“糸立”の読み方と例文
読み方割合
いとだて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あわてて、糸立いとだてを肩にひろげたが、とおるようなビショぬれで、ポッケットにはさんだ紫鉛筆の色が、上衣の乳の下あたりまでにじみだした。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
あとにをんな亭主ていしゆかへつてたならばませようと思つて買つて置いた酒をお客にましてしまつたのですから、買つて置かうと糸立いとだていて手拭てぬぐひかむ
其時、私は糸立いとだてを着て、草鞋わらぢを穿いて歩いて行つた。浜島から長島までの辛い長い山路、其処には桃の花の咲いてゐるはたもあれば、椿の花の緑葉みどりはの中に紅くむらがつてゐる漁村もあつた。
春雨にぬれた旅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)