かは)” の例文
うつくしいてて、たまのやうなこいしをおもしに、けものかはしろさらされたのがひたしてある山川やまがは沿うてくと、やまおくにまたやまがあつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あいちやんは心配しんぱいさうに木々きゞあひだのぞまはつてゐましたが、やが其頭そのあたま眞上まうへにあつたちひさなとがつたかはに、ひよいときました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
足袋たび穿かぬあしかふさめかはのやうにばり/\とひゞだらけにつてる。かれはまだらぬ茶釜ちやがまんでしきりにめし掻込かつこんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
……かはあたり大溝おほどぶで、どろたかく、みづほそい。あまつさへ、棒切ぼうぎれたけかはなどが、ぐしや/\とつかへて、空屋あきやまへ殊更ことさらながれよどむ。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此次このつぎ座敷ざしきはきたなくつてせまうございますが、蒲団ふとんかはへたばかりでまだあかもたんときませんから、ゆつくりお休みなさいまし
かはかたうして素人しろうとの手に刻まれねば、給仕を頼みて切りて貰ひ、片隅に割拠かつきよし、食ひつゝ四方を見るに、丸髷まるまげの夫人大口開いて焼鳥を召し
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
ちょうどみなさんが遠足えんそくくときにもちひる水筒すいとうおなじものでありますが、これははじめはけだものかはつくつた水袋みづぶくろからそのかたちたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
わたし是非ぜひ怠惰屋なまけやになるのだ、是非ぜひなるのだ』と言張いひはつてかない。さくらかはくどころか、いへすみはうへすつこんでしまつて茫然ぼんやりして居る。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
まづしい店前みせさきにはおほがめかふわに剥製はくせい不恰好ぶかっかううをかはつるして、周圍まはりたなには空箱からばこ緑色りょくしょくつちつぼおよ膀胱ばうくわうびた種子たね使つかのこりの結繩ゆはへなは
にぶる時はたくはへたるをもつてみづからぐ。此道具だうぐけものかはを以てさやとなす。此者ら春にもかぎらず冬より山に入るをりもあり。
うですあつたかいうちに」と主人しゆじんつたので、宗助そうすけはじめてこの饅頭まんぢゆうしてもないあたらしさにいた。めづらしさうに黄色きいろかはながめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やまにはおほきな檜木ひのきはやしもありますから、そのあつ檜木ひのきかはいたのかはりにして、小屋こや屋根やねなぞをくこともありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それといふのも、若葉わかば外部がいぶ丈夫じようぶかはもなく、しつやはらかよわいので、つよ日光につこうにあたるのをきらひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
仕事しごとたのむのなにうしたとかうるさく這入込はいりこんではまへだれの半襟はんえりおびかはのと附屆つけとゞけをして御機嫌ごきげんつてはるけれど、つひしかよろこんだ挨拶あいさつをしたこと
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
せぬ故に果してばけかはあらはしいま捕押とりおさへたるはよき氣味なりと咄すを聞て家内の者共然樣さやうの御連にてありしか何にしても不屆なやつひきずり出してたゝきのめせと立騷たちさわぐを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
干飯ほしいひ古酒こしゆ一筒ひとづつ、ちまき、あうざし(青麩あをふ)、たかんな(筍)方々かた/″\の物送りたまふて候。草にさける花、木のかはかうとしてほとけに奉る人、靈鷲山れいしうざんへ參らざるはなし。
彼等はいづれもまなこ窪みて光なく、顏あをざめ、そのかは骨の形をあらはすほどに痩せゐたり 二二—二四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
見返みかへると、くろ黄色きいろしまのある大柄おほがらはちで、一たかあがつたのがまたたけ根元ねもとりてた。と、地面ぢべたから一しやくほどのたかさのたけかはあひだ蜘蛛くも死骸しがいはさんである。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
裁縫 コロボツクルが衣服を作るにはかはにも有れ布にも有れ適宜の大さ適宜てきぎの形に切りて之をひ合はせし事勿論なり。筒袖と云ひ股引と云ひ一續きに作るを得べきものに非ず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
あるひなはをなつたようなかたちともなり、またさいかはるようにおほきなひだつくることもある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ながれてごみなか西瓜すゐくわかは古下駄ふるげたいてゐるのまでがよく見分みわけられる。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
一人ひとりかみの二三ずんびたあたまして、あしには草履ざうり穿いてゐる。いま一人ひとりかはんだばうかぶつて、あしには木履ぽくり穿いてゐる。どちらもせてすぼらしい小男こをとこで、豐干ぶかんのやうな大男おほをとこではない。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
うすいあまかはに包まれたままでわづかにいきをふいてゐる。
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
太郎「だつてかはあなからなんだかあかしるるんだもの」
とらかはふんどしか何んか落ちて居たのか」
きよに、千羊せんやうかは
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
をどつてうたうてかつしたのど其處そこうりつくつてあるのをればひそかうり西瓜すゐくわぬすんで路傍みちばたくさなかつたかはてゝくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この至情しゞやうをあざけるひとは、百萬年まんねんも千萬年まんねんきるがい、御氣おきどくながら地球ちきうかはたちま諸君しよくんむべくつてる、あわのかたまり先生せんせい諸君しよくん
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それをへば紫蘇しそあぢがして、チユー/\ふうちに、だん/\たけのこかはあかそまつてるのもうれしいものでした。このおひなむら髮結かみゆひむすめでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
心に目しるしをして家にかへりおやにもかたりてよろこばせ、次のあしたかははぐべき用意をなしてかしこにいたりしにきもは常にばいして大なりしゆゑ
現在げんざい野蠻人やばんじんなどが、これとおなじような器物きぶつ使つかつてゐるところからかんがへますと、この石匙いしさじけだものかはぐために使用しようしたものに相違そういありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
近頃代助はもとよりも誠太郎がきになつた。ほか人間にんげんはなしてゐると、人間にんげんかははなす様で歯痒はがゆくつてならなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はなしべつにある……色仕掛いろじかけで、あはれなむすめかはいだ元二げんじやつあはせに一まいづゝおびへて質入しちいれにして、にぎつた金子きんすとしてある。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かはやぶれ、にくたゞれて、膿汁うみしるのやうなものが、どろ/\してゐた。内臟ないざうはまるで松魚かつを酒盜しほからごとく、まはされて、ぽかんといた脇腹わきばら創口きずぐちからながしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さう惡樣あしさまに云なすとは何云どういふ貴妹おまへのお心やらシテ又今のおこたへでは假令たとへ此後母樣が死給しにたまふ共かまはぬとか私の爲には義理ある姑女しうとめ貴妹おまへの爲には實の母樣假令何でも人間のかは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
藥草類やくさうるゐってをったが、かほ痩枯やせがれ、眉毛まゆげおほかぶさり、するどひんけづられて、のこったはほねかは
是等を調査ちやうさすれば種々の平打ち紐の有りし事を認むべし。其原料げんれうは植物のかはなるが如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
幼馴染おさなゝじみつま美尾みをといふがらにあはせて高品かうひんうつくしきそのとし十七ばかりなりしをてんにもにも二つなきものさゝちて、役處やくしよがへりのたけかはひとにはしたゝれるほどしめつぽき姿すがた後指うしろゆびさゝれながら
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こんなに樹木じゆもくでもおたがひにとつていろ/\なやくつことをおりになつたら、みなさんもみちばたにあそんでる子供こどもがなみかはいたり、えだつたりしてゐるのをられたらすぐにかせて
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
心に目しるしをして家にかへりおやにもかたりてよろこばせ、次のあしたかははぐべき用意をなしてかしこにいたりしにきもは常にばいして大なりしゆゑ
燒趾やけあとはひから青銅せいどうのやうにかはつた銅貨どうくわはぽつ/\とけたかはのこしてあざやかな地質ぢしつけてた。かれはそれをちかづけてしばら凝然ぢつ見入みいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さくらかはむかされては大變たいへんと、兒童こども早速さつそく親父おやぢとほりになつてその翌日よくじつから平常いつもごと學校がくかうふううちた。けれどもけつして學校がくかうにはかない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わらんだむしろいてある爐邊ろばたで、數衛かずゑのこしらへてれた味噌汁おみおつけはお茄子なすかはもむかずにれてありました。たゞそれが輪切わぎりにしてありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なににしてもおそろしいいまえだにはひるつてるのであらうとあまりことおもつて振返ふりかへると、見返みかへつたなんえだらず矢張やツぱりいくツといふこともないひるかはぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はしらまる材木もくざいをそのまゝ、あるひはかはをむいてもちひ、はしらしたにはいしずゑもない、掘立ほつた小屋ごやといふふうなものであつたので、今日こんにちそのあとはなにものこつてをりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
元来先生がいへさがすなんて間違まちがつてゐる。決してさがした事のない男なんだが、昨日きのふはどうかしてゐたに違ない。御蔭で佐竹のやしきひどい目にしかられてつらかはだ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すこしもはや此樣このやう古洋服ふるやうふくにお辨當べんたうさげることをやめて、みちくにひとふりかへるほど立派りつぱのおひとつてくだされ、わたしたけかはづゝみつてくださる眞實しんじつらば、お役處やくしよがへりに夜學やがくなりなんなりして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よくこそ心掛給ひしといた賞美しやうびなし外々にて才覺致候はんと申ければ隱居は暫く考へ脊負葛籠せおひつゞら一ツ取出し中より猩々緋しやう/″\ひとらかは古渡こわたりのにしき金襴きんらんたん掛茶入かけちやいれ又は秋廣あきひろの短刀五本骨ほんぼねあふぎの三處拵ところごしらへの香箱かうばこ名香めいかう品々しな/″\其外金銀の小道具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
怠惰屋なまけやなぞになられてたまるものか、學校がくかうくのがいやならさくらかはむかすがいか、サア如何どうこのおほたわけめ!
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
くるま踏切ふみきりを、かはづこゑうへした。一昨日おととひとほしたあめのなごりも、うすかはまいつたやうにみちかはいた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)