三日みつか)” の例文
二日ふつか眞夜中まよなか——せめて、たゞくるばかりをと、一時ひととき千秋せんしうおもひつ——三日みつか午前三時ごぜんさんじなかばならんとするときであつた。……
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今日けふ江戸表御老中えどおもてごらうぢうから、御奉書おほうしよ到着たうちやくいたした。一にち支度したく三日みつか道中だうちうで、出府しゆつぷいたせとの御沙汰ごさたぢや。』と、おごそかにつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
龐涓はうけんくこと三日みつかおほひよろこんでいはく、『われもとよりせいぐんけふなるをる。りて三日みつか士卒しそつぐるものなかばにぎたり』
またさうした博物館はくぶつかんをこしらへるには非常ひじようおほきなものる、それをまはるだけでも二日ふつか三日みつかもかゝり、かへって不便ふべんになります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
三日みつか目には美術館でチチアノの「基督クリスト昇天」、「ピエタ」を始めチエボオロの、又貴族政治時代の栄華をドガアルの宮殿に眺めたが
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
肥料ひれう工夫くふうがつかなかつたりするのとで作物さくもつ生育せいいくからいへば三日みつかあらそふやうなときでもおもひながらないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのころ習慣ならはしにしたがつて、三日みつかあひだ大宴會だいえんかいひらいて、近所きんじよひとたちや、そのほかおほくの男女なんによをよんでいはひました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
また三日みつかばかりぎてから、今度こんど叔母をばさんのところつていたら、にいさんはまだないさうだから、るべくはややうすゝめてれと催促さいそくしてつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今歳ことしはいかなれば、かくいつまでもたけのひくきなど言ひてしを、夏のすゑつかたきはめて暑かりしにただ一日ひとひふつか、三日みつかとも数へずして驚くばかりになりぬ。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三日みつかは孫娘を断念し、新宿しんじゆくをひたづねんとす。桜田さくらだより半蔵門はんざうもんに出づるに、新宿もまた焼けたりと聞き、谷中やなか檀那寺だんなでら手頼たよらばやと思ふ。饑渇きかついよいよ甚だし。
きみよ、きみいま時文じぶん評論家ひやうろんかでないから、この三日みつかあひだとこなか呻吟しんぎんしてときかんがへたことをいてれるだらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
荒浪あらなみたか印度洋インドやう進航すゝみいつてからも、一日いちにち二日ふつか三日みつか四日よつか、とれ、けて、五日目いつかめまでは何事なにごともなく※去すぎさつたが、その六日目むいかめよるとはなつた。
史学研究の大望を起して、上京を思立つた自分は、父母の家を辞した日の夕方、この伯母が家に着いて、れゆく秋の三日みつか四日よつか、あかぬ別れを第二の故郷とともに惜み惜まれたのであつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
大つごもり前の三日みつか、雪よ霰ふる中を、塩鰤や、我が家の市、競り市や、魚市場、いくさや、船に馬に大八車だいはち、わさりこ、えいやえいや、かららよ、えいやえいや、人だかりわらわら、はいよ、天秤
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
三日みつかのち
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
つねさんの、三日みつかばかり學校がくかうやすんだのはことながら、民也たみやは、それがゆめでなくとも、まで可恐おそろしいとも可怪あやしいともおもはぬ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白樺のちさい林などを時時ときどき見るやうになつた。三日みつか目の朝にまた国境の駅で旅行券や手荷物を調べられた。午後に私の室へ一人の相客がはひつて来た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
うそさぶしとひしも二日ふつか三日みつか朝來あさよりもよほす薄墨色うすずみいろ空模樣そらもやう頭痛づつうもちの天氣豫報てんきよはう相違さうゐなく西北にしきたかぜゆふぐれかけて鵞毛がもう柳絮りうじよかはやちら/\とでぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三日みつかあひだ城内じやうないりでございまして、やうや歸宅きたくいたしますと町方まちかた病家びやうかから、見舞みまひ催促さいそくるやうで、其處そこをどうにかけてまゐりました。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
三日みつかにしてのちへいろくす。病者びやうしやみなかんことをもとめ、あらそふるつて、でてこれめにたたかひおもむけり。しんこれき、めにり、えんこれき、みづわたつてく。
其夜そのよからぼくねつ今日けふ三日みつかになるが快然はつきりしない。やまのぼつて風邪かぜいたのであらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ちるときひくくもあかかまどいろめてつた。かぜよるつてもおこらなかつた。たゞ時々とき/″\まつらしてぎた。あたゝかい宗助そうすけとまつてゐる三日みつかあひだつゞいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼は巻煙草をくはへながら、(それは彼が同志と一しよに刑務所を出た三日みつか目だつた。)ふと彼女の顔へ目をそそいだ。近頃夫を失つた彼女は熱心に彼女の両親や兄弟のことを話してゐた。
鬼ごつこ (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
非常ひじやう困難こんなんあひだに、三日みつか※去すぎさつたが、大佐たいさからはなん音沙汰おとさたかつた、また、左樣さう容易たやすくあるべきはづもなく、四日よつかぎ、五日いつかぎ、六日むいかぎ、その七日目なぬかめまでこのおそろしき山中さんちゆう
三日みつかつゞき、五日いつか七日なぬかつゞいて、ひるがへんで、まどにも欄干らんかんにも、あたゝかなゆきりかゝる風情ふぜいせたのである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つとめあるなれば正雄まさを日毎ひごとこともならで、三日みつかおき、二日ふつかおきのな/\くるまやなぎのもとにりすてぬ、雪子ゆきこよろこんでむかへるときあり、いてときあり
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それならまだしもだが、やゝともすると三日みつか四日よつかまる錢湯せんたう敷居しきゐまたがずにすごして仕舞しまふ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
好事魔こうじまおほしとはよくひとところで、わたくしその理屈りくつらぬではないが、人間にんげん一生いつせう此樣こん旅行りよかうは、二度にど三度さんどもあることでない、其上そのうへ大佐たいさ約束やくそく五日目いつかめまでは、三日みつかひまがある、そこで
玄竹げんちく、‥‥三日みつか道中だうちう江戸えどかへ工夫くふうはないか。』
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
なんと……おなこと昨年さくねんた。……篤志とくし御方おかたは、一寸ちよつと日記につき御覽ごらんねがふ。あきなかばかけて矢張やつぱ鬱々うつ/\陰々いん/\として霖雨ながあめがあつた。三日みつかとはちがふまい。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三日みつかともかぞへずしておどろくばかりになりぬ、あきかぜすこしそよ/\とすればはしのかたより果敢はかなげにやぶれて風情ふぜい次第しだいさびしくなるほどあめおとなひこれこそはあはれなれ
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
翌日よくじつは平岡の返事を心待こゝろまちらした。其あくる日もあてにして終日しうじつうちにゐた。三日みつか四日よつかつた。が、ひら岡からは何の便たよりもなかつた。其中そのうち例月れいげつの通り、青山あをやまかねもらひに行くべきた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
くも時雨しぐれ/\て、終日ひねもす終夜よもすがらつゞくこと二日ふつか三日みつか山陰やまかげちひさなあをつきかげ曉方あけがた、ぱら/\と初霰はつあられ
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それはおまへらぬから其樣そんにくていなことへるものゝ三日みつか交際つきあひをしたら植村樣うゑむらさまのあとふて三途さんづかはまできたくならう、番町ばんちやう若旦那わかだんなわるいとふではなけれど
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どくでないつたつて、もし二日ふつか三日みつかつたみづだつたらうするんです」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
翌日あくるひまず、民子たみここゝろこゝろならねど、神佛かみほとけともおもはるゝおいことばさからはず、二日ふつか三日みつか宿やどかさねた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
三日みつかりても音沙汰おとさたきにさとしこヽろもだえ、甚之助じんのすけるごとにれとなくうながせば、ぼくもらつてりたけれど姉樣ねえさまくださらねばと、あはいたばさみにりてこまりしてい
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかしそれたゞ青葉あをばばかりで菖蒲あやめみじかいのがむらがつてゝ、みづいろくろ時分じぶん此処こゝへも二日ふつか三日みつかつゞけてきましたつけ、小鳥ことりつからなかつた。からす沢山たんとた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かくて二日ふつかばかり、三日みつかのちなりけん、ゆくりなくし友あり。
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……地震ぢしんとともに燒出やけだした中六番町なかろくばんちやうが……いまつた、三日みつか眞夜中まよなかおよんで、やく二十六時間にじふろくじかん
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
船蟲ふなむしむらがつて往來わうらいけまはるのも、工場こうぢやう煙突えんとつけむりはるかにえるのも、洲崎すさきかよくるまおとがかたまつてひゞくのも、二日ふつかおき三日みつかきに思出おもひだしたやうに巡査じゆんさはひるのも
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……あかいとで、あししるしをつけた幾疋いくひきかを、とほ淀橋よどばしはうみづはなしたが、三日みつか四日よつかごろから、をつけて、もとのいけおもうかゞふと、あしいとむすんだのがちら/\る。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二日ふつか三日みつかおなじやうな御惱氣ごなうけつゞいたところ三月さんぐわつ十日とをか午後ごごからしよぼ/\とあめになつて、薄暗うすぐら炬燵こたつ周圍しうゐへ、べつして邪氣じやきたゞよなかで、女房にようばう箪笥たんす抽斗ひきだしをがた/\とけたり
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
四谷よつやつけの二夜ふたよ露宿ろじゆくからかへつたばかり……三日みつか午後ごご大雨おほあめに、ほねまでぐしよれにつて、やがてかへたのち冷々ひえ/″\しめつぽい、しよぼけた身體からだを、ぐつたりとよこにして
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
兩名りやうめい炭燒すみやきが、同一おなじ雪籠ゆきごめつてふうめられたやうになり、二日ふつか三日みつか貯蓄たくはへもあつたが、四日目よつかめから、あは一粒ひとつぶくちにしないで、くまごと荒漢等あらをのこら山狗やまいぬかとばかりおとろへ、ひからせて
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蒸暑むしあついのがつゞくと、蟋蟀こほろぎこゑ待遠まちどほい。……此邊このあたりでは、毎年まいねん春秋社しゆんじうしや眞向まむかうの石垣いしがき一番いちばんはやい。震災前しんさいぜんまでは、たいがい土用どよう三日みつか四日よつかめのよひからきはじめたのが、年々ねん/\、やゝおくれる。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大雪おほゆきなど、まちみちえますと、三日みつか四日よつかわたし一人ひとり——」
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
繰返くりかへすやうだが、それが二日ふつかで、三日みつかひるすぎ、大雨おほあめよわてて、まだ不安ふあんながら、破家やぶれや引返ひきかへしてから、うす味噌汁みそしる蘇生よみがへるやうなあぢおぼえたばかりで、くわんづめの海苔のり梅干うめぼしのほかなんにもない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三日みつかともたないに……
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)