したが)” の例文
新字:
かうしてはやしなか空氣くうきは、つねはやしそとくらべて、晝間ちゆうかんすゞしく、夜間やかんあたゝかで、したがつてひるよるとで氣温きおんきゆうかはることをやはらげます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
が、かれ年月としつきつとともに、此事業このじげふ單調たんてうなのと、明瞭あきらかえきいのとをみとめるにしたがつて、段々だん/\きてた。かれおもふたのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
したがつてわたしは、以前いぜん同郷的愛着どうきやうてきあいちやく同藩的偏見どうはんてきへんけんうしなつたとおなじやうに、いま次第しだい國民的愛着こくみんてきあいちやく國家的偏見こくかてきへんけんうしなつたのであつた。
コロボツクルはいづれの仕方にしたがつて火を得たるか。直接ちよくせつ手段しゆだんにては到底たうてい考ふ可からず。コロボツクルの遺物中ゐぶつちうには石製の錐有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
ところがだん/\進歩しんぽするにしたがつて石塊いしころ多少たしよう細工さいくくはへ、にぎつてものこわすに便利べんりかたちにこしらへるようになりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
したがつて其方そのはう談判だんぱんは、はじめからいまかつふでにしたことがなかつた。小六ころくからは時々とき/″\手紙てがみたが、きはめてみじかい形式的けいしきてきのものがおほかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
方なくそれはあきらめたが、そのころから割合わりあひに手先の器用きようわたしだつたので、「せう寫眞術しやしんじゆつ」の説明せつめいしたがつて、わたしはとう/\寫眞器しんき自作じさくこゝろざした。
一日ぼくしたがへて往來わうらいあるいて居るとたちまむかふから二人の男、ひたひからあせみづの如くながし、空中くうちゆうあがあがりしてはしりながら
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あるひ飮食店いんしよくてんける揚物あげものあぶらあるひはせるろいど工場こうじようなど、文化ぶんかすゝむにしたがひ、化學藥品かがくやくひんにして發火はつか原因げんいんとなるものが、ます/\えてる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
さても、わたくし櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ武村兵曹たけむらへいそう案内あんないしたがつて、海底戰鬪艇かいていせんとうてい縱覽じゆうらんをはつてのちふたゝ艇外ていぐわいでたのは、かれこれ二時間にじかんほどあとであつた。
したがつて空合そらあひときには雷鳴らいめいがあるのだから、いつもはかつぐのに、ときは、そんなことつてひまはなかつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
手にしたがつて飛ぶ投げ錢、惡者達は鼻を叩かれ、頬をけづられ、中には眼をやられ、こぶしを痛められて、ドツと崩れ立ちます。
いはゆる文化的都市ぶんくわてきとし發達はつたつすればするほど、災害さいがい慘憺さんたんとなる。したがつて震災しんさいたいしても防備ばうびかんがへがこる。が、これも比較的ひかくてきあたらしい時代じだいぞくする。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
『モールスさんのつたはう金持かねもちのコロボツクルがたので、此所こゝきつ貧乏人びんばうにんたんだらう』などたはむれてところへ、車夫しやふしたがへて二でうこうられた。
如何いかなる事業じげふしたがふとも、體力たいりよくこれともなふて強健きやうけんならずば、ごと活動くわつどうするあたはず、また所期しよきの十一だもたつするあたはざるは、世上せじやうそのれいおほところなり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
爾後じごふたゝ公安こうあんみだるにおいては汝等なんぢらいのちいぞよ。今日こんにち者共ものどもみな立退たちされ、カピューレットはしたがまゐれ。
たとへばわれ/\の時代じだいには、ゆふづくならば、ほんとうに夕方ゆふがたのおつきさまがてゐるとかんじるだけで滿足まんぞくするのに、このひとうたでは、むかし習慣しゆうかんしたがつて
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
勘次かんじふりかへつたときかれ打棄うつちやつたふねしづんだきりへだてられてえなかつた。かれ蜀黍もろこしからうて足趾あしあとしたがつてはるか土手どて往來わうらいた。きりが一ぺんれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ウィリアムだいせい其人そのひと立法りつぱふ羅馬ローマ法皇はふわう御心みこゝろかなひ、たちまちにして首領しゆれう必要ひつえうありし英人えいじんしたがところとなり、ちかくは纂奪さんだつおよ征服せいふくほしひまゝにするにいたりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
わりさがつてつた爲替相場かはせさうば貿易ぼうえき改善かいぜんせらるゝにしたがつて段々だん/\騰貴とうきして十一ぐわつ二十一にち短期期限附たんききげんづき金解禁きんかいきん發表前はつぺうぜんには四十八ドルぶんの一となつた。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
たい日本にほんをんなの足とたら、周三所謂いはゆる大根だいこんで、不恰好ぶかつかうみぢかいけれども、お房の足はすツと長い、したがツてせいたかかツたが、と謂ツて不態ぶざま大柄おほがらではなかツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
(七〇)同明どうめい相照あひてらし、(七一)同類どうるゐ相求あひもとむ。くもりようしたがひ、かぜとらしたがふ。(七二)聖人せいじんおこつて萬物ばんぶつる。
おきなはそのとほりをひめつたへて、ぜひともみかどのお言葉ことばしたがひ、自分じぶんたのみをかなへさせてくれといひますと
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
重四郎とよび今年ことし二十五歳にて美男びなんいひこと手跡しゆせきよく其上劔術早業はやわざの名を得し者なるが父重左衞門より引續ひきつゞき手跡の指南しなんをして在ける故彼の穀屋平兵衞の悴平吉も此重四郎にしたがもつぱ筆道ひつだう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたしはそれにしたがはないではゐられなかつた。をのべて、しかしなか/\とゞきさうもなかつたので半身はんしんして、それでも駄目だめだつたのでたうとうあがつてまで、障子しやうじ左右さいうひらいた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
れは刑罰けいばつといふものが本人ほんにん悔悟くわいご基礎きそとしなければならぬとかんがへるはう一人ひとりであつた。ころされてしまへば、いることもあらためることも出來できない。したがつて、死刑しけいけいでないといふふうかんがへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
次にタケヲヒロクニオシタテの命も天下をお治めなさいました。次にササゲの王は伊勢の神宮をお祭りなさいました。この御世に筑紫の君石井が皇命にしたがわないで、無禮な事が多くありました。
髮は手にしたがつて拔けるらしい。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
したがつて出來上できあがつたものには、所々ところ/″\のぶく/\が大分だいぶいた。御米およねなさけなささうに、戸袋とぶくろけたての障子しやうじながめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それが年月としつきるにしたがつていしくづれたり、そのなかたねちてしたりして、つかうへ樹木じゆもくしげつてたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
したがつて、今度のじつ力主の名人せい度は、たとへいく分えげつないかんじはあつても、たしかに棋界きかいしん歩といふべきであらう。何も勝負せうふだ、たゝかひだ。
だから學校がくかうなまけては不可いけない、したがつてをそはつたことわすれては不可いけない、但馬たじま圓山川まるやまがはそゝぐのも、越後ゑちご信濃川しなのがはそゝぐのも、ふねではおなじうみである。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かように、高山こうざんのぼるにしたがひ、植物しよくぶつかはつてくことや、高山植物こうざんしよくぶつのことなどはのちにあらためてくはしくおはなしをします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ぼくの十二のときです。ぼく父母ふぼしたがつてしばら他國たこくましたが、ちゝくわんするとともに、故郷くにかへりまして、ぼく大島小學校おほしませうがくかうといふにはひりました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それよりも、吾人ごじんかならつね姓前せいぜん名後めいご徹底的てつていてき勵行れいかうし、世界せかい日本にほん國風こくふう了解れうかいさせたならば各國かくこくひと日本にほん慣例くわんれい尊重そんちようしてこれにしたがふに相違さうゐない。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
此時このとき二名にめい水兵すいへいは、わたくしめいしたがつて、いぬいだいて、鐵階てつかいのぼつた、鐵檻てつおりくるまうへからはまへにもいふやうに、すなすべりのたにそと飛出とびでこと出來できるのである。
默つて小手招ぎすると、平次は心得てそれにしたがひました。生垣いけがきの間を通つたり、屋敷の塀について廻つたり。
三十七ねん正月しやうぐわつ掘初ほりそめとして望玄ぼうげんしたがへてつてると、如何いかに、りかけてあな附近ふきんに、大男おほをとこが六七にんる。うして枯萱かれかやつてる。
勘次かんじしもしろ自分じぶんには往來わうらいると無器用ぶきようくぬぎはやしかれくべきかたしたがつてみち沿うてつらなつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
時間じかんさへてばいわ!』あいちやんは何時いつ自分じぶん忠告ちゆうこくをし、(それにしたがふことは滅多めつたにないが)ときにはなみだほどれとめることもありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
十一ぐわつ二十一にちにあの發表はつぺうをせずに、ときすゝむにしたがつて爲替相場かはせさうば金解禁後きんかいきんご推定相場すゐていさうばまで騰貴とうきしたときに、何時いつでもきん解禁かいきん決行けつかうすることも一方法はうはふかんがへるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
もとからずんば、このところしたがはん。(六〇)としさむうしてしかのち松柏しようはくしぼむにおくるるを
たゞし、資本しほんは一めんいておほいに國家的こくかてきであるから國際戰爭こくさいせんさうおこり、したがつてまた國家的こくかてき社會主義者しやくわいしゆぎしやもあり、コスモポリタンにざる心理しんりはたらきがそこにる。
たがひなかあつたかとこがあツて欲しいといふことなんだ………が、おれの家では、お前もひとりなら、俺もひとりだ。お互に頑固に孤獨を守ツてゐるのだから、したがツてお互にひやツこい。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
かういふ場合ばあひにはかならず、もの内外ないがいにあるものを、れるにしたがつてして、それが最後さいごに、ひとつのよろこびの氣持きもちにまとまる、といふふうなつくかたになつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
統計年度とうけいねんどおいて、一萬二千にん患者くわんじやけたとすれば、すなはち一萬二千にんあざむかれたのである。おも患者くわんじや病院びやうゐん入院にふゐんさせて、れを學問がくもん規則きそくしたがつて治療ちれうすること出來できぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もつと山麓さんろくちかづくにしたがひ、温度おんどくだつひには暗黒あんこく固體こたいとなつてはやさもにぶつたけれども。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そのげんしたがひ、これおこなひしも、冷水浴れいすゐよく永續えいぞくするあたはずして中止ちゆうしするにいたれり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
藥種屋 こゝろすゝみませねど、貧苦ひんくめがお言葉ことばしたがひまする。
とらへ出したる盜賊改め奧田主膳殿組與力笠原粂之進にてすなはち此家へお梅奉公致しけるが此粂之進獨身どくしんゆゑ此お梅の縹緻きりやうよき戀慕れんぼ種々いろ/\口説くどくと雖も此お梅貞節ていせつの女なれば決してしたがはざるにより彌々いよ/\粂之進思ひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)