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亭主
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ていしゆ
ふりがな文庫
“
亭主
(
ていしゆ
)” の例文
と
南
(
みなみ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
は一
旦
(
たん
)
橋渡
(
はしわた
)
しをすれば
後
(
あと
)
は
再
(
ふたゝ
)
びどうならうともそれは
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
だといふ
心
(
こゝろ
)
から
其處
(
そこ
)
は
加
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
に
繕
(
つくろ
)
うて
遁
(
にげ
)
るやうに
歸
(
かへ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此女
(
このをんな
)
は
国
(
くに
)
から
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
たのではない、
江戸
(
えど
)
で
持
(
も
)
つた
女
(
をんな
)
か知れない、それは
判然
(
はつきり
)
分
(
わか
)
らないが、
何
(
なに
)
しろ
薄情
(
はくじやう
)
の
女
(
をんな
)
だから
亭主
(
ていしゆ
)
を
表
(
おもて
)
へ
突
(
つ
)
き出す。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人間界
(
にんげんかい
)
ではないものを……と、
唯
(
たつ
)
た
今
(
いま
)
、
亭主
(
ていしゆ
)
に
死
(
し
)
なれたやうな
聲
(
こゑ
)
をして、
優
(
やさ
)
しい
女房
(
にようばう
)
は
涙
(
なみだ
)
ぐむ。
思
(
おも
)
ひがけない、
可懷
(
なつか
)
しさに
胸
(
むね
)
も
迫
(
せま
)
つたらう。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
能
(
よく
)
も女の手一ツにて
斯樣
(
かやう
)
に御
育養
(
そだて
)
有れしぞ
併
(
しか
)
し其後は御
亭主
(
ていしゆ
)
も定めてお出來
成
(
なさ
)
れたで
有
(
あら
)
うに今日は
何
(
いづ
)
れへかお出かけにやと言へばお光は
形
(
かたち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
は五十
恰好
(
がつかう
)
の
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
い
頬
(
ほゝ
)
の
瘠
(
こけ
)
た
男
(
をとこ
)
で、
鼈甲
(
べつかふ
)
の
縁
(
ふち
)
を
取
(
と
)
つた
馬鹿
(
ばか
)
に
大
(
おほ
)
きな
眼鏡
(
めがね
)
を
掛
(
か
)
けて、
新聞
(
しんぶん
)
を
讀
(
よ
)
みながら、
疣
(
いぼ
)
だらけの
唐金
(
からかね
)
の
火鉢
(
ひばち
)
に
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
宿屋の
亭主
(
ていしゆ
)
たちは裏手の小さな建物に寝てゐました。イワンはその亭主をおこしてお金をはらつて立ちました。
ざんげ
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
鉄道
工廠
(
こうしよう
)
の住宅地域! 二階建ての長屋の窓から、
工夫
(
こうふ
)
のおかみさんが怒鳴つてゐる。
亭主
(
ていしゆ
)
は駅の構内で働らいてゐて、真黒の石炭がらを積みあげてゐる。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
妻
(
つま
)
たる
身
(
み
)
の
不貞腐
(
ふてくさ
)
れをいふて
濟
(
す
)
むと
思
(
おも
)
ふか、
土方
(
どかた
)
をせうが
車
(
くるま
)
を
引
(
ひ
)
かうが
亭主
(
ていしゆ
)
は
亭主
(
ていしゆ
)
の
權
(
けん
)
がある、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬ
奴
(
やつ
)
を
家
(
うち
)
には
置
(
お
)
かぬ、
何處
(
どこ
)
へなりとも
出
(
で
)
てゆけ、
出
(
で
)
てゆけ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
で、
風流三昧
(
ふうりうざんまい
)
の
蘿月
(
らげつ
)
は
已
(
や
)
むを得ず
俳諧
(
はいかい
)
で世を渡るやうになり、お
豊
(
とよ
)
は
其
(
そ
)
の
後
(
ご
)
亭主
(
ていしゆ
)
に
死別
(
しにわか
)
れた不幸つゞきに
昔
(
むかし
)
名
(
な
)
を取つた
遊芸
(
いうげい
)
を幸ひ
常磐津
(
ときはづ
)
の
師匠
(
ししやう
)
で
生計
(
くらし
)
を立てるやうになつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
おもちや屋の
亭主
(
ていしゆ
)
がした通りを
真似
(
まね
)
て、
引
(
ひい
)
て見ても縮めて見ても、どうひねくり
廻
(
まは
)
しても「てふちよ、てふちよ」のふしは
出
(
いで
)
ず、よつて
此
(
この
)
時始めて悟り
升
(
まし
)
た、此風琴も琴、三味線同様
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
神使のざうりとりさきにはせきたりて
跋扈
(
ふみはだ
)
かり、大
声
(
こゑ
)
にて正一位
三社宮
(
さんじやのみや
)
使者
(
ししや
)
と
大呼
(
よばゝる
)
。神使を見て
亭主
(
ていしゆ
)
地上に平伏し、神使を引てかの正殿に座さしむ、
行列
(
ぎやうれつ
)
は家の左右にありて
隊
(
たい
)
をなす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
扨
(
さて
)
は此女房の美しいに思ひつきて、我より二つ四つも年のいたをもたれしか、
但
(
ただし
)
入り
聟
(
むこ
)
か、(中略)と
亭主
(
ていしゆ
)
が
懐
(
ふところ
)
にはいればそのまま
魂
(
たましひ
)
入れ替り、(中略)さあ夢さましてもてなしやと云へば
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イワーノウナは
何
(
なん
)
だか
嬉
(
うれ
)
しくて
堪
(
たま
)
らなくなつたと
見
(
み
)
えて
一週間前
(
いつしうかんぜん
)
に
大喧嘩
(
おほげんくわ
)
した
事
(
こと
)
ア
忘
(
わす
)
れちまつてア………フ………を
呼
(
よ
)
んで
咖啡
(
こうひい
)
なんぞを
馳走
(
ちそう
)
しながら
荐
(
しき
)
りに
色
(
いろ
)
んな
餘計
(
よけい
)
を
附
(
つ
)
けちやア
亭主
(
ていしゆ
)
の
自慢
(
じまん
)
をする
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「
蒲團
(
ふとん
)
も
持
(
も
)
てらば
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た
方
(
はう
)
がえゝな」
南
(
みなみ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
段々
(
だん/\
)
に
大粒
(
おほつぶ
)
に
成
(
な
)
つて
飛
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
る
雪
(
ゆき
)
の
亂
(
みだ
)
れの
中
(
なか
)
に
消
(
き
)
え
行
(
ゆ
)
く
勘次
(
かんじ
)
の
後
(
あと
)
から
追
(
お
)
ひ
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
乞と
暫
(
しばし
)
縁
(
えん
)
の
下
(
もと
)
に
休
(
やすら
)
ひぬ
餠屋
(
もちや
)
の店には
亭主
(
ていしゆ
)
と思しき男の居たりしかば寶澤其男に
向
(
むかひ
)
申けるは私しは
腹痛
(
ふくつう
)
致し甚だ
難澁
(
なんじふ
)
致せば
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
で、
果
(
はて
)
は
亭主
(
ていしゆ
)
が、
蚤
(
のみ
)
を
除
(
よ
)
けるための
蚤
(
のみ
)
の
巣
(
す
)
に
成
(
な
)
つて、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
毛
(
け
)
を
全身
(
ぜんしん
)
に
纏
(
まと
)
つて、
素裸
(
すつぱだか
)
で、
寢室
(
しんしつ
)
の
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
へ
潛
(
もぐ
)
り
潛
(
もぐ
)
り、
一夏
(
ひとなつ
)
のうちに
狂死
(
くるひじに
)
をした。——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あとに
女
(
をんな
)
は
亭主
(
ていしゆ
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たならば
飲
(
の
)
ませようと思つて買つて置いた酒をお客に
飲
(
の
)
ましてしまつたのですから、買つて置かうと
糸立
(
いとだて
)
を
巻
(
ま
)
いて
手拭
(
てぬぐひ
)
を
冠
(
かむ
)
り
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
首
(
くび
)
から
下
(
した
)
は
眞白
(
まつしろ
)
な
布
(
ぬの
)
に
包
(
つゝ
)
まれて、
自分
(
じぶん
)
の
着
(
き
)
てゐる
着物
(
きもの
)
の
色
(
いろ
)
も
縞
(
しま
)
も
全
(
まつた
)
く
見
(
み
)
えなかつた。
其時
(
そのとき
)
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
床屋
(
とこや
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が
飼
(
か
)
つてゐる
小鳥
(
ことり
)
の
籠
(
かご
)
が、
鏡
(
かゞみ
)
の
奧
(
おく
)
に
映
(
うつ
)
つてゐる
事
(
こと
)
に
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
算盤
(
そろばん
)
で
乃公
(
おれ
)
の頭をなぐつた
親爺
(
おやぢ
)
にしろ、泣いて意見をした
白鼠
(
しろねずみ
)
の番頭にしろ、
暖簾
(
のれん
)
を分けて
貰
(
もら
)
つたお
豊
(
とよ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
にしろ、さう
云
(
い
)
ふ人達は
怒
(
おこ
)
つたり笑つたり泣いたり喜んだりして
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
飯田町
(
いひだまち
)
のお
波
(
なみ
)
が
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つてかと
問
(
と
)
ひかけるに、お
福
(
ふく
)
は百
年
(
ねん
)
も
前
(
まへ
)
からと
言
(
い
)
はぬばかりにして、
夫
(
そ
)
れを
御存
(
ごぞん
)
じの
無
(
な
)
いは
此處
(
こゝ
)
の
奧樣
(
おくさま
)
お一
方
(
かた
)
、
知
(
し
)
らぬは
亭主
(
ていしゆ
)
の
反對
(
あべこ
)
だね、まだ
私
(
わたし
)
は
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いが
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
は
胸
(
むね
)
が
裂
(
さ
)
けるほど
亭主
(
ていしゆ
)
の
言葉
(
ことば
)
が
気
(
き
)
に
障
(
さは
)
つた。
最
(
も
)
う
死骸
(
しがい
)
に
成
(
な
)
つてる、と
言
(
い
)
つたやうな、
奴
(
やつ
)
の
言種
(
いひぐさ
)
が
何
(
なん
)
とも
以
(
もつ
)
て
可忌
(
いまは
)
しい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
衣物
(
きもの
)
濡
(
ぬ
)
れたやうだな、
脱
(
ぬが
)
せたらよかつぺ、それに
酷
(
ひど
)
く
汚
(
よご
)
れつちやつたな」
亭主
(
ていしゆ
)
はいつて
捲
(
まく
)
つた
蒲團
(
ふとん
)
へ
手
(
て
)
を
當
(
あて
)
て
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
調
(
とゝの
)
へ度存候是は
我母
(
わがはゝ
)
の若き時に差たる品なりとて頼ければ亭主は氣の毒に思ながら出入の
小間物屋與兵衞
(
こまものやよへゑ
)
と
云者
(
いふもの
)
へ彼二品を見せ
亭主
(
ていしゆ
)
保證人
(
うけにん
)
になりて是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
へえー
芝居
(
しばゐ
)
にありさうですな、
河竹
(
かはたけ
)
新
(
しん
)
七さんでも書きさうな
狂言
(
きやうげん
)
だ、
亀裂
(
ひゞ
)
皹
(
あかぎれ
)
を
隠
(
かく
)
さう
為
(
た
)
めに
亭主
(
ていしゆ
)
は
熊
(
くま
)
の
膏薬売
(
かうやくう
)
り、イヤもう
何処
(
どこ
)
で
何
(
ど
)
う
云
(
い
)
ふ
方
(
かた
)
にお目にかゝるか知れません。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
門口
(
かどぐち
)
に
柳
(
やなぎ
)
のある新しい二階
家
(
や
)
からは
三味線
(
しやみせん
)
が
聞
(
きこ
)
えて、水に添ふ低い
小家
(
こいへ
)
の
格子戸外
(
かうしどそと
)
には
裸体
(
はだか
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が
凉
(
すゞ
)
みに出はじめた。
長吉
(
ちやうきち
)
はもう来る
時分
(
じぶん
)
であらうと思つて
一心
(
いつしん
)
に橋
向
(
むか
)
うを
眺
(
なが
)
めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
亭主
(
ていしゆ
)
と
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
く
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
まだ
可笑
(
をか
)
しい
事
(
こと
)
がある、ずツと
後
(
あと
)
で……
此
(
こ
)
の
番町
(
ばんちやう
)
の
湯
(
ゆ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと、かへりがけに、
錢湯
(
せんたう
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が「
先生々々
(
せんせい/\
)
」
丁
(
ちやう
)
ど
午
(
ひる
)
ごろだから
他
(
ほか
)
に
一人
(
ひとり
)
も
居
(
ゐ
)
なかつた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうも
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます……
左様
(
さやう
)
なら
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
なしに
頂戴
(
ちやうだい
)
致
(
いた
)
しますと、
亭主
(
ていしゆ
)
の
河合金兵衛
(
かはひきんべゑ
)
が
茶
(
ちや
)
を
点
(
た
)
つてる
間
(
あひだ
)
に、
小丼
(
こどんぶり
)
を
前
(
まへ
)
に
引寄
(
ひきよ
)
せて
乞食
(
こじき
)
ながらも、
以前
(
いぜん
)
は名のある
神谷幸右衛門
(
かみやかうゑもん
)
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女
(
をんな
)
に
心
(
こゝろ
)
があつてもなくても、
私
(
わたし
)
も
亭主
(
ていしゆ
)
の
一人
(
ひとり
)
である。そのでんぶ、
焼海苔
(
やきのり
)
など
称
(
とな
)
ふるものをしたゝか
入
(
い
)
れた
大
(
おほ
)
バスケツトがあるゆゑんである。また
不断
(
ふだん
)
と
違
(
ちが
)
ふ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
な
)
んだ
玉子酒
(
たまござけ
)
をして
食
(
く
)
ひやがつて、
亭主
(
ていしゆ
)
は
山越
(
やまごえ
)
をして
方々
(
はう/″\
)
商
(
あきなひ
)
をしてゐるに、
嬶
(
かゝ
)
アは
玉子酒
(
たまござけ
)
をして
食
(
くら
)
やアがる、まだあまつてゐるが
飲
(
の
)
んでやれ、オイ
誰
(
だれ
)
だおくまか、どこへ
行
(
い
)
つたんだ。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
が
答
(
こた
)
へて、
如何
(
いか
)
にも、
此
(
こ
)
の
辺
(
へん
)
で
噂
(
うはさ
)
するには、
春
(
はる
)
の
曙
(
あけぼの
)
のやうに、
蒼々
(
あを/\
)
と
霞
(
かす
)
んだ、
滑
(
なめら
)
かな
盤石
(
ばんじやく
)
で、
藤色
(
ふぢいろ
)
がゝつた
紫
(
むらさき
)
の
筋
(
すぢ
)
が、
寸分
(
すんぶん
)
違
(
たが
)
はず、
双六
(
すごろく
)
の
目
(
め
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
梅廼屋
(
うめのや
)
は五
代目
(
だいめ
)
の
塩原多助
(
しほばらたすけ
)
の
女房
(
にようばう
)
で、それが
亭主
(
ていしゆ
)
が
亡
(
なくな
)
つてから
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嬰兒
(
あかんぼ
)
も
亭主
(
ていしゆ
)
もごみ/\と
露出
(
むきだし
)
の
一間
(
ひとま
)
に
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて、
晨起
(
あさおき
)
の
爺樣
(
ぢいさま
)
一人
(
ひとり
)
で、
釜
(
かま
)
の
下
(
した
)
を
焚
(
たき
)
つけて
居
(
ゐ
)
た
處
(
ところ
)
で。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
或旅宿
(
あるやど
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が
欝
(
ふさ
)
ぎ
込
(
こ
)
んで、主
(和)茗荷
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
柳田
(
やなぎだ
)
さんは、
旅籠
(
はたご
)
のあんまに、
加賀
(
かが
)
の
金澤
(
かなざは
)
では
天狗
(
てんぐ
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
くし、
奧州
(
あうしう
)
飯野川
(
いひのがは
)
の
町
(
まち
)
で
呼
(
よ
)
んだのは、
期
(
き
)
せずして、
同氏
(
どうし
)
が
研究
(
けんきう
)
さるゝ、おかみん、いたこの
亭主
(
ていしゆ
)
であつた。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
下
(
お
)
りて
来
(
き
)
て、ちやんと
申
(
まを
)
さぬかい、
何
(
なん
)
ぢや、
不作法
(
ぶさはふ
)
な。』と
亭主
(
ていしゆ
)
が
炉端
(
ろばた
)
から
上睨
(
うはにら
)
みを
行
(
や
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よい/\の、
犬
(
いぬ
)
の、
婆
(
ばゞ
)
の、
金時計
(
きんどけい
)
の、
淺葱
(
あさぎ
)
の
褌
(
ふんどし
)
の、
其上
(
そのうへ
)
に、
子抱
(
こかゝへ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
と
來
(
き
)
た
日
(
ひ
)
には、こりや
何時
(
いつ
)
までも
見
(
み
)
せられたら、
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
まうも
知
(
し
)
れぬぞと、あたふた
百花園
(
ひやくくわゑん
)
を
遁
(
に
)
げて
出
(
で
)
る。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
芥川
(
あくたがは
)
さんが
詠
(
えい
)
じて
以来
(
いらい
)
、——
東京府
(
とうきやうふ
)
の
心
(
こゝろ
)
ある
女連
(
をんなれん
)
は、
東北
(
とうほく
)
へ
旅行
(
りよかう
)
する
亭主
(
ていしゆ
)
の
為
(
ため
)
に
鰹
(
おかゝ
)
のでんぶと、
焼海苔
(
やきのり
)
と、
梅干
(
うめぼし
)
と、
氷砂糖
(
こほりざたう
)
を
調
(
とゝの
)
へることを、
陰膳
(
かげぜん
)
とゝもに
忘
(
わす
)
れない
事
(
こと
)
に
成
(
な
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それ
鼬
(
いたち
)
の
道
(
みち
)
を
切
(
き
)
る
時
(
とき
)
押
(
お
)
して
進
(
すゝ
)
めば
禍
(
わざはひ
)
あり、
山
(
やま
)
に
櫛
(
くし
)
の
落
(
お
)
ちたる
時
(
とき
)
、
之
(
これ
)
を
避
(
さ
)
けざれば
身
(
み
)
を
損
(
そこな
)
ふ。
兩頭
(
りやうとう
)
の
蛇
(
へび
)
を
見
(
み
)
たるものは
死
(
し
)
し、
路
(
みち
)
に
小兒
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
いた
亭主
(
ていしゆ
)
を
見
(
み
)
れば、
壽
(
ことぶき
)
長
(
なが
)
からずとしてある
也
(
なり
)
。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
柳屋
(
やなぎや
)
は
土地
(
とち
)
で
老鋪
(
しにせ
)
だけれども、
手廣
(
てびろ
)
く
商
(
あきなひ
)
をするのではなく、八九十
軒
(
けん
)
もあらう百
軒
(
けん
)
足
(
た
)
らずの
此
(
こ
)
の
部落
(
ぶらく
)
だけを
花主
(
とくい
)
にして、
今代
(
こんだい
)
は
喜藏
(
きざう
)
といふ
若
(
わか
)
い
亭主
(
ていしゆ
)
が、
自分
(
じぶん
)
で
賣
(
う
)
りに
𢌞
(
まは
)
るばかりであるから
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
は
法然天窓
(
はふねんあたま
)
、
木綿
(
もめん
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
の
中
(
なか
)
へ
両手
(
りやうて
)
の
先
(
さき
)
を
窘
(
すく
)
まして、
火鉢
(
ひばち
)
の
前
(
まへ
)
でも
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
さぬ、ぬうとした
親仁
(
おやぢ
)
、
女房
(
にようばう
)
の
方
(
はう
)
は
愛嬌
(
あいけう
)
のある、
一寸
(
ちよいと
)
世辞
(
せじ
)
の
可
(
い
)
い
婆
(
ばあ
)
さん、
件
(
くだん
)
の
人参
(
にんじん
)
と
干瓢
(
かんぺう
)
の
話
(
はなし
)
を
旅僧
(
たびそう
)
が
打出
(
うちだ
)
すと
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
極
(
きは
)
めて
慇懃
(
いんぎん
)
に「えゝ(おかゆ)とは
何
(
ど
)
う
書
(
か
)
きますでせうか。」「あゝ、
其
(
そ
)
れはね、
弓
(
かう
)
、
弓
(
かう
)
やつて、
眞中
(
まんなか
)
へ
米
(
こめ
)
と
書
(
か
)
くんです。
弱
(
よわ
)
しと
間違
(
まちが
)
つては
不可
(
いけな
)
いのです。」
何
(
なん
)
と、
先生
(
せんせい
)
の
得意
(
とくい
)
想
(
おも
)
ふべし。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一夜
(
いちや
)
珍
(
めづら
)
しく、
宵
(
よひ
)
の
内
(
うち
)
から
亭主
(
ていしゆ
)
が
寢
(
ね
)
ると、
小屋
(
こや
)
の
隅
(
すみ
)
の
暗
(
くら
)
がりに、
怪
(
あや
)
しき
聲
(
こゑ
)
で
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
相州
(
さうしう
)
小田原
(
をだはら
)
の
町
(
まち
)
に
電車鐵道
(
でんしやてつだう
)
待合
(
まちあひ
)
の、
茶店
(
ちやみせ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が
言
(
ことば
)
に
因
(
よ
)
れば、
土地
(
とち
)
の
鹽辛
(
しほから
)
、
蒲鉾
(
かまぼこ
)
、
外郎
(
うゐらう
)
、
及
(
およ
)
び
萬年町
(
まんねんちやう
)
の
竹屋
(
たけや
)
の
藤
(
ふぢ
)
、
金格子
(
きんがうし
)
の
東海棲
(
とうかいろう
)
、
料理店
(
れうりてん
)
の
天利
(
てんり
)
、
城
(
しろ
)
の
石垣
(
いしがき
)
、
及
(
およ
)
び
外廓
(
そとぐるわ
)
の
梅林
(
ばいりん
)
は、
凡
(
およ
)
そ
日本一
(
につぽんいち
)
也
(
なり
)
。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
婦
(
をんな
)
も
吃驚
(
びつくり
)
。——
亭主
(
ていしゆ
)
の
亭
(
てい
)
と
云
(
い
)
ふのではない。
飛脚
(
ひきやく
)
の
名
(
な
)
は
丁隷
(
ていれい
)
である。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おゝ、
積
(
つも
)
つた、
積
(
つも
)
つた。」と
呟
(
つぶや
)
いたのは、
旅籠屋
(
はたごや
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
の
声
(
こゑ
)
である。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
覺
(
おぼ
)
えがあるから、あたりを
拂
(
はら
)
つて
悠然
(
いうぜん
)
として
教
(
をし
)
へた。——
今
(
いま
)
はもう
代
(
だい
)
は
替
(
かは
)
つた——
亭主
(
ていしゆ
)
は
感心
(
かんしん
)
もしないかはりに、
病身
(
びやうしん
)
らしい、お
粥
(
かゆ
)
を
食
(
た
)
べたさうな
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
女房
(
にようばう
)
が
評判
(
ひやうばん
)
の
別嬪
(
べつぴん
)
で。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ふだん
亭主
(
ていしゆ
)
を
彌次喜多
(
やじきた
)
に
扱
(
あつか
)
ふ
女
(
をんな
)
に、
學問
(
がくもん
)
のある
處
(
ところ
)
を
見
(
み
)
せてやらう。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
留主
(
るす
)
におらが
此
(
こ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
を
盗
(
ぬす
)
むぞよ。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
、
月夜
(
つきよ
)
にのそりと
立
(
た
)
つて
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“亭主”の意味
《名詞》
亭 主(ていしゅ)
一家の主。転じて夫のこと
店や家などの主人。
(出典:Wiktionary)
亭
常用漢字
中学
部首:⼇
9画
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
“亭主”で始まる語句
亭主列車
亭主振
亭主方
亭主運