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十八
おつぎは
十八というても
其の
年齡に
達したといふばかりで、
恁んな
場合を
巧に
繕らふといふ
料簡さへ
苟且にも
持つて
居ない
程一
面に
於ては
濁のない
可憐な
少女であつた。
主は
男とも
女とも
人には
見えじと
思ひしげなれど、
乘り
居たるは
三十許の
氣の
利きし
女中風と、
今一人は
十八か、
九には
未だと
思はるゝやうの
病美人、
顏にも
手足にも
血の
氣といふもの
少しもなく