トップ
>
共
>
とも
ふりがな文庫
“
共
(
とも
)” の例文
三十七
年
(
ねん
)
九
月
(
ぐわつ
)
十四
日
(
か
)
、
幻翁
(
げんおう
)
望生
(
ぼうせい
)
の
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
余
(
よ
)
は
馬籠
(
まごめ
)
に
行
(
ゆ
)
き、
茶店
(
ちやみせ
)
に
荷物
(
にもつ
)
や
着物
(
きもの
)
を
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
き、
息子
(
むすこ
)
を
人夫
(
にんぷ
)
に
頼
(
たの
)
んで、
遺跡
(
ゐせき
)
に
向
(
むか
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
三層四層五層
共
(
とも
)
に
瓦斯
(
ガス
)
を点じたのである。余は桜の杖をついて下宿の方へ帰る。帰る時必ずカーライルと演説使いの話しを思いだす。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
男女が入り乱れて踊るにふさわしい。これほど自然なことは滅多にあるまい。異性が相
共
(
とも
)
に遊ぶ娯楽が日本にはあまりになさ過ぎる。
祇園の枝垂桜
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
尤
(
もつと
)
も、負けても
實
(
じつ
)
はおごつて
頂
(
いたゞ
)
く方が
多
(
おほ
)
かつたがどういふのかこの
師弟
(
してい
)
の
勝負
(
せうふ
)
はとかくだれ
勝
(
か
)
ちで、
仕舞
(
しま
)
ひには
兩
(
れう
)
方
共
(
とも
)
憂鬱
(
ゆううつ
)
になつて
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
が、
彼
(
かれ
)
は
年月
(
としつき
)
の
經
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、
此事業
(
このじげふ
)
の
單調
(
たんてう
)
なのと、
明瞭
(
あきらか
)
に
益
(
えき
)
の
無
(
な
)
いのとを
認
(
みと
)
めるに
從
(
したが
)
つて、
段々
(
だん/\
)
と
厭
(
あ
)
きて
來
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
ふたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
それと
共
(
とも
)
に、
人麿
(
ひとまろ
)
の
歌
(
うた
)
だと
傳
(
つた
)
へられてゐないもので、
人
(
ひと
)
のために
代
(
かは
)
つて
作
(
つく
)
つた、この
人
(
ひと
)
の
歌
(
うた
)
も
非常
(
ひじよう
)
にたくさんあるようにおもひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
糺
(
たゞ
)
しけるに
渠
(
かれ
)
は當四月同人店へ引
移
(
うつ
)
り夫婦
共
(
とも
)
三州者の由にて
隨分
(
ずゐぶん
)
實體
(
じつてい
)
らしく相見え候へ共女房は此節
煩
(
わづら
)
ひ居るとの事に付早速甚兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
読みて
大尉
(
たいゐ
)
の
壮行
(
さうかう
)
と
予
(
われ
)
も
共
(
とも
)
にするの感あり、
其
(
そ
)
は
此日
(
このひ
)
より
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
にして、
予
(
よ
)
は
此日
(
このひ
)
只一人
(
たゞひとり
)
嬉
(
うれ
)
しくて、ボンヤリとなり、社員にも
辞
(
じ
)
せず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
ベンヺ いや、これは
和睦
(
わぼく
)
させうためにしたことぢゃ。
劍
(
けん
)
を
藏
(
をさ
)
めい、でなくば、
其
(
その
)
劍
(
けん
)
を
以
(
もっ
)
て
予
(
わし
)
と
共
(
とも
)
に、こいつらを
引分
(
ひきわ
)
けておくりゃれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
すべて、
海上
(
かいじやう
)
の
規則
(
きそく
)
では、
船
(
ふね
)
の
出港
(
しゆつかう
)
の十
分
(
ぷん
)
乃至
(
ないし
)
十五
分
(
ふん
)
前
(
まへ
)
に、
船中
(
せんちう
)
を
布
(
ふ
)
れ
廻
(
まは
)
る
銅鑼
(
どら
)
の
響
(
ひゞき
)
の
聽
(
きこ
)
ゆると
共
(
とも
)
に
本船
(
ほんせん
)
を
立去
(
たちさ
)
らねばならぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これが
今日
(
こんにち
)
多
(
おほ
)
くの
石器
(
せつき
)
が
發見
(
はつけん
)
される
理由
(
りゆう
)
の
一
(
ひと
)
つでありまして、お
蔭
(
かげ
)
で
私共
(
わたしども
)
が
皆
(
みな
)
さんと
共
(
とも
)
に
石器
(
せつき
)
を
探
(
さが
)
しに
行
(
い
)
つても、
獲物
(
えもの
)
があるわけです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
おつぎはそれから
村内
(
そんない
)
へ
近所
(
きんじよ
)
の
娘
(
むすめ
)
と
共
(
とも
)
に
通
(
かよ
)
つた。おつぎは
與吉
(
よきち
)
の
小
(
ちひ
)
さな
單衣
(
ひとへもの
)
を
仕上
(
しあ
)
げた
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
風呂敷包
(
ふろしきづゝみ
)
を
抱
(
かゝ
)
へていそ/\と
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此際
(
このさい
)
鐵道橋梁
(
てつどうきようりよう
)
も
下
(
くだ
)
り
汽車
(
きしや
)
と
共
(
とも
)
に
浚
(
さら
)
はれてしまつたが、これは
土砂
(
どさ
)
に
埋
(
うづま
)
つたまゝ
海底
(
かいてい
)
まで
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
かれたものであることが
解
(
わか
)
つた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
噂
(
うは
)
さが
先
(
さ
)
きか、
或
(
あるひ
)
は
事實
(
じじつ
)
が
先
(
さ
)
きか——それはとにかく
魔
(
ま
)
がさしたのだと
彼女
(
かのぢよ
)
はあとで
恥
(
は
)
ぢつゝ
語
(
かた
)
つた——
間
(
ま
)
もなく
彼女
(
かのぢよ
)
が
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
と
共
(
とも
)
に
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
わし自身がまだ槍一すじで、これから世に出ようとしておる者ゆえ、申さば主従
共
(
とも
)
苦労でゆこうというのだ。——どうだ、嫌か
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其後
(
そのご
)
支那
(
しな
)
から、
道教
(
だうけう
)
の
妖怪思想
(
えうくわいしさう
)
が
入
(
い
)
り、
佛教
(
ぶつけう
)
と
共
(
とも
)
に
印度思想
(
いんどしさう
)
も
入
(
はい
)
つて
來
(
き
)
て、
日本
(
にほん
)
の
化物
(
ばけもの
)
は
此爲
(
このため
)
に
餘程
(
よほど
)
豊富
(
ほうふ
)
になつたのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此點
(
このてん
)
に
付
(
つい
)
ては
國民
(
こくみん
)
一
般
(
ぱん
)
に
愬
(
うつた
)
へて、さうして
國民
(
こくみん
)
と
共
(
とも
)
に
此
(
こ
)
の
多年
(
たねん
)
解決
(
かいけつ
)
の
出來
(
でき
)
なかつた
大問題
(
だいもんだい
)
を
解決
(
かいけつ
)
する
方策
(
ほうさく
)
を
立
(
た
)
てたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
景色
(
けしき
)
は、
四季
(
しき
)
共
(
とも
)
に
爽
(
さわや
)
かな
且
(
か
)
つ
奧床
(
おくゆか
)
しい
風情
(
ふぜい
)
である。
雪景色
(
ゆきげしき
)
は
特
(
とく
)
に
可
(
い
)
い。
紫
(
むらさき
)
の
霞
(
かすみ
)
、
青
(
あを
)
い
霧
(
きり
)
、もみぢも、
花
(
はな
)
も、
月
(
つき
)
もと
數
(
かぞ
)
へたい。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
エドガーアセリングと
共
(
とも
)
に、
行
(
ゆ
)
きてウィリアムに
面謁
(
めんえつ
)
し、
王冠
(
わうくわん
)
を
捧
(
さゝ
)
げたのは
當然
(
たうぜん
)
のことです。ウィリアムの
行動
(
かうどう
)
は
最初
(
さいしよ
)
禮
(
れい
)
に
適
(
かな
)
ふたものでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
石鏃は石器時代
遺跡
(
ゐせき
)
に於て他の
遺物
(
ゐぶつ
)
と
共
(
とも
)
に
存在
(
ぞんざい
)
するを常とすれど、左の諸所にては山中に於て
單獨
(
たんどく
)
に發見されし事有るなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
葉は広くて、
長葉柄
(
ちょうようへい
)
を
具
(
そな
)
え、茎に
互生
(
ごせい
)
しており、
広卵形
(
こうらんけい
)
で三大脈を有して、
葉縁
(
ようえん
)
に
粗鋸歯
(
そきょし
)
があり、
茎
(
くき
)
と
共
(
とも
)
にざらついている。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
隣家
(
となり
)
に
咲
(
さ
)
ける
遲咲
(
おそざき
)
きの
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
、
都
(
みやこ
)
めづらしき
垣根
(
かきね
)
の
雪
(
ゆき
)
の、
凉
(
すゞ
)
しげなりしを
思
(
おも
)
ひ
出
(
いづ
)
ると
共
(
とも
)
に、
月
(
つき
)
に
見合
(
みあ
)
はせし
花
(
はな
)
の
眉
(
まゆ
)
はぢて
背
(
そむ
)
けしえり
足
(
あし
)
の
美
(
うつ
)
くしさ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
実際
(
じつさい
)
に
真面目
(
しんめんもく
)
に
生涯
(
せうがい
)
の
真味
(
しんみ
)
を
味
(
あぢは
)
ひし人のみが
互
(
たがひ
)
に
共
(
とも
)
に
働
(
はたら
)
き得る人なり
宗教
(
しふけう
)
を以て
茶話席
(
ちやわせき
)
の
活題
(
くわつだい
)
となすに
止
(
とゞ
)
まるものは
言語的
(
げんごてき
)
捺印的
(
なついんてき
)
の
一致
(
いつち
)
を
計
(
はか
)
れよ
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
僕
(
ぼく
)
の十二の
時
(
とき
)
です。
僕
(
ぼく
)
は
父母
(
ふぼ
)
に
從
(
したが
)
つて
暫
(
しばら
)
く
他國
(
たこく
)
に
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
ましたが、
父
(
ちゝ
)
が
官
(
くわん
)
を
辭
(
じ
)
すると
共
(
とも
)
に、
故郷
(
くに
)
に
歸
(
かへ
)
りまして、
僕
(
ぼく
)
は
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
といふに
入
(
はひ
)
りました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
人類
(
じんるい
)
が
地上
(
ちじょう
)
に
発生
(
はっせい
)
した
当初
(
とうしょ
)
は、
専
(
もっぱ
)
ら
自然霊
(
しぜんれい
)
が
守護霊
(
しゅごれい
)
の
役目
(
やくめ
)
を
引
(
ひ
)
き
受
(
う
)
けたと
申
(
もう
)
すことでございますが、
時代
(
じだい
)
が
過
(
す
)
ぎて、
次第
(
しだい
)
に
人霊
(
じんれい
)
の
数
(
かず
)
が
加
(
くわ
)
わると
共
(
とも
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼女は牛車から降りると、一人の童男に
共
(
とも
)
なわれて宿禰の部屋へ
這入
(
はい
)
っていった。宿禰は
暫
(
しばら
)
く彼女の姿を眺めていた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
原田喜三郎と山田源之助は、二人
共
(
とも
)
K造船所直属のカンカンムシで、
入渠船
(
にゅうきょせん
)
の修繕や、
船底
(
ボタム
)
のカキオコシ、塗り換えなどをして食って行く労働者である。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
冬季
(
とうき
)
の
寒威
(
かんゐ
)
は
實
(
じつ
)
に
烈
(
はげ
)
しく、
河水
(
かすゐ
)
の
如
(
ごと
)
きは
其
(
その
)
表面
(
へうめん
)
氷結
(
へうけつ
)
して
厚
(
あつ
)
さ
尺餘
(
しやくよ
)
に
到
(
いた
)
り、
人馬
(
じんば
)
共
(
とも
)
に
其
(
その
)
上
(
うへ
)
を
自由
(
じいう
)
に
歩
(
あゆ
)
み
得
(
う
)
。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
ウシタソースを中匙一杯
濡
(
ぬ
)
らしたゼラチン五枚を入れて塩胡椒で味をつけてその中へ玉子の白身一つを
殻
(
から
)
共
(
とも
)
に割り込んでよく皆な掻き混ぜて火へかけます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
こんなやうな
簡短
(
かんたん
)
な
応答
(
おうとう
)
が、
私
(
わたし
)
と
彼等
(
かれら
)
のあいだに
失望的
(
しつぼうてき
)
な
笑
(
わら
)
ひと
共
(
とも
)
に
取
(
と
)
り
交
(
かわ
)
された。しかし
話
(
はな
)
せないのは
私
(
わたし
)
ばかりではなかつた。
大抵
(
たいてい
)
は
話
(
はな
)
せないのであつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
其れと
共
(
とも
)
に都会の住民に対しては
春秋四季
(
しゆんじうしき
)
の娯楽を与へ、時に不朽の価値ある
詩歌
(
しいか
)
絵画をつくらしめた。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
彼等は双方
共
(
とも
)
決して問題の中心に触れ様とはしなかった。その代りに、問題外の
極
(
ご
)
く
些細
(
ささい
)
な事柄が、いつも議論の対象となり、殆ど狂的にまでいがみ合うのであった。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仰ぎ願わくばこの
功徳
(
くどく
)
を移してあまねく一切に及ぼし、
咸
(
みな
)
共
(
とも
)
に、生命の自覚に入らしめられん事を。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
正月七日の夜、某
旧識
(
きゅうしき
)
の人の
奴僕
(
ぬぼく
)
一人、
忽
(
たちまち
)
に所在を失ひ
候
(
そうろう
)
。二月二日には、
御直参
(
ごじきさん
)
の人にて文筆
共
(
とも
)
当時の英材、某多年の旧識、
是
(
これ
)
も所在を失し、二十八日に帰られ候。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
日本
(
にほん
)
は
英佛米伊
(
えいふつべいい
)
の四
國
(
こく
)
と
共
(
とも
)
に
支那
(
しな
)
に
勸告
(
くわんこく
)
を
發
(
はつ
)
して、
早
(
はや
)
く
南北
(
なんほく
)
の
爭
(
あらそ
)
ひを
止
(
や
)
めて『
世界改造
(
せかいかいざう
)
の
偉業
(
ゐげふ
)
に
參加
(
さんか
)
せよ』とやつたね。
支那
(
しな
)
はお
蔭
(
かげ
)
で
南北合同
(
なんほくがふどう
)
の
大共和國
(
だいきようわこく
)
になるだらう。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
一
(
ひと
)
つは二人
共
(
とも
)
躰に
惡
(
わる
)
い
病
(
やまい
)
を
有
(
も
)
ツてゐるからでもあらうが、一つはまた
面白
(
おもしろ
)
くない
家内
(
かない
)
の
事情
(
じゞやう
)
が
益々
(
ます/\
)
其
(
そ
)
の
念
(
おもひ
)
を
助長
(
ぢよてう
)
せしむるやうになツてゐるので、
自然
(
しぜん
)
陰欝
(
ゐんうつ
)
な、
晴々
(
はれ/″\
)
しない
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
去年
(
きょねん
)
の
梅見時分
(
うめみじぶん
)
から
伊勢新
(
いせしん
)
の
隠居
(
いんきょ
)
の
骨折
(
ほねお
)
りで、
出
(
だ
)
させてもらった
笠森稲荷
(
かさもりいなり
)
の
水茶屋
(
みずぢゃや
)
が
忽
(
たちま
)
ち
江戸中
(
えどじゅう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
となっては、
凶
(
きょう
)
が
大吉
(
だいきち
)
に
返
(
かえ
)
った
有難
(
ありがた
)
さを、
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
喜
(
よろこ
)
ぶより
外
(
ほか
)
になく
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
心身
共
(
とも
)
に生気に充ちていたのであったから、毎日〻〻の朝を、まだ
薄靄
(
うすもや
)
が村の田の
面
(
も
)
や
畔
(
くろ
)
の
樹
(
き
)
の
梢
(
こずえ
)
を
籠
(
こ
)
めているほどの
夙
(
はや
)
さに
起出
(
おきで
)
て、そして九時か九時半かという頃までには
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いはなは
色
(
いろ
)
が
少
(
すこ
)
し
黒
(
くろ
)
く
腹
(
はら
)
に
赤
(
あか
)
い
點
(
てん
)
があり、やまめは
色
(
いろ
)
が
白
(
しろ
)
く
縱
(
たて
)
に
美
(
うつく
)
しい
藍色
(
あゐいろ
)
の
條
(
すぢ
)
があります。またやまめの
口
(
くち
)
はいはなより
少
(
すこ
)
し
尖
(
とが
)
つてゐて、
大
(
おほ
)
きさは
共
(
とも
)
に
七八寸
(
しちはつすん
)
がとまりです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
自分
(
じぶん
)
は、いつまでも
昔
(
むかし
)
の百
姓
(
しょう
)
で、みんなといっしょになって
働
(
はたら
)
いて、みんなと
苦楽
(
くらく
)
を
共
(
とも
)
にしましたから、
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
たちからも、
恩人
(
おんじん
)
と
慕
(
した
)
われて、たいへん
尊敬
(
そんけい
)
されたのであります。
武ちゃんと昔話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ことさらに藩地徳望の
士君子
(
しくんし
)
に求め、その
共
(
とも
)
に尽力して学校を
盛
(
さかん
)
にせんことを願うなり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
客答へて曰く、栗樹は人家
近
(
ちか
)
き所に
在
(
あ
)
るのみ、是より深山に
入
(
い
)
らば一樹をも
見
(
み
)
る
能
(
あた
)
はざるべしと、余又
栗
(
くり
)
を食する能はざるを
嘆
(
たん
)
じ、
炉辺
(
ろへん
)
に
栗
(
くり
)
を
炙
(
あぶ
)
り石田君も
共
(
とも
)
に大に之を
食
(
くら
)
ふ宿は
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
ここまで
喋
(
しゃべ
)
ってきたとき、けたたましいベルが鳴り渡ると
共
(
とも
)
に、コロラドと書いた名札の下に、赤いパイロット・ランプが点いて、専属高声器が、
周章
(
あわ
)
てふためいた人声を発した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
事
(
こと
)
しあらば
小泊瀬山
(
をはつせやま
)
の
石城
(
いはき
)
にも
隠
(
こも
)
らば
共
(
とも
)
にな
思
(
おも
)
ひ
吾背
(
わがせ
)
〔巻十六・三八〇六〕 娘子某
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
何
(
なん
)
だらうと思つて
直
(
すぐ
)
に
飛出
(
とびだ
)
して
格子
(
かうし
)
を明けて見ますると、
両側
(
りやうがは
)
共
(
とも
)
に
黒木綿
(
くろもめん
)
の
金巾
(
かなきん
)
の
二巾位
(
ふたはゞぐらゐ
)
もありませうか
幕張
(
まくは
)
りがいたしてございまして、
真黒
(
まつくろ
)
で
丸
(
まる
)
で
芝居
(
しばゐ
)
の
怪談
(
くわいだん
)
のやうでございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
春
(
はる
)
うら/\
蝶
(
てふ
)
と
共
(
とも
)
に
遊
(
あそ
)
ぶや
花
(
はな
)
の
芳野山
(
よしのやま
)
に
玉
(
たま
)
の
巵
(
さかづき
)
を
飛
(
と
)
ばし、
秋
(
あき
)
は
月
(
つき
)
てら/\と
漂
(
たゞよ
)
へる
潮
(
うしほ
)
を
観
(
み
)
て
絵島
(
ゑのしま
)
の
松
(
まつ
)
に
猿
(
さる
)
なきを
怨
(
うら
)
み、
厳冬
(
げんとう
)
には
炬燵
(
こたつ
)
を
奢
(
おごり
)
の
高櫓
(
たかやぐら
)
と
閉籠
(
とぢこも
)
り、
盛夏
(
せいか
)
には
蚊帳
(
かや
)
を
栄耀
(
えいえう
)
の
陣小屋
(
ぢんごや
)
として
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
「きょうだい
共
(
とも
)
死んじゃった。家がつぶれて火事になって焼死んだんだ。」
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
蠅
(
はへ
)
は
灰
(
はひ
)
より
生
(
しやう
)
ず、灰は火の
燼末
(
もえたこな
)
也、しかれば蠅は火の虫也。
蠅
(
はへ
)
を
殺
(
ころ
)
して
形
(
かたち
)
あるもの
灰中
(
はひのなか
)
におけば
蘇
(
よみがへる
)
也。又
虱
(
しらみ
)
は人の
熱
(
ねつ
)
より
生
(
しやう
)
ず、
熱
(
ねつ
)
は火也、火より生たる虫ゆゑに
蠅
(
はへ
)
も
虱
(
しらみ
)
も
共
(
とも
)
に
暖
(
あたゝか
)
なるをこのむ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
日本人においても
敵味方
(
てきみかた
)
共
(
とも
)
に実際
干渉
(
かんしょう
)
を
掛念
(
けねん
)
したるものはあるべからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
所
(
ところ
)
がそれよりも
先
(
さき
)
にけたたましい
日和下駄
(
ひよりげた
)
の
音
(
おと
)
が、
改札口
(
かいさつぐち
)
の
方
(
はう
)
から
聞
(
きこ
)
え
出
(
だ
)
したと
思
(
おも
)
ふと、
間
(
ま
)
もなく
車掌
(
しやしやう
)
の
何
(
なに
)
か
云
(
い
)
ひ
罵
(
ののし
)
る
聲
(
こゑ
)
と
共
(
とも
)
に、
私
(
わたくし
)
の
乘
(
の
)
つてゐる二
等
(
とう
)
室
(
しつ
)
の
戸
(
と
)
ががらりと
開
(
あ
)
いて十三四の
小娘
(
こむすめ
)
が
一人
(
ひとり
)
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“共”の意味
《名詞》
(とも)一緒に行動する者。
(とも)従者。
(出典:Wiktionary)
共
常用漢字
小4
部首:⼋
6画
“共”を含む語句
共鳴
共同
私共
共通
何共
共棲
諸共
共謀
共々
身共
相共
婢共
俺共
双方共
共喰
共産党青年
共倒
共犯
其方共儀
女子共
...