片折戸かたおりど)” の例文
「そうかのう、実は、うそかまことか、嵯峨のあたりに片折戸かたおりどした家にしのびかくれているという話なのじゃ、主人の名はわからぬが、そなた一つ尋ね探しては来てくれぬか?」
音無川おとなしがわを——現今いまでは汚れた溝川になっているが——前にした、静かな往来にむかって、百姓の角に、竹で網んだ片折戸かたおりどをもった、粗末ではあるが閑寂かんじゃくな小屋に、湯川氏のおばあさんが