きふ)” の例文
二人ふたり蓮池はすいけまへとほして、五六きふ石段いしだんのぼつて、その正面しやうめんにあるおほきな伽藍がらん屋根やねあふいだまゝすぐひだりへれた。玄關げんくわんしかゝつたとき宜道ぎだう
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
洗晒あらひざらしの伊予絣いよがすり単衣ひとへを着て、白い木綿の兵子帯を締めた貢さんは肩を並べて腰を掛けた。お濱さんは三つ年上としうへで十三に成るが、小学校は病気の為におくれて同じきふだ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
それにはべつ理由りいうなにも無い、究竟つまり学校が違つてしまつた所から、おたがひ今日こんにちあつて昨日さくじつ明日みやうにちも無い子供心こどもごゝろに、漠然ぼうつわすれてしまつたのです、すると、わたしが二きふつたとき
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
元來ぐわんらい志村しむら自分じぶんよりかとしあにきふも一ねんうへであつたが
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
山田やまだが四きふに入つて来たのです、実に這麼こんな意外なおもひをした事が無い、第二中学にた時はわたしより二きふうへ山田やまだが、予備門よびもんでは二きふしたくみに入つて来たのでせう、わたし何為どうした事かと思ひました、しか
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)