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當
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あ
ふりがな文庫
“
當
(
あ
)” の例文
新字:
当
玄竹
(
げんちく
)
は
當
(
あ
)
てこすりのやうなことを
言
(
い
)
つて、
更
(
さ
)
らに
劇
(
はげ
)
しく
死體
(
したい
)
を
動
(
うご
)
かした。三
人
(
にん
)
の
武士
(
ぶし
)
は、『ひやア。』と
叫
(
さけ
)
んで、また
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
した。——
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
先刻
(
さつき
)
土手
(
どて
)
さ
行
(
え
)
く
時
(
とき
)
、
堀
(
ほり
)
つ
子
(
こ
)
ん
處
(
とこ
)
へ
辷
(
すべ
)
つたんですが、
其
(
そ
)
ん
時
(
とき
)
かうえに
汚
(
よご
)
したんでせうよ」とおつぎは
泥
(
どろ
)
に
成
(
な
)
つた
腰
(
こし
)
のあたりへ
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
例
(
たと
)
へば
隅
(
すみ
)
の
別室
(
べつしつ
)
を
藥局
(
やくきよく
)
に
當
(
あ
)
てやうと
云
(
い
)
ふには、
私
(
わたくし
)
の
考
(
かんがへ
)
では、
極
(
ご
)
く
少額
(
せうがく
)
に
見積
(
みつも
)
つても五百
圓
(
ゑん
)
は
入
(
い
)
りませう、
然
(
しか
)
し
餘
(
あま
)
り
不生産的
(
ふせいさんてき
)
な
費用
(
ひよう
)
です。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と、
頭
(
あたま
)
だけ
膳
(
ぜん
)
の
隅
(
すみ
)
へはさみ
出
(
だ
)
すと、
味噌
(
みそ
)
かすに
青膨
(
あをぶく
)
れで、ぶよ/\とかさなつて、
芥溜
(
ごみため
)
の
首塚
(
くびづか
)
を
見
(
み
)
るやう、
目
(
め
)
も
當
(
あ
)
てられぬ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弓柄を左手に
握
(
にぎ
)
り、矢の一端を弦の
中程
(
なかほど
)
に
當
(
あ
)
てて右手の指にて
摘
(
つま
)
まむと云ふは何所も同じ事なれど、
摘
(
つま
)
み方に於ては諸地方住民種々異同有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
▼ もっと見る
又
(
また
)
吾
(
わ
)
が
敢
(
あへ
)
て
(五八)
横失
(
わういつ
)
して
能
(
よ
)
く
盡
(
つく
)
すの
難
(
かた
)
きに
非
(
あら
)
ざる
也
(
なり
)
。
凡
(
およ
)
そ
説
(
ぜい
)
の
難
(
かた
)
きは、
(五九)
説
(
と
)
く
所
(
ところ
)
の
心
(
こころ
)
を
知
(
し
)
つて
(六〇)
吾
(
わ
)
が
説
(
ぜい
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
に
當
(
あ
)
つ
可
(
べ
)
きに
在
(
あ
)
り。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
つまり
調
(
てう
)
子がよければ持
點
(
てん
)
を一
氣
(
き
)
に
突
(
つ
)
き切る事もたびたびで、
自然
(
しぜん
)
勝
(
かち
)
が多いが、それが
逆
(
ぎやく
)
になると、どうにも
當
(
あ
)
たりが
惡
(
わる
)
くて、負が
重
(
かさ
)
なつて苛々しい
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
元來
(
ぐわんらい
)
咽喉
(
いんこう
)
を
害
(
がい
)
してゐた
私
(
わたくし
)
は、
手巾
(
ハンケチ
)
を
顏
(
かほ
)
に
當
(
あ
)
てる
暇
(
ひま
)
さへなく、この
煙
(
けむり
)
を
滿面
(
まんめん
)
に
浴
(
あ
)
びせられたおかげで、
殆
(
ほとんど
)
、
息
(
いき
)
もつけない
程
(
ほど
)
咳
(
せ
)
きこまなければならなかつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は
普通
(
ふつう
)
の
場合
(
ばあひ
)
の
樣
(
やう
)
に
病人
(
びやうにん
)
の
脉
(
みやく
)
を
取
(
と
)
つて、
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
自分
(
じぶん
)
の
時計
(
とけい
)
を
見詰
(
みつ
)
めてゐた。それから
黒
(
くろ
)
い
聽診器
(
ちやうしんき
)
を
心臟
(
しんざう
)
の
上
(
うへ
)
に
當
(
あ
)
てた。それを
丁寧
(
ていねい
)
に
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
と
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此年
(
このとし
)
をして
人樣
(
ひとさま
)
の
口入
(
くちい
)
れやら
手傳
(
てつだ
)
ひやら、
老耻
(
おひはぢ
)
ながらも
詮
(
せん
)
の
無
(
な
)
き
世
(
よ
)
を
經
(
へ
)
まする、
左
(
さ
)
れども
當
(
あ
)
て
無
(
な
)
しに
苦勞
(
くらう
)
は
出來
(
でき
)
ぬもの、つく/″\お
前
(
まへ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
働
(
はたら
)
きを
見
(
み
)
るに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
當
(
あ
)
てるわ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
言下
(
ごんか
)
に
答
(
こた
)
へて、『
屹度
(
きつと
)
——
屹度
(
きつと
)
私
(
わたし
)
の
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
りに
違
(
ちが
)
ひないわ——さうでせう、ねえ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「どうしておわかりになりますの——どうしてそんなにもすつかりお
當
(
あ
)
てになれるんでございますか?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日本
(
にほん
)
古來
(
こらい
)
の
地名
(
ちめい
)
を、
郡町村等
(
ぐんてうそんとう
)
の
改廢
(
かいはい
)
と
共
(
とも
)
に
變更
(
へんかう
)
することは、
或
(
ある
)
場合
(
ばあひ
)
にはやむを
得
(
え
)
ないが、
古
(
いにしへ
)
の
地名
(
ちめい
)
に
古
(
いにしへ
)
の
音便
(
おんびん
)
によつて
當
(
あ
)
て
篏
(
は
)
められた
漢字
(
かんじ
)
を
妄
(
みだ
)
りに
今
(
いま
)
の
音
(
おん
)
に
改讀
(
かいどく
)
せしめ
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
は
地震
(
ぢしん
)
の
搖
(
ゆ
)
り
返
(
かへ
)
し、
或
(
あるひ
)
は
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しを
恐
(
おそ
)
れたものである。
此言葉
(
このことば
)
は
俗語
(
ぞくご
)
であるため
誤解
(
ごかい
)
を
惹起
(
ひきおこ
)
し、
今
(
いま
)
の
人
(
ひと
)
はこれを
餘震
(
よしん
)
に
當
(
あ
)
て
嵌
(
は
)
めてゐるが、それは
全
(
まつた
)
く
誤
(
あやま
)
りである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
『
何
(
なに
)
、
今夜
(
こんや
)
の
滊船
(
きせん
)
で
出發
(
しゆつぱつ
)
すると
如何
(
どう
)
したのだ。』と
私
(
わたくし
)
は
眼
(
まなこ
)
を
睜
(
みは
)
つた。
亞尼
(
アンニー
)
は
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
尚
(
な
)
ほ
昭和
(
せうわ
)
五
年度
(
ねんど
)
豫算
(
よさん
)
の
編成
(
へんせい
)
に
當
(
あ
)
たつては八千五百
萬圓
(
まんゑん
)
の
國債
(
こくさい
)
が一
般
(
ぱん
)
會計
(
くわいけい
)
に
豫定
(
よてい
)
されて
居
(
を
)
つたのを一
切
(
さい
)
止
(
や
)
めることにして、一
般
(
ぱん
)
會計
(
くわいけい
)
には
國債
(
こくさい
)
は一
文
(
もん
)
も
計上
(
けいじやう
)
しない
豫算
(
よさん
)
を
作
(
つく
)
つたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
それから一番いけないのは、店の金を三百兩ほど持出して、私にも相談をせずに、實家の仕事に
融通
(
ゆうづう
)
してしまひ、その仕事も
縮尻
(
しくじ
)
つてしまつて、取り返す
當
(
あ
)
ても無くなつてしまひました。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたし
)
は
九州
(
きゆうしゆう
)
へ
旅行
(
りよこう
)
しました
時
(
とき
)
、
田圃
(
たんぼ
)
の
溝
(
みぞ
)
の
中
(
なか
)
に
七寸
(
しちすん
)
ぐらゐもある
大
(
おほ
)
きな
磨製石斧
(
ませいせきふ
)
が
潜航艇
(
せんこうてい
)
のように
沈
(
しづ
)
んでゐるのを
發見
(
はつけん
)
して
拾
(
ひろ
)
ひ
取
(
と
)
つたことがありますが、こんなやつを
探
(
さが
)
し
當
(
あ
)
てたときは
非常
(
ひじよう
)
に
愉快
(
ゆかい
)
です。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
乳母 はい、
本氣
(
ほんき
)
でも
本心
(
ほんしん
)
でもござります、でなくば
罰
(
ばち
)
が
當
(
あ
)
たれ!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そこで
右大臣
(
うだいじん
)
もすっかり
當
(
あ
)
てが
外
(
はづ
)
れました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
言
(
い
)
ふと、
齊
(
ひと
)
しく、
俄然
(
がぜん
)
として
又
(
また
)
美少年
(
びせうねん
)
と
成
(
な
)
つて、
婦人
(
ふじん
)
の
打背
(
うちそむ
)
く
頬
(
ほゝ
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てた。が、すらりと
身
(
み
)
を
拔
(
ぬ
)
いて、
椅子
(
いす
)
に
立
(
た
)
つた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
漸
(
やつと
)
のことで
戸口
(
とぐち
)
に
立
(
た
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
を
喚
(
よ
)
ばうとして
見
(
み
)
たら
内
(
うち
)
はひつそりと
闇
(
くら
)
い。
戸口
(
とぐち
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ
見
(
み
)
たら
鍵
(
かぎ
)
が
掛
(
かけ
)
てあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
最
(
もつと
)
も
廣
(
ひろ
)
く行はるるは
摩擦發火法
(
まさつはつくわはう
)
なるが是に又一
片
(
へん
)
の木切れに他の木切れを
當
(
あ
)
てて
鋸
(
のこぎり
)
の如くに
運動
(
うんどう
)
さする
仕方
(
しかた
)
も有り
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「だけど、あなたのそのどうにかするつていふことほど、いつも
當
(
あ
)
てにならないのはないぢやありませんか」
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
然
(
しか
)
らば
善美
(
ぜんび
)
とは
何
(
なん
)
であるかと
反問
(
はんもん
)
するであらう。
夫
(
それ
)
は
食
(
しよく
)
に
關
(
くわん
)
して
述
(
の
)
べた
所
(
ところ
)
と
同工異曲
(
どうこうゐきよく
)
で、
建築
(
けんちく
)
に
當
(
あ
)
てはめて
云
(
い
)
へば、
善
(
ぜん
)
とは
科學的條件
(
くわがくてきでうけん
)
の
具足
(
ぐそく
)
で
美
(
び
)
とは
藝術的條件
(
げいじゆつてきでうけん
)
の
具足
(
ぐそく
)
である。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
總領
(
そうりよう
)
と
名
(
な
)
のる
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
がころがるとは
知
(
し
)
らぬか、やがて
卷
(
ま
)
きあげて
貴樣
(
きさま
)
たちに
好
(
よ
)
き
正月
(
しやうぐわつ
)
をさせるぞと、
伊皿子
(
いさらご
)
あたりの
貧乏人
(
びんぼうにん
)
を
喜
(
よろこ
)
ばして、
大晦日
(
おほみそか
)
を
當
(
あ
)
てに
大呑
(
おほの
)
みの
塲處
(
ばしよ
)
もさだめぬ。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船長
(
せんちやう
)
は
周章
(
あは
)
てゝ
起上
(
おきあが
)
つたが、
怒氣
(
どき
)
滿面
(
まんめん
)
、けれど
自己
(
おの
)
が
醜態
(
しゆうたい
)
に
怒
(
おこ
)
る
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ず、ビール
樽
(
だる
)
のやうな
腹
(
はら
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ、
物凄
(
ものすご
)
い
眼
(
まなこ
)
に
水夫
(
すゐふ
)
共
(
ども
)
を
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
けると、
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
の
傍
(
かたはら
)
には
鬚
(
ひげ
)
の
長
(
なが
)
い、
頭
(
あたま
)
の
禿
(
はげ
)
た
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
云
(
い
)
ふなりニキタは
戸
(
と
)
をぱたり。
而
(
さう
)
して
背
(
せ
)
を
閉
(
し
)
めた
戸
(
と
)
に
當
(
あ
)
てゝ
猶且
(
やはり
)
其所
(
そこ
)
に
仁王立
(
にわうだち
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
濕布
(
しつぷ
)
は
清
(
きよ
)
と
小六
(
ころく
)
とで
受持
(
うけも
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
手拭
(
てぬぐひ
)
の
上
(
うへ
)
から
氷嚢
(
こおりぶくろ
)
を
額
(
ひたひ
)
の
上
(
うへ
)
に
當
(
あ
)
てがつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『そんなら、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふことだか
當
(
あ
)
てゝ
御覽
(
ごらん
)
』と三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
が
續
(
つゞ
)
けました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「そりやさうと、
酒
(
さけ
)
どうしたえ」
小柄
(
こがら
)
な
爺
(
ぢい
)
さんはひよつと
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
儘
(
まゝ
)
土瓶
(
どびん
)
を
手
(
て
)
もとへ
引
(
ひき
)
つけて、
底
(
そこ
)
へ
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……
其
(
そ
)
の
黒繻子
(
くろじゆす
)
に、
小辨慶
(
こべんけい
)
の
藍
(
あゐ
)
と
紺
(
こん
)
、
膚
(
はだ
)
の
白
(
しろ
)
さも
可
(
い
)
いとして、
乳房
(
ちゝ
)
の
黒子
(
ほくろ
)
まで
言
(
い
)
ひ
當
(
あ
)
てられました、
私
(
わたし
)
が
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
心持
(
こゝろもち
)
、
憚
(
はゞか
)
りながら
御推量
(
ごすゐりやう
)
下
(
くだ
)
さりまし。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
始終
(
ししう
)
「はつはつはつは」といふ風に
笑
(
わら
)
つてゐられるのが、フロツクでも
當
(
あ
)
たると、詞
通
(
とほ
)
り呵々大
笑
(
せう
)
になる。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
或は他の石片を
槌
(
つち
)
として
直
(
ただ
)
ちに
其周縁
(
そのまわり
)
を
打
(
う
)
ち
缺
(
か
)
き或は
骨角
(
こつかく
)
の如き
堅
(
かた
)
き物にて、作れる長さ數寸の
棒
(
ばう
)
の一端を、石斧とすべき石片の一部分に
當
(
あ
)
て、此棒の
他端
(
たたん
)
をば
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
片手
(
かたて
)
わざにも
夏
(
なつ
)
より
手足
(
てあし
)
を
色
(
いろ
)
どりて、
新年着
(
はるぎ
)
の
支度
(
したく
)
もこれをば
當
(
あ
)
てぞかし、
南無
(
なむ
)
や
大鳥大明神
(
おほとりだいめうじん
)
、
買
(
か
)
ふ
人
(
ひと
)
にさへ
大福
(
だいふく
)
をあたへ
給
(
たま
)
へば
製造
(
せいぞう
)
もとの
我等
(
われら
)
萬倍
(
まんばい
)
の
利益
(
りゑき
)
をと
人
(
ひと
)
ごとに
言
(
い
)
ふめれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
己丈
(
おれだけ
)
かな」と
宗助
(
そうすけ
)
は
頭
(
あたま
)
へ
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
唇
(
くちびる
)
に
當
(
あ
)
てたのが、
錦繪
(
にしきゑ
)
に
描
(
か
)
いた
野
(
の
)
がけの
美人
(
びじん
)
にそつくりで、
微醉
(
ほろゑひ
)
のそれ
者
(
しや
)
が、くろもじを
噛
(
か
)
んだより
婀娜
(
あだ
)
ツぽい。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
而も日が經つて行く内に、「猫又」の一語が表象するシニックな感じが、先生の人柄にぴつたり
當
(
あ
)
て
填
(
は
)
まるばかりでなく、それが巧に先生を諷し得てゐるやうな氣持がして來た。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
何事
(
なにごと
)
かの
手段
(
しゆだん
)
かも
知
(
し
)
れたことならず
優
(
やさ
)
しげな
妹御
(
いもとご
)
も
當
(
あ
)
てにならぬよし
折々
(
をり/\
)
見
(
み
)
たこともあり
毒蛇
(
どくじや
)
のやうな
人々
(
ひと/″\
)
信用
(
しんよう
)
なさるお
心
(
こゝろ
)
には
何
(
なに
)
ごと
申
(
まを
)
すとも
甲斐
(
かひ
)
はあるまじさりとて
此儘
(
このまゝ
)
に
日
(
ひ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
瞳
(
ひとみ
)
も
据
(
すわ
)
らず、
血
(
ち
)
の
褪
(
あ
)
せた
男
(
をとこ
)
の
顏
(
かほ
)
を、
水晶
(
すゐしやう
)
の
溶
(
と
)
けたる
如
(
ごと
)
き
瞳
(
ひとみ
)
に
艶
(
つや
)
を
籠
(
こ
)
めて
凝
(
ぢつ
)
と
視
(
み
)
ると、
忘
(
わす
)
れた
状
(
さま
)
に
下
(
した
)
まぶち、
然
(
さ
)
り
氣
(
げ
)
なく
密
(
そ
)
と
當
(
あ
)
てた、
手巾
(
ハンケチ
)
に
露
(
つゆ
)
が
掛
(
かゝ
)
かつた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寫眞
(
しやしん
)
も、この
頃
(
ころ
)
は
猫
(
ねこ
)
も
杓
(
しやく
)
子もやるといふ風な、はやり
物
(
もの
)
になつて、それに
趣味
(
しゆみ
)
を持つなどゝいふのが
變
(
へん
)
に
當
(
あ
)
たり前
過
(
す
)
ぎる
感
(
かん
)
じで、
却
(
かへつ
)
て
氣
(
き
)
がひけるやうなことにさへなつてしまつた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
嚇
(
おど
)
かしても
駄目
(
だめ
)
だよと
顏
(
かほ
)
を
振
(
ふり
)
のけるに、
憎
(
にく
)
らしい
當
(
あ
)
てられて
仕舞
(
しま
)
つたと
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
す。
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
それ
)
が
分
(
わか
)
ればこそ
申
(
まを
)
すのなり、あの
人
(
じん
)
も
言
(
い
)
へと
言
(
い
)
ひます……
當
(
あ
)
てますか、
私
(
わたし
)
が。……
知
(
し
)
つても
大事
(
だいじ
)
ない。
明
(
あ
)
けて
爾々
(
しか/″\
)
とお
言
(
い
)
ひなされ。お
前樣
(
まへさま
)
は
婦
(
をなご
)
に
逢
(
あ
)
ひに
行
(
ゆ
)
く
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
うしてもお
前
(
まへ
)
には
逢
(
あ
)
はないよ、
長々
(
なが/\
)
御世話
(
おせわ
)
さま
此處
(
こゝ
)
からお
禮
(
れい
)
を
申
(
まを
)
します、
人
(
ひと
)
をつけ、もう
誰
(
だれ
)
の
事
(
こと
)
も
當
(
あ
)
てにするものか、
左樣
(
さやう
)
なら、と
言
(
い
)
つて
立
(
たち
)
あがり
沓
(
くつ
)
ぬぎの
草履
(
ざうり
)
下駄
(
げた
)
足
(
あし
)
に
引
(
ひき
)
かくるを
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
當
(
あ
)
たるべからずといつた
愉快
(
ゆくわい
)
さだつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
と
莞爾
(
につこり
)
して、
風
(
かぜ
)
に
亂
(
みだ
)
れる
花片
(
はなびら
)
も、
露
(
つゆ
)
を
散
(
ち
)
らさぬ
身繕
(
みづくろひ
)
。
帶
(
おび
)
を
壓
(
おさ
)
へたパチン
留
(
どめ
)
を
輕
(
かる
)
く
一
(
ひと
)
つトンと
當
(
あ
)
てた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あゝは
見
(
み
)
えますれど
彼
(
あ
)
れで
中々
(
なか/\
)
の
苦勞人
(
くらうにん
)
といふに、
夫
(
そ
)
れはまあ
幾歳
(
いくつ
)
のとし
其戀
(
そのこひ
)
出來
(
でき
)
てかと
奧樣
(
おくさま
)
おつしやれば、
當
(
あ
)
てゝ
御覽
(
ごらん
)
あそばせ
先方
(
むかう
)
は
村長
(
そんちやう
)
の
妹
(
いもと
)
、
此方
(
こちら
)
は
水計
(
みづばかり
)
めし
上
(
あが
)
るお
百姓
(
ひやくしやう
)
、
雲
(
くも
)
にかけ
橋
(
はし
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
曉
(
あかつき
)
の
霜
(
しも
)
を
裂
(
さ
)
き、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
霧
(
きり
)
を
分
(
わ
)
けて、
山姫
(
やまひめ
)
が
撞木
(
しゆもく
)
を
當
(
あ
)
てて、もみぢの
紅
(
くれなゐ
)
を
里
(
さと
)
に
響
(
ひゞ
)
かす、
樹々
(
きゞ
)
の
錦
(
にしき
)
の
知
(
し
)
らせ、と
見
(
み
)
れば、
龍膽
(
りんだう
)
に
似
(
に
)
て
俯向
(
うつむ
)
けに
咲
(
さ
)
いた、
半鐘
(
はんしよう
)
の
銅
(
あかゞね
)
は、
月
(
つき
)
に
紫
(
むらさき
)
の
影
(
かげ
)
を
照
(
て
)
らす。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
あ
)
の
人達
(
ひとたち
)
の
不奉公
(
ぶほうこう
)
を
私
(
わたし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
反射
(
はんしや
)
だと
悟
(
さと
)
つたからの
事
(
こと
)
、
世間
(
せけん
)
に
當
(
あ
)
てもなく
人
(
ひと
)
を
苦
(
くる
)
しめる
惡黨
(
あくたう
)
もなければ、
神樣
(
かみさま
)
だとて
徹頭徹尾
(
てつとうてつび
)
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
の
無
(
な
)
い
人
(
ひと
)
に
歎
(
なげ
)
きを
見
(
み
)
せるといふ
事
(
こと
)
は
遊
(
あそ
)
ばすまい、
何故
(
なぜ
)
ならば
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
さ
)
うかと
思
(
おも
)
ふと、
一人
(
ひとり
)
で、
思
(
おも
)
ひに
堪
(
た
)
へ
廉
(
か
)
ねるか、
湯氣
(
ゆげ
)
の
上
(
うへ
)
に、
懷紙
(
ふところがみ
)
をかざして、
紅
(
べに
)
を
蒸
(
む
)
して、
密
(
そつ
)
と
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
に
當
(
あ
)
てた
事
(
こと
)
などもある、ほりものにでもしよう
了簡
(
れうけん
)
であつた、と
見
(
み
)
えるが
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
當
部首:⽥
13画
“當”を含む語句
當時
見當
正當
當然
本當
當人
當日
相當
日當
手當
心當
當麻
當初
大當
其當時
當夜
當麻語部
適當
突當
辨當
...