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輕
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かる
ふりがな文庫
“
輕
(
かる
)” の例文
新字:
軽
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
られる
都合
(
つがふ
)
ならば
又
(
また
)
今
(
いま
)
までのやうにお
世話
(
せわ
)
に
成
(
な
)
りに
來
(
き
)
まする、
成
(
な
)
るべくは
鳥渡
(
ちよつと
)
たち
歸
(
かへ
)
りに
直
(
す
)
ぐも
出京
(
しゆつけう
)
したきものと
輕
(
かる
)
くいへば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
按摩
(
あんま
)
は
其
(
その
)
仰向
(
あをむ
)
いて
打傾
(
うちかたむ
)
いた、
耳
(
みゝ
)
の
痒
(
かゆ
)
いのを
掻
(
か
)
きさうな
手
(
て
)
つきで、
右手
(
めて
)
に
持添
(
もちそ
)
へた
杖
(
つゑ
)
の
尖
(
さき
)
を、
輕
(
かる
)
く、コト/\コト/\と
彈
(
はじ
)
きながら
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ロミオ いや/\、
滅相
(
めっさう
)
な。
足下
(
きみ
)
の
舞踏靴
(
をどりぐつ
)
の
底
(
そこ
)
は
輕
(
かる
)
いが、
予
(
わし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
は
鉛
(
なまり
)
のやうに
重
(
おも
)
いによって、
踊
(
をど
)
ることはおろか、
歩
(
ある
)
きたうもない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
正
(
たゞ
)
して申けるは是名主甚兵衞其外の百姓共
能
(
よく
)
承
(
うけ
)
たまはれ將軍の上意なれば
輕
(
かる
)
からざる事なり
然
(
しか
)
るに當村中一同に申合せ
知
(
しら
)
ぬ/\と
強情
(
がうじやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
かれ
)
は
色々
(
いろ/\
)
な
事情
(
じじやう
)
を
綜合
(
そうがふ
)
して
考
(
かんが
)
へた
上
(
うへ
)
、まあ
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だらうと
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
極
(
き
)
めた。さうして
爪
(
つめ
)
の
先
(
さき
)
で
輕
(
かる
)
く
鐵瓶
(
てつびん
)
の
縁
(
ふち
)
を
敲
(
たゝ
)
いた。
其時
(
そのとき
)
座敷
(
ざしき
)
で
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
お
品
(
しな
)
は
朝
(
あさ
)
から
心持
(
こゝろもち
)
が
晴々
(
はれ/″\
)
して
日
(
ひ
)
が
昇
(
のぼ
)
るに
連
(
つ
)
れて
蒲團
(
ふとん
)
へ
起
(
お
)
き
直
(
なほ
)
つて
見
(
み
)
たが、
身體
(
からだ
)
が
力
(
ちから
)
の
無
(
な
)
いながらに
妙
(
めう
)
に
輕
(
かる
)
く
成
(
な
)
つたことを
感
(
かん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
唱一語
(
しやういちご
)
以てわがこの思ひを言ひあらはさむすべもがな。かくて月あかき一夜、
海風
(
かいふう
)
に向ひて長く
嘯
(
うそぶ
)
かなむ。わが胸のいかばかり
輕
(
かる
)
かるべき。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
振分
(
ふりわ
)
けにして、
比較的
(
ひかくてき
)
輕
(
かる
)
さうなのを
余
(
よ
)
が
擔
(
かつ
)
いで
見
(
み
)
ると、
重
(
おも
)
いの
重
(
おも
)
くないのと、お
話
(
はなし
)
にならぬ。
肩骨
(
かたぼね
)
はメリ/\
響
(
ひゞ
)
くのである。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
況
(
ま
)
して周三のは、些としたひつかゝりや
輕
(
かる
)
い意味のそれでは無い。彼に取ツては
熟慮
(
じゆくりよ
)
深考
(
しんかう
)
せなければならぬ
大問題
(
だいもんだい
)
がある。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
總
(
そう
)
じて
江戸
(
えど
)
は
人間
(
にんげん
)
の
調子
(
てうし
)
が
輕
(
かる
)
うて、
言葉
(
ことば
)
も
下
(
した
)
にござります。
下品
(
げひん
)
な
言葉
(
ことば
)
の
上
(
うへ
)
へ、
無暗
(
むやみ
)
に「お」の
字
(
じ
)
を
附
(
つ
)
けまして、
上品
(
じやうひん
)
に
見
(
み
)
せようと
企
(
たくら
)
んで
居
(
を
)
ります。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ナニ、
青
(
あを
)
いんでもかまひませんが、なるなら
黄色
(
きいろ
)
い
方
(
はう
)
がいゝ。
麥
(
むぎ
)
は
熟
(
じゆく
)
するほど
丈夫
(
ぢやうぶ
)
ですからね。この
細
(
ほそ
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
の
穗先
(
ほさき
)
の
方
(
はう
)
を
輕
(
かる
)
く
折
(
を
)
つてお
置
(
お
)
きなさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
また
木梨
(
きなし
)
の
輕
(
かる
)
の
太子
(
ひつぎのみこ
)
の御名代として、
輕部
(
かるべ
)
を定め、大后の御名代として、
刑部
(
おさかべ
)
を定め、大后の弟
田井
(
たゐ
)
の
中
(
なかつ
)
比賣の御名代として、
河部
(
かはべ
)
を定めたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
そして
輕
(
かる
)
く
跳
(
おど
)
りあがる心を
制
(
せい
)
しながら、その城壁の頂きに
恐
(
おそ
)
る恐る檸檬を据ゑつけた。そしてそれは上出來だつた。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
かような
大
(
おほ
)
きい
瓦
(
かはら
)
は
屋根
(
やね
)
を
葺
(
ふ
)
くには
重
(
おも
)
すぎるので、
後
(
のち
)
には
輕
(
かる
)
い
瓦
(
かはら
)
を
作
(
つく
)
るようになつたことゝ、
瓦師
(
かはらし
)
もなるだけ
安
(
やす
)
いものをたくさんに
造
(
つく
)
らうとしたので
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
たばこの
歌
(
うた
)
で、はかなごとゝいふのは、
考
(
かんが
)
へなくてもよいようななんでもない、
輕
(
かる
)
いことゝいふことです。これはやはり、
大人
(
おとな
)
でないとわからない
氣持
(
きも
)
ちです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
愉快
(
ゆくわい
)
!
電車
(
でんしや
)
が
景氣
(
けいき
)
よく
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
す、
函嶺
(
はこね
)
諸峰
(
しよほう
)
は
奧
(
おく
)
ゆかしく、
嚴
(
おごそ
)
かに、
面
(
おもて
)
を
壓
(
あつ
)
して
近
(
ちかづ
)
いて
來
(
く
)
る!
輕
(
かる
)
い、
淡々
(
あは/\
)
しい
雲
(
くも
)
が
沖
(
おき
)
なる
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
を
漂
(
たゞよ
)
ふて
居
(
を
)
る、
鴎
(
かもめ
)
が
飛
(
と
)
ぶ、
浪
(
なみ
)
が
碎
(
くだ
)
ける
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
まち
子
(
こ
)
は、そんなことを
訴
(
うつた
)
へるやうに
夫
(
をつと
)
に
云
(
い
)
つた。
彼女
(
かれ
)
は、
自分
(
じぶん
)
のすこやかな、
乙女
(
おとめ
)
の
時
(
とき
)
の
輕
(
かる
)
やかな、
快活
(
くわいくわつ
)
な
姿
(
すがた
)
を
夫
(
をつと
)
に
見
(
み
)
せることが
出來
(
でき
)
ないのを、
淋
(
さび
)
しいことのやうに
一人
(
ひとり
)
で
考
(
かんが
)
へた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
然
(
しか
)
らば此
輕
(
かる
)
き舟とは何を
指
(
さ
)
すかと云ふに、口碑に隨へば、こは陸上にて
荷
(
にな
)
ひ
易
(
やす
)
く、水上にては人を乘するに
足
(
た
)
る物なりとの事なり。エスキモ其他
北地
(
ほくち
)
現住民の用ゐる獸皮舟は是に
似
(
に
)
たり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
〔譯〕
靈光
(
れいくわう
)
障碍
(
しやうげ
)
無くば、則ち
氣
(
き
)
乃ち
流動
(
りうどう
)
して
餒
(
う
)
ゑず、
四體
(
したい
)
輕
(
かる
)
きを
覺
(
おぼ
)
えん。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はそこで
輕
(
かる
)
く
禮
(
れい
)
を
言
(
い
)
つて
傘
(
かさ
)
を
受取
(
うけと
)
つた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
裾野
(
すその
)
の
煙
(
けむり
)
長
(
なが
)
く
靡
(
なび
)
き、
小松原
(
こまつばら
)
の
靄
(
もや
)
廣
(
ひろ
)
く
流
(
なが
)
れて、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
幕
(
まく
)
更
(
さら
)
に
富士山
(
ふじさん
)
に
開
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
、
其
(
そ
)
の
白妙
(
しろたへ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐなる
前髮
(
まへがみ
)
清
(
きよ
)
き
夫人
(
ふじん
)
あり。
肘
(
ひぢ
)
を
輕
(
かる
)
く
窓
(
まど
)
に
凭
(
よ
)
る。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
汝
(
われ
)
も
喰
(
く
)
へ」
卯平
(
うへい
)
は
蕎麥掻
(
そばがき
)
を
分
(
わ
)
けてやつた。
彼
(
かれ
)
はさうして
更
(
さら
)
に
後
(
あと
)
の一
杯
(
ぱい
)
を
喫
(
きつ
)
して
其
(
その
)
茶碗
(
ちやわん
)
へ
湯
(
ゆ
)
を
汲
(
く
)
んで
飮
(
の
)
んだ。
藥罐
(
やくわん
)
は
輕
(
かる
)
くなつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「さうですな、
拜見
(
はいけん
)
に
出
(
で
)
ても
可
(
よ
)
うがす」と
輕
(
かる
)
く
受合
(
うけあ
)
つたが、
別
(
べつ
)
に
氣
(
き
)
の
乘
(
の
)
つた
樣子
(
やうす
)
もないので、
御米
(
およね
)
は
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
少
(
すこ
)
し
失望
(
しつばう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「然うですね………」とおふくろは、些とまごついた躰で、
輕
(
かる
)
く首を振る。そして不思議さうに周三の顏を
眠
(
みつ
)
めた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
かれその御子を
率
(
ゐ
)
て遊ぶ
状
(
さま
)
は、尾張の相津
一
なる
二俣榲
(
ふたまたすぎ
)
を
二俣小舟
(
ふたまたをぶね
)
に作りて、持ち上り來て、
倭
(
やまと
)
の
市師
(
いちし
)
の池
二
輕
(
かる
)
の池
三
に浮けて、その御子を
率
(
ゐ
)
て遊びき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
駕籠
(
かご
)
なんぞに
窮屈
(
きうくつ
)
な
思
(
おも
)
ひをして
乘
(
の
)
つてゐるよりは、
輕
(
かる
)
い
塵埃
(
ほこり
)
の
立
(
た
)
つ
野路
(
のぢ
)
をば、
薄墨
(
うすずみ
)
に
霞
(
かす
)
んだ
五月山
(
さつきやま
)
の
麓
(
ふもと
)
を
目當
(
めあ
)
てに
歩
(
ある
)
いてゐた
方
(
はう
)
が、どんなに
樂
(
たの
)
しみか
知
(
し
)
れなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
その
受口
(
うけくち
)
へ
玉
(
たま
)
のやうにふくらめた
酸醤
(
ほゝづき
)
をのせ、
下
(
した
)
から
吹
(
ふ
)
きましたら、
輕
(
かる
)
い
酸醤
(
ほゝづき
)
がくる/\と
舞
(
ま
)
ひあがりました。そして
朝顏
(
あさがほ
)
なりの
管
(
くだ
)
の
上
(
うへ
)
へ
面白
(
おもしろ
)
いやうに
落
(
お
)
ちて
來
(
き
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
罪せず
況
(
いは
)
んや罪の
疑
(
うたがは
)
しきは輕く
賞
(
しやう
)
の疑しきは重くすと是賞を重んじ罪を
輕
(
かる
)
くする事の理なり其方共が
吟味
(
ぎんみ
)
は定めて九助の衣類の
裾
(
すそ
)
に
血
(
ち
)
の
染
(
そみ
)
たると
鼻紙
(
はながみ
)
入の落てありしとを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ロミオ あの
石垣
(
いしがき
)
は、
戀
(
こひ
)
の
輕
(
かる
)
い
翼
(
つばさ
)
で
踰
(
こ
)
えた。
如何
(
いか
)
な
鐵壁
(
てっぺき
)
も
戀
(
こひ
)
を
遮
(
さへぎ
)
ることは
出來
(
でき
)
ぬ。
戀
(
こひ
)
は
欲
(
ほっ
)
すれば
如何樣
(
どのやう
)
な
事
(
こと
)
をも
敢
(
あへ
)
てするもの。
卿
(
そもじ
)
の
家
(
うち
)
の
人達
(
ひとたち
)
とても
予
(
わし
)
を
止
(
とゞ
)
むる
力
(
ちから
)
は
有
(
も
)
たぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
尚
(
なほ
)
明治
(
めいじ
)
より
前
(
まへ
)
の
歌人
(
かじん
)
として、
忘
(
わす
)
れることの
出來
(
でき
)
ないのは、
福岡
(
ふくをか
)
の
人
(
ひと
)
、
大隈言道
(
おほくまときみち
)
であります。この
人
(
ひと
)
も
曙覽
(
あけみ
)
のように
輕
(
かる
)
く
明
(
あか
)
るくあまり
考
(
かんが
)
へないで、
自由
(
じゆう
)
に
歌
(
うた
)
を
作
(
つく
)
つたらしい
人
(
ひと
)
であります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それなら一
層
(
そ
)
の
事
(
こと
)
、
皆
(
み
)
んなで
歸
(
かへ
)
らうとて、
發掘
(
はつくつ
)
を
中止
(
ちうし
)
し、
天幕
(
てんと
)
を
疊
(
たゝ
)
み、
飮餘
(
のみあま
)
したる
麥酒
(
ビール
)
の
壜
(
びん
)
を
携
(
たづさ
)
へて、
裏
(
うら
)
の
池邊
(
ちへん
)
に
行
(
ゆ
)
き、
其所
(
そこ
)
にて
又
(
また
)
小宴
(
せうえん
)
を
張
(
は
)
り、
食物
(
しよくもつ
)
の
殘
(
のこ
)
りを
池
(
いけ
)
の
魚
(
うを
)
に
投與
(
とうよ
)
して、
荷
(
に
)
を
輕
(
かる
)
くし
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
孃
(
ぢやう
)
さまは
夫
(
それ
)
ほどまでに
雪三
(
せつざう
)
を
力
(
ちから
)
と
覺
(
おぼ
)
しめしてか、それとも一
時
(
じ
)
のお
戯
(
たはむ
)
れか、
御本心
(
ごほんしん
)
仰
(
おほ
)
せ
聞
(
き
)
けられたしと
問
(
と
)
ひ
誥
(
つ
)
むるを、
糸子
(
いとこ
)
ホヽと
笑
(
わら
)
ひて
松野
(
まつの
)
が
膝
(
ひざ
)
に
輕
(
かる
)
く
手
(
て
)
を
置
(
お
)
きつ、
戯
(
たは
)
むれかとは
問
(
と
)
ふ
丈
(
だけ
)
も
淺
(
あさ
)
し
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『これは
異
(
い
)
なことを
言
(
い
)
はるゝものじや、あんな
大
(
おほき
)
な
石
(
いし
)
が
如何
(
どう
)
して
袂
(
たもと
)
へ
入
(
はひ
)
る
筈
(
はず
)
がない』と
老人
(
ろうじん
)
に言はれて見ると、
袖
(
そで
)
は
輕
(
かる
)
く
風
(
かぜ
)
に
飄
(
ひるが
)
へり、手には一本の
長
(
なが
)
い
杖
(
つゑ
)
を
持
(
もつ
)
ばかり、
小石
(
こいし
)
一つ持て居ないのである。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
いづれも
小笠
(
をがさ
)
のひさしをすゑ、
脚半
(
きやはん
)
を
輕
(
かる
)
く、しつとりと、
拍子
(
ひやうし
)
をふむやうにしつゝ
聲
(
こゑ
)
にあやを
打
(
う
)
つてうたつたが……うたつたといひたい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
の
村落
(
むら
)
は
臺地
(
だいち
)
であるのと
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
土手
(
どて
)
が
篠
(
しの
)
の
密生
(
みつせい
)
した
根
(
ね
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
僅
(
わづか
)
ながら
崩壤
(
ほうくわい
)
する
土
(
つち
)
を
引
(
ひ
)
き
止
(
と
)
めたので
損害
(
そんがい
)
が
輕
(
かる
)
く
濟
(
す
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
オホヤマト彦スキトモの命(懿徳天皇)、大和の
輕
(
かる
)
の
境岡
(
さかいおか
)
の宮においでになつて天下をお治めなさいました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
御米
(
およね
)
は
産後
(
さんご
)
の
蓐中
(
じよくちゆう
)
に
其
(
その
)
始末
(
しまつ
)
を
聞
(
き
)
いて、たゞ
輕
(
かる
)
く
首肯
(
うなづ
)
いたぎり
何
(
なん
)
にも
云
(
い
)
はなかつた。さうして、
疲勞
(
ひらう
)
に
少
(
すこ
)
し
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだ
眼
(
め
)
を
霑
(
うる
)
ませて、
長
(
なが
)
い
睫毛
(
まつげ
)
をしきりに
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
所持
(
しよぢ
)
せし事故を糺されしに申口
不分明
(
ふぶんめい
)
故町奉行所へ送りになり入牢申付られたり因て女房は大いに
驚
(
おどろ
)
き己病中なれども夫の罪の
輕
(
かる
)
く濟やうにとて
茅場町
(
かやばちやう
)
の
藥師
(
やくし
)
に
朝參
(
あさまゐ
)
りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ロミオ (從者にむかひ)
俺
(
おれ
)
には
炬火
(
たいまつ
)
を
與
(
く
)
れ。
氣
(
き
)
の
輕
(
かる
)
い
陽氣
(
やうき
)
な
手合
(
てあひ
)
は、
舞踏靴
(
をどりぐつ
)
の
踵
(
かゝと
)
で
澤山
(
たんと
)
無感覺
(
むかんかく
)
な
燈心草
(
とうしんぐさ
)
を
擽
(
こそぐ
)
ったがよい。
俺
(
おれ
)
は、
祖父
(
ぢゝい
)
の
訓言通
(
をしへどほ
)
り、
蝋燭持
(
らうそくもち
)
をして
高見
(
たかみ
)
の
見物
(
けんぶつ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
なべにといふ
語
(
ご
)
は、それと
共
(
とも
)
にと
同時
(
どうじ
)
になどいふ
意味
(
いみ
)
ですが、この
頃
(
ころ
)
の
人
(
ひと
)
は、
輕
(
かる
)
くゆゑにといふくらゐの
意味
(
いみ
)
にも
用
(
もち
)
ひたのです。
以上
(
いじよう
)
の
人々
(
ひと/″\
)
で、
江戸時代
(
えどじだい
)
の
歌人
(
かじん
)
を
代表
(
だいひよう
)
させたつもりです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
而
(
す
)
ると頭が
輕
(
かる
)
くグラ/\として、氣に
茫
(
ぼう
)
ツとする。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
短
(
みじ
)
かしと
暮
(
くら
)
す
心
(
こゝろ
)
は
如何
(
いか
)
ばかり
長閑
(
のど
)
けかるらん
頃
(
ころ
)
は
落花
(
らくくわ
)
の三
月
(
ぐわつ
)
盡
(
じん
)
ちればぞ
誘
(
さそ
)
ふ
朝
(
あさ
)
あらしに
庭
(
には
)
は
吹雪
(
ふゞき
)
のしろ
妙
(
たへ
)
も
流石
(
さすが
)
に
袖
(
そで
)
は
寒
(
さむ
)
からで
蝶
(
てふ
)
の
羽
(
は
)
うらの
麗朗
(
うら/\
)
とせし
雨
(
あま
)
あがり
露椽先
(
ぬれゑんさき
)
に
飼猫
(
かひねこ
)
のたま
輕
(
かる
)
く
抱
(
だ
)
きて
首玉
(
くびたま
)
の
絞
(
しぼ
)
り
放
(
ばな
)
し
結
(
ゆ
)
ひ
換
(
か
)
ゆるものは
侍女
(
こしもと
)
のお
八重
(
やへ
)
とて
歳
(
とし
)
は
優子
(
ゆうこ
)
に一
ツ
劣
(
おと
)
れど
劣
(
おと
)
らず
負
(
ま
)
けぬ
愛敬
(
あいけう
)
の
片靨
(
かたゑくぼ
)
誰
(
た
)
れゆゑ
寄
(
よ
)
する
目元
(
めもと
)
のしほの
莞爾
(
につこり
)
として
手
(
て
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
眞白
(
まつしろ
)
なのは、
掌
(
てのひら
)
へ、
紫
(
むらさき
)
なるは、かへして、
指環
(
ゆびわ
)
の
紅玉
(
ルビイ
)
の
輝
(
かゞや
)
く
甲
(
かふ
)
へ、
朱鷺色
(
ときいろ
)
と
黄
(
き
)
の
脚
(
あし
)
して、
輕
(
かる
)
く
來
(
き
)
て
留
(
とま
)
るまでに
馴
(
な
)
れたのであつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かくてその御子をお連れ申し上げて遊ぶ有樣は、尾張の相津にあつた
二俣
(
ふたまた
)
の杉をもつて二俣の小舟を作つて、持ち上つて來て、大和の
市師
(
いちし
)
の池、
輕
(
かる
)
の池に浮べて遊びました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
と
思
(
おも
)
ふと、トン/\トンと
輕
(
かる
)
い
柔
(
やはら
)
かな
音
(
おと
)
に
連
(
つ
)
れて、
褄
(
つま
)
が
搖
(
ゆ
)
れ/\、
揃
(
そろ
)
つた
裳
(
もすそ
)
が、
柳
(
やなぎ
)
の
二枝
(
ふたえだ
)
靡
(
なび
)
くやう……すら/\と
段
(
だん
)
を
下
(
お
)
りた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
またこの御世に
依網
(
よさみ
)
の池を作り、また
輕
(
かる
)
の
酒折
(
さかおり
)
の池を作りました。天皇は御年百六十八歳、
戊寅
(
つちのえとら
)
の年の十二月にお隱れになりました。御陵は山の邊の道の
勾
(
まがり
)
の岡の上にあります。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
がう/\と
戸障子
(
としやうじ
)
をゆする
風
(
かぜ
)
がざツと
屋
(
や
)
の
棟
(
むね
)
を
拂
(
はら
)
つて、やゝ
輕
(
かる
)
くなるやうに
思
(
おも
)
はれて、
突
(
つ
)
つ
伏
(
ぷ
)
したものも、
僅
(
わづか
)
に
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げると……
何
(
ど
)
うだらう
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大倭根子日子國玖琉
(
おほやまとねこひこくにくる
)
の命
一
、
輕
(
かる
)
の
堺原
(
さかひはら
)
の宮
二
にましまして、天の下治らしめしき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
漲
(
みなぎ
)
るばかり
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
吸
(
す
)
つて、
然
(
しか
)
も
輕
(
かる
)
い、
川添
(
かはぞひ
)
の
道
(
みち
)
を
二町
(
にちやう
)
ばかりして、
白
(
しろ
)
い
橋
(
はし
)
の
見
(
み
)
えたのが
停車場
(
ていしやば
)
から
突通
(
つきとほ
)
しの
處
(
ところ
)
であつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
行
(
ゆ
)
くと、
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つ
飛
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
飛
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
るのが
向
(
むか
)
うへ
行
(
ゆ
)
くと、すぐ
來
(
き
)
て、
又
(
また
)
欄干
(
らんかん
)
の
前
(
まへ
)
を
飛
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
る。……
飛
(
と
)
ぶと
云
(
い
)
ふより、スツ/\と
輕
(
かる
)
く
柔
(
やはら
)
かに
浮
(
う
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
輕
部首:⾞
14画
“輕”を含む語句
輕蔑
手輕
輕重
輕擧
輕氣球
輕捷
剽輕
輕侮
輕々
剽輕者
輕舸
輕率
輕佻
輕少
輕業師
輕羅
輕忽
大輕氣球
輕業
身輕
...