トップ
>
見渡
>
みわた
ふりがな文庫
“
見渡
(
みわた
)” の例文
と、ほかのものがやはり
沖
(
おき
)
をながめていっていました。
遠
(
とお
)
く
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
を
見渡
(
みわた
)
しますと、
昨日
(
きのう
)
にまして
暗
(
くら
)
く、ものすごうございました。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何故
(
なぜ
)
かと
申
(
もう
)
すに、
巌
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
から
見渡
(
みわた
)
す一
帯
(
たい
)
の
景色
(
けしき
)
が、どう
見
(
み
)
ても
昔馴染
(
むかしなじみ
)
の
三浦
(
みうら
)
の
西海岸
(
にしかいがん
)
に
何所
(
どこ
)
やら
似通
(
にかよ
)
って
居
(
い
)
るのでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
釣
(
つり
)
の帰りらしい
小舟
(
こぶね
)
がところ/″\
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
のやうに浮いてゐるばかり、
見渡
(
みわた
)
す
隅田川
(
すみだがは
)
は再びひろ/″\としたばかりか
静
(
しづか
)
に
淋
(
さび
)
しくなつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしその
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされた
夕刊
(
ゆふかん
)
の
紙面
(
しめん
)
を
見渡
(
みわた
)
しても、やはり
私
(
わたくし
)
の
憂鬱
(
いううつ
)
を
慰
(
なぐさ
)
むべく
世間
(
せけん
)
は
餘
(
あま
)
りに
平凡
(
へいぼん
)
な
出來事
(
できごと
)
ばかりで
持
(
も
)
ち
切
(
き
)
つてゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さるほどに、
山
(
やま
)
又
(
また
)
山
(
やま
)
、
上
(
のぼ
)
れば
峰
(
みね
)
は
益
(
ます/\
)
累
(
かさな
)
り、
頂
(
いたゞき
)
は
愈々
(
いよ/\
)
聳
(
そび
)
えて、
見渡
(
みわた
)
せば、
見渡
(
みわた
)
せば、
此處
(
こゝ
)
ばかり
日
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
を、
雪
(
ゆき
)
が
封
(
ふう
)
ずる
光景
(
ありさま
)
かな。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
凡
(
すべ
)
てから
濕
(
しめ
)
つた
布
(
ぬの
)
を
火
(
ひ
)
に
翳
(
かざ
)
したやうに
凝
(
こ
)
つた
水蒸氣
(
すゐじようき
)
が
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
白
(
しろ
)
くほか/\と
立
(
た
)
ち
騰
(
のぼ
)
つて
低
(
ひく
)
く一
帶
(
たい
)
に
地
(
ち
)
を
掩
(
おほ
)
ふことがあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
勿論
(
もちろん
)
彼
(
かれ
)
の
仲間
(
なかま
)
だけが
特
(
こと
)
にさうだとは
言
(
い
)
へなかつた。
見渡
(
みわた
)
したところ、
人間
(
にんげん
)
は
皆
(
みん
)
な
一
(
ひと
)
つ/\の
不完全
(
ふくわんぜん
)
な
砕片
(
かけら
)
であるのに、
不思議
(
ふしぎ
)
はない
筈
(
はず
)
であつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
かれは塾生たちの静坐の姿勢を直したあと、朝倉先生の横に
斜
(
なな
)
め
向
(
む
)
きにすわっていたので、よく全体が
見渡
(
みわた
)
せたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
其
(
そ
)
れよりモスクワ
川向
(
かはむかふ
)
の
町
(
まち
)
の
景色
(
けしき
)
などを
見渡
(
みわた
)
しながら、
救世主
(
きうせいしゆ
)
の
聖堂
(
せいだう
)
や、ルミヤンツセフの
美術館
(
びじゆつくわん
)
なんどを
廻
(
まは
)
つて
見
(
み
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り、
愛
(
あい
)
ちやんが
針鼠
(
はりねずみ
)
を
送
(
おく
)
らうと
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
には
總
(
すべ
)
て
畦畝
(
うね
)
があつて、二
列
(
れつ
)
になつた
兵士
(
へいし
)
が
常
(
つね
)
に
起
(
お
)
きて、
毬投場
(
グラウンド
)
の
他
(
た
)
の
部分々々
(
ぶゝん/\
)
を
歩
(
ある
)
いてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
船頭は
一人
(
ひとり
)
で、
船
(
ふね
)
は細長い東京辺では見た事もない
恰好
(
かっこう
)
である。さっきから船中
見渡
(
みわた
)
すが
釣竿
(
つりざお
)
が一本も見えない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
はそれさへ
天涯
(
でんがい
)
の
彼方
(
かなた
)
に
落
(
お
)
ちて、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
黒暗々
(
こくあん/\
)
たる
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
、たゞ
密雲
(
みつうん
)
の
絶間
(
たへま
)
を
洩
(
も
)
れたる
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
の一二
點
(
てん
)
が
覺束
(
おぼつか
)
なくも
浪
(
なみ
)
に
反射
(
はんしや
)
して
居
(
を
)
るのみである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
悪魔のお医者はきっと立ってこれを
見渡
(
みわた
)
していましたがその光が消えてしまうとまた云いました。
ひのきとひなげし
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
那須野
(
なすの
)
の
原
(
はら
)
というのは十
里
(
り
)
四
方
(
ほう
)
もある
広
(
ひろ
)
い
広
(
ひろ
)
い
原
(
はら
)
で、むかしはその
間
(
あいだ
)
に一
軒
(
けん
)
の
家
(
いえ
)
も
無
(
な
)
く、
遠
(
とお
)
くの
方
(
ほう
)
に山がうっすり
見
(
み
)
えるばかりで、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
草
(
くさ
)
がぼうぼうと
生
(
お
)
い
茂
(
しげ
)
って
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
朝
(
あさ
)
がへりの
殿
(
との
)
がた一
順
(
じゆん
)
すみて
朝寢
(
あさね
)
の
町
(
まち
)
も
門
(
かど
)
の
箒目
(
はゝきめ
)
青海波
(
せいがいは
)
をゑがき、
打水
(
うちみづ
)
よきほどに
濟
(
す
)
みし
表町
(
おもてまち
)
の
通
(
とほ
)
りを
見渡
(
みわた
)
せば、
來
(
く
)
るは
來
(
く
)
るは、
萬年町
(
まんねんてう
)
山伏町
(
やまぶしてう
)
、
新谷町
(
しんたにまち
)
あたりを
塒
(
ねぐら
)
にして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うちわたすは、
見渡
(
みわた
)
すといふくらゐの
意味
(
いみ
)
。をち
方人
(
かたびと
)
といふのは、
向
(
むか
)
うの
方
(
ほう
)
を
歩
(
ある
)
いてゐる
人
(
ひと
)
。
道
(
みち
)
おそくとは、
足
(
あし
)
がはかどらないでゐる
樣子
(
ようす
)
を
少々
(
しよう/\
)
變
(
かは
)
つたいひ
廻
(
まは
)
しでいつたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
催
(
もよほ
)
しける然るに其夜
亥
(
い
)
の
刻
(
こく
)
とも
覺敷頃
(
おぼしきころ
)
風
(
かぜ
)
もなくして
燭臺
(
しよくだい
)
の
燈火
(
ともしび
)
ふツと
消
(
き
)
えければ伊賀亮
不審
(
ふしん
)
に思ひ
天文臺
(
てんもんだい
)
へ
登
(
のぼ
)
りて
四邊
(
あたり
)
を
見渡
(
みわた
)
すに總て
海邊
(
かいへん
)
は數百
艘
(
そう
)
の船にて
取圍
(
とりかこ
)
み
篝
(
かゞり
)
を
焚
(
たき
)
品川灣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
前日来の
艱酸
(
かんさん
)
と
辛労
(
しんろう
)
とは茫乎として
転
(
うた
)
た
夢
(
ゆめ
)
の如し、一行皆沼岸に
坐
(
ざ
)
して
徐
(
おもむ
)
ろに風光を
賞嘆
(
しやうたん
)
して
已
(
や
)
まず、
遠
(
とほ
)
く対岸を
見渡
(
みわた
)
せば無人の一小板屋
忽
(
たちま
)
ち双眼鏡裡に
映
(
えい
)
じ来る、其
距離
(
きより
)
凡そ二里
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
長安は空部屋をさがして
支度
(
したく
)
せよといったが、
見渡
(
みわた
)
したところ、みなどうどうたる
大名紋
(
だいみょうもん
)
の
幔幕
(
まんまく
)
ばかりで、そんなところはありそうもなく、五人の
勇士
(
ゆうし
)
も、それには、ちょッと
立往生
(
たちおうじょう
)
していると
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見渡
(
みわた
)
すに
現今
(
いま
)
の世界は
交際流行
(
かうさいばやり
)
で、
何
(
ど
)
うも
此
(
この
)
世辞
(
せじ
)
は
要
(
い
)
らぬ事だと
云
(
い
)
ふけれど、
是
(
これ
)
も言葉の愛で
何
(
ど
)
うしても無ければならぬものだ、
世辞
(
せじ
)
に
疎
(
うと
)
い
性来
(
せいらい
)
の者は、
何様
(
どんな
)
に不自由を感じて
居
(
ゐ
)
るかも知れぬから
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
惠那山
(
ゑなやま
)
もよく
見
(
み
)
えます。もつと
向
(
むか
)
ふの
山
(
やま
)
も
見
(
み
)
えます。
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
がいくつも/\
見
(
み
)
えます。その
山
(
やま
)
の
向
(
むか
)
ふには、
見渡
(
みわた
)
すかぎり
廣々
(
ひろ/″\
)
とした
野原
(
のはら
)
がありますよ。
何
(
なに
)
か
光
(
ひか
)
つて
見
(
み
)
える
河
(
かは
)
のやうなものもありますよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
家康は冷やかに一目見たきりで、目を転じて一座を
見渡
(
みわた
)
した。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
正面
(
しやうめん
)
に
待乳山
(
まつちやま
)
を
見渡
(
みわた
)
す
隅田川
(
すみだがは
)
には
夕風
(
ゆふかぜ
)
を
孕
(
はら
)
んだ
帆
(
ほ
)
かけ船が
頻
(
しき
)
りに動いて
行
(
ゆ
)
く。水の
面
(
おもて
)
の
黄昏
(
たそが
)
れるにつれて
鴎
(
かもめ
)
の羽の色が
際立
(
きはだ
)
つて白く見える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その
中
(
うち
)
不図
(
ふと
)
誰
(
だれ
)
かに
自分
(
じぶん
)
の
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
ばれたように
感
(
かん
)
じて
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
きましたが、
四辺
(
あたり
)
は
見渡
(
みわた
)
すかぎり
真暗闇
(
まっくらやみ
)
、
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やらさっぱり
判
(
わか
)
らないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すずめは
毎日
(
まいにち
)
、
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
を
山
(
やま
)
のあちらへ、また、
林
(
はやし
)
のこちらへと
飛
(
と
)
びまわって、だれも
通
(
とお
)
らない、さびしい
雪
(
ゆき
)
の
広野
(
ひろの
)
を
見渡
(
みわた
)
して
鳴
(
な
)
いていました。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小助
(
こすけ
)
は
前途
(
ゆくて
)
を
見渡
(
みわた
)
して、
此
(
これ
)
から
突張
(
つツぱ
)
つて
野
(
の
)
を
越
(
こ
)
して、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
しゆく
)
へ
入
(
はひ
)
つたが、
十二時
(
こゝのつ
)
を
越
(
こ
)
したと
成
(
な
)
つては、
旅籠屋
(
はたごや
)
を
起
(
おこ
)
しても
泊
(
と
)
めてはくれない。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それよりモスクワ
川向
(
かわむこう
)
の
町
(
まち
)
の
景色
(
けしき
)
などを
見渡
(
みわた
)
しながら、
救世主
(
きゅうせいしゅ
)
の
聖堂
(
せいどう
)
や、ルミャンツセフの
美術館
(
びじゅつかん
)
なんどを
廻
(
まわ
)
って
見
(
み
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『あれ/\、あの
醜態
(
ざま
)
よう。』と
指
(
ゆびざ
)
す
彼方
(
かなた
)
を
見渡
(
みわた
)
すと、
生殘
(
いきのこ
)
つたる
獅子
(
しゝ
)
の
一團
(
いちだん
)
は、
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
深林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
へ
逃失
(
にげう
)
せた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
どこぞに
百姓家
(
ひゃくしょうや
)
でも
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
、
頼
(
たの
)
んで
一晩
(
ひとばん
)
泊
(
と
)
めてもらおうと
思
(
おも
)
いましたが、
折
(
おり
)
あしく
原
(
はら
)
の中にかかって、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
りぼうぼうと
草
(
くさ
)
ばかり
生
(
お
)
い
茂
(
しげ
)
った
秋
(
あき
)
の
野末
(
のずえ
)
のけしきで
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
大路
(
おほぢ
)
を
見渡
(
みわた
)
せば
罪
(
つみ
)
なき
子供
(
こども
)
の三五
人
(
にん
)
手
(
て
)
を
引
(
ひき
)
つれて
開
(
ひ
)
いらいた
開
(
ひ
)
らいた
何
(
なん
)
の
花
(
はな
)
ひらいたと、
無心
(
むしん
)
の
遊
(
あそ
)
びも
自然
(
しぜん
)
と
靜
(
しづ
)
かにて、
廓
(
くるわ
)
に
通
(
かよ
)
ふ
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
のみ
何時
(
いつ
)
に
變
(
かわ
)
らず
勇
(
いさ
)
ましく
聞
(
きこ
)
えぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
品
(
しな
)
は
非常
(
ひじやう
)
な
注意
(
ちうい
)
を
以
(
もつ
)
て
斜
(
なゝめ
)
な
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つた。
四足目
(
よあしめ
)
にはもう
田圃
(
たんぼ
)
の
土
(
つち
)
に
立
(
た
)
つた。
其
(
その
)
時
(
とき
)
は
日
(
ひ
)
は
疾
(
とう
)
に
沒
(
ぼつ
)
して
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り、
田
(
た
)
から
林
(
はやし
)
から
世間
(
せけん
)
は
只
(
たゞ
)
黄褐色
(
くわうかつしよく
)
に
光
(
ひか
)
つてさうしてまだ
明
(
あか
)
るかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さびしい
野原
(
のはら
)
の
中
(
なか
)
に一
本
(
ぽん
)
の
木立
(
こだち
)
がありました。
見渡
(
みわた
)
すかぎり、あたりは、まだ一
面
(
めん
)
に
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
に
雪
(
ゆき
)
が
積
(
つ
)
もっていました。
春がくる前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
(
み
)
ると……
見渡
(
みわた
)
すと……
東南
(
とうなん
)
に、
芝
(
しば
)
、
品川
(
しながは
)
あたりと
思
(
おも
)
ふあたりから、
北
(
きた
)
に
千住
(
せんぢう
)
淺草
(
あさくさ
)
と
思
(
おも
)
ふあたりまで、
此
(
こ
)
の
大都
(
だいと
)
の
三面
(
さんめん
)
を
弧
(
こ
)
に
包
(
つゝ
)
んで、
一面
(
いちめん
)
の
火
(
ひ
)
の
天
(
てん
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此時
(
このとき
)
艦頭
(
かんとう
)
に
立
(
た
)
てる
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は、
右鬢
(
うびん
)
に
微傷
(
びしやう
)
を
受
(
う
)
けて、
流
(
なが
)
るゝ
血汐
(
ちしほ
)
の
兩眼
(
りようがん
)
に
入
(
い
)
るを、
拳
(
こぶし
)
に
拂
(
はら
)
つて、キツと
見渡
(
みわた
)
す
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
、
電光
(
でんくわう
)
の
如
(
ごと
)
く
近
(
ちか
)
づき
來
(
きた
)
つた
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
道子
(
みちこ
)
はハンドバツグからピースの
箱
(
はこ
)
を
取出
(
とりだ
)
しながら、
見渡
(
みわた
)
すかぎりあたりは
盆
(
ぼん
)
の十
四日
(
よつか
)
の
夜
(
よる
)
の
人出
(
ひとで
)
がいよ/\
激
(
はげ
)
しくなつて
行
(
ゆ
)
くのを
眺
(
なが
)
めた。(昭和廿八年十二月作)
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
それはホンの三
尺
(
じゃく
)
四
方
(
ほう
)
位
(
くらい
)
の
小
(
ちい
)
さい
社
(
やしろ
)
なのですが、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
りただ
緑
(
みどり
)
の
一色
(
ひといろ
)
しかない
中
(
なか
)
に、そのお
宮丈
(
みやだけ
)
がくッきりと
朱
(
あか
)
く
冴
(
さ
)
えているので
大
(
たい
)
へんに
目立
(
めだ
)
つのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
果敢
(
はか
)
なの
身
(
み
)
やとうち
仰
(
あふ
)
げば
空
(
そら
)
に
澄
(
す
)
む
月影
(
つきかげ
)
きよし、
肘
(
ひぢ
)
を
寄
(
よ
)
せたる
丸窓
(
まるまど
)
のもとに
何
(
な
)
んの
咡
(
さゝや
)
きぞ
風
(
かぜ
)
に
鳴
(
な
)
る
荻
(
をぎ
)
の
友
(
とも
)
ずり、
我
(
わ
)
が
蔭
(
かげ
)
ごとか
哀
(
あは
)
れはづかし、
見渡
(
みわた
)
す
花園
(
はなぞの
)
は
夜
(
よ
)
るの
錦
(
にしき
)
を
月
(
つき
)
にほこりて
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
空
(
そら
)
は
爽
(
さはやか
)
に
晴
(
は
)
れて、
遠
(
とほ
)
く
木立
(
こだち
)
の
空
(
そら
)
に
接
(
せつ
)
する
邊
(
あたり
)
も
見渡
(
みわた
)
される
凉
(
すゞ
)
しい
日和
(
ひより
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ついに
海
(
うみ
)
のほとりへ
出
(
で
)
ました。すると、あちらのがけの
上
(
うえ
)
で、
少年
(
しょうねん
)
が、
海
(
うみ
)
を
見渡
(
みわた
)
しながら
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いているのでした。
春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
水
(
みづ
)
を
打
(
う
)
つたとは
此
(
こ
)
の
事
(
こと
)
、
停車場
(
ステエシヨン
)
は
割
(
わり
)
に
靜
(
しづか
)
で、しつとりと
構内
(
こうない
)
一面
(
いちめん
)
に
濡
(
ぬ
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
赤帽君
(
あかばうくん
)
に
荷物
(
にもつ
)
を
頼
(
たの
)
んで、
廣
(
ひろ
)
い
處
(
ところ
)
をずらりと
見渡
(
みわた
)
したが、
約束
(
やくそく
)
の
同伴
(
つれ
)
はまだ
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
町内
(
てうない
)
一の
財産家
(
ものもち
)
といふに、
家内
(
かない
)
は
祖母
(
ばゞ
)
と
此子
(
これこ
)
二人
(
ふたり
)
、
萬
(
よろづ
)
の
鍵
(
かぎ
)
に
下腹
(
したはら
)
冷
(
ひ
)
えて
留守
(
るす
)
は
見渡
(
みわた
)
しの
總長屋
(
そうながや
)
、
流石
(
さすが
)
に
錠前
(
でうまへ
)
くだくもあらざりき、
正太
(
しようた
)
は
先
(
さき
)
へあがりて
風入
(
かぜい
)
りのよき
塲處
(
ところ
)
を
見
(
み
)
たてゝ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
空
(
そら
)
は
爽
(
さわやか
)
に
晴
(
は
)
れて、
遠
(
とお
)
く
木立
(
こだち
)
の
空
(
そら
)
に
接
(
せっ
)
する
辺
(
あたり
)
も
見渡
(
みわた
)
される
凉
(
すず
)
しい
日和
(
ひより
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
幸ひ
午近
(
ひるぢか
)
くのことで
見渡
(
みわた
)
す川岸に人の
往来
(
わうらい
)
は
杜絶
(
とだ
)
えてゐる。
長吉
(
ちやうきち
)
は
出来
(
でき
)
るだけ早く
飯
(
めし
)
でも
菜
(
さい
)
でも
皆
(
みん
)
な
鵜呑
(
うの
)
みにしてしまつた。
釣師
(
つりし
)
はいづれも木像のやうに黙つてゐるし、
甘酒屋
(
あまざけや
)
の
爺
(
ぢゝ
)
は
居眠
(
ゐねむ
)
りしてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「この
四
(
よ
)
つ
筋
(
すじ
)
の
道
(
みち
)
は、それぞれ
町
(
まち
)
や
村
(
むら
)
へゆくのであろうが、どんなところへゆくのだろう。」と、
少年
(
しょうねん
)
はあてもなく、
左右
(
さゆう
)
前後
(
ぜんご
)
を
見渡
(
みわた
)
していたのであります。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さて、
若葉
(
わかば
)
、
青葉
(
あをば
)
、
雲
(
くも
)
いろ/\の
山々
(
やま/\
)
、
雪
(
ゆき
)
を
被
(
かつ
)
いだ
吾妻嶽
(
あづまだけ
)
を
見渡
(
みわた
)
して、
一路
(
いちろ
)
長
(
なが
)
く、
然
(
しか
)
も
凸凹
(
でこぼこ
)
、ぐら/\とする
温泉
(
ゆ
)
の
路
(
みち
)
を、
此
(
こ
)
の
親仁
(
おやぢ
)
が
挽
(
ひ
)
くのだから、
途中
(
みち
)
すがら
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
才
(
さい
)
あるは
多
(
おほ
)
し
能
(
のう
)
あるも
少
(
すく
)
なからず、
容姿
(
ようし
)
學藝
(
がくげい
)
すぐれたればとて、
大事
(
だいじ
)
の
御
(
ご
)
一
生
(
しやう
)
を
托
(
たく
)
すに
足
(
た
)
る
人
(
ひと
)
見渡
(
みわた
)
したる
世上
(
せじやう
)
に
有
(
あ
)
りや
無
(
な
)
しや
知
(
し
)
れたものならず、
幸福
(
かうふく
)
の
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
り
給
(
たま
)
ふ
道
(
みち
)
、そも
何
(
なに
)
とせば
宜
(
よ
)
からんかと
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
青
(
あお
)
い
青
(
あお
)
い
海
(
うみ
)
はどうどうと
波高
(
なみたか
)
く
響
(
ひび
)
いています。
見渡
(
みわた
)
すとはてしもない。その
後
(
ご
)
、
海
(
うみ
)
にいって
船乗
(
ふなの
)
りになった
龍雄
(
たつお
)
は、いま、どこを
航海
(
こうかい
)
していることでしょう。
海へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
元二
(
げんじ
)
は
前途
(
ゆくて
)
を
見渡
(
みわた
)
して、
此
(
これ
)
から
突張
(
つゝぱ
)
つて
野
(
の
)
を
越
(
こ
)
して
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
やど
)
へ
入
(
はひ
)
るか、
九
(
こゝの
)
つを
越
(
こ
)
したと
成
(
な
)
つては、
旅籠屋
(
はたごや
)
を
起
(
おこ
)
しても
泊
(
と
)
めてはくれない、たしない
路銀
(
ろぎん
)
で
江戸
(
えど
)
まで
行
(
ゆ
)
くのに
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雲雀
(
ひばり
)
のあがる
麥生
(
むぎふ
)
なゝめに
見渡
(
みわた
)
しながら
岡
(
をか
)
のすみれを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
乙
(
おつ
)
は、もはや、
気
(
き
)
が
気
(
き
)
ではありませんでした。そのうちに、
怖
(
おそ
)
ろしい
夜
(
よ
)
は
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れました。
見渡
(
みわた
)
すかぎり、
大空
(
おおぞら
)
は、ものすごく、
大
(
おお
)
きな
浪頭
(
なみがしら
)
はうねりうねっています。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当