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擧
>
あ
ふりがな文庫
“
擧
(
あ
)” の例文
新字:
挙
あはれ
新婚
(
しんこん
)
の
式
(
しき
)
を
擧
(
あ
)
げて、
一年
(
ひとゝせ
)
の
衾
(
ふすま
)
暖
(
あたゝ
)
かならず、
戰地
(
せんち
)
に
向
(
むか
)
つて
出立
(
いでた
)
つた
折
(
をり
)
には、
忍
(
しの
)
んで
泣
(
な
)
かなかつたのも、
嬉涙
(
うれしなみだ
)
に
暮
(
く
)
れたのであつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
善
(
よ
)
く
射
(
い
)
る
者
(
もの
)
をして、
(五三)
萬弩
(
ばんど
)
、
道
(
みち
)
を
夾
(
はさ
)
んで
伏
(
ふく
)
せしめ、
(五四)
期
(
き
)
して
曰
(
いは
)
く、『
暮
(
くれ
)
に
火
(
ひ
)
の
擧
(
あ
)
がるを
見
(
み
)
ば
倶
(
とも
)
に
發
(
はつ
)
せよ』
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
『お
絹
(
きぬ
)
さん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げた。お
絹
(
きぬ
)
はにつこり
笑
(
わら
)
つて、さつと
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
めて、
禮
(
れい
)
をした。
人
(
ひと
)
と
車
(
くるま
)
との
間
(
あひだ
)
は
見
(
み
)
る/\
遠
(
とほ
)
ざかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
快活
(
くわいくわつ
)
なる
水兵
(
すいへい
)
の
一群
(
いちぐん
)
は
其
(
その
)
周圍
(
まわり
)
を
取卷
(
とりま
)
いて、『やあ、
可愛
(
かあひ
)
らしい
少年
(
せうねん
)
だ、
乃公
(
おれ
)
にも
借
(
か
)
せ/\。』と
立騷
(
たちさわ
)
ぐ、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
右手
(
めて
)
を
擧
(
あ
)
げて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
證據
(
しようこ
)
には、
婦人雜誌
(
ふじんざつし
)
に
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
る
女學校
(
ぢよがくかう
)
の
校長
(
かうちやう
)
の
説
(
せつ
)
などを
讀
(
よ
)
むと、
色々
(
いろ/\
)
の
本
(
ほん
)
の
名前
(
なまへ
)
を
擧
(
あ
)
げてゐても、ことごとく
尤
(
もつと
)
もらしい
出鱈目
(
でたらめ
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「いや、それは大丈夫だ。——若旦那殺しの下手人を
擧
(
あ
)
げるのも大事だが、俺は今晩中に一萬兩の金を搜し出して見せるよ」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
中
(
うち
)
でも
名高
(
なだか
)
いものには、ドレスデンの
繪畫博物館
(
かいがはくぶつかん
)
、ミュンヘンの
繪畫館
(
かいがかん
)
、
同彫刻館
(
どうちようこくかん
)
などを
擧
(
あ
)
げなくてはなりますまい。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
また數少きも、天使の
糧
(
かて
)
(世の人これによりて生くれど
飽
(
あ
)
くにいたらず)にむかひて
疾
(
と
)
く
項
(
うなじ
)
を
擧
(
あ
)
げし人等よ 一〇—一二
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
象次郎曰ふ、復古は
難
(
かた
)
きに非ず、然れども
門地
(
もんち
)
を
廢
(
はい
)
し、
門閥
(
もんばつ
)
を
罷
(
や
)
め、
賢
(
けん
)
を
擧
(
あ
)
ぐること
方
(
はう
)
なきに非ざれば、則ち不可なりと。二人の本領自ら
見
(
あら
)
はる。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
以上
(
いじやう
)
を
概括
(
がいくわつ
)
して
其
(
その
)
特質
(
とくしつ
)
を
擧
(
あ
)
げると、
神佛
(
しんぶつ
)
は
尊
(
たうと
)
いもの、
幽靈
(
ゆうれい
)
は
凄
(
すご
)
いもの、
化物
(
ばけもの
)
は
可笑
(
おか
)
しなもの、
精靈
(
せいれう
)
は
寧
(
むし
)
ろ
美
(
うつく
)
しいもの、
怪動物
(
くわいどうぶつ
)
は
面白
(
おもしろ
)
いものと
言
(
い
)
ひ
得
(
う
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
この作の
表現形式
(
へうげんけいしき
)
や
構圖
(
こうづ
)
の不統一な事を
擧
(
あ
)
げて、作のテエマの
效果
(
エフエクト
)
が
薄
(
うす
)
いと云ひ、私は作の
構圖
(
こうづ
)
や
形式
(
けいしき
)
に對する
缺點
(
けつてん
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ丈けに、作の内容が
深
(
ふか
)
い
爲
(
た
)
めに
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「
是
(
これ
)
でも
元
(
もと
)
は
子供
(
こども
)
が
有
(
あ
)
つたんだがね」と、さも
自分
(
じぶん
)
で
自分
(
じぶん
)
の
言葉
(
ことば
)
を
味
(
あぢ
)
はつてゐる
風
(
ふう
)
に
付
(
つ
)
け
足
(
た
)
して、
生温
(
なまぬる
)
い
眼
(
め
)
を
擧
(
あ
)
げて
細君
(
さいくん
)
を
見
(
み
)
た。
御米
(
およね
)
はぴたりと
默
(
だま
)
つて
仕舞
(
しま
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どりゃ、
太陽
(
ひ
)
が
其
(
その
)
燃
(
も
)
ゆるやうな
眼
(
まなこ
)
を
擧
(
あ
)
げて
今日
(
けふ
)
の
晝
(
ひる
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、
昨夜
(
さくや
)
の
濕氣
(
しっき
)
を
乾
(
かわか
)
す
前
(
まへ
)
に、
毒
(
どく
)
ある
草
(
くさ
)
や
貴
(
たふと
)
い
液
(
しる
)
を
出
(
だ
)
す
花
(
はな
)
どもを
摘
(
つ
)
んで、
吾等
(
われら
)
の
此
(
この
)
籃
(
かご
)
を一
杯
(
ぱい
)
にせねばならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
周圍
(
しうゐ
)
の
凡
(
すべ
)
てが
杯
(
さかづき
)
を
擧
(
あ
)
げてくれる
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
の
當人同士
(
たうにんどうし
)
を
念頭
(
ねんとう
)
に
浮
(
うか
)
べる
時
(
とき
)
彼等
(
かれら
)
は
淡
(
あは
)
い
嫉妬
(
しつと
)
を
沸
(
わ
)
かさねば
成
(
な
)
らぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もし
手近
(
てぢ
)
かな
例
(
れい
)
が
欲
(
ほ
)
しければ、
小規模
(
しようきぼ
)
ではあるけれども、
浦賀海峽
(
うらがかいきよう
)
の
左右
(
さゆう
)
兩岸
(
りようがん
)
を
擧
(
あ
)
げることが
出來
(
でき
)
る。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
又
(
また
)
日本
(
にほん
)
は
日清
(
につしん
)
日露
(
にちろ
)
の
兩役
(
りやうえき
)
の
時
(
とき
)
の
如
(
ごと
)
く
戰爭
(
せんさう
)
に
於
(
おい
)
ては
擧國
(
きよこく
)
一
致
(
ち
)
の
好成績
(
かうせいせき
)
を
擧
(
あ
)
げて
居
(
を
)
るが、
經濟問題
(
けいざいもんだい
)
の
爲
(
ため
)
に
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
擧國
(
きよこく
)
一
致
(
ち
)
の
好成績
(
こうせいせき
)
を
擧
(
あ
)
げたことは
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
てないのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
それは
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
數多
(
あまた
)
の
畦畝
(
うね
)
になつて
居
(
ゐ
)
ました、
其球
(
そのボール
)
は
生
(
い
)
きた
針鼠
(
はりねずみ
)
、
槌
(
つち
)
は
生
(
い
)
きた
紅鶴
(
べにづる
)
で、それから
兵士等
(
へいしら
)
は二
列
(
れつ
)
になつて、
緑門
(
アーチ
)
を
造
(
つく
)
る
爲
(
ため
)
に
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げ
足
(
あし
)
を
欹
(
そばだ
)
てました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
センチユリー・ヂクシヨナリーに、
形容詞
(
けいようし
)
としてコスモポリタンといふ
言葉
(
ことば
)
の
用例
(
ようれい
)
が
擧
(
あ
)
げてある。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
來年
(
らいねん
)
邊
(
あたり
)
はカフカズへ
出掛
(
でか
)
けやうぢや
有
(
あ
)
りませんか、
乘馬
(
じようば
)
で
以
(
もつ
)
てからに
彼方此方
(
あちこち
)
を
驅廻
(
かけまは
)
りませう。
而
(
さう
)
してカフカズから
歸
(
かへ
)
つたら、
此度
(
こんど
)
は
結婚
(
けつこん
)
の
祝宴
(
しゆくえん
)
でも
擧
(
あ
)
げるやうになりませう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一事を
擧
(
あ
)
げて之を日本人及びアイヌの
所業
(
しよげふ
)
に照らし、一物を
採
(
と
)
つて之を日本人及びアイヌの
製品
(
せいひん
)
に
比
(
ひ
)
し、論斷を下すが如きは、
畫報
(
ぐわはう
)
の
記事
(
きじ
)
として不適當なるの感無きに非ざれば
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
思ひ胸に迫りて、
吁々
(
あゝ
)
と
吐
(
は
)
く
太息
(
といき
)
に覺えず我れに
還
(
かへ
)
りて
首
(
かうべ
)
を
擧
(
あ
)
ぐれば日は
半
(
なかば
)
西山
(
せいざん
)
に入りて、峰の松影色黒み、
落葉
(
おちば
)
を
誘
(
さそ
)
ふ谷の嵐、夕ぐれ寒く身に
浸
(
し
)
みて、ばら/\と顏打つものは露か
時雨
(
しぐれ
)
か。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
その
趣味
(
しゆみ
)
の
澁
(
しぶ
)
い
例
(
れい
)
を
擧
(
あ
)
げると、
三上
(
みかみ
)
がその
著名
(
ちよめい
)
なる
東京市内出沒行脚
(
とうきやうしないしゆつぼつあんぎや
)
をやつて、
二十日
(
はつか
)
も
歸
(
かへ
)
つて
來
(
こ
)
ないと
時雨
(
しぐれ
)
さんは、
薄暗
(
うすぐら
)
い
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
で
端座
(
たんざ
)
して、たゞ
一人
(
ひとり
)
双手
(
もろて
)
に
香爐
(
かうろ
)
を
捧
(
さゝ
)
げて、
香
(
かう
)
を
聞
(
き
)
いてゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
片折戸
(
かたをりど
)
を
靜
(
しづ
)
かに
音
(
おと
)
なふは
聞
(
きゝ
)
なれし
聲音
(
こはね
)
なり、いと
子
(
こ
)
厨
(
くりや
)
のかたに
聲
(
こゑ
)
をかけて、
玉
(
たま
)
よ
雪三
(
せつざう
)
が
參
(
まゐ
)
りたりと
覺
(
おぼゆ
)
るに、
燈火
(
ともしび
)
とくと
命令
(
いひつけ
)
ながら、ツト
立
(
たち
)
て
門
(
かど
)
の
方
(
かた
)
うち
見
(
み
)
やりしが、
闇
(
やみ
)
にもしるき
白
(
しろ
)
き
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げて
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
擧
(
あ
)
ぐるは
玻瓈
(
はり
)
の
盞
(
さかづき
)
、それのみかは
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
草
(
くさ
)
は
靡
(
なび
)
きぬ
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げて
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
見
(
み
)
よ、
頭
(
かしら
)
なき
其
(
そ
)
の
骸
(
むくろ
)
、
金鎧
(
きんがい
)
一縮
(
いつしゆく
)
して
戟
(
ほこ
)
を
横
(
よこた
)
へ、
片手
(
かたて
)
を
擧
(
あ
)
げつゝ
馬
(
うま
)
に
跨
(
またが
)
り、
砂煙
(
すなけむり
)
を
拂
(
はら
)
つてトツ/\と
陣
(
ぢん
)
に
還
(
かへ
)
る。
陣中
(
ぢんちう
)
豈
(
あに
)
驚
(
おどろ
)
かざらんや。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『これが、
私
(
わたくし
)
の
秘密
(
ひみつ
)
に
製造
(
せいざう
)
しつゝある、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
です。』と、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
徐
(
おもむ
)
ろに
右手
(
ゆんで
)
を
擧
(
あ
)
げて、
其
(
その
)
船體
(
せんたい
)
を
指
(
ゆびざ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
されば我は、わがはや誤らず疑はざるを自白せんため、物言はんとてほどよく
頭
(
かうべ
)
を
擧
(
あ
)
げしかど 四—六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
例
(
たと
)
へば、
平安京
(
へいあんけう
)
の
大内裡
(
だいないり
)
の十二
門
(
もん
)
の
名
(
な
)
の
如
(
ごと
)
きで、その二三を
擧
(
あ
)
ぐればミブ
門
(
もん
)
、ヤマ
門
(
もん
)
、タケ
門
(
もん
)
は、
美福門
(
みぶもん
)
、
陽明門
(
やまもん
)
、
待賢門
(
たけもん
)
と
書
(
か
)
かれて、つひにビフク
門
(
もん
)
、ヨーメイ
門
(
もん
)
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
反
(
かへ
)
つて
(四八)
浮淫
(
ふいん
)
の
蠧
(
と
)
を
擧
(
あ
)
げて・
之
(
これ
)
を
(四九)
功實
(
こうじつ
)
の
上
(
うへ
)
に
加
(
くは
)
ふるを
疾
(
うれ
)
へ、
以爲
(
おも
)
へらく、
(五〇)
儒者
(
じゆしや
)
は
文
(
ぶん
)
を
用
(
もつ
)
て
法
(
はふ
)
を
亂
(
みだ
)
し、
而
(
しかう
)
して
(五一)
侠者
(
けふしや
)
は
武
(
ぶ
)
を
以
(
もつ
)
て
禁
(
きん
)
を
犯
(
をか
)
す。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
ロンドン
以外
(
いがい
)
では、スコットランドのエヂンバラを
始
(
はじ
)
めイギリスの
大都市
(
だいとし
)
、
地方
(
ちほう
)
の
町
(
まち
)
や
村
(
むら
)
にある
博物館
(
はくぶつかん
)
を
一
(
ひと
)
つ/\
數
(
かぞ
)
へ
擧
(
あ
)
ぐるならば
數百
(
すうひやく
)
にも
達
(
たつ
)
するくらゐであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
あの時は、お越を
擧
(
あ
)
げようかと思つたが、どうも證擔がアヤフヤだ。
附木
(
つけぎ
)
に書いた下手な字も、お越は全くの
明文盲
(
あきめくら
)
のふりをして居たので、手のつけやうがなかつた。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此外
(
このほか
)
に
幅
(
はゞ
)
僅
(
わづか
)
に
一二寸程
(
いちにすんほど
)
の
地割
(
ぢわ
)
れが
開閉
(
かいへい
)
したことを
記
(
しる
)
したものはないでもないが、それも
餘計
(
よけい
)
はない。
一例
(
いちれい
)
を
擧
(
あ
)
げるならば、
西暦
(
せいれき
)
千八百三十五年
(
せんはつぴやくさんじゆうごねん
)
の
南米
(
なんべい
)
チリ
地震
(
ぢしん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
彼等
(
かれら
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
廣
(
ひろ
)
さを
失
(
うし
)
なふと
同時
(
どうじ
)
に、
深
(
ふか
)
さを
増
(
ま
)
して
來
(
き
)
た。
彼等
(
かれら
)
は六
年
(
ねん
)
の
間
(
あひだ
)
世間
(
せけん
)
に
散漫
(
さんまん
)
な
交渉
(
かうせふ
)
を
求
(
もと
)
めなかつた
代
(
かは
)
りに、
同
(
おな
)
じ六
年
(
ねん
)
の
歳月
(
さいげつ
)
を
擧
(
あ
)
げて、
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を堀ほ》り
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが
汽車
(
きしや
)
の
通
(
とほ
)
るのを
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
ながら、一
齊
(
せい
)
に
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げるが
早
(
はや
)
いか、いたいけな
喉
(
のど
)
を
高
(
たか
)
く
反
(
そ
)
らせて、
何
(
なん
)
とも
意味
(
いみ
)
の
分
(
わか
)
らない
喊聲
(
かんせい
)
を一
生
(
しやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
迸
(
ほとばし
)
らせた。するとその
瞬間
(
しゆんかん
)
である。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
種
(
たね
)
とか——
擧
(
あ
)
げ
來
(
きた
)
れば
山程
(
やまほど
)
ある——お
前
(
まへ
)
は
其麽
(
そんな
)
物
(
もの
)
が
畫
(
ゑ
)
に
描
(
か
)
かれたのを
見
(
み
)
たことがあるか?
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
霜解
(
しもどけ
)
の
庭
(
には
)
を
掻
(
か
)
き
立
(
た
)
てゝ
居
(
ゐ
)
た
鷄
(
とり
)
がくるりと
指
(
ゆび
)
を
捲
(
ま
)
いては
足
(
あし
)
を
擧
(
あ
)
げて
驚
(
おどろ
)
いた
樣
(
やう
)
に
周圍
(
あたり
)
を
見
(
み
)
て
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
過去
(
くわこ
)
六
箇月
(
かげつ
)
間
(
かん
)
に
國民
(
こくみん
)
が一
致
(
ち
)
協力
(
けふりよく
)
して
國民經濟
(
こくみんけいざい
)
の
立直
(
たてなほし
)
に
努力
(
どりよく
)
して、
從來
(
じうらい
)
見
(
み
)
ることの
出來
(
でき
)
なかつた
成績
(
せいせき
)
を
擧
(
あ
)
げたことから
推論
(
すゐろん
)
すれば、
必
(
かなら
)
ずや
日本國
(
にほんこく
)
の
經濟
(
けいざい
)
の
基礎
(
きそ
)
を
打立
(
うちた
)
てゝ、
國民
(
こくみん
)
の
繁榮
(
はんえい
)
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
それも亡くなられるほんの三四ヶ月前に万世
橋
(
はし
)
のミカドホテルの
球突塲
(
たまつきば
)
で一
戰
(
せん
)
を
試
(
こゝろ
)
みたのだつたが、持
點
(
てん
)
も前に
擧
(
あ
)
げた人
達
(
たち
)
よりも
聊
(
いさゝ
)
か
群
(
ぐん
)
をぬいた六十
點
(
てん
)
で、その
突
(
つ
)
き
振
(
ふり
)
たるや
快活
(
くわいくわつ
)
奔放
(
ほんほう
)
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
足下
(
こなた
)
が
予程
(
わしほど
)
に
齡
(
とし
)
が
若
(
わか
)
うて、あのヂュリエットが
戀人
(
こひびと
)
で、
婚禮
(
こんれい
)
の
式
(
しき
)
を
擧
(
あ
)
げて
只
(
たんだ
)
一
時
(
とき
)
も
經
(
た
)
たぬうちにチッバルトをば
殺
(
ころ
)
して、
予
(
わし
)
のやうに
戀
(
こ
)
ひ
焦
(
こが
)
れ、
予
(
わし
)
のやうにあさましう
追放
(
つゐはう
)
された
上
(
うへ
)
でなら
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
A ヤア、
君
(
きみ
)
も
女
(
をんな
)
の
事
(
こと
)
になると、
大
(
だい
)
ぶん
精密
(
せいみつ
)
な
數字
(
すうじ
)
を
擧
(
あ
)
げてくるね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「
貴方
(
あなた
)
、お
手
(
て
)
をお
擧
(
あ
)
げ
下
(
くだ
)
さい。
家内
(
かない
)
とは
一方
(
ひとかた
)
ならぬ。」と
云
(
い
)
ひかけて
厭
(
いや
)
な
顏
(
かほ
)
もしないが、
婦
(
をんな
)
と
兩方
(
りやうはう
)
を
見較
(
みくら
)
べながら
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
日出雄
(
ひでを
)
や、お
前
(
まへ
)
は
今
(
いま
)
此
(
この
)
災難
(
さいなん
)
に
遭
(
あ
)
つても、ネープルスで
袂別
(
わかれ
)
の
時
(
とき
)
に
父君
(
おとつさん
)
の
仰
(
お
)
つしやつたお
言葉
(
ことば
)
を
忘
(
わす
)
れはしますまいねえ。』と
言
(
い
)
へば、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
此時
(
このとき
)
凛乎
(
りんこ
)
たる
面
(
かほ
)
を
擧
(
あ
)
げ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
試
(
こゝろ
)
みに
世界
(
せかい
)
に
於
(
おい
)
て
名
(
な
)
ある
活火山
(
かつかざん
)
を
擧
(
あ
)
げてみるならば、
南米
(
なんべい
)
エクワドル
國
(
こく
)
に
於
(
おけ
)
るコトパクシ(
高
(
たか
)
さ
五千九百四十三米
(
ごせんくひやくしじゆうさんめーとる
)
)は、
圓錐形
(
えんすいけい
)
の
偉大
(
いだい
)
な
山
(
やま
)
であるが、
噴火
(
ふんか
)
の
勢力
(
せいりよく
)
も
亦
(
また
)
偉大
(
いだい
)
で
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
博物館
(
はくぶつかん
)
の
優劣
(
ゆうれつ
)
をきめることは
餘程
(
よほど
)
困難
(
こんなん
)
ですが、なんといつてもヨーロッパにおいて
有名
(
ゆうめい
)
な
博物館
(
はくぶつかん
)
は、まづ
第一
(
だいゝち
)
にイギリスのロンドンにある
大英博物館
(
だいえいはくぶつかん
)
を
擧
(
あ
)
げなければなりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
暮色
(
ぼしよく
)
を
帶
(
お
)
びた
町
(
まち
)
はづれの
踏切
(
ふみき
)
りと、
小鳥
(
ことり
)
のやうに
聲
(
こえ
)
を
擧
(
あ
)
げた三
人
(
にん
)
の
子供
(
こども
)
たちと、さうしてその
上
(
うへ
)
に
亂落
(
らんらく
)
する
鮮
(
あざやか
)
な
蜜柑
(
みかん
)
の
色
(
いろ
)
と——すべては
汽車
(
きしや
)
の
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
に、
瞬
(
またた
)
く
暇
(
ひま
)
もなく
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
正式
(
せいしき
)
の
通知
(
つうち
)
が
來
(
こ
)
ないので、
何時
(
いつ
)
纏
(
まとま
)
つたか、
宗助
(
そうすけ
)
は
丸
(
まる
)
で
知
(
し
)
らなかつたが、たゞ
折々
(
をり/\
)
佐伯
(
さへき
)
へ
行
(
い
)
つては、
何
(
なに
)
か
聞
(
き
)
いて
來
(
く
)
る
小六
(
ころく
)
を
通
(
つう
)
じてのみ、
彼
(
かれ
)
は
年内
(
ねんない
)
に
式
(
しき
)
を
擧
(
あ
)
げる
筈
(
はず
)
の
新夫婦
(
しんふうふ
)
を
豫想
(
よさう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
午餐過
(
ひるすぎ
)
からおつぎは
縫針
(
ぬひばり
)
へ
絲
(
いと
)
を
透
(
とほ
)
して
竿
(
さを
)
へ
附
(
つ
)
けて
與吉
(
よきち
)
に
持
(
も
)
たせた。
與吉
(
よきち
)
は
外
(
ほか
)
の
子供
(
こども
)
のするやうに
其
(
そ
)
の
針
(
はり
)
を
擧
(
あ
)
げて
見
(
み
)
ては
又
(
また
)
水
(
みづ
)
へ
投
(
な
)
げて
大人
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
る。
暫
(
しばら
)
く
時間
(
じかん
)
が
經
(
た
)
つと
又
(
また
)
姉
(
ねえ
)
ようと
喚
(
よ
)
ぶ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「金澤町の越後屋から、養子の金次郎を
擧
(
あ
)
げて行つた野郎がある相ですよ」
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
解禁
(
かいきん
)
の
確定
(
かくてい
)
した
今日
(
こんにち
)
に
於
(
おい
)
ては
日本
(
にほん
)
の
貨幣價値
(
くわへいかち
)
は
元
(
もと
)
に
復
(
ふく
)
して百
圓
(
ゑん
)
の
貨幣
(
くわへい
)
は百
圓
(
ゑん
)
に
通用
(
つうよう
)
するやうになつて
前
(
まへ
)
に
例
(
れい
)
に
擧
(
あ
)
げた一ヤール五
圓
(
ゑん
)
五十五
錢
(
せん
)
の
輸入
(
ゆにふ
)
の
羅紗
(
ラシヤ
)
は五
圓
(
ゑん
)
で
買
(
か
)
へるやうになつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
擧
部首:⼿
17画
“擧”を含む語句
擧動
擧止
輕擧
擧行
擧句
擧措
擧手
普通選擧
擧揚
擧止優雅
擧羽
擧體
擧家
枚擧
檢擧
科擧
立擧動
總選擧
輕擧給
選擧權
...