トップ
>
乳
>
ちゝ
ふりがな文庫
“
乳
(
ちゝ
)” の例文
營
(
いとな
)
み
七日々々
(
なぬか/\
)
の
追善供養
(
つゐぜんくやう
)
も心の及ぶだけは
勤
(
つと
)
めしが何分男の手一ツで
幼
(
をさな
)
き者の
養育
(
やういく
)
に
當惑
(
たうわく
)
し
晝
(
ひる
)
は漸く
近所
(
きんじよ
)
隣
(
となり
)
に
貰
(
もら
)
ひ
乳
(
ちゝ
)
などし
夜
(
よる
)
は
摺粉
(
すりこ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ロレ いや、
其
(
その
)
語
(
ことば
)
の
鋭鋒
(
きっさき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
甲胄
(
よろひ
)
を
與
(
おま
)
さう。
逆境
(
ぎゃくきゃう
)
の
甘
(
あま
)
い
乳
(
ちゝ
)
ぢゃと
謂
(
い
)
ふ
哲學
(
てつがく
)
こそは
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
慰
(
なぐさ
)
め
草
(
ぐさ
)
ぢゃ、よしや
追放
(
つゐはう
)
の
身
(
み
)
とならうと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
袖
(
そで
)
は
両方
(
りやうはう
)
から
振
(
ふり
)
が
合
(
あ
)
つて、
乳
(
ちゝ
)
のあたりで、
上下
(
うへした
)
に
両手
(
りやうて
)
を
重
(
かさ
)
ねたのが、ふつくりして、
中
(
なか
)
に
何
(
なに
)
か
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
さうで、……
駆
(
か
)
けて
行
(
い
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
汽車は右の肩から
乳
(
ちゝ
)
の
下
(
した
)
を
腰
(
こし
)
の上迄
美事
(
みごと
)
に引き
千切
(
ちぎ
)
つて、
斜掛
(
はすかけ
)
の胴を置き去りにして行つたのである。
顔
(
かほ
)
は
無創
(
むきず
)
である。若い女だ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それで
魔
(
もの
)
あつて誘かすやうに、其の柔な肉付に、
艶
(
つや
)
のある
頭髪
(
かみ
)
に、むつちりした
乳
(
ちゝ
)
に、形の好い手足に心を
引
(
ひ
)
き付けられた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
其文
(
そのふみ
)
開
(
びら
)
けば
唯
(
たゞ
)
一ト
言
(
こと
)
、
美尾
(
みを
)
は
死
(
し
)
にたる
物
(
もの
)
に
御座候
(
ござさふらふ
)
、
行衞
(
ゆくゑ
)
をお
求
(
もと
)
め
下
(
くだ
)
さるまじく、
此金
(
これ
)
は
町
(
まち
)
に
乳
(
ちゝ
)
の
粉
(
こ
)
をとの
願
(
ねが
)
ひに
御座候
(
ござさふらふ
)
。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
母馬
(
おやうま
)
は
煩
(
うるさ
)
さにがつかりして
歸路
(
きろ
)
につきました。
町
(
まち
)
はづれまでくると、
仔馬
(
こうま
)
は
急
(
きふ
)
に
歩
(
ある
)
きだしました。はやく
家
(
いへ
)
へかへつてお
乳
(
ちゝ
)
をねだらうとおもつて。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
厨房
(
だいどころ
)
は
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
烟
(
けむり
)
で一ぱいでした、
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
中央
(
まんなか
)
の三
脚几
(
きやくき
)
に
凭
(
よ
)
つて
坊
(
ぼ
)
ッちやんに
乳
(
ちゝ
)
を
飮
(
の
)
まして
居
(
ゐ
)
ました、それから
料理人
(
クツク
)
は
圍爐裡
(
ゐろり
)
の
彼方
(
むかふ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そこへ玉ちやんが走つて來て、博士がシヤツばかりになつてゐるのを見て、「papa のお
乳
(
ちゝ
)
」と云つて取り付く。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
貴方
(
あなた
)
などは、
才智
(
さいち
)
は
勝
(
すぐ
)
れ、
高潔
(
かうけつ
)
ではあり、
母
(
はゝ
)
の
乳
(
ちゝ
)
と
共
(
とも
)
に
高尚
(
かうしやう
)
な
感情
(
かんじやう
)
を
吸込
(
すひこ
)
まれた
方
(
かた
)
ですが、
實際
(
じつさい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
に
入
(
い
)
るや
否
(
いなや
)
、
直
(
たゞち
)
に
疲
(
つか
)
れて
病氣
(
びやうき
)
になつて
了
(
しま
)
はれたです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
鏡子は白い胸を
開
(
あ
)
けた。六年程子の口の触れない
乳
(
ちゝ
)
は処女の
乳
(
ちゝ
)
のやうに
少
(
ちいさ
)
く盛り上つたに過ぎないのである。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかし
父
(
とう
)
さんの
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
に
飮
(
の
)
んだふるさとのお
乳
(
ちゝ
)
の
味
(
あぢ
)
は
父
(
とう
)
さんの
中
(
なか
)
に
變
(
かは
)
らずにありますよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そんなことはないと思ひます、鼻緒のお
乳
(
ちゝ
)
を、
小巾
(
こぎれ
)
で卷いて、目印しがありました」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
うつかりすつと
乳
(
ちゝ
)
ツ
岸
(
ぎし
)
までへえるやうな
深
(
ふか
)
ん
坊
(
ばう
)
の
冷
(
ひ
)
えつ
處
(
とこ
)
ぢやどうしたつて
晩稻
(
おくいね
)
でなくつちや
穫
(
と
)
れるもんぢやねえな、それから
俺
(
お
)
れ
役場
(
やくば
)
で
役人
(
やくにん
)
が
講釋
(
かうしやく
)
すつから
深
(
ふか
)
ん
坊
(
ばう
)
ぢや
斯
(
か
)
うだつち
噺
(
はなし
)
したら
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
乳
(
ちゝ
)
を
混
(
こん
)
ぜざる
濃茶
(
のうちや
)
を
喜
(
よろこ
)
び、
水
(
みづ
)
を
割
(
わ
)
らざる
精酒
(
せいしゆ
)
を
飮
(
の
)
み、
沈鬱
(
ちんうつ
)
にして
敢爲
(
かんい
)
、
堅
(
かた
)
く
國立
(
こくりつ
)
の
宗教
(
しゆうきよう
)
を
持
(
ぢ
)
し、
深
(
ふか
)
く
祖先
(
そせん
)
の
業
(
げふ
)
を
重
(
おも
)
んず、
工業
(
こうげう
)
甚
(
はなは
)
だ
盛
(
さかん
)
ならざるが
故
(
ゆゑ
)
に
中等社界
(
ちうとうしやくわい
)
の
存
(
そん
)
するところ
多
(
おほ
)
くは
粗朴
(
そぼく
)
なる
農民
(
のうみん
)
にして
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
逞ましき
種豚
(
たねぶた
)
の鼾はりつめたる
雌
(
め
)
が腹の
乳
(
ちゝ
)
に沁みて響くかも
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
乳
(
ちゝ
)
の
江
(
え
)
をゆく船に似て
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あなやと
思
(
おも
)
ふと
更
(
さら
)
に、もとの
顔
(
かほ
)
も、
胸
(
むね
)
も、
乳
(
ちゝ
)
も、
手足
(
てあし
)
も
全
(
まツた
)
き
姿
(
すがた
)
となつて、
浮
(
う
)
いつ
沈
(
しづ
)
みつ、ぱツと
刻
(
きざ
)
まれ、あツと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に
又
(
また
)
あらはれる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
乳母 ま、
名譽事
(
めいよごと
)
といの! わしばかりが
乳
(
ちゝ
)
を
献
(
あ
)
げたので
無
(
な
)
かったなら、
其
(
その
)
智慧
(
ちゑ
)
は
乳
(
ちゝ
)
から
入
(
はひ
)
ったとも
言
(
い
)
ひませうずに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
偖
(
さて
)
も吉兵衞は
素
(
もと
)
より
富
(
とめ
)
る身ならねば
乳母
(
うば
)
を
抱
(
かゝ
)
ゆべき
金力
(
ちから
)
も
無
(
なく
)
情け有家へ
便
(
たよ
)
り
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて晝夜を
分
(
わか
)
たず少し
宛
(
づつ
)
の
貰
(
もら
)
ひ
乳
(
ぢ
)
を
成
(
なし
)
又は
乳
(
ちゝ
)
の粉や
甘酒
(
あまざけ
)
と一日々々を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なん
)
で
乳
(
ちゝ
)
くさい
子供
(
こども
)
の
顏
(
かほ
)
見
(
み
)
て
發心
(
ほつしん
)
が
出來
(
でき
)
ませう、
遊
(
あそ
)
んで
遊
(
あそ
)
んで
遊
(
あそ
)
び
拔
(
ぬ
)
いて、
呑
(
の
)
んで
呑
(
の
)
んで
呑
(
の
)
み
盡
(
つく
)
して、
家
(
いへ
)
も
稼業
(
かげふ
)
もそつち
除
(
の
)
けに
箸
(
はし
)
一
本
(
ぽん
)
もたぬやうに
成
(
な
)
つたは
一昨々年
(
さきおとゝし
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
悔恨の銀の色の
錘
(
おもり
)
を胸に置かれた鏡子が
庭口
(
にはぐち
)
から入つて行つた時、書斎の敷居の上に坐つて英也は新聞を見て居た。座敷の
縁
(
えん
)
ではお照がまだ榮子に
乳
(
ちゝ
)
を含ませて居た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
足の
形
(
かたち
)
でも
腰
(
こし
)
の
肉付
(
にくつき
)
でも、または
胴
(
どう
)
なら
乳
(
ちゝ
)
なら胸なら肩なら、
總
(
す
)
べて
何處
(
どこ
)
でもむツちりとして、
骨格
(
こつかく
)
でも
筋肉
(
きんにく
)
でも
姿勢
(
しせい
)
でも
好
(
よ
)
く
整
(
とゝの
)
ツて
發育
(
はついく
)
してゐた。
加之
(
それに
)
肌
(
はだ
)
が
眞
(
ま
)
ツ
白
(
しろ
)
で
滑々
(
すべ/″\
)
してゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
五月蠅
(
うるさい
)
ね』と
云
(
い
)
つて
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、『そんな
事
(
こと
)
に
關
(
かま
)
つては
居
(
ゐ
)
られない!』
乃
(
そこ
)
で
夫人
(
ふじん
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
其子供
(
そのこども
)
に
乳
(
ちゝ
)
を
飮
(
の
)
ませ
始
(
はじ
)
めました、一
種
(
しゆ
)
の
子守歌
(
こもりうた
)
を
唱
(
うた
)
ひながら、一
ト
節
(
ふし
)
終
(
を
)
へるとは
其子
(
そのこ
)
を
搖
(
ゆす
)
り
上
(
あ
)
げて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
何
(
なに
)
、
何
(
なに
)
をしたつて
身體
(
からだ
)
さへ
働
(
はたら
)
かせりや、
彼女
(
あれ
)
に
食
(
く
)
はせて、
乳
(
ちゝ
)
はのまされます。」と、
仕立屋
(
したてや
)
さんは、いそ/\と
歸
(
かへ
)
つていつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は
時々
(
とき/″\
)
寐
(
ね
)
ながら、左の
乳
(
ちゝ
)
の
下
(
した
)
に手を置いて、もし、
此所
(
こゝ
)
を
鉄槌
(
かなづち
)
で一つ
撲
(
どや
)
されたならと思ふ事がある。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女子
(
をなご
)
の
太息
(
といき
)
に
胸
(
むね
)
の
雲
(
くも
)
を
消
(
け
)
して、
月
(
つき
)
もる
窓
(
まど
)
を
引
(
ひき
)
たつれば、
音
(
おと
)
に
目
(
め
)
ざめて
泣出
(
なきい
)
づる
稚兒
(
をさなご
)
を、あはれ
可愛
(
かはゆ
)
しいかなる
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
つる
乳
(
ちゝ
)
まゐらせんと
懷
(
ふところ
)
あくれば
笑
(
ゑ
)
みてさぐるも
憎
(
にく
)
からず
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それはさうと、
只今
(
たゞいま
)
も
申
(
まう
)
しました
通
(
とほ
)
り、
妾
(
わたし
)
の
乳
(
ちゝ
)
の
尖所
(
さき
)
の
苦艾
(
にがよもぎ
)
を
嘗
(
な
)
めさっしゃると、
苦
(
にが
)
いので、
阿呆
(
あはう
)
どのがむづかって、
乳
(
ちゝ
)
をなァ
憎
(
にく
)
がって! すると
鳩小舍
(
はとごや
)
が、がた/\/\。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
引
(
ひき
)
たるが初めにて一兩日
過
(
すぐ
)
る
中
(
うち
)
に
發熱
(
はつねつ
)
甚
(
はなは
)
だしく次第に
病
(
やま
)
ひ
重
(
おも
)
りて更に
醫藥
(
いやく
)
の
効
(
しる
)
しも無く
重症
(
ぢうしやう
)
に
赴
(
おもむ
)
きしかば吉兵衞は易き心も
無
(
なく
)
殊
(
こと
)
に病ひの
爲
(
ため
)
に
乳
(
ちゝ
)
は少しも出ず成りければ妻の
看病
(
みとり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
何故
(
なぜ
)
さうなのでせう。玉川の方でも
乳
(
ちゝ
)
は一年
限
(
ぎ
)
りで
廃
(
よ
)
して居たのだつたのにね。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
自分
(
じぶん
)
に
返
(
かへ
)
りました
時
(
とき
)
、
兩臂
(
りやうひぢ
)
と、
乳
(
ちゝ
)
の
下
(
した
)
と、
手首
(
てくび
)
の
脈
(
みやく
)
と
方々
(
はう/″\
)
に
血
(
ち
)
が
浸
(
にじ
)
んで、
其處
(
そこ
)
へ
眞白
(
まつしろ
)
な
藥
(
くすり
)
の
粉
(
こな
)
が
振掛
(
ふりか
)
けてあるのが
分
(
わか
)
りました。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無器用
(
ぶきよう
)
なお
前樣
(
まへさま
)
が
此子
(
このこ
)
いぢくる
譯
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
くまじ、お
歸
(
かへ
)
りに
成
(
な
)
るまで
私
(
わたし
)
が
乳
(
ちゝ
)
を
上
(
あ
)
げませうと、
有
(
あり
)
さまを
見
(
み
)
かねて、
隣
(
となり
)
の
妻
(
つま
)
の
子
(
こ
)
を
抱
(
だ
)
いて
行
(
ゆ
)
くに、
何分
(
なにぶん
)
お
頼
(
たの
)
み
申
(
まをし
)
ますと
言
(
い
)
ひながら
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
みだれごこちまどひごこちぞ頻なる百合ふむ神に
乳
(
ちゝ
)
おほひあへず
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
手
(
て
)
を
伸
(
の
)
べよ、と
思
(
おも
)
へば
伸
(
の
)
べ、
乳
(
ちゝ
)
を
蔽
(
おほ
)
へと
思
(
おも
)
へば
蔽
(
おほ
)
ひ、
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
せと
思
(
おも
)
へば
乱
(
みだ
)
れ、
結
(
むす
)
べよ、と
思
(
おも
)
へば
結
(
むす
)
ばる——さて、
衣
(
きぬ
)
を
着
(
き
)
せやうと
思
(
おも
)
へば
着
(
き
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母
(
はゝ
)
が
心
(
こゝろ
)
の
何方
(
いづかた
)
に
走
(
はし
)
れりとも
知
(
し
)
らで、
乳
(
ちゝ
)
に
飽
(
あ
)
きれば
乳房
(
ちぶさ
)
に
顏
(
かほ
)
を
寄
(
よ
)
せたるまゝ
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
なく
寐入
(
ねいり
)
し
兒
(
ちご
)
の、
頬
(
ほゝ
)
は
薄絹
(
うすぎぬ
)
の
紅
(
べに
)
さしたるやうにて、
何事
(
なにごと
)
を
語
(
かた
)
らんとや
折々
(
をり/\
)
曲
(
ま
)
ぐる
口元
(
くちもと
)
の
愛
(
あい
)
らしさ
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わかき子が
乳
(
ちゝ
)
の香まじる春雨に
上羽
(
うはば
)
を染めむ白き鳩われ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
藍地
(
あゐぢ
)
に
紺
(
こん
)
の
立絞
(
たてしぼり
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
を
唯
(
たゞ
)
一重
(
ひとへ
)
、
絲
(
いと
)
ばかりの
紅
(
くれなゐ
)
も
見
(
み
)
せず
素膚
(
すはだ
)
に
着
(
き
)
た。
襟
(
えり
)
をなぞへに
膨
(
ふつく
)
りと
乳
(
ちゝ
)
を
劃
(
くぎ
)
つて、
衣
(
きぬ
)
が
青
(
あを
)
い。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
乳
(
ちゝ
)
のやうなる雨の糸。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
日
(
ひ
)
に
向
(
むか
)
へば
雪
(
ゆき
)
のやうな、へい、
魔王殿
(
まわうどの
)
が
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
たら、
松脂
(
まつやに
)
の
涎
(
よだれ
)
を
流
(
なが
)
いて、
魂
(
たましひ
)
が
夜這星
(
よばひぼし
)
に
成
(
な
)
つて
飛
(
と
)
ぶ……
乳
(
ちゝ
)
の
白
(
しろ
)
い、
爪紅
(
つめべに
)
の
赤
(
あか
)
い
奴
(
やつ
)
を
製作
(
こさ
)
へると
言
(
い
)
はぬかい!
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
嬰兒
(
あかんぼ
)
が
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
みますから、
私
(
あつし
)
は
何
(
ど
)
うでも、
彼女
(
あれ
)
には
實
(
み
)
に
成
(
な
)
るものの
一口
(
ひとくち
)
も
食
(
く
)
はせたうござんすから。」——で、さしあたり
仕立
(
したて
)
ものなどの
誂
(
あつらへ
)
はないから
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
呆
(
あき
)
れ
果
(
は
)
てゝ
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
ると、やがて
浅
(
あさ
)
い
処
(
ところ
)
で
腰
(
こし
)
の
辺
(
あたり
)
、
深
(
ふか
)
い
処
(
ところ
)
は
乳
(
ちゝ
)
の
上
(
うへ
)
になる。
最
(
もつと
)
も
激流
(
げきりう
)
矢
(
や
)
を
流
(
なが
)
す。
川
(
かは
)
の七
分目
(
ぶんめ
)
へ
来
(
き
)
た
処
(
ところ
)
に、
大巌
(
おほいは
)
が一つ
水
(
みづ
)
を
堰
(
せ
)
いて
龍虎
(
りうこ
)
を
躍
(
おど
)
らす。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
腰帯を〆めてふくらみたる胸の
衣
(
きぬ
)
を下に
推下
(
おしさ
)
げたる後、
乳
(
ちゝ
)
の下に結ぶもの
下〆
(
したじめ
)
なり、品類は大抵同じ、これも外には見えざるなり、近頃
花柳
(
くわりう
)
の
艶姐
(
えんそ
)
、経済上
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
思
(
おも
)
はず……
男
(
をとこ
)
は
驚駭
(
おどろき
)
の
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つた。……と
其
(
そ
)
の
帶
(
おび
)
に
挾
(
はさ
)
んで、
胸先
(
むなさき
)
に
乳
(
ちゝ
)
をおさへた
美女
(
たをやめ
)
の
蕊
(
しべ
)
かと
見
(
み
)
える……
下〆
(
したじめ
)
のほのめく
中
(
なか
)
に、
状袋
(
じやうぶくろ
)
の
端
(
はし
)
が
見
(
み
)
えた、
手紙
(
てがみ
)
が一
通
(
つう
)
。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
玲瓏
(
れいろう
)
つて
云
(
い
)
ふんですか、
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
も、
腕
(
うで
)
も、
胸
(
むね
)
なんぞは
乳
(
ちゝ
)
のなり、
薄掻卷
(
うすかいまき
)
へすつきりと
透
(
す
)
いて、
映
(
うつ
)
つて、
眞綿
(
まわた
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
のやうに
血
(
ち
)
を
壓
(
おさ
)
へて、
骨
(
ほね
)
を
包
(
つゝ
)
むやうなんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其奴
(
そいつ
)
が、がさ/\と
寢臺
(
ねだい
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
はひ
)
つて、
床
(
ゆか
)
の
上
(
うへ
)
をずる/\と
引摺
(
ひきず
)
つたと
見
(
み
)
ると、
婦
(
をんな
)
が
掻卷
(
かいまき
)
から
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
を
白
(
しろ
)
く
拔
(
ぬ
)
いて、
私
(
わたし
)
の
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
へぐたりと
投
(
な
)
げた。
寢亂
(
ねみだ
)
れて
乳
(
ちゝ
)
も
見
(
み
)
える。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
難儀
(
なんぎ
)
さも、
蛇
(
へび
)
も、
毛虫
(
けむし
)
も、
鳥
(
とり
)
の
卵
(
たまご
)
も、
草
(
くさ
)
いきれも、
記
(
しる
)
してある
筈
(
はず
)
はないのぢやから、
薩張
(
さツぱり
)
と
畳
(
たゝ
)
んで
懐
(
ふところ
)
に
入
(
い
)
れて、うむと
此
(
こ
)
の
乳
(
ちゝ
)
の
下
(
した
)
へ
念仏
(
ねんぶつ
)
を
唱
(
とな
)
へ
込
(
こ
)
んで
立直
(
たちなほ
)
つたは
可
(
よ
)
いが
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
處
(
ところ
)
へ、
細君
(
さいくん
)
はしどけない
寢衣
(
ねまき
)
のまゝ、
寢
(
ね
)
かしつけて
居
(
ゐ
)
たらしい、
乳呑兒
(
ちのみご
)
を
眞白
(
まつしろ
)
な
乳
(
ちゝ
)
のあたりへしつかりと
抱
(
だ
)
いて
色
(
いろ
)
を
蒼
(
あを
)
うして
出
(
で
)
て
見
(
み
)
えたが、ぴつたり
私
(
わたし
)
の
椅子
(
いす
)
の
下
(
もと
)
に
坐
(
すわ
)
つて
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
腕
(
うで
)
へ
來
(
く
)
る、
乳
(
ちゝ
)
へ
來
(
く
)
る。
拂
(
はら
)
へば
馳
(
はし
)
つて、
又
(
また
)
スツと
寄
(
よ
)
る。あゝ、
女
(
をんな
)
の
雪
(
ゆき
)
の
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
だと、
松葉
(
まつば
)
が
命
(
いのち
)
の
黥
(
いれずみ
)
をしよう、
指
(
ゆび
)
には
青
(
あを
)
い
玉
(
たま
)
と
成
(
な
)
らう。
私
(
わたし
)
は
酒
(
さけ
)
を
思
(
おも
)
つて、たゞ
杉
(
すぎ
)
の
葉
(
は
)
の
刺青
(
ほりもの
)
した。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ひとへに
白
(
しろ
)
い。
乳
(
ちゝ
)
くびの
桃色
(
もゝいろ
)
をさへ、
蔽
(
おほ
)
ひかくした
美女
(
びぢよ
)
にくらべられたものらしい。……
此
(
こ
)
の
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
の、
散
(
ち
)
つて
葉
(
は
)
に
成
(
な
)
る
頃
(
ころ
)
の、その
毛蟲
(
けむし
)
の
夥多
(
おびたゞ
)
しさと
言
(
い
)
つては、それは
又
(
また
)
ない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“乳”の解説
乳汁(にゅうじゅう、ちしる、ちちしる)とは、乳(ちち、にゅう)、ミルク(en: milk)とも言われる、動物のうち哺乳類が乳幼児に栄養を与えて育てるために母体が作りだす分泌液である。特に母乳(ぼにゅう)と呼ぶ場合は、ヒトの女性が出す乳汁を指すのが慣例である。誕生後の哺乳類が他の食物を摂取できるようになるまでの間、子供の成長に見合った栄養を獲得できる最初の源となる。
(出典:Wikipedia)
乳
常用漢字
小6
部首:⼄
8画
“乳”を含む語句
乳母
乳房
牛乳
添乳
乳首
牛乳屋
乳汁
乳児
乳臭
乳鉢
乳貰
乳牛
乳香
乳酪
桃花鳥野乳母
乳媼
乳頭
胸乳
乳母子
乳嘴
...