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急
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きふ
ふりがな文庫
“
急
(
きふ
)” の例文
將
(
しやう
)
、
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
くるの
日
(
ひ
)
には
則
(
すなは
)
ち
其家
(
そのいへ
)
を
忘
(
わす
)
れ、
軍
(
ぐん
)
に
臨
(
のぞ
)
んで
約束
(
やくそく
)
すれば
則
(
すなは
)
ち
其親
(
そのしん
)
を
忘
(
わす
)
れ、
(一六)
枹鼓
(
ふこ
)
を
援
(
と
)
ること
急
(
きふ
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
其身
(
そのみ
)
を
忘
(
わす
)
る。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
明
(
あけ
)
しに驚き
偵
(
さす
)
が
旅宿屋
(
やどや
)
の主人だけ
宵
(
よひ
)
に
斷
(
ことわ
)
りもなき客の
急
(
きふ
)
に出立せしは
何
(
いか
)
にも
不審
(
ふしん
)
なりとて彼の座敷を
改
(
あらた
)
めしに
變
(
かは
)
る事も
無
(
なけ
)
れば
隔
(
となり
)
座敷を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
また「絵馬」の「女体」では、神舞を急の位でシテの女神が舞ひ、
神楽
(
かぐら
)
をツレの天女が舞ひ、
急
(
きふ
)
ノ
舞
(
まひ
)
をツレの力神が舞ふことになつたり
演出
(新字旧仮名)
/
野上豊一郎
(著)
それで
他國
(
たこく
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
堂々
(
だう/\
)
たる
小學校
(
せうがくかう
)
に
居
(
ゐ
)
て
急
(
きふ
)
に
其樣
(
そんな
)
見
(
み
)
すぼらしい
學校
(
がくかう
)
に
來
(
き
)
た
僕
(
ぼく
)
は
子供心
(
こどもごころ
)
にも
決
(
けつ
)
して
愉快
(
ゆくわい
)
な
心地
(
こゝち
)
は
爲
(
し
)
なかつたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
には
彼
(
かれ
)
は
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
る。
其上
(
そのうへ
)
懷
(
ふところ
)
に
多少
(
たせう
)
餘裕
(
よゆう
)
でもあると、
是
(
これ
)
で
一
(
ひと
)
つ
豪遊
(
がういう
)
でもして
見樣
(
みやう
)
かと
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
もある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
(
急
(
きふ
)
に
低
(
ひく
)
くなりますから
気
(
き
)
をつけて。こりや
貴僧
(
あなた
)
には
足駄
(
あしだ
)
では
無理
(
むり
)
でございましたか
不知
(
しら
)
、
宜
(
よろ
)
しくば
草履
(
ざうり
)
とお
取交
(
とりか
)
へ
申
(
まを
)
しませう。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『それも
駄目
(
だめ
)
だ』と
心
(
こゝろ
)
秘
(
ひそ
)
かに
思
(
おも
)
つてる
中
(
うち
)
、
愛
(
あい
)
ちやんは
兎
(
うさぎ
)
が
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
へ
來
(
き
)
たのを
知
(
し
)
り、
急
(
きふ
)
に
片手
(
かたて
)
を
伸
(
の
)
ばして
只
(
たゞ
)
當
(
あて
)
もなく
空
(
くう
)
を
掴
(
つか
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しい
事
(
こと
)
でも
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したかのやうに、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かゝ
)
へるなり、
院長
(
ゐんちやう
)
の
方
(
はう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
去
(
い
)
ぬる年、
京
(
みやこ
)
にありつる日、鎌倉の
兵乱
(
ひやうらん
)
を聞き、
九二
御所の
師
(
いくさ
)
潰
(
つひ
)
えしかば、総州に避けて
禦
(
ふせ
)
ぎ給ふ。
管領
(
くわんれい
)
これを責むる事
急
(
きふ
)
なりといふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
カピ長
月曜日
(
げつえうび
)
! はゝア! かうッと、
水曜日
(
すゐえうび
)
はちと
急
(
きふ
)
ぢゃ。
木曜日
(
もくえうび
)
にせう。……
女
(
むすめ
)
に、
木曜日
(
もくえうび
)
には
此
(
この
)
殿
(
との
)
と
祝言
(
しふげん
)
さすると
被言
(
おしゃ
)
れ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『や、や、あの
旗
(
はた
)
は、あの
艦
(
ふね
)
は。』とばかり、
焦眉
(
せうび
)
の
急
(
きふ
)
も
忘
(
わす
)
れて
跳
(
をど
)
り
立
(
た
)
つ、
私
(
わたくし
)
も
急
(
いそ
)
ぎ
其
(
その
)
方
(
ほう
)
に
眼
(
まなこ
)
を
轉
(
てん
)
ぜんとしたが、
時
(
とき
)
既
(
すで
)
に
遲
(
おそ
)
かつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
前年
(
ぜんねん
)
寒
(
さむ
)
さが
急
(
きふ
)
に
襲
(
おそ
)
うた
時
(
とき
)
、
種
(
たね
)
蒔
(
ま
)
く
日
(
ひ
)
が
僅
(
わづか
)
に
二日
(
ふつか
)
の
相違
(
さうゐ
)
で
後
(
おく
)
れた
麥
(
むぎ
)
の
意外
(
いぐわい
)
に
收穫
(
しうくわく
)
の
減少
(
げんせう
)
した
苦
(
にが
)
い
經驗
(
けいけん
)
を
忘
(
わす
)
れ
去
(
さ
)
ることが
出來
(
でき
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
進
(
すす
)
むこと一里半にして
急
(
きふ
)
に
暖気
(
だんき
)
を
感
(
かん
)
ず、
俯視
(
ふし
)
すれば磧礫間
温泉
(
おんせん
)
ありて数ヶ所に
出
(
い
)
づ、衆皆
快
(
くわい
)
と
呼
(
よ
)
ぶ、此処は
字
(
あざ
)
を
湯
(
ゆ
)
の
花
(
はな
)
或は
清水沢
(
しみづさは
)
と称し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
「
何
(
ど
)
うしたんです、
何
(
なに
)
か
急
(
きふ
)
の
御用
(
ごよう
)
ですか」「いや、
改
(
あらた
)
まつてお聞き
申
(
まう
)
したいのだが、お
前
(
まへ
)
は
塩原
(
しほばら
)
といふ
炭問屋
(
すみどんや
)
へ
嫁
(
よめ
)
になつた事が
有
(
あ
)
るさうだ」
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
時
(
とき
)
、
降
(
お
)
りて
來
(
き
)
た
小鳥
(
ことり
)
をびつくりさせるものは、
急
(
きふ
)
に
横合
(
よこあひ
)
から
飛出
(
とびだ
)
す
薄黒
(
うすぐろ
)
いものと、
鷹
(
たか
)
の
羽音
(
はおと
)
でもあるやうなプウ/\
唸
(
うな
)
つて
來
(
く
)
る
音
(
おと
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
山
(
やま
)
全体
(
ぜんたい
)
が
動
(
うご
)
いたやうだつた。
急
(
きふ
)
に
四辺
(
あたり
)
が
薄暗
(
うすくら
)
くなり、
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
けるやうな
冷
(
つめた
)
い
風
(
かぜ
)
の
唸
(
うな
)
りが
起
(
おこ
)
つてきたので、
驚
(
おどろ
)
いたラランは
宙返
(
ちうがへ
)
りしてしまつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
母馬
(
おやうま
)
は
煩
(
うるさ
)
さにがつかりして
歸路
(
きろ
)
につきました。
町
(
まち
)
はづれまでくると、
仔馬
(
こうま
)
は
急
(
きふ
)
に
歩
(
ある
)
きだしました。はやく
家
(
いへ
)
へかへつてお
乳
(
ちゝ
)
をねだらうとおもつて。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
先刻
(
さつき
)
まで
蒼
(
あを
)
かつた
空
(
そら
)
も、
何時
(
いつ
)
とはなし一
面
(
めん
)
に
薄曇
(
うすぐも
)
つて、
其処
(
そこ
)
らが
急
(
きふ
)
に
息苦
(
いきぐる
)
しく、
頭脳
(
あたま
)
は一
層
(
さう
)
圧
(
おし
)
つけられるやうになる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
まち
子
(
こ
)
は、ふと
昔
(
むかし
)
のことを
考
(
かんが
)
へると、なんとなく
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
が
急
(
きふ
)
にいとしいものゝやうに
思
(
おも
)
はれて、そのいとしいものをかい
抱
(
いだ
)
くやうに
身
(
み
)
をすくめた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
寒中
雨雪
(
うせつ
)
に
歩行
(
ありき
)
て
冷
(
ひえ
)
たる人
急
(
きふ
)
に
湯火
(
たうくわ
)
を
用
(
もち
)
ふべからず。
己
(
おのれ
)
が
人熱
(
じんねつ
)
の
温
(
あたゝか
)
ならしむるをまつて用ふべし、
長生
(
ちやうせい
)
の一
術
(
じゆつ
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
下人は、
守宮
(
やもり
)
のやうに足音をぬすんで、やつと
急
(
きふ
)
な梯子を、一番上の段まで這ふやうにして上りつめた。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
前には邦家の
急
(
きふ
)
に當りながら、
後
(
うしろ
)
には人心の赴く
所
(
ところ
)
一ならず、何れ變らぬ亡國の
末路
(
まつろ
)
なりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
その家へ越して来たのは、それから一
週間
(
しうかん
)
もしてからだつた。私はその家が
自分
(
じぶん
)
の家になつてから、初めて良く家の中を
見廻
(
みまは
)
した。すると、私は
急
(
きふ
)
に、「いやだ。」と思つた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
其所らが
急
(
きふ
)
にもや/\と
淡
(
うす
)
い
靄
(
もや
)
でもかゝつたやうになツて畫架
諸共
(
もろとも
)
「自然の力」は、すーツと其の中へ
捲
(
ま
)
き込まれるかと思はれた………
代
(
かは
)
つて眼に映ツたのが裸體になツたお房だ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ある
地方
(
ちはう
)
の
郡立病院
(
ぐんりつびやうゐん
)
に、
長年
(
ながねん
)
看護婦長
(
かんごふちやう
)
をつとめて
居
(
を
)
るもとめは、
今日
(
けふ
)
一
日
(
にち
)
の
時間
(
じかん
)
からはなたれると、
急
(
きふ
)
に
心
(
こゝろ
)
も
體
(
からだ
)
も
弛
(
たる
)
んでしまつたやうな
氣持
(
きも
)
ちで、
暮
(
く
)
れて
行
(
ゆ
)
く
廊下
(
らうか
)
を
靜
(
しづ
)
かに
歩
(
ある
)
いてゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
と
云
(
い
)
ふものは、
碌々
(
ろく/\
)
貝塚
(
かひづか
)
を
發掘
(
はつくつ
)
して
見
(
み
)
もせずに、
直
(
たゞ
)
ちに
地中
(
ちちう
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
知
(
し
)
つた
振
(
ふり
)
をして、
僅少
(
きんせう
)
なる
遺物
(
ゐぶつ
)
を
材料
(
ざいれう
)
に、
堂々
(
だう/\
)
たる
大議論
(
だいぎろん
)
を
並
(
なら
)
べ、
然
(
さ
)
うして
自個
(
じこ
)
の
學説
(
がくせつ
)
を
立
(
た
)
てるのに
急
(
きふ
)
な
人
(
ひと
)
が
無
(
な
)
いでも
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
恐
(
おそれ
)
の
日
(
ひ
)
に
当
(
あた
)
りて、わが
肉
(
にく
)
新
(
あらた
)
なるべし。」
衆
(
みんな
)
の
後
(
あと
)
から、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
赤
(
あか
)
い、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
児
(
こ
)
が
一人
(
ひとり
)
通
(
とほ
)
る。こいつに
眼
(
め
)
を
付
(
つ
)
けて
置
(
お
)
いたのだから、
急
(
きふ
)
に
飛付
(
とびつ
)
いてやつた。この
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い
手
(
て
)
で、その
口
(
くち
)
を
抑
(
おさ
)
へた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
それから四五
年
(
ねん
)
たつた
今日
(
こんにち
)
、
母親
(
はゝおや
)
の
墓
(
はか
)
は
在
(
あ
)
るのか
無
(
な
)
いのかわからないと
思
(
おも
)
ふと、
何
(
なに
)
やら
急
(
きふ
)
に
見定
(
みさだ
)
めて
置
(
お
)
きたい
気
(
き
)
がして、
道子
(
みちこ
)
は
敷
(
し
)
いた
夜具
(
やぐ
)
もそのまゝにして、
飯
(
めし
)
も
食
(
く
)
はず、
明
(
あ
)
けた
窓
(
まど
)
を
閉
(
し
)
めると
共
(
とも
)
に
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
ひんやりした
夜氣
(
やき
)
が
急
(
きふ
)
に
體
(
からだ
)
にぞくぞく
感
(
かん
)
じられて
來
(
き
)
た。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
(五二)
寛
(
くわん
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
名譽
(
めいよ
)
の
人
(
ひと
)
を
寵
(
ちよう
)
し、
急
(
きふ
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
介冑
(
かいちう
)
の
士
(
し
)
を
用
(
もち
)
ふ。
今
(
いま
)
は
養
(
やしな
)
ふ
所
(
ところ
)
は
用
(
もち
)
ふる
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ず、
用
(
もち
)
ふる
所
(
ところ
)
は
養
(
やしな
)
ふ
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ずと。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
其
(
その
)
二尺
(
にしやく
)
程
(
ほど
)
下
(
した
)
の
勾配
(
こうばい
)
の
一番
(
いちばん
)
急
(
きふ
)
な
所
(
ところ
)
に
生
(
は
)
えてゐる
枯草
(
かれくさ
)
が、
妙
(
めう
)
に
摺
(
す
)
り
剥
(
む
)
けて、
赤土
(
あかつち
)
の
肌
(
はだ
)
を
生々
(
なま/\
)
しく
露出
(
ろしゆつ
)
した
樣子
(
やうす
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
は
一寸
(
ちよつと
)
驚
(
おど
)
ろかされた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何故
(
なぜ
)
そう
急
(
きふ
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
したかとの
君
(
きみ
)
の
質問
(
しつもん
)
は
御尤
(
ごもつとも
)
である。
僕
(
ぼく
)
は
不幸
(
ふかう
)
にして
之
(
これ
)
を
君
(
きみ
)
に
白状
(
はくじやう
)
してしまはなければならぬことに
立到
(
たちいた
)
つた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
半町
(
はんちやう
)
ばかり
行
(
ゆ
)
くと、
路
(
みち
)
が
恁
(
か
)
う
急
(
きふ
)
に
高
(
たか
)
くなつて、
上
(
のぼ
)
りが
一
(
いつ
)
ヶ
処
(
しよ
)
、
横
(
よこ
)
から
能
(
よ
)
く
見
(
み
)
えた、
弓形
(
ゆみなり
)
で
宛
(
まる
)
で
土
(
つち
)
で
勅使橋
(
ちよくしばし
)
がかゝつてるやうな。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども
各自
(
てんで
)
に一
時間半
(
じかんはん
)
か
其所
(
そこ
)
いら
走
(
はし
)
り
續
(
つゞ
)
けた
時
(
とき
)
に、
全
(
まつた
)
く
乾
(
かわ
)
いて
了
(
しま
)
ひました、ドード
鳥
(
てう
)
は
急
(
きふ
)
に、『
止
(
や
)
めッ!』と
叫
(
さけ
)
びました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『
實
(
じつ
)
は
先刻
(
せんこく
)
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
つて、
此
(
この
)
兵曹
(
へいそう
)
と
共
(
とも
)
に
遊獵
(
いうれう
)
に
出
(
で
)
たのが、
天幸
(
てんこう
)
にも
君等
(
きみら
)
をお
助
(
たす
)
け
申
(
まう
)
す
事
(
こと
)
になつたのです。』と
言
(
い
)
ひながら、
大空
(
おほぞら
)
を
仰
(
あほ
)
ぎ
見
(
み
)
て。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
洗
(
あら
)
ひ居る者あるに付
能々
(
よく/\
)
見るに同長屋の勘太郎と申者なれば
怪敷
(
あやしく
)
思
(
おも
)
ひながら
空知
(
そしら
)
ぬ
振
(
ふり
)
に罷在し所右の勘太郎
急
(
きふ
)
に二三十兩掛て
造作
(
ざうさく
)
を致し道具を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と、
急
(
きふ
)
に
來
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
ゐんちやう
)
だと
解
(
わか
)
つたので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
はして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
眞赤
(
まつか
)
になつて、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びやうしつ
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つゝた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それは
稻
(
いね
)
の
花
(
はな
)
に
模擬
(
なぞら
)
つたので、
稻
(
いね
)
の
花
(
はな
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
開
(
ひら
)
く
樣
(
やう
)
との
縁起
(
えんぎ
)
であつた。
兼
(
かね
)
博勞
(
ばくらう
)
は
其
(
そ
)
れを
見
(
み
)
て
急
(
きふ
)
に
土間
(
どま
)
へ
下
(
お
)
りて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
雀
(
すずめ
)
はおどろいて、
母
(
かあ
)
さまのところへ
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
きました。
母
(
かあ
)
さまにその
話
(
はなし
)
をして、どうしてあの
小
(
ちひ
)
さな
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
があんなに
急
(
きふ
)
に
大
(
おほ
)
きくなつたのでせうと
尋
(
たづ
)
ねました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、しばらく
物
(
もの
)
をも
云
(
い
)
はずに
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んだやうにしてゐると、
急
(
きふ
)
に
日
(
ひ
)
が
短
(
みぢ
)
かくなつたやうに、
開
(
あ
)
けはなしてある
椽
(
えん
)
の
方
(
はう
)
からうす
暗
(
くら
)
い
影
(
かげ
)
が
見
(
み
)
え
初
(
はじ
)
めるのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
なんだか
急
(
きふ
)
に
池
(
いけ
)
の
中
(
なか
)
がさわがしくなりました。
魚類
(
さかなたち
)
がいつもの
舞踏
(
ダンス
)
をはじめたのです。それをみると、もう
飛立
(
とびた
)
つばかりにうれしくなり、
何
(
なに
)
もかもすつかり
忘
(
わす
)
れて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
綾羅
(
りようら
)
の袂ゆたかに
飜
(
ひるがへ
)
るは花に休める
女蝶
(
めてふ
)
の翼か、
蓮歩
(
れんぽ
)
の
節
(
ふし
)
急
(
きふ
)
なるは
蜻蛉
(
かげろふ
)
の水に點ずるに似たり。折らば落ちん萩の露、
拾
(
ひろ
)
はば消えん
玉篠
(
たまざゝ
)
の、あはれにも亦
婉
(
あで
)
やかなる其の姿。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
ヂュリ あの
光明
(
ひかり
)
は
朝
(
あさ
)
ぢゃない、いえ/\、
朝日
(
あさひ
)
ではないわいの。ありゃ
太陽
(
たいやう
)
がお
前
(
まへ
)
の
爲
(
ため
)
に、
今宵
(
こよひ
)
マンチュアへの
道案内
(
みちしるべ
)
に
炬火持
(
たいまつもち
)
の
役
(
やく
)
さしょとて、
急
(
きふ
)
に
呼出
(
よびだ
)
した
光
(
ひか
)
り
物
(
もの
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
我が
隣駅
(
りんえき
)
関
(
せき
)
といふ
宿
(
しゆく
)
につゞきて
関山
(
せきやま
)
といふ村あり、此村より
魚野
(
うをの
)
川を
渡
(
わた
)
るべき
橋
(
はし
)
あり。流れ
急
(
きふ
)
なれば
僅
(
わづか
)
の
出水
(
でみづ
)
にも橋をながすゆゑ、
仮
(
かり
)
に
造
(
つく
)
りたる橋なれど川
広
(
ひろ
)
ければはしもみじかからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
能の演出を根本的に裏づけるものは
序
(
じよ
)
・
破
(
は
)
・
急
(
きふ
)
の原則である。序は初めの部分で、それをば遅滞しないやうに大まかに進め、見物人の興味を早く主要部の方へ導く方針で運ばせねばならぬ。
演出
(新字旧仮名)
/
野上豊一郎
(著)
私はふと、私のぼんやりしたその
空虚
(
くうきよ
)
な心のなかから、
急
(
きふ
)
に、かうしてゐてもはじまらない、今日
中
(
ぢゆう
)
に家を
見
(
み
)
つけなければ、と思ふあわたゞしい
気持
(
きも
)
ちが、
泡
(
あわ
)
のやうにぽつかりと浮き上つて来た。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
が
完全
(
くわんぜん
)
なる
土器
(
どき
)
の
蓋
(
ふた
)
を
掘出
(
ほりだ
)
して
來
(
き
)
たので、
急
(
きふ
)
に
行
(
ゆ
)
きたい
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
り、三十六
年
(
ねん
)
十二
月
(
ぐわつ
)
十四
日
(
か
)
に、
幻花翁
(
げんくわおう
)
、
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
、
玄川子
(
げんせんし
)
との四
人連
(
にんづれ
)
、
品川
(
しながは
)
から
汽車
(
きしや
)
で
鶴見
(
つるみ
)
、それから一
里弱
(
りじやく
)
、
下末吉村
(
しもすゑよしむら
)
へと
行
(
い
)
つた。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「何うして
急
(
きふ
)
に
舍
(
よ
)
して
了
(
しま
)
ツたのだらう。」
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
韓王
(
かんわう
)
始
(
はじ
)
め
非
(
ひ
)
を
用
(
もち
)
ひず、
急
(
きふ
)
なるに
及
(
およ
)
んで
廼
(
すなは
)
ち
非
(
ひ
)
を
遣
(
や
)
りて
秦
(
しん
)
に
使
(
つか
)
はす。
秦王
(
しんわう
)
之
(
これ
)
を
悦
(
よろこ
)
び、
未
(
いま
)
だ
信用
(
しんよう
)
せず。
李斯
(
りし
)
・
姚賈
(
えうか
)
、
之
(
これ
)
を
害
(
い
)
み
之
(
これ
)
を
毀
(
そし
)
つて
曰
(
いは
)
く
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
内
(
うち
)
のか、
外
(
よそ
)
のか、
重
(
かさ
)
なり
疊
(
たゝ
)
んだ
棟
(
むね
)
がなぞへに、
次第低
(
しだいびく
)
に、
溪流
(
けいりう
)
の
岸
(
きし
)
に
臨
(
のぞ
)
んで、
通廊下
(
かよひらうか
)
が、
屋根
(
やね
)
ながら、
斜違
(
はすか
)
ひに
緩
(
ゆる
)
く
上
(
のぼ
)
り、
又
(
また
)
急
(
きふ
)
に
降
(
お
)
りる。……
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
急
常用漢字
小3
部首:⼼
9画
“急”を含む語句
急遽
性急
急忙
急込
急須
危急
急激
大急
急足
急拵
早急
急流
急立
火急
急々
急歩
急使
急湍
急病
緩急
...