“片折戸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたおりど50.0%
かたをりど50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうかのう、実は、うそかまことか、嵯峨のあたりに片折戸かたおりどした家にしのびかくれているという話なのじゃ、主人の名はわからぬが、そなた一つ尋ね探しては来てくれぬか?」
音無川おとなしがわを——現今いまでは汚れた溝川になっているが——前にした、静かな往来にむかって、百姓の角に、竹で網んだ片折戸かたおりどをもった、粗末ではあるが閑寂かんじゃくな小屋に、湯川氏のおばあさんが
せばらく片折戸かたをりど香月かうづきそのと女名をんなヽまへの表札ひようさつかけて折々をり/\もるヽことのしのび軒端のきばうめうぐひすはづかしき美音びおんをばはる月夜つきよのおぼろげにくばかり
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
片折戸かたをりどしづかにおとなふはきゝなれし聲音こはねなり、いとくりやのかたにこゑをかけて、たま雪三せつざうまゐりたりとおぼゆるに、燈火ともしびとくと命令いひつけながら、ツトたちかどかたうちやりしが、やみにもしるきしろげて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)