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時々
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とき/″\
ふりがな文庫
“
時々
(
とき/″\
)” の例文
よく
聞
(
き
)
き
糺
(
たゞ
)
して
見
(
み
)
ると、しかく
平氣
(
へいき
)
な
男
(
をとこ
)
も、
時々
(
とき/″\
)
は
歡樂
(
くわんらく
)
の
飽滿
(
はうまん
)
に
疲勞
(
ひらう
)
して、
書齋
(
しよさい
)
のなかで
精神
(
せいしん
)
を
休
(
やす
)
める
必要
(
ひつえう
)
が
起
(
おこ
)
るのださうであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
呼吸
(
いき
)
を
詰
(
つ
)
めて、うむと
堪
(
こら
)
へて
凍着
(
こゞえつ
)
くが、
古家
(
ふるいへ
)
の
煤
(
すゝ
)
にむせると、
時々
(
とき/″\
)
遣切
(
やりき
)
れなく
成
(
な
)
つて、
潛
(
ひそ
)
めた
嚔
(
くしやめ
)
、ハツと
噴出
(
ふきだ
)
しさうで
不氣味
(
ぶきみ
)
な
眞夜中
(
まよなか
)
。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十七の
秋
(
あき
)
に
見
(
み
)
たおつぎの
姿
(
すがた
)
がお
品
(
しな
)
に
能
(
よ
)
くも
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
たことを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しては、
他人
(
ひと
)
の
噂
(
うはさ
)
も
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
て
時々
(
とき/″\
)
は
逢
(
あ
)
つても
見
(
み
)
たい
心持
(
こゝろもち
)
がした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それで、
時々
(
とき/″\
)
お手
紙
(
がみ
)
やお
歌
(
うた
)
をお
送
(
おく
)
りになると、それにはいち/\お
返事
(
へんじ
)
をさし
上
(
あ
)
げますので、やう/\お
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めておいでになりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
又
(
また
)
醫員
(
いゐん
)
のハヾトフも
時々
(
とき/″\
)
來
(
き
)
ては、
何故
(
なにゆゑ
)
かアルコール
分子
(
ぶんし
)
の
入
(
はひ
)
つてゐる
飮物
(
のみもの
)
を
止
(
よ
)
せ。ブローミウム
加里
(
かり
)
を
服
(
の
)
めと
勸
(
すゝ
)
めて
行
(
ゆ
)
くので。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
また
石
(
いし
)
でもつてこの
銅劍
(
どうけん
)
などの
形
(
かたち
)
を
作
(
つく
)
つたものが
時々
(
とき/″\
)
發見
(
はつけん
)
せられますが、やはりこの
時代
(
じだい
)
のものと
思
(
おも
)
はれます。(
第四十九圖
(
だいしじゆうくず
)
)
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
外國市場
(
ぐわいこくしぢやう
)
に
於
(
おい
)
て
他國品
(
たこくひん
)
と
競爭
(
きやうさう
)
の
位置
(
ゐち
)
にある
場合
(
ばあひ
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
下落
(
げらく
)
の
爲
(
た
)
めに
日本品
(
にほんひん
)
が
競爭
(
きやうさう
)
に
打
(
う
)
ち
勝
(
か
)
つて
多
(
おほ
)
く
賣
(
う
)
れることは
時々
(
とき/″\
)
經驗
(
けいけん
)
した
處
(
ところ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
好
(
す
)
きな
燒米
(
やきごめ
)
でも
食
(
た
)
べながら
田舍
(
ゐなか
)
で
本
(
ほん
)
を
讀
(
よ
)
まうといふ
祖父
(
おぢい
)
さんのことですから、
父
(
とう
)
さんが
東京
(
とうきやう
)
へ
行
(
い
)
つてから
時々
(
とき/″\
)
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
るやうにと
言
(
い
)
ひまして
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
風雪
(
ふうせつ
)
の一
握
(
にぎ
)
りのつぶては、
時々
(
とき/″\
)
毛
(
け
)
のやうな
欄間
(
らんま
)
の
隙
(
すき
)
や
戸障子
(
としやうじ
)
の
仲
(
なか
)
を
盜
(
ぬす
)
み
入
(
い
)
つて、
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
冷
(
つめ
)
たいものをハラ/\と
私
(
わたし
)
の
寢顏
(
ねがほ
)
にふりかけてゆく。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
か
經
(
へ
)
て
衰破
(
すゐは
)
斷滅
(
だんめつ
)
し其屋敷
跡
(
あと
)
は
畑
(
はた
)
となりて
殘
(
のこ
)
れり其中に少しの
丘
(
をか
)
ありて
時々
(
とき/″\
)
錢
(
ぜに
)
又は
其外
(
そのほか
)
種々
(
いろ/\
)
の
器物
(
きぶつ
)
など
掘出
(
ほりだ
)
す事ある由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
例
(
たと
)
へば、それが
朝
(
あさ
)
の九
時
(
じ
)
であつたと
假定
(
かてい
)
して、
丁度
(
ちやうど
)
其時
(
そのとき
)
に
稽古
(
けいこ
)
を
初
(
はじ
)
める、
時々
(
とき/″\
)
何時
(
なんじ
)
になつたかと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
る、
時計
(
とけい
)
の
針
(
はり
)
は
廻
(
めぐ
)
つて
行
(
ゆ
)
く!一
時半
(
じはん
)
に
晝食
(
ちうじき
)
!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
こんな
工合
(
ぐあい
)
に、己は
時々
(
とき/″\
)
番頭から
叱
(
しか
)
り飛ばされる事がある。叱られると己はいつでもハッと思って、気を取り直す。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
へえゝ
綺麗
(
きれい
)
なもんですなア、
私共
(
わたしども
)
の
家内
(
かない
)
は、
時々
(
とき/″\
)
私
(
わたし
)
が
貴方
(
あなた
)
の
処
(
ところ
)
へお
療治
(
れうぢ
)
に
参
(
まゐ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
迎
(
むか
)
ひに
来
(
き
)
た事もありますが、
私
(
わたし
)
の
女房
(
にようばう
)
は今のやうな
好
(
い
)
い
女
(
をんな
)
ですか。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幻花子
(
げんくわし
)
も
新聞
(
しんぶん
)
の
方
(
はう
)
が
忙
(
いそが
)
しいので、
滅多
(
めつた
)
に
來
(
こ
)
ず。
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
で
時々
(
とき/″\
)
掘
(
ほ
)
り
始
(
はじ
)
めの
處
(
ところ
)
へ
立
(
た
)
つては、
往事
(
むかし
)
を
追懷
(
つひくわい
)
すると、
其時
(
そのとき
)
の
情景
(
じやうけい
)
が
眼前
(
がんぜん
)
に
彷彿
(
ほうふつ
)
として
見
(
み
)
えるのである。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
肥前
(
ひぜん
)
の
温泉岳
(
うんぜんだけ
)
(
高
(
たか
)
さ
千三百六十米
(
せんさんびやくろくじゆうめーとる
)
)は
時々
(
とき/″\
)
小規模
(
しようきぼ
)
の
噴火
(
ふんか
)
をなし、
少量
(
しようりよう
)
の
鎔岩
(
ようがん
)
をも
流出
(
りゆうしゆつ
)
することがあるが
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
時々
(
とき/″\
)
我輩
(
わがはい
)
に
建築
(
けんちく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
は
何
(
なん
)
であるかなどゝ
云
(
い
)
ふ
六
(
むづ
)
ヶ
敷
(
し
)
い
質問
(
しつもん
)
を
提出
(
ていしゆつ
)
して
我輩
(
わがはい
)
を
困
(
こま
)
らせる
人
(
ひと
)
がある。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
時々
(
とき/″\
)
使童
(
ボーイ
)
が
出入
(
しゆつにふ
)
して
淡泊
(
たんぱく
)
の
食品
(
くひもの
)
、
勁烈
(
けいれつ
)
の
飮料
(
いんれう
)
を
持運
(
もちはこ
)
んで
居
(
ゐ
)
た。ストーブは
熾
(
さかん
)
に
燃
(
も
)
えて
居
(
ゐ
)
る——
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
どう
考
(
かんが
)
へても、この
五
(
いつ
)
つの
現象
(
げんしよう
)
が、
一
(
ひと
)
つの
完全
(
かんぜん
)
な
山
(
やま
)
のありさまに
組
(
く
)
み
立
(
た
)
てゝ
感
(
かん
)
じられては
來
(
き
)
ません。こんな
人
(
ひと
)
ですから、
時々
(
とき/″\
)
おどけた
歌
(
うた
)
を
作
(
つく
)
つて、
人
(
ひと
)
を
笑
(
わら
)
はせようとしました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
とても
面白
(
おもしろ
)
い
競漕
(
きやうそう
)
などは
出來
(
でき
)
ない、
時々
(
とき/″\
)
やつて
見
(
み
)
たが、「ハンデー」やら
其他
(
そのほか
)
樣々
(
さま/″\
)
の
遣繰
(
やりくり
)
やらで、いつも
無邪氣
(
むじやき
)
な
紛着
(
もんちやく
)
が
起
(
おこ
)
つて、
墨田川
(
すみだがは
)
の
競漕
(
きやうそう
)
の
樣
(
やう
)
に
立派
(
りつぱ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「とにかくあの
人達
(
ひとたち
)
の
仕方
(
しかた
)
は
賢
(
かしこ
)
かつた。」
彼
(
かれ
)
は
時々
(
とき/″\
)
思
(
おも
)
つた。
大久保
(
おほくぼ
)
のやうな
稚気
(
ちき
)
の
多
(
おほ
)
い
狂人
(
きちがひ
)
を
相手取
(
あいてど
)
ることに、
何
(
なん
)
の
意味
(
いみ
)
のあらう
筈
(
はず
)
もなかつた。(大正14年7月「婦人の国」)
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それで
時々
(
とき/″\
)
は
自然
(
しぜん
)
の
森林
(
しんりん
)
に
遊
(
あそ
)
んで、すがすがしい
空氣
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
ひ、
精神
(
せいしん
)
を
保養
(
ほよう
)
する
必要
(
ひつよう
)
があります。
都會
(
とかい
)
には
大小
(
だいしよう
)
の
公園
(
こうえん
)
も
設
(
まう
)
けられてゐますが、そんなものは
完全
(
かんぜん
)
な
安靜場所
(
あんせいばしよ
)
といへません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
お
前
(
まへ
)
は
浦山
(
うらやま
)
しいねと
無端
(
そゞろ
)
に
親
(
おや
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
せば、それ
繪
(
ゑ
)
がぬれる、
男
(
をとこ
)
が
泣
(
な
)
く
物
(
もの
)
では
無
(
な
)
いと
美登利
(
みどり
)
に
言
(
い
)
はれて、
己
(
お
)
れは
氣
(
き
)
が
弱
(
よわ
)
いのかしら、
時々
(
とき/″\
)
種々
(
いろ/\
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すよ、まだ
今時分
(
いまじぶん
)
は
宜
(
い
)
いけれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
伏見戦争の
後
(
あと
)
で直ぐ、
朝命
(
てうめい
)
を蒙つて征討将軍の
宮
(
みや
)
に
随従
(
ずゐしう
)
し北陸道の鎮撫に出掛けたと云ふ手紙や、一時
還俗
(
げんぞく
)
して岩手県の
参事
(
さんじ
)
を拝命したと云ふ
報知
(
しらせ
)
は、其の
時々
(
とき/″\
)
に来たが、
少
(
すこ
)
しの
仕送
(
しおく
)
りも無いので
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
時々
(
とき/″\
)
白銀
(
しろがね
)
の
雫
(
しづく
)
のポタリと
墜
(
お
)
つるは、
誰
(
た
)
が水を汲みて去りしにや。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「あれで、これでも
萬物
(
ばんぶつ
)
の
靈長
(
れいちやう
)
だなんて
威張
(
ゐば
)
るんですよ、
時々
(
とき/″\
)
」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
時々
(
とき/″\
)
置時計の音が耳に入る。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
やがて、とことはの
闇
(
やみ
)
となり、
雲
(
くも
)
は
墨
(
すみ
)
の
上
(
うへ
)
に
漆
(
うるし
)
を
重
(
かさ
)
ね、
月
(
つき
)
も
星
(
ほし
)
も
包
(
つゝ
)
み
果
(
は
)
てて、
時々
(
とき/″\
)
風
(
かぜ
)
が
荒
(
あ
)
れ
立
(
た
)
つても、
其
(
そ
)
の
一片
(
いつぺん
)
の
動
(
うご
)
くとも
見
(
み
)
えず。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
從
(
したが
)
つて
其方
(
そのはう
)
の
談判
(
だんぱん
)
は、
始
(
はじ
)
めから
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
て
筆
(
ふで
)
にした
事
(
こと
)
がなかつた。
小六
(
ころく
)
からは
時々
(
とき/″\
)
手紙
(
てがみ
)
が
來
(
き
)
たが、
極
(
きは
)
めて
短
(
みじ
)
かい
形式的
(
けいしきてき
)
のものが
多
(
おほ
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
與吉
(
よきち
)
は
時々
(
とき/″\
)
鰌
(
どぜう
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た。おつぎは
衣物
(
きもの
)
の
泥
(
どろ
)
になるのを
叱
(
しか
)
りながらそれでも
威勢
(
ゐせい
)
よく
田圃
(
たんぼ
)
へ
出
(
だ
)
してやつた。
其
(
そ
)
の
度
(
たび
)
に
他
(
ほか
)
の
子供等
(
こどもら
)
の
後
(
うしろ
)
から
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
周邊
(
あたり
)
の
話
(
はなし
)
には
稀
(
まれ
)
に
立入
(
たちい
)
るのみで、
質問
(
しつもん
)
をされたら
决
(
けつ
)
して
返答
(
へんたふ
)
を
爲
(
し
)
たことの
無
(
な
)
い、
食
(
く
)
ふ
物
(
もの
)
も、
飮
(
の
)
む
物
(
もの
)
も、
與
(
あた
)
へらるゝまゝに、
時々
(
とき/″\
)
苦
(
くる
)
しさうな
咳
(
せき
)
をする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この
銅鐸
(
どうたく
)
は
今
(
いま
)
まで
古墳
(
こふん
)
から
出
(
で
)
たことはなく、
岩
(
いわ
)
の
間
(
あひだ
)
や、
山
(
やま
)
かげなどからひょこっと
出
(
で
)
るのが
普通
(
ふつう
)
であり、そしてたくさんの
數
(
かず
)
が
一度
(
いちど
)
に
出
(
で
)
ることも
時々
(
とき/″\
)
あります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
成功
(
せいこう
)
した
其時
(
そのとき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさも
思出
(
おもひい
)
でるが、
併
(
しか
)
し
多
(
おほ
)
くは
其時
(
そのとき
)
一處
(
いつしよ
)
に
行
(
い
)
つた
友
(
とも
)
の、
死
(
し
)
んだのや、
遠
(
とほ
)
ざかつたのや、いろ/\それを
懷出
(
おもひいだ
)
して、
時々
(
とき/″\
)
變
(
へん
)
な
感情
(
かんじやう
)
に
打
(
う
)
たれもする。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼の女がこんな事をしゃべる間、
己
(
おれ
)
は
時々
(
とき/″\
)
恐くなって下を向いた。なぜと云うのに、彼の女の瞳は、いやに己の方ばかりを
頻繁
(
ひんぱん
)
に見るような気がしたからである。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
長
(
なが
)
き
沈默
(
ちんもく
)
に
次
(
つ
)
ぐに
僅
(
わづ
)
かこれだけの
言葉
(
ことば
)
でした、それも
時々
(
とき/″\
)
グリフォンの『
御尤
(
ごもつと
)
も!』と
云
(
い
)
ふ
間投詞
(
かんとうし
)
や、
絶
(
た
)
えず
海龜
(
うみがめ
)
の
苦
(
くる
)
しさうな
歔欷
(
すゝりなき
)
とに
妨
(
さまた
)
げられて
絶
(
た
)
え/″\に。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
この
山
(
やま
)
は
近時
(
きんじ
)
淺間山
(
あさまやま
)
と
交代
(
こうたい
)
に
活動
(
かつどう
)
する
傾
(
かたむ
)
きを
有
(
も
)
つてゐるが、
降灰
(
こうはひ
)
のために
時々
(
とき/″\
)
災害
(
さいがい
)
を
桑園
(
そうえん
)
に
及
(
およ
)
ぼし、
養蠶上
(
ようさんじよう
)
の
損害
(
そんがい
)
を
被
(
かうむ
)
らしめるので、
土地
(
とち
)
の
人
(
ひと
)
に
迷惑
(
めいわく
)
がられてゐる。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
越
(
こ
)
えたれども折々は
夜鷹
(
よたか
)
などを買ひ行て家を明る事もあり又は下女共には
優
(
やさ
)
しき事を言
掛
(
かけ
)
恥
(
はぢ
)
をかく事も
度々
(
たび/\
)
なれども其を
恥
(
はぢ
)
とも思はず近頃は彼お兼に思ひを掛け
時々
(
とき/″\
)
袖褄
(
そでつま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
は
話
(
はなし
)
に
気
(
き
)
を
取
(
と
)
られてゐたので、お
料理
(
れうり
)
を
大抵
(
たいてい
)
食
(
た
)
べはぐしてしまつた。おいしさうなスープも、
香
(
か
)
んばしい
饅頭風
(
まんじうふう
)
のお
菓子
(
かし
)
も、それに
時々
(
とき/″\
)
機械的
(
きかいてき
)
に
口
(
くち
)
にするウオツカの
酔
(
よい
)
も
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから
用意
(
ようゐ
)
の
篝火
(
かゞりび
)
をどん/″\
燃
(
もや
)
して、
絶
(
た
)
えず
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
し、また
時々
(
とき/″\
)
爆裂彈
(
ばくれつだん
)
の
殘
(
のこ
)
れるを
投飛
(
なげとば
)
しなどして、
漸
(
やうや
)
く
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
したが、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けたとて
仕方
(
しかた
)
がない、
朝日
(
あさひ
)
はうら/\と
昇
(
のぼ
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
自分
(
じぶん
)
はそれはなんとも
思
(
おも
)
つてゐないが、しかし、
時々
(
とき/″\
)
悲觀
(
ひかん
)
すべき
世間
(
せけん
)
だ、とおもふ
氣
(
き
)
がする。
自分
(
じぶん
)
の
妻
(
つま
)
や
子
(
こ
)
が、
厭
(
いや
)
だ/\と
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
のことをいふにつれて、
厭
(
いや
)
に
思
(
おも
)
はれるこの
世
(
よ
)
よといふのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
へえー
熱
(
ねつ
)
がござりますか。殿「ウム、四十九
度
(
ど
)
許
(
ばかり
)
ある。井上「
其様
(
そんな
)
にある
訳
(
わけ
)
はござりませぬ、
夫
(
それ
)
ぢやア死んで
了
(
しま
)
ひますから。殿「アヽ
成程
(
なるほど
)
、三十七
度
(
ど
)
一
分
(
ぶ
)
あるの、
時々
(
とき/″\
)
悪寒
(
をかん
)
する事があるだらう。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
志村
(
しむら
)
も
同
(
おな
)
じ
心
(
こゝろ
)
、
後
(
あと
)
になり
先
(
さき
)
になり、
二人
(
ふたり
)
で
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
ると、
時々
(
とき/″\
)
は
路傍
(
ろばう
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
お
)
ろして
鉛筆
(
えんぴつ
)
の
寫生
(
しやせい
)
を
試
(
こゝろ
)
み、
彼
(
かれ
)
が
起
(
た
)
たずば
我
(
われ
)
も
起
(
た
)
たず、
我
(
われ
)
筆
(
ふで
)
をやめずんば
彼
(
かれ
)
も
止
(
や
)
めないと
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
で、
思
(
おも
)
はず
時
(
とき
)
が
經
(
た
)
ち
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
三郎
(
さぶらう
)
はもう
長
(
なが
)
いこと
信州
(
しんしう
)
木曾
(
きそ
)
の
小父
(
をぢ
)
さんの
家
(
うち
)
に
養
(
やしな
)
はれて
居
(
ゐ
)
まして、
兄
(
あに
)
の
太郎
(
たらう
)
や
次郎
(
じらう
)
のところへ
時々
(
とき/″\
)
お
手紙
(
てがみ
)
なぞをよこすやうになりました。
三郎
(
さぶらう
)
はことし十三
歳
(
さい
)
、
末子
(
すゑこ
)
がもう十一
歳
(
さい
)
にもなりますよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
代助は
時々
(
とき/″\
)
尋常な外界から法外に痛烈な刺激を受ける。それが
劇
(
はげ
)
しくなると、晴天から
来
(
く
)
る
日光
(
につこう
)
の反射にさへ堪へ難くなる事があつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
下谷
(
したや
)
團子坂
(
だんござか
)
の
出店
(
でみせ
)
なり。
夏
(
なつ
)
は
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
に
柱
(
はしら
)
を
建
(
た
)
て、
席
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
きて
客
(
きやく
)
を
招
(
せう
)
ず。
時々
(
とき/″\
)
夕立
(
ゆふだち
)
に
蕎麥
(
そば
)
を
攫
(
さら
)
はる、とおまけを
謂
(
い
)
はねば
不思議
(
ふしぎ
)
にならず。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
品
(
しな
)
はどうかして
少
(
すこ
)
しでも
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
減
(
へ
)
らして
置
(
お
)
きたいと
思
(
おも
)
つた。お
品
(
しな
)
は
其
(
その
)
内
(
うち
)
に
起
(
お
)
きられるだらうと
考
(
かんが
)
へつゝ
時々
(
とき/″\
)
うと/\と
成
(
な
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その
中
(
うち
)
樽前
(
たるまへ
)
は
明治四十二年
(
めいじしじゆうにねん
)
の
噴火
(
ふんか
)
に
於
(
おい
)
て、
火口
(
かこう
)
からプレー
式
(
しき
)
の
鎔岩丘
(
ようがんきゆう
)
を
押
(
お
)
し
出
(
だ
)
し、それが
今
(
いま
)
なほ
存在
(
そんざい
)
して
時々
(
とき/″\
)
その
彼方此方
(
かなたこなた
)
を
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばす
程
(
ほど
)
の
小爆發
(
しようばくはつ
)
をつゞけてゐる。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
しかしこれは
日本
(
につぽん
)
のごく
一部
(
いちぶ
)
に
行
(
おこな
)
はれたゞけで、
九州
(
きゆうしゆう
)
の
筑後
(
ちくご
)
や
肥後
(
ひご
)
などに
時々
(
とき/″\
)
見
(
み
)
ることが
出來
(
でき
)
ます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
時々
(
とき/″\
)
同室
(
どうしつ
)
の
者等
(
ものら
)
に
脊
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
獨
(
ひとり
)
窓
(
まど
)
の
所
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて、
何
(
なに
)
かを
胸
(
むね
)
に
着
(
つ
)
けて、
頭
(
かしら
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
熟視
(
みい
)
つてゐる
樣子
(
やうす
)
。
誰
(
たれ
)
か
若
(
も
)
し
近着
(
ちかづき
)
でもすれば、
極
(
きまり
)
惡
(
わる
)
さうに
急
(
いそ
)
いで
胸
(
むね
)
から
何
(
なに
)
かを
取
(
と
)
つて
隱
(
かく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
やがて
其秋
(
そのあき
)
には、
殘
(
のこ
)
らず
貝塚
(
かいづか
)
は
開
(
ひら
)
かれて、
畑
(
はたけ
)
と
成
(
な
)
つて
了
(
しま
)
つたが、それでも
余等
(
よら
)
は
未練
(
みれい
)
に
引
(
ひ
)
かされて、
表面採集
(
ひやうめんさいしふ
)
に
時々
(
とき/″\
)
立寄
(
たちよ
)
るが、
其後
(
そののち
)
とても、
土偶
(
どぐう
)
を
得
(
え
)
、
磨石斧
(
ませきふ
)
を
得
(
え
)
、三十七
年
(
ねん
)
の九
月
(
ぐわつ
)
には
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
して車坂の藤助の家へ行たであらう
公儀
(
おかみ
)
では
能
(
よく
)
御存じなるぞと申さるゝに三吉は成程
時々
(
とき/″\
)
久兵衞樣の供をして參りましたアヽ御奉行樣には能知て御出でなさいます私しは
家
(
うち
)
に居るより
供
(
とも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
々
3画
“時々”で始まる語句
時々刻々
時々拭
時々鼾
時々寝汗
時々鳥兜
時々彼方此方