
みな
)
私
(
わたし
)
に
向
(
むか
)
つて
生
(
い
)
きてゐる——この
年
(
とし
)
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
本船
(
ほんせん
)
は
連續
(
つゞけさま
)
に
爆裂信號
(
ばくれつしんがう
)
を
揚
(
あ
)
げ、
非常滊笛
(
ひじやうきてき
)
を
鳴
(
な
)
らし、
危難
(
きなん
)
を
告
(
つ
)
ぐる
號鐘
(
がうしやう
)
は
割
(
わ
)
るゝばかりに
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
つたけれど、
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
音
(
おと
)
もなく、ずん/\と
接近
(
せつきん
)
して
來
(
く
)
るばかりである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
甚公
(
じんこう
)
!
此
(
この
)
繩
(
なは
)
を
持
(
も
)
つてろ——
屋根
(
やね
)
は
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
かしら?——
其
(
その
)
緩
(
ゆる
)
い
屋根瓦
(
やねがはら
)
に
氣
(
き
)
をつけろ——ソラ
落
(
お
)
ちるぞ!
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
へ!(
恐
(
おそ
)
ろしい
響
(
ひゞ
)
き)——オヤ
誰
(
だれ
)
がそんな
事
(
こと
)
をしたんだ?——
甚公
(
じんこう
)
だらう——
煙突
(
えんとつ
)
を
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
足に任せて小篠堤に來掛る頃は早
北斗
(
ほくと
)
の
劔先
(
けんさき
)
尖
(
するど
)
く光りゴンと
突
(
つき
)
出す
子刻
(
こゝのつ
)
の
鐘
(
かね
)
の
響
(
ひゞ
)
きも身に
染
(
しみ
)
て
最
(
いと
)
物凄
(
ものすご
)
く聞えけり
折柄
(
をりから
)
堤
(
つゝみ
)
の
蔭
(
かげ
)
なる
竹藪
(
たけやぶ
)
の中より
面
(
おもて
)
を
包
(
つゝ
)
み身には
黒裝束
(
くろしやうぞく
)
を
纏
(
まと
)
ひし一人の
曲者
(
くせもの
)
顯
(
あらは
)
れ
出
(
いで
)
物
(
もの
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
語氣
(
ごき
)
が
強
(
つよ
)
く
且
(
か
)
つ
沈痛
(
ちんつう
)
の
響
(
ひゞ
)
きを
帶
(
お
)
びた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其
(
そ
)
れを
合図
(
あひづ
)
にチヨンと
拍子木
(
ひやうしぎ
)
が
響
(
ひゞ
)
く。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『死ねよ、死ね』、
紅
(
あか
)
き
帆
(
ほ
)
響
(
ひゞ
)
く
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
それだのに、
私
(
わたし
)
の
家
(
いへ
)
までは
聞
(
きこ
)
えない。——でんこでんこの
遊
(
あそ
)
びではないが、
一町
(
いつちやう
)
ほど
遠
(
とほ
)
い
遠
(
とほ
)
うい——
角邸
(
かどやしき
)
から
響
(
ひゞ
)
かないのは
無論
(
むろん
)
である。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
坂井
(
さかゐ
)
と
云
(
い
)
ふよりも、
坂井
(
さかゐ
)
の
所謂
(
いはゆる
)
冒險者
(
アドヹンチユアラー
)
として
宗助
(
そうすけ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
いた
其
(
その
)
弟
(
おとゝ
)
と、
其
(
その
)
弟
(
おとゝ
)
の
友達
(
ともだち
)
として
彼
(
かれ
)
の
胸
(
むね
)
を
騷
(
さわ
)
がした
安井
(
やすゐ
)
の
消息
(
せうそく
)
が
氣
(
き
)
にかゝつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は
直
(
すぐ
)
自分
(
じぶん
)
に
近
(
ちか
)
く
手拭
(
てぬぐひ
)
被
(
かぶ
)
つたおつぎの
姿
(
すがた
)
が
徐
(
おもむ
)
ろに
動
(
うご
)
いて
來
(
く
)
るのを
見
(
み
)
た。
其
(
それ
)
と
同時
(
どうじ
)
に
竊
(
ひそか
)
に
落
(
お
)
ち
行
(
ゆ
)
く
草履
(
ざうり
)
の
音
(
おと
)
が
勘次
(
かんじ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
茶屋
(
ちやゝ
)
が
廻女
(
まわし
)
の
雪駄
(
せつた
)
のおとに
響
(
ひゞ
)
き
通
(
かよ
)
へる
歌舞音曲
(
かぶおんぎよく
)
うかれうかれて
入込
(
いりこ
)
む
人
(
ひと
)
の
何
(
なに
)
を
目當
(
めあて
)
と
言問
(
ことゝ
)
はゞ、
赤
(
あか
)
ゑり
赭熊
(
しやぐま
)
に
裲襠
(
うちかけ
)
の
裾
(
すそ
)
ながく、につと
笑
(
わら
)
ふ
口元
(
くちもと
)
目
(
め
)
もと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
たとへば
秋
(
あき
)
の
温泉塲
(
おんせんば
)
の
靜
(
しづ
)
かな
夜
(
よ
)
更けなどに、
好
(
この
)
もしい
相
(
あひ
)
手と
勝負
(
せうふ
)
に
熱
(
ねつ
)
中しながら、
相當
(
そうたう
)
腕
(
うで
)
が出來なければ冴※ない
處
(
ところ
)
のあの
球
(
たま
)
の
響
(
ひゞ
)
きを
聞
(
き
)
く
氣
(
き
)
持はちよつと何ともいへない。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
船
(
ふね
)
は
秒一秒
(
べういちべう
)
に
沈
(
しづ
)
んで
行
(
ゆ
)
く、
甲板
(
かんぱん
)
の
叫喚
(
けうくわん
)
はます/\
激
(
はげ
)
しくなつた。
終
(
つひ
)
に「
端艇
(
たんてい
)
下
(
おろ
)
せい。」の
號令
(
がうれい
)
は
響
(
ひゞ
)
いて、
第
(
だい
)
一の
端艇
(
たんてい
)
は
波上
(
はじやう
)
に
降下
(
くだ
)
つた。
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
は
春枝夫人
(
はるえふじん
)
を
見返
(
みかへ
)
つたのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
月
(
つき
)
の
輝
(
かゞや
)
いてゐる
空
(
そら
)
に
響
(
ひゞ
)
くお
城
(
しろ
)
の
太鼓
(
たいこ
)
。それは、もう
門限
(
もんげん
)
だといふ
知
(
し
)
らせなのです。だがまう
暫
(
しばら
)
く、
打
(
う
)
つのを
待
(
ま
)
つてくれと
感
(
かん
)
じるのは、
現在
(
げんざい
)
の
心持
(
こゝろも
)
ちのなくなるのを
惜
(
を
)
しむ
心
(
こゝろ
)
なのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ぽかりと
目
(
め
)
を
開
(
あ
)
いたら、
朝
(
あさ
)
が
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へたやうに
硝子
(
ガラス
)
の
外
(
そと
)
から
私
(
わたし
)
を
覗
(
のぞ
)
いてゐた。
夢
(
ゆめ
)
と
現
(
うつゝ
)
の
境
(
さかひ
)
ごろに、
近
(
ちか
)
くで一
發
(
ぱつ
)
の
獵銃
(
れふじう
)
の
音
(
おと
)
が
響
(
ひゞ
)
いたやうだつけ、その
響
(
ひゞき
)
で一
層
(
そう
)
あたりが
靜
(
しづ
)
かにされたやうな
朝
(
あさ
)
である。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
池
(
いけ
)
は
葦
(
あし
)
の
戰
(
そよ
)
ぎに
美
(
うつく
)
しい
小波
(
さゞなみ
)
が
立
(
た
)
ちました——ガラ/\
鳴
(
な
)
る
茶碗
(
ちやわん
)
はチリン/\と
響
(
ひゞ
)
く
鈴
(
すゞ
)
に、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
金切聲
(
かなきりごゑ
)
は
牧童
(
ぼくどう
)
の
聲
(
こゑ
)
と
變
(
へん
)
じました——
而
(
そ
)
して
赤兒
(
あかご
)
の
嚏
(
くさめ
)
、グリフォンの
鋭
(
するど
)
い
聲
(
こゑ
)
、
其他
(
そのた
)
不思議
(
ふしぎ
)
な
聲々
(
こゑ/″\
)
は
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
沈黙
(
しゞま
)
やぶりて
響
(
ひゞ
)
くまで——
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
報
(
つぐ
)
る
遠寺
(
ゑんじ
)
の
鐘
(
かね
)
ガウ/\と
響
(
ひゞ
)
き渡り
最
(
いと
)
凄然
(
ものすご
)
く思はるればさしも
強氣
(
がうき
)
の者共も
小氣味
(
こきみ
)
惡々
(
わる/\
)
足に
任
(
まか
)
せて
歩行
(
あゆむ
)
中
(
うち
)
青
(
あを
)
き火の光り見えければ
彼
(
あれ
)
こそ
燒場
(
やきば
)
の
火影
(
ひかげ
)
ならんと掃部は先に立て行程に
早
(
はや
)
隱亡小屋
(
をんばうごや
)
に
近接
(
ちかづく
)
折柄
(
をりから
)
道の
此方
(
こなた
)
なる
小笹
(
をざさ
)
の
冠
(
かぶ
)
りし
石塔
(
せきたふ
)
の
蔭
(
かげ
)
より一刀
閃
(
ひら
)
りと引拔
稻妻
(
いなづま
)
の如く掃部が向う
脛
(
ずね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
噂
(
うはさ
)
も
知
(
し
)
らなかつた
隧道
(
トンネル
)
が
此
(
これ
)
だとすると、
音
(
おと
)
に
響
(
ひゞ
)
いた
笹子
(
さゝご
)
は
可恐
(
おそろ
)
しい。
一層
(
いつそ
)
中仙道
(
なかせんだう
)
を
中央線
(
ちうあうせん
)
で、
名古屋
(
なごや
)
へ
大𢌞
(
おほまは
)
りをしようかと
思
(
おも
)
つたくらゐ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
左
(
さ
)
うよなあ。
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り、あゝ
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があると、
永
(
なが
)
く
迄
(
まで
)
後
(
あと
)
へ
響
(
ひゞ
)
くものだからな」と
答
(
こた
)
へて、
因果
(
いんぐわ
)
は
恐
(
おそ
)
ろしいと
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
をする。
叔母
(
をば
)
は
重
(
かさ
)
ねて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小佛
(
こぼとけ
)
の
峠
(
とうげ
)
もほどなく
越
(
こ
)
ゆれば、
上野原
(
うへのはら
)
、つる
川
(
かは
)
、
野田尻
(
のだじり
)
、
犬目
(
いぬめ
)
、
鳥澤
(
とりざわ
)
も
過
(
す
)
ぐれば
猿
(
さる
)
はし
近
(
ちか
)
くに
其
(
その
)
夜
(
よ
)
は
宿
(
やど
)
るべし、
巴峽
(
はきよう
)
のさけびは
聞
(
きこ
)
えぬまでも、
笛吹川
(
ふゑふきがは
)
の
響
(
ひゞ
)
きに
夢
(
ゆめ
)
むすび
憂
(
う
)
く
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それがまたあたりがあたりだけに
如何
(
いか
)
にも
支那風
(
しなふう
)
の
好
(
この
)
ましい
感
(
かん
)
じで
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
いたものだつた。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
響
常用漢字
中学
部首:⾳
20画
“響”を含む語句
反響
音響
響動
地響
影響
響尾蛇
交響楽
交響曲
大音響
鳴響
響渡
余響
響板
交響楽詩
英雄交響曲
交響
悲愴交響曲
響音
新世界交響曲
谺響
...