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笈
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きふ
ふりがな文庫
“
笈
(
きふ
)” の例文
私たちが青年期にもつたやうな“
笈
(
きふ
)
を負うて”なんていふ感傷は、滑稽化してゐるにちがひない。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
僕は
維也納
(
ウインナ
)
の教室を引上げ、
笈
(
きふ
)
を負うて二たび目差すバヴアリアの首府
民顕
(
ミユンヘン
)
に行つた。そこで何や彼や未だ苦労の多かつたときに、故郷の山形県
金瓶村
(
かなかめむら
)
で僕の父が
歿
(
ぼつ
)
した。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
山田
(
やまだ
)
と
益
(
ます/\
)
親密
(
しんみつ
)
になるに
就
(
つ
)
けて、
遠方
(
ゑんぱう
)
から通ふのは
不都合
(
ふつがふ
)
であるから、
僕
(
ぼく
)
の
家
(
うち
)
に
寄宿
(
きしゆく
)
しては
奈何
(
どう
)
です、と
山田
(
やまだ
)
が
云
(
い
)
つてくれるから、
願
(
ねが
)
うても無き
幸
(
さいわひ
)
と、
直
(
すぐ
)
に
笈
(
きふ
)
を
負
(
をつ
)
て、
郷関
(
きやうくわん
)
を出た
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其処の村校の尋常科を最優等で卒業した十歳の春、感心にも唯一人
笈
(
きふ
)
をこの不来方城下に負ひ来つて、爾後八星霜といふもの、
夏休暇
(
なつやすみ
)
毎の帰省を除いては、全く此土地で育つた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
言葉の如く庫裡に入りて
笈
(
きふ
)
を卸し、
草鞋
(
わらぢ
)
を脱ぎて板の間に座を占め、寺男の給仕する粟飯を
湯漬
(
ゆづけ
)
にして、したたかに喰ひ終り、さて本堂に入りて持参の蝋燭を奉り、香を焚きて般若心経
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
笈
(
きふ
)
を
負
(
お
)
ふうしろ姿や花のくも
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
笈
漢検準1級
部首:⽵
10画
“笈”を含む語句
笈摺
負笈
書笈
笈埃
笈川
笈埃随筆
笈物
笈川玄智
雲笈七籖
雑笈或問
諸阿笈摩教
荷笈下向
笈負
笈笠
笈沼
笈摺草紙
笈掛岩
万笈堂
笈多
笈吊
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