“きふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キフ
語句割合
53.8%
寄附7.5%
5.7%
寄付4.7%
3.8%
肌膚2.8%
季布1.9%
来経1.9%
棋譜1.9%
碁布1.9%
忌怖0.9%
季父0.9%
歸府0.9%
0.9%
來經0.9%
帰府0.9%
棄婦0.9%
棊布0.9%
棊譜0.9%
機婦0.9%
0.9%
0.9%
着古0.9%
着故0.9%
鬼斧0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あけしに驚きさす旅宿屋やどやの主人だけよひことわりもなき客のきふに出立せしはいかにも不審ふしんなりとて彼の座敷をあらためしにかはる事もなければとなり座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
静の菩提ぼだいとむらうために村の西生寺と云う寺へ寄附きふしたが、今はだれの手に渡ったか、寺にもなくなってしまったとのこと。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
僕は維也納ウインナの教室を引上げ、きふを負うて二たび目差すバヴアリアの首府民顕ミユンヘンに行つた。そこで何や彼や未だ苦労の多かつたときに、故郷の山形県金瓶村かなかめむらで僕の父が歿ぼつした。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかし、村人のなかには、戦争せんそうのために、じぶんのむすこをうしなった親たちが、たくさんいました。その親たちのところへ、お金の寄付きふをたのみにいくと、親たちは、ぷんぷんしていうのでした。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
洗晒あらひざらしの伊予絣いよがすり単衣ひとへを着て、白い木綿の兵子帯を締めた貢さんは肩を並べて腰を掛けた。お濱さんは三つ年上としうへで十三に成るが、小学校は病気の為におくれて同じきふだ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
われは慴然せふぜんとして肌膚きふあはを生ずるを覺え、急に舟を呼んで薄赤いろなる古宮殿、獅子を刻める石柱の前を過ぎ、鹹澤かんたくの方に向ひぬ。舟の指すところは即ち所謂岸區リドなりき。
「旅烏ですから、何人だれも力になってくれる者がないのです、曹邱そうきゅう季布きふをたすけたように」
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
なお宣長のりながの「あら玉来経きふる」説、即ち年月の経過するうつという意。久老ひさおいの「たま来経きふる」説。雅澄まさずみの「手纏たまく」説等がある。宇智うちうちと同音だからそう用いた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
りにも名人上手とうたはれた者は年をとつてつまらぬ棋譜きふのこすべきでない——と自重を切ぼうしたといふ。これは或る意味いみ悲壯ひそうな、而もはなはあじはふべきことばだ。
その葦の枯葉が池の中心に向って次第にまばらになって、只枯蓮かれはす襤褸ぼろのような葉、海綿のようなぼう碁布きふせられ、葉や房の茎は、種々の高さに折れて、それが鋭角にそびえて
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
この老史学家は指を神経的にふるわせ、どことなく憂色を湛えていて、明らかに再度の喚問を忌怖きふするの情を示していた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
けれども、チーヘンの『忌怖きふの心理』などを見ると、極度の忌怖感に駆られた際の生理現象として、それに関する数多あまたの実験的研究が挙げられています。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
下条寿仙、名は成玉せいぎよく、字は叔琢しゆくたくである。信濃国筑摩郡松本の城主松平丹波守光行みつゆきの医官になつた。寿仙の弟春泰、名は世簡せいかん、字は季父きふである。横山の事は未だつまびらかにしない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
塩尻峠を越え、三里塩尻駅。堺屋彦兵衛の家に投宿す。下条げでう兄弟迎飲す。(兄名成玉せいぎよく字叔琢あざなはしゆくたく号寿仙じゆせんとがうす、弟名世簡せいかん、字季父きふ号春泰しゆんたいとがうす、松本侯臣、兄弟共泉豊洲門人なり。)
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
以て紀州表きしうおもてへ調方につかはし候ひしが今朝やうや歸府きふ仕つり逐一相糺あひたゞし候處當時八山に旅宿りよしゆく致し居天一坊といふはもと九州浪人らうにん原田嘉傳次と申者のせがれにて幼名えうみやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
守るなよこの三人は予が眼鏡めがねに止りし者なれば屹度きつと御役おやくに立者なり必ず/\此一言をわするゝな次右衞門三五郎等歸府きふなさば此遺言このゆゐごんを申し聞すべしと言又家中一同の者へ其方共予がなきあとは三日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし、月きふの上る見込みこみもなかつたし、ボオナスもるばかりの上に、質屋しちやちかしい友だちからの融通ゆうづうもさうさうきりなしとはかなかつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
で、新婚生活しんこんせいくわつは七十円らずの月きふはじめられたが、もなく女の子が生れた上に、世間的せけんてきな物價騰貴ぶつかとうきで、そのくらしはだん/\くるしくなるばかりだつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
帰府きふされるについて、チトおねがいの筋があるのだが」
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ヂドは色をうしなひて凝立することしばらくなりき。そのさまニオベ(子を射殺されて石に化した女神)の如し。にはかにして渾身の血は湧き立てり。これ最早ヂドならず、戀人なるヂド、棄婦きふなるヂドならず。
独ソノ東ヲ欠ク十二。島嶼とうしょソノ間ニ星羅せいら棊布きふシ皆青松ニおおハル。潮ハ退キ浪ハしずかニシテ鴎鷺おうろ游嬉ゆうきシ、漁歌相答フ。こうトシテ画図ニ入ルガ如シ。既ニシテ舟松島ノ駅ニ達ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
夜の八時頃、一人で棊譜きふを開いて盤上に石を並べている父に、紅茶を運んで行ったときにも、父は二言ふたこと三言みこと瑠璃子に言葉をかけたけれど、書状のことは、何も云わなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
羅綺らき重衣ちょういたるなさけなきを機婦きふねた
七八きふ々として一生をふるもあり。
きふ出して見せな
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
やはり黒木綿の紋付羽織に、兄の紀念かたみとかいう二十年来着古きふるした結城紬ゆうきつむぎの綿入を着たままである。いくら結城紬が丈夫だって、こう着つづけではたまらない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
主人の着故きふるしめく、茶の短い外套がいとうをはおり、はしばしを連翹色れんぎょういろに染めた、薔薇色ばらいろの頸巻をまいて、金モールの抹額もこうをつけた黒帽を眉深まぶかにかぶッていた。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
山ならば神※しんざん鬼斧きふの奥手を尽したる也。昨日層雲峡に入りて、鬼神の楼閣かと思いしも、今日より見れば、まだほんの鬼神の門戸なりし也。
層雲峡より大雪山へ (新字新仮名) / 大町桂月(著)