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以來
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いらい
震災以來の
東京は
梅園や
松村以外には「しるこ」
屋らしい「しるこ」
屋は
跡を
絶つてしまつた。その
代りにどこもカツフエだらけである。
シユウとあわが
立つて、
黒いしるの
溢れ
出るのを
匙でかきまはす
代ものである。
以來、ひこつの
名古屋通を、(
角はま)と
言ふのである。
宗助と
一所になつて
以來、
御米の
毎日膳を
共にしたものは、
夫より
外になかつた。
夫の
留守の
時は、たゞ
獨り
箸を
執るのが
多年の
習慣であつた。
おどろいたのは
御亭主でした。
大變なことになつたものです。
天地が、ひつくりかえつたやうです。そんな
日がそれ
以來、
幾日も
幾日も
續きました。
一私し
共兩人儀は
先主嘉川平助
以來より
勤仕罷在候處
當主主税之助
養子に參られ候後平助儀藤五郎藤三郎の二
子を
それはもとより
噂だけにとゞまつたが、それ
以來、
當分は
芝居を
觀ながら
煙草を
吸ふものが
殆んどなくなつた。
さて
鴨緑江をわたり
北の
方へ
行きますと、
支那の
領地の
南滿洲でありますが、こゝは
日清戰爭、
日露戰爭などがあつて
以來、
日本と
縁の
深い
土地であります。
初秋の
洪水以來河の
中央には
大きな
洲が
堆積されたので、
船は
其の
周圍を
偃うて
遠く
彎曲を
描かねば
成らぬ。
奇麗な
花でしたけれどもゝう
萎れて
仕舞ました、
貴君にはあれから
以來御目にかゝらぬでは
御座んせぬか、
何故逢ひに
來て
下さらないの、
何故歸つて
來て
下さらぬの
然るに
第二の
方面に
於ては、
歐洲特にドイツ
邊に
優秀な
學者が
多く
現れ、
近年わが
國は
此點について
彼に
一歩を
讓つてゐたかの
感があつたが、
大正十二年關東大地震以來
かういふ
味ひは、
祖先以來與へられてゐる
大事なものだから、それを
失はないようにするのが、われ/\の
務めといふよりも、われ/\の
喜びと
感じなくてはなりません。
昔は
苗字は
武士階級以上に
限られたが、
維新以來百
姓町人總て
苗字を
許されたので、
種々雜多な
苗字が
出現し、
苗字を
氏とも
姓とも
呼ぶ
事になつて
今日にいたつたのである。
貝塚を
掘りながら、
珈琲を
飮むなんて、ドロボツクル
始まつて
以來の
贅澤だと
大笑ひ。
森林は
洪水の
害を
防ぎ、
河の
水を
不斷に
絶えず
流し、
水田をもからさないといふ
點で、
土地を
安全に
保つてくれる
效用があることがわかつて
來たので、
以來はじめて
森林を
保護して
育てるようになり
それ
以來、
片山の
消息は
知れなくなつた。
時に——
今渡つた
橋である——
私は
土産に
繪葉がきを
貰つて、
此の
寫眞を
視て、
十綱橋とあるのを、
喜多八以來の
早合點で、
十網橋だと
思つた。
我國に
於て
大正六
年九
月十二
日に
金の
輸出禁止を
實行して
以來十三
年の
間金の
輸出禁止が
日本の
經濟界に
與へた
惡影響は
可なり
大なるものであつて
けれども、
小六がさう
感じ
出したのは、つい
近頃の
事で、
實を
云ふと、
佐伯との
交渉が
始まつて
以來の
話である。
けれど
今日に
於ては、
海賊も
餘程狡猾になつて、かゝる
手段に
出づる
事は
稀で、
加ふるに
海底潜水器の
發明があつて
以來、
海賊船は
多く
其發明を
應用して
さて
人間は
下等動物からだん/″\
進化して
來たものであつて、われ/\は
猿と
同じ
祖先から
生れて
來たものであらうといふことは、ダアウヰンが
進化論を
唱へて
以來
好まざるにより
強てと申譯もなしと云ふに亭主は大いに
悦びて
早々彌助をよび我等より
御客さまへ
御詫も申上たるに早速御勘辨下されたり然れども是に
懲て
以來よく/\氣を
百姓等は
忙しく
藁で
俵を
編んで
米を
入れて
春以來の
報酬を
目前に
積んで
娯ぶのである。
我れ
兩親に
後れし
以來、
延びし
背丈は
誰の
庇護かは、
幼稚の
折の
心ろならひに、
謹みもなく
馴れまつはりて、
鈇石の
心うごかせしは、
搆へて
松野の
咎ならず
我が
心ろのいたらねばなり
『
前御城代山城守殿以來、
大鹽の
祟りで、
當城には
碌なことがないな。』
青ざめた
女の
瞼も
決意に
紅に
潮しつゝ、「
戸を
開けないで
支度をしませう。」
地震以來、
解いた
事のない
帶だから、ぐいと
引しめるだけで
事は
足りる。
七
月以來の
外國貿易の
状勢と
金解禁に
對する
諸般の
準備の
程度より
見て、
斯の
如き
事態の
發生し
財界に
急激な
波動を
生ずることなきことを
信ずるものである。
こんな
會話が
老夫婦の
間に
取り
換はされたのは、
宗助が
出京して
以來一
度や二
度ではなかつた。
實際彼は
叔父の
所へ
來ると、
老人の
眼に
映る
通りの
人間に
見えた。
日出雄少年は
頑是なき
少年の
常とてかゝる
境遇に
落ちても、
昨夜以來の
疲勞には
堪兼ねて、
私の
膝に
凭れた
儘、スヤ/\と
眠りかけたが、
忽ち
可憐の
唇を
洩れて
夢の
聲
いつたい
考古學といふ
學問は、
人間が
世界に
現れて
以來今日に
至るまでの
長い
年月の
間にこの
世界中に
遺した
種々の
品物、それは
人間の
作つた
道具とか
武器の
類、また
建築、
彫刻
「どうだ
勘次、
以來愼めるか、
此の
次にこんなことが
有つたら
枯枝一つでも
赦さないからな、
今日はまあ
此れで
歸れ、
其の
櫟の
根は
此處へ
置いて
行くんだぞ」
勘次は
草刈籠を
卸さうとした。
私しも一
處に
棺に
入れよとて
聞きわけもなく
泣き
入りし
姿のあくまであどけなきが
不愍にて、
素より
誰れたのまねば
義務といふ
筋もなく、
恩をきせての
野心もなけれど
夫れより
以來の
百事萬端
急ぐ物から
大家の事ゆゑ
出入の者まで萬事行屆かする其爲に支度に
掛て日を送りまだ當日さへ
定めざりけり
偖も此方は
裏店に
開闢以來見し事なき釣臺三荷の結納物を
擔ぎ入ける
爲體に長家の者は目を
昨日の
晩方、
受取つてから
以來、
此を
跡方もなしに
形を
消すのに
屈託して、
昨夜は
一目も
眠りません。
以來、
百家の
書を
讀んで、
哲學を
修する、と
稱へて、
別業に
居續けして、
窓を
閉ぢて、
垣を
開いた。
たとひ
紋着で
袴を
穿いても、これが
反對で、
女湯の
揚場に、
待つ
方が
旦と
成ると、
時節柄、
早速其の
筋から
御沙汰があるが、
男湯へ
女の
出入は、
三馬以來大目に
見てある。
それよりして
以來——
癇癪でなく、
憤りでなく、
先生がいゝ
機嫌で、しかも
警句雲の
如く、
弟子をならべて
罵倒して、
勢當るべからざる
時と
言ふと、つゝき
合つて、
目くばせして
ト
此の
團右衞門方に
飼猫の
牡が一
疋、これははじめから
居たのであるが、
元二が
邸内へ
奉公をしてから
以來、
何處から
來たか、むく/\と
肥つた
黒毛で
艶の
好い
天鵝絨のやうな
牝が
一つ
即ち、
一錢銅貨五十餘枚を、ざらりと
一側ならびに、
細い、
青い、
小さい
蝦蟇口を
用意して、
小口から、「さあ、さあ、お
剩錢を。」——これは、
以來、九九九
會の
常備共通の
具と
成つて
戲れに
箱根々々と
呼びしが、
人あり、
櫻山に
向ひ
合へる
池子山の
奧、
神武寺の
邊より、
萬兩の
實の
房やかに
附いたるを
一本得て
歸りて、
此草幹の
高きこと一
丈、
蓋し
百年以來のもの
也と
誇る
私はバタ/\と
飛びおりた。「ちよつと
來て
見ておくれ、
焦げくさいよ。」
家内が
血相して
駈けあがつた。「
漏電ぢやないか
知ら。」——
一日の
地震以來、たばこ
一服、
火の
氣のない
二階である。