かる)” の例文
新字:
られる都合つがふならばまたいままでのやうにお世話せわりにまする、るべくは鳥渡ちよつとたちかへりにぐも出京しゆつけうしたきものとかるくいへば
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
按摩あんまその仰向あをむいて打傾うちかたむいた、みゝかゆいのをきさうなつきで、右手めて持添もちそへたつゑさきを、かるく、コト/\コト/\とはじきながら
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ロミオ いや/\、滅相めっさうな。足下きみ舞踏靴をどりぐつそこかるいが、わしこゝろそこなまりのやうにおもいによって、をどることはおろか、あるきたうもない。
たゞして申けるは是名主甚兵衞其外の百姓共よくうけたまはれ將軍の上意なればかるからざる事なりしかるに當村中一同に申合せしらぬ/\と強情がうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれ色々いろ/\事情じじやう綜合そうがふしてかんがへたうへ、まあ大丈夫だいぢやうぶだらうとはらなかめた。さうしてつめさきかる鐵瓶てつびんふちたゝいた。其時そのとき座敷ざしき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しなあさから心持こゝろもち晴々はれ/″\してのぼるにれて蒲團ふとんなほつてたが、身體からだちからいながらにめうかるつたことをかんじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
唱一語しやういちご以てわがこの思ひを言ひあらはさむすべもがな。かくて月あかき一夜、海風かいふうに向ひて長くうそぶかなむ。わが胸のいかばかりかるかるべき。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
振分ふりわけにして、比較的ひかくてきかるさうなのをかついでると、おもいのおもくないのと、おはなしにならぬ。肩骨かたぼねはメリ/\ひゞくのである。
して周三のは、些としたひつかゝりやかるい意味のそれでは無い。彼に取ツては熟慮じゆくりよ深考しんかうせなければならぬ大問題だいもんだいがある。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そうじて江戸えど人間にんげん調子てうしかるうて、言葉ことばしたにござります。下品げひん言葉ことばうへへ、無暗むやみに「お」のけまして、上品じやうひんせようとたくらんでります。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ナニ、あをいんでもかまひませんが、なるなら黄色きいろはうがいゝ。むぎじゆくするほど丈夫ぢやうぶですからね。このほそ麥藁むぎわら穗先ほさきはうかるつておきなさい。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
また木梨きなしかる太子ひつぎのみこの御名代として、輕部かるべを定め、大后の御名代として、刑部おさかべを定め、大后の弟田井たゐなかつ比賣の御名代として、河部かはべを定めたまひき。
そしてかるおどりあがる心をせいしながら、その城壁の頂きにおそる恐る檸檬を据ゑつけた。そしてそれは上出來だつた。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
かようなおほきいかはら屋根やねくにはおもすぎるので、のちにはかるかはらつくるようになつたことゝ、瓦師かはらしもなるだけやすいものをたくさんにつくらうとしたので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
たばこのうたで、はかなごとゝいふのは、かんがへなくてもよいようななんでもない、かるいことゝいふことです。これはやはり、大人おとなでないとわからない氣持きもちです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
愉快ゆくわい! 電車でんしや景氣けいきよくはしす、函嶺はこね諸峰しよほうおくゆかしく、おごそかに、おもてあつしてちかづいてる! かるい、淡々あは/\しいくもおきなるうみうへたゞよふてる、かもめぶ、なみくだける
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
まちは、そんなことをうつたへるやうにをつとつた。彼女かれは、自分じぶんのすこやかな、乙女おとめときかるやかな、快活くわいくわつ姿すがたをつとせることが出來できないのを、さびしいことのやうに一人ひとりかんがへた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
しからば此かるき舟とは何をすかと云ふに、口碑に隨へば、こは陸上にてになやすく、水上にては人を乘するにる物なりとの事なり。エスキモ其他北地ほくち現住民の用ゐる獸皮舟は是にたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
〔譯〕靈光れいくわう障碍しやうげ無くば、則ち乃ち流動りうどうしてゑず、四體したいかるきをおぼえん。
彼女かのぢよはそこでかるれいつてかさ受取うけとつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
裾野すそのけむりながなびき、小松原こまつばらもやひろながれて、夕暮ゆふぐれまくさら富士山ふじさんひらとき白妙しろたへあふぐなる前髮まへがみきよ夫人ふじんあり。ひぢかるまどる。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われへ」卯平うへい蕎麥掻そばがきけてやつた。かれはさうしてさらあとの一ぱいきつしてその茶碗ちやわんんでんだ。藥罐やくわんかるくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「さうですな、拜見はいけんてもうがす」とかる受合うけあつたが、べつつた樣子やうすもないので、御米およねはらなかすこ失望しつばうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「然うですね………」とおふくろは、些とまごついた躰で、かるく首を振る。そして不思議さうに周三の顏をみつめた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
かれその御子をて遊ぶさまは、尾張の相津なる二俣榲ふたまたすぎ二俣小舟ふたまたをぶねに作りて、持ち上り來て、やまと市師いちしの池かるの池に浮けて、その御子をて遊びき。
駕籠かごなんぞに窮屈きうくつおもひをしてつてゐるよりは、かる塵埃ほこり野路のぢをば、薄墨うすずみかすんだ五月山さつきやまふもと目當めあてにあるいてゐたはうが、どんなにたのしみかれなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その受口うけくちたまのやうにふくらめた酸醤ほゝづきをのせ、したからきましたら、かる酸醤ほゝづきがくる/\とひあがりました。そして朝顏あさがほなりのくだうへ面白おもしろいやうにちてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
罪せずいはんや罪のうたがはしきは輕くしやうの疑しきは重くすと是賞を重んじ罪をかるくする事の理なり其方共が吟味ぎんみは定めて九助の衣類のすそそみたると鼻紙はながみ入の落てありしとを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ロミオ あの石垣いしがきは、こひかるつばさえた。如何いか鐵壁てっぺきこひさへぎることは出來できぬ。こひほっすれば如何樣どのやうことをもあへてするもの。そもじうち人達ひとたちとてもわしとゞむるちからたぬ。
なほ明治めいじよりまへ歌人かじんとして、わすれることの出來できないのは、福岡ふくをかひと大隈言道おほくまときみちであります。このひと曙覽あけみのようにかるあかるくあまりかんがへないで、自由じゆううたつくつたらしいひとであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
それなら一ことんなでかへらうとて、發掘はつくつ中止ちうしし、天幕てんとたゝみ、飮餘のみあましたる麥酒ビールびんたづさへて、うら池邊ちへんき、其所そこにてまた小宴せうえんり、食物しよくもつのこりをいけうを投與とうよして、かるくし
ぢやうさまはそれほどまでに雪三せつざうちからおぼしめしてか、それとも一のおたはむれか、御本心ごほんしんおほけられたしとむるを、糸子いとこホヽとわらひて松野まつのひざかるきつ、たはむれかとはだけあさ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『これはなことをはるゝものじや、あんなおほきいし如何どうしてたもとはひはずがない』と老人ろうじんに言はれて見ると、そでかるかぜひるがへり、手には一本のながつゑもつばかり、小石こいし一つ持て居ないのである。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いづれも小笠をがさのひさしをすゑ、脚半きやはんかるく、しつとりと、拍子ひやうしをふむやうにしつゝこゑにあやをつてうたつたが……うたつたといひたい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勘次かんじ村落むら臺地だいちであるのと鬼怒川きぬがは土手どてしの密生みつせいしたちからもつわづかながら崩壤ほうくわいするつちめたので損害そんがいかるんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
オホヤマト彦スキトモの命(懿徳天皇)、大和のかる境岡さかいおかの宮においでになつて天下をお治めなさいました。
御米およね産後さんご蓐中じよくちゆうその始末しまついて、たゞかる首肯うなづいたぎりなんにもはなかつた。さうして、疲勞ひらうすこんだうるませて、なが睫毛まつげをしきりにうごかした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
所持しよぢせし事故を糺されしに申口不分明ふぶんめい故町奉行所へ送りになり入牢申付られたり因て女房は大いにおどろき己病中なれども夫の罪のかるく濟やうにとて茅場町かやばちやう藥師やくし朝參あさまゐりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ロミオ (從者にむかひ)おれには炬火たいまつれ。かる陽氣やうき手合てあひは、舞踏靴をどりぐつかゝと澤山たんと無感覺むかんかく燈心草とうしんぐさこそぐったがよい。おれは、祖父ぢゝい訓言通をしへどほり、蝋燭持らうそくもちをして高見たかみ見物けんぶつ
なべにといふは、それとともにと同時どうじになどいふ意味いみですが、このころひとは、かるくゆゑにといふくらゐの意味いみにももちひたのです。以上いじよう人々ひと/″\で、江戸時代えどじだい歌人かじん代表だいひようさせたつもりです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ると頭がかるくグラ/\として、氣にぼうツとする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
みじかしとくらこゝろ如何いかばかり長閑のどけかるらんころ落花らくくわの三ぐわつじんちればぞさそあさあらしにには吹雪ふゞきのしろたへ流石さすがそでさむからでてふうらの麗朗うら/\とせしあまあがり露椽先ぬれゑんさき飼猫かひねこのたまかるきて首玉くびたましぼばなゆるものは侍女こしもとのお八重やへとてとし優子ゆうこに一おとれどおとらずけぬ愛敬あいけう片靨かたゑくぼれゆゑする目元めもとのしほの莞爾につこりとして
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
眞白まつしろなのは、てのひらへ、むらさきなるは、かへして、指環ゆびわ紅玉ルビイかゞやかふへ、朱鷺色ときいろあしして、かるとまるまでにれたのであつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくてその御子をお連れ申し上げて遊ぶ有樣は、尾張の相津にあつた二俣ふたまたの杉をもつて二俣の小舟を作つて、持ち上つて來て、大和の市師いちしの池、かるの池に浮べて遊びました。
おもふと、トン/\トンとかるやはらかなおとれて、つまれ/\、そろつたもすそが、やなぎ二枝ふたえだなびくやう……すら/\とだんりた。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またこの御世に依網よさみの池を作り、またかる酒折さかおりの池を作りました。天皇は御年百六十八歳、戊寅つちのえとらの年の十二月にお隱れになりました。御陵は山の邊の道のまがりの岡の上にあります。
がう/\と戸障子としやうじをゆするかぜがざツとむねはらつて、やゝかるくなるやうにおもはれて、したものも、わづかかほげると……うだらう
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大倭根子日子國玖琉おほやまとねこひこくにくるの命かる堺原さかひはらの宮にましまして、天の下治らしめしき。
みなぎるばかりひかりつて、しかかるい、川添かはぞひみち二町にちやうばかりして、しろはしえたのが停車場ていしやばから突通つきとほしのところであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くと、またひとんでる。んでるのがむかうへくと、すぐて、また欄干らんかんまへんでる。……ぶとふより、スツ/\とかるやはらかにいてく。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)