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場合
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ばあひ
ふりがな文庫
“
場合
(
ばあひ
)” の例文
それを
思
(
おも
)
ふと、
机
(
つくゑ
)
に
向
(
むか
)
つたなりで、
白米
(
はくまい
)
を
炊
(
た
)
いてたべられるのは
勿體
(
もつたい
)
ないと
云
(
い
)
つてもいゝ。
非常
(
ひじやう
)
の
場合
(
ばあひ
)
だ。……
稼
(
かせ
)
がずには
居
(
ゐ
)
られない。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
九、
大地震
(
だいぢしん
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
水道
(
すいどう
)
は
斷水
(
だんすい
)
するものと
覺悟
(
かくご
)
し、
機敏
(
きびん
)
に
貯水
(
ちよすい
)
の
用意
(
ようい
)
をなすこと。
又
(
また
)
水
(
みづ
)
を
用
(
もち
)
ひざる
消防法
(
しようぼうほう
)
をも
應用
(
おうよう
)
すべきこと。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
日本人
(
にほんじん
)
が
歐文
(
おうぶん
)
を
書
(
か
)
く
場合
(
ばあひ
)
、この
慣例
(
くわんれい
)
を
尊重
(
そんちよう
)
して、
小
(
せう
)
より
大
(
だい
)
に
入
(
い
)
るのは
差支
(
さしつかへ
)
ないが、その
内
(
うち
)
の
固有名
(
こいうめい
)
は
斷然
(
だんぜん
)
いぢくられてはならぬ。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
このやくもたつといふ
言葉
(
ことば
)
が、
歌
(
うた
)
の
上
(
うへ
)
でいふ
枕詞
(
まくらことば
)
なのです。すなはちこの
場合
(
ばあひ
)
は、いづもといふ
言葉
(
ことば
)
を
起
(
おこ
)
すための、
据
(
す
)
ゑことばなのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
尚
(
な
)
ほ
過去
(
くわこ
)
の
經驗
(
けいけん
)
に
依
(
よ
)
れば、
金解禁
(
きんかいきん
)
の
準備
(
じゆんび
)
をする
場合
(
ばあひ
)
には、
世界
(
せかい
)
何
(
いづ
)
れからも
日本
(
にほん
)
の
圓貨
(
ゑんくわ
)
に
對
(
たい
)
して
思惑投機
(
おもわくとうき
)
が
行
(
おこな
)
はれるのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
▼ もっと見る
一體
(
いつたい
)
これらの
石斧
(
せきふ
)
を
使用
(
しよう
)
するときはどうしたかといひますのに、
石
(
いし
)
のまゝ
握
(
にぎ
)
つて
使
(
つか
)
つたものもありますが、
木
(
き
)
の
柄
(
え
)
を
着
(
つ
)
けた
場合
(
ばあひ
)
もありまして
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
私
(
わたし
)
が
醫者
(
いしや
)
で、
貴方
(
あなた
)
が
精神病者
(
せいしんびやうしや
)
であると
云
(
い
)
ふことに
於
(
おい
)
て、
徳義
(
とくぎ
)
も
無
(
な
)
ければ、
論理
(
ろんり
)
も
無
(
な
)
いのです。
詰
(
つま
)
り
偶然
(
ぐうぜん
)
の
場合
(
ばあひ
)
のみです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その
爲
(
ため
)
か、
今
(
いま
)
では
以前
(
いぜん
)
と
違
(
ちが
)
つて、まあ
普通
(
ふつう
)
の
小舅
(
こじうと
)
位
(
ぐらゐ
)
の
親
(
した
)
しみはあると
信
(
しん
)
じてゐる
樣
(
やう
)
なものゝ、
斯
(
こ
)
んな
場合
(
ばあひ
)
になると、つい
實際
(
じつさい
)
以上
(
いじやう
)
にも
氣
(
き
)
を
回
(
まは
)
して
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると、
先
(
ま
)
づ
裁縫
(
さいほう
)
の
本
(
ほん
)
とか、
料理
(
れうり
)
の
本
(
ほん
)
とか、
或
(
あるひ
)
は
又
(
また
)
育兒
(
いくじ
)
に
關
(
くわん
)
する
本
(
ほん
)
とかいふものがある。
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
これは、
大抵
(
たいてい
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
婦人
(
ふじん
)
のみに
用
(
よう
)
のある
書物
(
しよもつ
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
不味相
(
まづさう
)
な
容子
(
ようす
)
をして
箸
(
はし
)
を
執
(
と
)
るのは
卯平
(
うへい
)
が
凡
(
すべ
)
ての
場合
(
ばあひ
)
を
通
(
つう
)
じての
状態
(
じやうたい
)
なので、おつぎの
目
(
め
)
には
格別
(
かくべつ
)
の
注意
(
ちうい
)
を
起
(
おこ
)
さしむべき
動機
(
どうき
)
が
一
(
ひと
)
つも
捉
(
とら
)
へられなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それはキリスト
教
(
けう
)
の
教會
(
けうくわい
)
の
附屬
(
ふぞく
)
病院
(
びやうゐん
)
なので、その
事
(
こと
)
に
就
(
つ
)
いては、
大分
(
だいぶ
)
異議
(
いぎ
)
を
持出
(
もちだ
)
した
者
(
もの
)
もあつたが、この
場合
(
ばあひ
)
一
刻
(
こく
)
も、
病人
(
びやうにん
)
を
見過
(
みすご
)
して
置
(
お
)
く
事
(
こと
)
はできなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
涙
(
なみだ
)
か
藥鍋
(
くすりなべ
)
の
下
(
した
)
炭火
(
ずみび
)
とろ/\と
消
(
き
)
え
勝
(
がち
)
の
生計
(
くらし
)
とて
良醫
(
りやうい
)
の
手
(
て
)
にもかゝられねば
見
(
み
)
す/\
重
(
おも
)
り
行
(
ゆ
)
く
心
(
こゝろ
)
ぐるしさよ
思
(
おも
)
へば
天
(
てん
)
も
地
(
ち
)
も
神
(
かみ
)
も
佛
(
ほとけ
)
も
我爲
(
わがため
)
には
皆
(
みな
)
仇
(
あだ
)
か
今
(
いま
)
この
場合
(
ばあひ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
山
(
やま
)
や
野
(
の
)
には、
二百六十八種
(
にひやくろくじゆうはつしゆ
)
もの
動物
(
どうぶつ
)
がゐるといひましたが、しかしわれ/\が
實際
(
じつさい
)
に
山
(
やま
)
を
歩
(
ある
)
く
場合
(
ばあひ
)
は、めったにさういふ
動物
(
どうぶつ
)
に
出
(
で
)
あはすものではありません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
私
(
わたくし
)
はこの
頃
(
ごろ
)
になつて
益々
(
ます/\
)
感
(
かん
)
ずることは、
人
(
ひと
)
は
如何
(
どん
)
な
場合
(
ばあひ
)
に
居
(
ゐ
)
ても
常
(
つね
)
に
樂
(
たの
)
しい
心
(
こゝろ
)
を
持
(
もつ
)
て
其仕事
(
そのしごと
)
をすることが
出來
(
でき
)
れば、
則
(
すなは
)
ち
其人
(
そのひと
)
は
眞
(
まこと
)
の
幸福
(
かうふく
)
な
人
(
ひと
)
といひ
得
(
う
)
ることだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかし
大久保
(
おほくぼ
)
の
場合
(
ばあひ
)
は、その
欠陥
(
けつかん
)
が
少
(
すこ
)
し
目
(
め
)
に
立
(
た
)
ちすぎた。
彼
(
かれ
)
は
或
(
あ
)
る
意味
(
いみ
)
では
誇大妄想狂
(
こだいまうさうきやう
)
であつたが、
或
(
あ
)
る
意味
(
いみ
)
ではまた
病的天才
(
びやうてきてんさい
)
とでも
言
(
い
)
ふべき
種類
(
しゆるゐ
)
のものであつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それはある
場合
(
ばあひ
)
、ある
心
(
こゝろ
)
の
状態
(
じやうたい
)
の時には、さういふことも考へないではなかつたけれど、
離婚
(
りこん
)
をもつてその
悔
(
くい
)
を
償
(
つぐな
)
ふものだとは
決
(
けつ
)
して思はなかつたらうと思ひます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
抑
(
そもそ
)
も
銃
(
じう
)
は
歩兵
(
ほへい
)
の
命
(
いのち
)
である。
軍人精神
(
ぐんじんせいしん
)
の
結晶
(
けつしやう
)
である。
歩兵
(
ほへい
)
にとつて
銃
(
じう
)
程
(
ほど
)
大事
(
だいじ
)
な
物
(
もの
)
はない。
場合
(
ばあひ
)
に
依
(
よ
)
つてはその
體
(
からだ
)
よりも
大事
(
だいじ
)
である。
譬
(
たと
)
へば
戰場
(
せんぢやう
)
に
於
(
おい
)
て
我々
(
われわれ
)
が
負傷
(
ふしやう
)
する。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
自分
(
じぶん
)
も
亦
(
また
)
、三
人
(
にん
)
の
園丁
(
えんてい
)
のやうに
平伏
(
ひれふ
)
さなければならないか
何
(
ど
)
うかは
些
(
ち
)
と
疑問
(
ぎもん
)
でしたが、
甞
(
かつ
)
て
行列
(
ぎやうれつ
)
に
出逢
(
であ
)
つた
場合
(
ばあひ
)
、かうした
規則
(
きそく
)
のあることを
聞
(
き
)
きませんでした
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其様な
場合
(
ばあひ
)
には、
瞼
(
まぶた
)
のはれぼツたい
故
(
せい
)
か、
層波目
(
ふたかわめ
)
が
屹度
(
きつと
)
深
(
ふか
)
く
刻
(
きざ
)
み込まれて、長い
晴毛
(
まつげ
)
の
下
(
した
)
に
濕
(
うるみ
)
を
持
(
も
)
つ。そして
裡
(
うち
)
に
燃
(
も
)
えてゐる
熱
(
ねつ
)
が眼に現はれて來るのでは無いかと思はせる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
尊敬
(
そんけい
)
はどの
種類
(
しゆるゐ
)
の
人
(
ひと
)
にもあるが、
單
(
たん
)
に
同
(
おな
)
じ
對象
(
たいしやう
)
を
尊敬
(
そんけい
)
する
場合
(
ばあひ
)
を
顧慮
(
こりよ
)
して
云
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
道
(
みち
)
を
求
(
もと
)
める
人
(
ひと
)
なら
遲
(
おく
)
れてゐるものが
進
(
すゝ
)
んでゐるものを
尊敬
(
そんけい
)
することになり、こゝに
言
(
い
)
ふ
中間人物
(
ちゆうかんじんぶつ
)
なら
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
僕
(
ぼく
)
は一
體
(
たい
)
、
滅多
(
めつた
)
に
封書
(
ふうしよ
)
といふものを
書
(
か
)
かない。そんなに
人
(
ひと
)
の
見
(
み
)
て
惡
(
わる
)
い
樣
(
やう
)
な
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
く
場合
(
ばあひ
)
はないからなア。それで
僕
(
ぼく
)
は
何用
(
なによう
)
でも
大抵
(
たいてい
)
葉書
(
はがき
)
で
濟
(
す
)
ますのだが、
若
(
も
)
し一
枚
(
まい
)
で
足
(
た
)
りなければ二
枚
(
まい
)
續
(
つゞ
)
きにする。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
ピータ
誰
(
た
)
れもお
前
(
まへ
)
を
隨意的
(
えいやう
)
には
爲
(
し
)
やせぬがや。
若
(
も
)
しも
其樣
(
そない
)
なことがあれば、
此
(
この
)
利劍
(
わざもの
)
を
引拔
(
ひきぬ
)
かいでかいの。こりゃ
拔
(
ぬ
)
かんければならん
場合
(
ばあひ
)
ぢゃとさへ
思
(
おも
)
うたら、わしゃ
人
(
ひと
)
に
負
(
ま
)
くるこっちゃない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
磐梯山破裂
(
ばんだいざんはれつ
)
の
跡
(
あと
)
には
大
(
おほ
)
きな
蒸氣孔
(
じようきこう
)
を
殘
(
のこ
)
し、
火山作用
(
かざんさよう
)
は
今
(
いま
)
もなほ
盛
(
さか
)
んであるが、
眉山
(
まゆやま
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
毫
(
ごう
)
も
右樣
(
みぎよう
)
の
痕跡
(
こんせき
)
を
止
(
とゞ
)
めなかつたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
人
(
ひと
)
は
我
(
わ
)
が
身體
(
からだ
)
の
一部分
(
いちぶぶん
)
を、
何年
(
なんねん
)
にも
見
(
み
)
ないで
濟
(
す
)
ます
場合
(
ばあひ
)
が
多
(
おほ
)
いから……
姿見
(
すがたみ
)
に
向
(
むか
)
はなければ、
顏
(
かほ
)
にも
逢
(
あ
)
はないと
同一
(
おなじ
)
かも
知
(
し
)
れぬ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
張作霖
(
てうさくりん
)
は
如何
(
いか
)
なる
場合
(
ばあひ
)
にも
作霖張
(
さくりんてう
)
とは
名乘
(
なの
)
るまい。
李鴻章
(
りこうせう
)
は
世界
(
せかい
)
の
何國
(
なにぐに
)
の
人
(
ひと
)
にも
鴻章李
(
こうせうり
)
と
呼
(
よ
)
ばれ、または
書
(
か
)
かれたことがない。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
昭和元年
(
せうわぐわんねん
)
から二
年
(
ねん
)
の
頃
(
ころ
)
に
金解禁
(
きんかいきん
)
を
計畫
(
けいくわく
)
した
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
ても、
巨額
(
きよがく
)
の
思惑資金
(
おもわくしきん
)
が
海外
(
かいぐわい
)
から
來
(
き
)
て
居
(
を
)
つたのであつて、
從
(
したがつ
)
て
金解禁
(
きんかいきん
)
を
決行
(
けつかう
)
せんとしても
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
また
別
(
べつ
)
の
先生方
(
せんせいがた
)
からお
聞
(
き
)
きになる
場合
(
ばあひ
)
がありませう。なほ
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
のあつたところには、
瓦
(
かはら
)
のほかに
大
(
おほ
)
きな
柱
(
はしら
)
の
礎石
(
そせき
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これは
世間
(
せけん
)
の
評判
(
ひようばん
)
と、ほんとうの
物
(
もの
)
のねうちとは、たいていの
場合
(
ばあひ
)
一致
(
いつち
)
してゐないそのもっとも
適當
(
てきとう
)
な
例
(
れい
)
であります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
さうして
身體
(
からだ
)
がもう
棄
(
す
)
てゝ
置
(
お
)
けない
場合
(
ばあひ
)
に
成
(
な
)
つたので
兩方
(
りやうはう
)
の
姻戚
(
みより
)
の
者
(
もの
)
でごた/\と
協議
(
けふぎ
)
が
起
(
おこ
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
もお
品
(
しな
)
も
其
(
その
)
時
(
とき
)
互
(
たがひ
)
に
相
(
あひ
)
慕
(
した
)
ふ
心
(
こゝろ
)
が
鰾膠
(
にべ
)
の
如
(
ごと
)
く
強
(
つよ
)
かつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
かれ
)
は
普通
(
ふつう
)
の
場合
(
ばあひ
)
の
樣
(
やう
)
に
病人
(
びやうにん
)
の
脉
(
みやく
)
を
取
(
と
)
つて、
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
自分
(
じぶん
)
の
時計
(
とけい
)
を
見詰
(
みつ
)
めてゐた。それから
黒
(
くろ
)
い
聽診器
(
ちやうしんき
)
を
心臟
(
しんざう
)
の
上
(
うへ
)
に
當
(
あ
)
てた。それを
丁寧
(
ていねい
)
に
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
と
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それも
時
(
とき
)
と
場合
(
ばあひ
)
によつたもので、のべつに
勝氣
(
かちき
)
を
振廻
(
ふりまは
)
しても
成
(
な
)
りますまい、
其
(
その
)
うちにも
女
(
をんな
)
の
勝氣
(
かちき
)
、
中
(
なか
)
へつゝんで
諸事
(
しよじ
)
を
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
たら
宜
(
よ
)
いかも
知
(
し
)
れませぬけれど
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれど
爲
(
しよ
)
うことなしに
眠
(
ねむ
)
るのはあたら一
生涯
(
しやうがい
)
の一
部分
(
ぶゝん
)
をたゞで
失
(
な
)
くすやうな氣がして
頗
(
すこぶ
)
る
不愉快
(
ふゆくわい
)
に
感
(
かん
)
ずる、
處
(
ところ
)
が
今
(
いま
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
如何
(
いかん
)
とも
爲
(
し
)
がたい、
眼
(
め
)
の
閉
(
とづ
)
るに
任
(
ま
)
かして
置
(
お
)
いた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
友の思想と自分の思想とは
常
(
つね
)
に
殆
(
ほとん
)
ど同じで、其の一方の感ずることは
軈
(
やが
)
て
又
(
また
)
他方
(
たほう
)
の
等
(
ひと
)
しく感ずる處であるが、
今
(
いま
)
の
場合
(
ばあひ
)
のみは、私は
直
(
たゞち
)
に
賛同
(
さんどう
)
の意を
表
(
ひやう
)
することが出來なかツた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
徳義上
(
とくぎじやう
)
だとか、
論理
(
ろんり
)
だとか、
那樣事
(
そんなこと
)
は
何
(
なに
)
も
有
(
あ
)
りません。
唯
(
たゞ
)
場合
(
ばあひ
)
です。
即
(
すなは
)
ち
此處
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
れられた
者
(
もの
)
は
入
(
はひ
)
つてゐるのであるし、
入
(
い
)
れられん
者
(
もの
)
は
自由
(
じいう
)
に
出歩
(
である
)
いてゐる、
其
(
そ
)
れ
丈
(
だ
)
けの
事
(
こと
)
です。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
また
作者
(
さくしや
)
が愛を
熱心
(
ねつしん
)
に
宣傳
(
せんでん
)
して居るやうな
場合
(
ばあひ
)
にでも、寧ろその
理智
(
りち
)
を以て
故
(
ことさ
)
らにそれを
力説
(
りきせつ
)
しようとする爲めに、どうかするとその愛は、
作者
(
さくしや
)
の心から
滲
(
にじ
)
み出たものではなくて
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
此
(
この
)
急激
(
きふげき
)
な
變化
(
へんくわ
)
に
一方
(
ひとかた
)
ならず
驚
(
おどろ
)
かされました、
逡巡
(
ぐづ/″\
)
してる
場合
(
ばあひ
)
ではないと
知
(
し
)
つて、
直
(
たゞち
)
に
他
(
た
)
の
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つた
一
(
ひ
)
ト
片
(
かけ
)
を
食
(
く
)
はうとしましたが、顎が
足
(
あし
)
に
緊乎
(
しツかり
)
と
接合
(
くツつ
)
いて
了
(
しま
)
つてるので
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
また
登山
(
とざん
)
をする
場合
(
ばあひ
)
には、
平原
(
へいげん
)
から
山麓
(
さんろく
)
、
山腹
(
さんぷく
)
へかゝり、それから
山
(
やま
)
の
頂上
(
ちようじよう
)
に
着
(
つ
)
くまでの
間
(
あひだ
)
には、
植物
(
しよくぶつ
)
の
姿
(
すがた
)
がいろ/\に
變
(
かは
)
つていつて、
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
であれば
頂
(
いたゞ
)
き
近
(
ちか
)
くには、
木
(
き
)
がおのづとなくなつて
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
宅
(
たく
)
へくれば、お
妹
(
いもうと
)
さんは
大抵
(
たいてい
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
玄関外
(
げんくわんそと
)
に
立
(
た
)
たしておくやうです。
家内
(
かない
)
もいくらかお
話
(
はなし
)
を
伺
(
うかゞ
)
つてるさうですが、うつかりした
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
へば、
祟
(
たゝ
)
りがおそろしいんでせう、
余
(
あま
)
り
口
(
くち
)
は
利
(
き
)
かれないさうで。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
前
(
まへ
)
に
内外
(
ないがい
)
の
火山
(
かざん
)
を
巡見
(
じゆんけん
)
した
場合
(
ばあひ
)
の
記事
(
きじ
)
を
掲
(
かゝ
)
げて
置
(
お
)
いたが、
諸君
(
しよくん
)
若
(
も
)
し
兩方
(
りようほう
)
を
比較
(
ひかく
)
せられたならば、
國内
(
こくない
)
の
火山作用
(
かざんさよう
)
は
概
(
がい
)
して
穩
(
おだや
)
かであつて
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そこで
土間
(
どま
)
へ
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へて、「
何
(
ど
)
ういふ
御修行
(
ごしゆぎやう
)
が
積
(
つ
)
んで、あのやうに
生死
(
しやうじ
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
平氣
(
へいき
)
でお
在
(
いで
)
なされた」と、
恐入
(
おそれい
)
つて
尋
(
たづ
)
ねました。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
外國市場
(
ぐわいこくしぢやう
)
に
於
(
おい
)
て
他國品
(
たこくひん
)
と
競爭
(
きやうさう
)
の
位置
(
ゐち
)
にある
場合
(
ばあひ
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
下落
(
げらく
)
の
爲
(
た
)
めに
日本品
(
にほんひん
)
が
競爭
(
きやうさう
)
に
打
(
う
)
ち
勝
(
か
)
つて
多
(
おほ
)
く
賣
(
う
)
れることは
時々
(
とき/″\
)
經驗
(
けいけん
)
した
處
(
ところ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
また
石器時代
(
せつきじだい
)
の
人
(
ひと
)
も
一度
(
いちど
)
石器
(
せつき
)
が
破損
(
はそん
)
した
場合
(
ばあひ
)
には、たいてい
捨
(
す
)
てゝしまひ、これを
改造
(
かいぞう
)
するようなことはなかつた。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
浮
(
う
)
き
寢
(
ね
)
といふのは、
水鳥
(
みづとり
)
が、
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
で
寢
(
ね
)
ることから
移
(
うつ
)
つて
來
(
き
)
て、
人間
(
にんげん
)
にも、
舟旅
(
ふなたび
)
の
夜泊
(
よどま
)
りの
場合
(
ばあひ
)
に
用
(
もち
)
ひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
斯
(
か
)
ういふ
風
(
ふう
)
に、
何
(
なん
)
ぞ
事故
(
じこ
)
が
出來
(
でき
)
て、
役所
(
やくしよ
)
の
退出
(
ひけ
)
からすぐ
外
(
ほか
)
へ
回
(
まは
)
つて
遲
(
おそ
)
くなる
場合
(
ばあひ
)
には、
何時
(
いつ
)
でも
其
(
その
)
顛末
(
てんまつ
)
の
大略
(
たいりやく
)
を、
歸宅
(
きたく
)
早々
(
さう/\
)
御米
(
およね
)
に
話
(
はな
)
すのを
例
(
れい
)
にしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
點
(
てん
)
において
支那
(
しな
)
はさすがに
徹底
(
てつてい
)
してゐる。
如何
(
いか
)
なる
場合
(
ばあひ
)
にも
姓名
(
せいめい
)
を
轉倒
(
てんたう
)
するやうな
愚
(
ぐ
)
を
演
(
えん
)
じない。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
おつぎは
十八
(
じふはち
)
というても
其
(
そ
)
の
年齡
(
とし
)
に
達
(
たつ
)
したといふばかりで、
恁
(
こ
)
んな
場合
(
ばあひ
)
を
巧
(
たくみ
)
に
繕
(
つく
)
らふといふ
料簡
(
れうけん
)
さへ
苟且
(
かりそめ
)
にも
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ない
程
(
ほど
)
一
面
(
めん
)
に
於
(
おい
)
ては
濁
(
にごり
)
のない
可憐
(
かれん
)
な
少女
(
せうぢよ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
例の
奇癖
(
きへき
)
は
斯
(
かう
)
いふ
場合
(
ばあひ
)
にも
直
(
す
)
ぐ
現
(
あら
)
はれ、若しや
珍石
(
ちんせき
)
ではあるまいかと、
抱
(
だ
)
きかゝへて
陸
(
をか
)
に
上
(
あ
)
げて見ると、
果
(
はた
)
して! 四
面
(
めん
)
玲瓏
(
れいろう
)
、
峯
(
みね
)
秀
(
ひい
)
で
溪
(
たに
)
幽
(
かすか
)
に、
亦
(
また
)
と類なき
奇石
(
きせき
)
であつたので
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
同室
(
どうしつ
)
で
誰
(
だれ
)
かゞ
釦鈕
(
ぼたん
)
を
落
(
おと
)
したとか
匙
(
さじ
)
を
落
(
おと
)
したとか
云
(
い
)
ふ
場合
(
ばあひ
)
には、
彼
(
かれ
)
が
先
(
ま
)
づ
寐臺
(
ねだい
)
から
起
(
おき
)
上
(
あが
)
つて、
取
(
と
)
つて
遣
(
や
)
る。
毎朝
(
まいあさ
)
起
(
おき
)
ると
同室
(
どうしつ
)
の
者等
(
ものら
)
にお
早
(
はや
)
うと
云
(
い
)
ひ、
晩
(
ばん
)
には
又
(
また
)
お
休息
(
やすみ
)
なさいと
挨拶
(
あいさつ
)
もする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大問題
(
だいもんだい
)
と
云
(
い
)
ふのは
確
(
たし
)
かに『
何
(
なに
)
?』と
云
(
い
)
ふことでした。
愛
(
あい
)
ちやんは
自分
(
じぶん
)
の
周圍
(
しうゐ
)
にある
草
(
くさ
)
の
花
(
はな
)
や
葉
(
は
)
を
殘
(
のこ
)
らず
見
(
み
)
ましたが、
此
(
この
)
場合
(
ばあひ
)
食
(
た
)
べたり
飮
(
の
)
んだりして
可
(
い
)
いやうな
適當
(
てきたう
)
の
物
(
もの
)
を
見出
(
みいだ
)
すことが
出來
(
でき
)
ませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
即
(
すなは
)
ち
月
(
つき
)
や
太陽
(
たいよう
)
の
引力
(
いんりよく
)
によつてわが
地球
(
ちきゆう
)
が
受
(
う
)
けるひづみの
分量
(
ぶんりよう
)
は、
地球全體
(
ちきゆうぜんたい
)
が
鋼鐵
(
こうてつ
)
で
出來
(
でき
)
てゐると
假定
(
かてい
)
した
場合
(
ばあひ
)
の
三分
(
さんぶん
)
の
二
(
に
)
しかないのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“場”で始まる語句
場
場所
場末
場処
場面
場数
場内
場中
場裡
場銭