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はやし
ふりがな文庫
“
林
(
はやし
)” の例文
すみなれた
林
(
はやし
)
や、
山
(
やま
)
や、
河
(
かわ
)
や、
野原
(
のはら
)
を
見捨
(
みす
)
て、
知
(
し
)
らぬ
他国
(
たこく
)
へ
出
(
で
)
ることは、これらの
小鳥
(
ことり
)
にとっても、
冒険
(
ぼうけん
)
にちがいなかったからです。
ふるさと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
林
(
はやし
)
図書頭
(
ずしょのかみ
)
をはじめとして諸儒者列席の前に一人ずつ呼び出され、一間半もある大きい
唐机
(
からづくえ
)
の前に坐って素読の試験を受けるのである。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
檜木
(
ひのき
)
、
椹
(
さはら
)
、
明檜
(
あすひ
)
、
槇
(
まき
)
、
𣜌
(
ねず
)
——それを
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
では
五木
(
ごぼく
)
といひまして、さういふ
木
(
き
)
の
生
(
は
)
えた
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
があの
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かうして
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
の
空氣
(
くうき
)
は、
常
(
つね
)
に
林
(
はやし
)
の
外
(
そと
)
と
比
(
くら
)
べて、
晝間
(
ちゆうかん
)
は
涼
(
すゞ
)
しく、
夜間
(
やかん
)
は
温
(
あたゝ
)
かで、
從
(
したが
)
つて
晝
(
ひる
)
と
夜
(
よる
)
とで
氣温
(
きおん
)
が
急
(
きゆう
)
に
變
(
かは
)
ることを
和
(
やは
)
らげます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
菜
(
な
)
が
洗
(
あら
)
ひ
畢
(
をは
)
つた
時
(
とき
)
枯葉
(
かれは
)
の
多
(
おほ
)
いやうなのは
皆
(
みな
)
釜
(
かま
)
で
茹
(
ゆ
)
でゝ
後
(
うしろ
)
の
林
(
はやし
)
の
楢
(
なら
)
の
幹
(
みき
)
へ
繩
(
なは
)
を
渡
(
わた
)
して
干菜
(
ほしな
)
に
掛
(
か
)
けた。
自分等
(
じぶんら
)
の
晝餐
(
ひる
)
の
菜
(
さい
)
にも
一釜
(
ひとかま
)
茹
(
ゆ
)
でた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
一四
葭
(
あし
)
がちる
難波
(
なには
)
を
経
(
へ
)
て、
一五
須磨明石の浦ふく風を身に
一六
しめつも、行々
一七
讃岐
(
さぬき
)
の
真尾坂
(
みをざか
)
の
林
(
はやし
)
といふにしばらく
一八
筇
(
つゑ
)
を
植
(
とど
)
む。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
少年
(
せうねん
)
の
指
(
ゆびさ
)
す
方
(
かた
)
を
眺
(
なが
)
めると
如何
(
いか
)
にも
大變
(
たいへん
)
!
先刻
(
せんこく
)
吾等
(
われら
)
の
通※
(
つうくわ
)
して
來
(
き
)
た
黄乳樹
(
わうにうじゆ
)
の
林
(
はやし
)
の
中
(
あひだ
)
より、
一頭
(
いつとう
)
の
猛獸
(
まうじう
)
が
勢
(
いきほい
)
鋭
(
するど
)
く
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
たのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だんだん
深
(
ふか
)
く
入
(
はい
)
って行って、まっくらな
林
(
はやし
)
の中の、
岩
(
いわ
)
ばかりのでこぼこした
道
(
みち
)
をよじて行きますと、やがて大きな
岩室
(
いわむろ
)
の
前
(
まえ
)
に出ました。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
林
(
はやし
)
林学士を
統領
(
とうりょう
)
として、
属員
(
ぞくいん
)
人夫
(
にんぷ
)
アイヌ約二十人、此春以来
此処
(
ここ
)
を
本陣
(
ほんじん
)
として、
北見界
(
きたみざかい
)
かけ官有
針葉樹林
(
しんようじゅりん
)
の調査をやって居るのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
(それでは
林
(
はやし
)
へでも、
裏
(
うら
)
の
田畝
(
たんぼ
)
へでも
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ておいで。
何故
(
なぜ
)
ツて
天上
(
てんじよう
)
に
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
るんだから
籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
ないのかも
知
(
し
)
れないよ)
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
林
(
はやし
)
のおやじ……? ウン。あの若い朝鮮人……
林
(
りん
)
の
親父
(
おやじ
)
だよ。まだ話さなかったっけな……アハハハ。少々酔ったと見えて話が先走ったわい。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
老中若年寄りを初めとし
林
(
はやし
)
大学頭
(
だいがくのかみ
)
など列座の上、下見の相談の催おされたのは年も押し詰まった
師走
(
しわす
)
のことであったが
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
俺
(
おれ
)
だつて、
誰
(
た
)
れにも
逢
(
あ
)
はふとは
思
(
おも
)
はない、
只
(
たゞ
)
あの
石狩原野
(
いしかりげんや
)
だの、
高原
(
たかはら
)
の
落日
(
おちひ
)
、
白樺
(
しろかば
)
の
林
(
はやし
)
なにを
考
(
かんが
)
へてもいゝなあ——それに五
月
(
ぐわつ
)
頃
(
ころ
)
になるとあの
白樺
(
しろかば
)
の
根
(
ね
)
に
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
のあるところならよいが、
疲
(
つか
)
れても
翼
(
はね
)
をやすめることもできず、お
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いても
何
(
なに
)
一つ
食
(
た
)
べるものもない、ひろいひろい、それは
大
(
おほ
)
きな、
毎日
(
まいにち
)
毎晩
(
まいばん
)
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
闇
(
やみ
)
にも
歡
(
よろこ
)
びあり、
光
(
ひかり
)
にも
悲
(
かなしみ
)
あり
麥藁帽
(
むぎわらばう
)
の
廂
(
ひさし
)
を
傾
(
かたむ
)
けて、
彼方
(
かなた
)
の
丘
(
をか
)
、
此方
(
こなた
)
の
林
(
はやし
)
を
望
(
のぞ
)
めば、まじ/\と
照
(
て
)
る
日
(
ひ
)
に
輝
(
かゞや
)
いて
眩
(
まば
)
ゆきばかりの
景色
(
けしき
)
。
自分
(
じぶん
)
は
思
(
おも
)
はず
泣
(
な
)
いた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは
実際
(
じっさい
)
ずいぶん
丈
(
たけ
)
が
高
(
たか
)
くて、その
一番
(
いちばん
)
高
(
たか
)
いのなどは、
下
(
した
)
に
子供
(
こども
)
がそっくり
隠
(
かく
)
れる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るくらいでした。
人気
(
ひとけ
)
がまるで
無
(
な
)
くて、
全
(
まった
)
く
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
みたいです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこらがまだまるつきり、
丈
(
たけ
)
高
(
たか
)
い
草
(
くさ
)
や
黒
(
くろ
)
い
林
(
はやし
)
のままだつたとき、
嘉十
(
かじふ
)
はおぢいさんたちと
北上川
(
きたかみがは
)
の
東
(
ひがし
)
から
移
(
うつ
)
つてきて、
小
(
ちい
)
さな
畑
(
はたけ
)
を
開
(
ひら
)
いて、
粟
(
あは
)
や
稗
(
ひえ
)
をつくつてゐました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その様子を、次の間から新しく傭い入れられた助手の
林
(
はやし
)
という青年が、心配そうに窺っていた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
雨戸
(
あまど
)
をさす
間
(
ま
)
もなく、
今
(
いま
)
まで
遠
(
とほ
)
くの
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
に
聞
(
きこ
)
えてゐた
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
は、
巨人
(
きよじん
)
の
手
(
て
)
の一
煽
(
あふ
)
りのやうに
吾
(
われ
)
にもない
疾
(
はや
)
さで
驅
(
かけ
)
て
來
(
き
)
て、その
勢
(
いきほ
)
ひの
中
(
なか
)
に
山
(
やま
)
の
雪
(
ゆき
)
を一
掃
(
は
)
き
捲
(
ま
)
き
込
(
こ
)
んでしまつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
私
(
わたくし
)
は
時折
(
ときをり
)
種々
(
いろ/\
)
な
事
(
こと
)
を
妄想
(
まうざう
)
しますが、
往々
(
わう/\
)
幻想
(
まぼろし
)
を
見
(
み
)
るのです、
或人
(
あるひと
)
が
來
(
き
)
たり、
又
(
また
)
人
(
ひと
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いたり、
音樂
(
おんがく
)
が
聞
(
きこ
)
えたり、
又
(
また
)
林
(
はやし
)
や、
海岸
(
かいがん
)
を
散歩
(
さんぽ
)
してゐるやうに
思
(
おも
)
はれる
時
(
とき
)
も
有
(
あ
)
ります。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
話
(
はなし
)
して
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
へ、
突然
(
とつぜん
)
、
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
から、
半外套
(
はんぐわいとう
)
を
着
(
き
)
た、
草鞋
(
わらじ
)
脚半
(
きやはん
)
の、
變
(
へん
)
な
奴
(
やつ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
所は
芝
(
しば
)
烏森
(
からすもり
)
で俗に「
林
(
はやし
)
の屋敷」と呼ばれていた屋敷長屋の
端
(
はず
)
れの
家
(
うち
)
だったが、
家内
(
うち
)
の
間取
(
まどり
)
といい、庭の
趣
(
おもむき
)
といい、
一寸
(
ちょっと
)
気取った家で、
凡
(
すべ
)
て
上方
(
かみがた
)
風な少し陰気ではあったが
中々
(
なかなか
)
凝
(
こ
)
った
建方
(
たてかた
)
である
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
このみ寺は山ゆゑ
夜
(
よる
)
のしづかなる
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
に鷺啼きにけり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
竹
(
たけ
)
の
林
(
はやし
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、
娘
(
むすめ
)
は、
山
(
やま
)
の
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
へいつものごとく
入
(
はい
)
ってゆきました。すると一
羽
(
わ
)
のかわいらしい
小鳥
(
ことり
)
が、いい
声
(
こえ
)
で
鳴
(
な
)
いていました。
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さうした
紅
(
あか
)
に
黄
(
き
)
に
色
(
いろ
)
どられた
秋
(
あき
)
の
山
(
やま
)
や
林
(
はやし
)
も、
冬
(
ふゆ
)
が
來
(
く
)
ると、すっかり
葉
(
は
)
がおちつくして、まるで
枯
(
か
)
れ
木
(
き
)
ばかりのような
寂
(
さび
)
しい
姿
(
すがた
)
になり
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
お
品
(
しな
)
は
林
(
はやし
)
を
幾
(
いく
)
つも
過
(
す
)
ぎて
自分
(
じぶん
)
の
村
(
むら
)
へ
急
(
いそ
)
いだが、
疲
(
つか
)
れもしたけれど
懶
(
ものう
)
いやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
幾度
(
いくたび
)
か
路傍
(
みちばた
)
へ
荷
(
に
)
を
卸
(
おろ
)
しては
休
(
やす
)
みつゝ
來
(
き
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
胡桃
(
くるみ
)
、
澤胡桃
(
さはくるみ
)
などゝいふ
木
(
き
)
は、
山毛欅
(
ぶな
)
の
木
(
き
)
なぞと
同
(
おな
)
じやうに、
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
には
生
(
は
)
えないで、
村里
(
むらさと
)
に
寄
(
よ
)
つた
方
(
はう
)
に
生
(
は
)
えて
居
(
ゐ
)
る
木
(
き
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
李
(
すもゝ
)
は
庭
(
には
)
から
背戸
(
せど
)
へ
續
(
つゞ
)
いて、
小
(
ちひ
)
さな
林
(
はやし
)
といつていゝくらゐ。あの、
底
(
そこ
)
に
甘
(
あま
)
みを
帶
(
お
)
びた、
美人
(
びじん
)
の
白
(
しろ
)
い
膚
(
はだ
)
のやうな
花盛
(
はなざか
)
りを
忘
(
わす
)
れない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
は、
海面
(
かいめん
)
より
數百尺
(
すひやくしやく
)
高
(
たか
)
き
斷崖
(
だんがい
)
の
上
(
うへ
)
に
建
(
たて
)
られ、
前
(
まへ
)
は
果
(
はて
)
しなき
印度洋
(
インドやう
)
に
面
(
めん
)
し、
後
(
うしろ
)
は
美麗
(
びれい
)
なる
椰子
(
やし
)
の
林
(
はやし
)
に
蔽
(
おほ
)
はれて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
して、山の中をあてもなくうろうろ
歩
(
ある
)
いていますと、どこか
遠
(
とお
)
くの
林
(
はやし
)
の中から、
子供
(
こども
)
の
歌
(
うた
)
う
声
(
こえ
)
がしました。
鬼六
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
國府津
(
こふづ
)
で
下
(
お
)
りた
時
(
とき
)
は
日光
(
につくわう
)
雲間
(
くもま
)
を
洩
(
も
)
れて、
新緑
(
しんりよく
)
の
山
(
やま
)
も、
野
(
の
)
も、
林
(
はやし
)
も、
眼
(
め
)
さむるばかり
輝
(
かゞや
)
いて
來
(
き
)
た。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
いよいよこれから吾輩が、
林
(
はやし
)
の
親仁
(
おやじ
)
を使って爆弾漁業退治に取りかかる一幕だ。サア返杯……。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私
(
わたくし
)
は
時折
(
ときおり
)
種々
(
いろいろ
)
なことを
妄想
(
もうぞう
)
しますが、
往々
(
おうおう
)
幻想
(
まぼろし
)
を
見
(
み
)
るのです、
或人
(
あるひと
)
が
来
(
き
)
たり、また
人
(
ひと
)
の
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
いたり、
音楽
(
おんがく
)
が
聞
(
きこ
)
えたり、また
林
(
はやし
)
や、
海岸
(
かいがん
)
を
散歩
(
さんぽ
)
しているように
思
(
おも
)
われる
時
(
とき
)
もあります。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二五
近衛院
(
このゑのゐん
)
に
禅
(
ゆづ
)
りましても、
二六
藐姑射
(
はこや
)
の
山
(
やま
)
の
瓊
(
たま
)
の
林
(
はやし
)
に
禁
(
し
)
めさせ給ふを、思ひきや、
二七
麋鹿
(
びろく
)
のかよふ跡のみ見えて、
詣
(
まう
)
でつかふる人もなき
深山
(
みやま
)
の
二八
荊
(
おどろ
)
の下に神がくれ給はんとは。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
このふしぎないえのふしぎな人は、
林
(
はやし
)
さんという、四十ぐらいのおじさんでした。
ふしぎな人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その四
角
(
かく
)
な
彼女
(
かれ
)
が
向
(
む
)
いてる
硝子窓
(
がらすまど
)
からは、
黄色
(
きいろ
)
い
落葉松
(
からまつ
)
の
林
(
はやし
)
や、
紫色
(
むらさきいろ
)
の
藻岩山
(
さうがんざん
)
が
見
(
み
)
えて、いつもまち
子
(
こ
)
が
腰
(
こし
)
をおろして
涙
(
なみだ
)
ぐむ
時
(
とき
)
は、
黄昏
(
たそがれ
)
の
夕日
(
ゆふひ
)
のおちる
時
(
とき
)
で
硝子窓
(
がらすまど
)
が
赤
(
あか
)
くそまつてゐた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
四
圍
(
ゐ
)
を
緑葉
(
りよくえふ
)
の
林
(
はやし
)
でめぐらして
居
(
ゐ
)
る、
其中
(
そのなか
)
の
畑地
(
はたち
)
。
他
(
ほか
)
には
人一個
(
ひとひとり
)
見
(
み
)
えぬ。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼
(
かれ
)
は、
懐中
(
かいちゅう
)
から、スケッチ
帖
(
ちょう
)
を
出
(
だ
)
して、
前方
(
ぜんぽう
)
の
黄色
(
きいろ
)
くなった
田圃
(
たんぼ
)
や、
灰色
(
はいいろ
)
にかすんだ
林
(
はやし
)
の
景色
(
けしき
)
などを
写生
(
しゃせい
)
しにかかったのであります。
丘の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今日
(
こんにち
)
、ひのき、すぎ
等
(
など
)
の
林
(
はやし
)
をこの
帶
(
たい
)
の
中
(
なか
)
に
見
(
み
)
るのは、
人
(
ひと
)
が
移
(
うつ
)
し
植
(
う
)
ゑたもので、もと/\ひのき、すぎ
等
(
など
)
は
温帶林
(
おんたいりん
)
に
生育
(
せいいく
)
してゐたものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
何
(
なん
)
といふ
深
(
ふか
)
い
山
(
やま
)
や
谷
(
たに
)
が
父
(
とう
)
さんの
行
(
ゆ
)
く
先
(
さき
)
にありましたらう。
父
(
とう
)
さんは
木曽川
(
きそがは
)
の
見
(
み
)
える
谷間
(
たにあひ
)
について、
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いて
行
(
ゆ
)
くやうなものでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼
(
かれ
)
は
林
(
はやし
)
の
持主
(
もちぬし
)
に
請
(
こ
)
うて
掘
(
ほ
)
つたのである。それでも
餘
(
あま
)
りに
人
(
ひと
)
の
口
(
くち
)
が
八釜敷
(
やかましい
)
ので
主人
(
しゆじん
)
は
只
(
たゞ
)
幾分
(
いくぶん
)
でも
將來
(
しやうらい
)
の
警
(
いまし
)
めをしようと
思
(
おも
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
既
(
すで
)
に
目
(
め
)
も
眩
(
くら
)
んで
倒
(
たふ
)
れさうになると、
禍
(
わざわひ
)
は
此辺
(
このへん
)
が
絶頂
(
ぜつちやう
)
であつたと
見
(
み
)
えて、
隧道
(
トンネル
)
を
抜
(
ぬ
)
けたやうに
遥
(
はるか
)
に一
輪
(
りん
)
のかすれた
月
(
つき
)
を
拝
(
おが
)
んだのは
蛭
(
ひる
)
の
林
(
はやし
)
の
出口
(
でくち
)
なので。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
柳川君
(
やながはくん
)
、
私
(
わたくし
)
は
※
(
すぐ
)
る
日
(
ひ
)
黄乳樹
(
わうにうじゆ
)
の
林
(
はやし
)
の
邊
(
へん
)
で、
圖
(
はか
)
らずも
君等
(
きみら
)
の
急難
(
きふなん
)
をお
助
(
たす
)
け
申
(
もう
)
した
時
(
とき
)
から、
左樣
(
さう
)
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
つたのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
七
里
(
り
)
の
途
(
みち
)
はたゞ
山
(
やま
)
ばかり、
坂
(
さか
)
あり、
谷
(
たに
)
あり、
溪流
(
けいりう
)
あり、
淵
(
ふち
)
あり、
瀧
(
たき
)
あり、
村落
(
そんらく
)
あり、
兒童
(
じどう
)
あり、
林
(
はやし
)
あり、
森
(
もり
)
あり、
寄宿舍
(
きしゆくしや
)
の
門
(
もん
)
を
朝早
(
あさはや
)
く
出
(
で
)
て
日
(
ひ
)
の
暮
(
くれ
)
に
家
(
うち
)
に
着
(
つ
)
くまでの
間
(
あひだ
)
、
自分
(
じぶん
)
は
此等
(
これら
)
の
形
(
かたち
)
、
色
(
いろ
)
、
光
(
ひかり
)
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
玄子
(
げんし
)
と
余
(
よ
)
とは
先
(
ま
)
づ
林
(
はやし
)
に
入
(
い
)
りて、
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
り
來
(
きた
)
り、それを
柱
(
はしら
)
として
畑中
(
はたなか
)
に
立
(
た
)
て、
日避
(
ひよけ
)
の
布片
(
きれ
)
を
天幕
(
てんと
)
の
如
(
ごと
)
く
張
(
は
)
り、
豆
(
まめ
)
の
莖
(
くき
)
の
束
(
たば
)
にしてあるのを
借
(
か
)
り
來
(
きた
)
つて、
地
(
ち
)
に
置
(
お
)
き、
其上
(
そのうへ
)
に
布呂敷
(
ふろしき
)
シオルなど
敷
(
し
)
いて
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
世界
(
せかい
)
の
植物
(
しょくぶつ
)
を
愛
(
あい
)
する
人
(
ひと
)
たちで、おそらく、わたしを
知
(
し
)
っていないものはあるまいね。わたしは、
南
(
みなみ
)
の
温
(
あたた
)
かな
島
(
しま
)
の
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
で
育
(
そだ
)
ちました。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
画工
(
ゑかき
)
さんは
立処
(
たちどころ
)
にコバルトの
絵
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を
溶
(
と
)
いたし、
博士
(
はかせ
)
は
紫
(
むらさき
)
の
蝶
(
てふ
)
を
追
(
お
)
つて、
小屋
(
こや
)
うらの
間道
(
かんだう
)
を
裏
(
うら
)
の
林
(
はやし
)
に
入
(
はい
)
つたので。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「これから、いろいろの
鳥
(
とり
)
が、
裏
(
うら
)
の
林
(
はやし
)
へくる。
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
ると、
山鳥
(
やまどり
)
もうさぎもくる。そうしたら、
捕
(
と
)
ってやるぞ。」といわれました。
おかまの唄
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
遂
(
つひ
)
に
件
(
くだん
)
の
甕
(
かめ
)
に
騎
(
の
)
りて、もこ/\と
天上
(
てんじやう
)
す。
令史
(
れいし
)
敢
(
あへ
)
て
動
(
うご
)
かず、
昇
(
のぼ
)
ること
漂々
(
へう/\
)
として
愈々
(
いよ/\
)
高
(
たか
)
く、やがて、
高山
(
かうざん
)
の
頂
(
いたゞき
)
一
(
いつ
)
の
蔚然
(
うつぜん
)
たる
林
(
はやし
)
の
間
(
あひだ
)
に
至
(
いた
)
る。こゝに
翠帳
(
すゐちやう
)
あり。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
林
常用漢字
小1
部首:⽊
8画
“林”を含む語句
叢林
松林
雑木林
小林
樹林
林泉
竹林
森林
密林
吉林
聖林
灌木林
濶葉樹林
林藏
伯林青
林檎
伯林
梅林
山林
恵林寺
...