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聞
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きゝ
ふりがな文庫
“
聞
(
きゝ
)” の例文
不知庵主人
(
フチアンシユジン
)
の
譯
(
やく
)
に
成
(
な
)
りし
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
批評
(
ひゝやう
)
仲々
(
なか/\
)
に
盛
(
さかん
)
なりとは
聞
(
きゝ
)
けるが、
病氣
(
びやうき
)
其他
(
そのた
)
の
事
(
こと
)
ありて
余
(
よ
)
が
今日
(
こんにち
)
までに
見
(
み
)
たるは
僅
(
わづか
)
に
四五種
(
しごしゆ
)
のみ
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
現在
(
げんざい
)
うけ
合
(
あ
)
ひしは
我
(
わ
)
れに
覺
(
おぼ
)
えあれど
何
(
なに
)
の
夫
(
そ
)
れを
厭
(
いと
)
ふ
事
(
こと
)
かは、
大方
(
おほかた
)
お
前
(
まへ
)
が
聞
(
きゝ
)
ちがへと
立
(
たて
)
きりて、
烟草
(
たばこ
)
輪
(
わ
)
にふき
私
(
わたし
)
は
知
(
し
)
らぬと
濟
(
すま
)
しけり。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取出し源兵衞といふ餠屋や有と
繰返
(
くりかへ
)
し改めしに
茗荷屋
(
みやうがや
)
源兵衞と云があり是は近頃
遠國
(
ゑんごく
)
より歸し人と
聞
(
きゝ
)
及ぶ
定
(
さだ
)
めて
此
(
これ
)
成
(
なら
)
んと寶澤にも是由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
低
(
ひく
)
い
粟幹
(
あはがら
)
の
屋根
(
やね
)
から
其
(
その
)
括
(
くゝ
)
りつけた
萱
(
かや
)
や
篠
(
しの
)
の
葉
(
は
)
には
冴
(
さ
)
えた
耳
(
みゝ
)
に
漸
(
やつ
)
と
聞
(
きゝ
)
とれるやうなさら/\と
微
(
かす
)
かに
何
(
なに
)
かを
打
(
う
)
ちつけるやうな
響
(
ひゞき
)
が
止
(
や
)
まない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
先年蒲原郡の内
或家
(
あるいへ
)
にて井を
掘
(
ほり
)
しに、其夜
医師
(
いし
)
来りて井を掘し㕝を
聞
(
きゝ
)
、家に
皈
(
かへ
)
る時
挑灯
(
てうちん
)
を井の中へ入れそのあかしにて井を見て立さりしに
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
爾
(
そう
)
先
(
さき
)
ッ潜りをするから困る
静
(
しずか
)
に
聞
(
きゝ
)
たまえな、持物の無いのは誰が見ても曲者が手掛りを無くする為に隠した事だから追剥の証拠には成らぬが
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
山「訳を申せば長いことでござる、
予
(
かね
)
て噂に
聞
(
きゝ
)
ましたがお前が正太郎
様
(
さん
)
で、葛西の文吉殿の
方
(
かた
)
に御厄介に成っていらしった」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
巻中の画、老人が
稿本
(
かうほん
)
の
艸画
(
さうぐわ
)
を
真
(
しん
)
にし、
或
(
あるひ
)
は京水が越地に
写
(
うつし
)
し
真景
(
しんけい
)
、或
里人
(
さとびと
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
きゝ
)
て
図
(
づ
)
に作りたるもあり、其地に
照
(
てら
)
して
誤
(
あやまり
)
を
責
(
せむ
)
ることなかれ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
たまの日曜抔は骨休めとか号して一日ぐう/\寐てゐる。だから
何所
(
どこ
)
に音楽会があらうと、どんな名人が外国から
来
(
き
)
やうと
聞
(
きゝ
)
に行く機会がない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
之
(
これ
)
を
聞
(
きゝ
)
伝へた
世人
(
せじん
)
はタルマ自身に匹敵する悲劇役者が国立劇場へ加はつたのを故人の霊が喜んだのであらうと評判した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
叩けば
緩
(
ゆる
)
やかに
出來
(
いできた
)
る
肴
(
さかな
)
はといきまけばまだ
聞
(
きゝ
)
に行た者が歸りませんと落付たり露伴
堪
(
こら
)
へず
其
(
そ
)
は
何處
(
いづこ
)
まで聞にやりしぞ一時間も掛るにまだ戻らぬかと
詞
(
ことば
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りの
妾
(
せふ
)
が帰郷を
聞
(
きゝ
)
て、親戚ども
打寄
(
うちよ
)
りしが、母上よりは
却
(
かへつ
)
て
妾
(
せふ
)
の顔色の常ならぬに驚きて、
何様
(
なにさま
)
尋常
(
じんじやう
)
にてはあらぬらし、医師を迎へよと口々に
勧
(
すゝ
)
め呉れぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
此
(
この
)
他
(
ほか
)
猶
(
な
)
ほ、
見
(
み
)
もし
聞
(
きゝ
)
もしたき
事
(
こと
)
は
澤山
(
たくさん
)
あつたが、
時刻
(
じこく
)
は
既
(
すで
)
に八
時
(
じ
)
に
近
(
ちか
)
く、
艇
(
てい
)
の
邊
(
へん
)
には
既
(
すで
)
に
夥多
(
あまた
)
の
水兵
(
すいへい
)
が
集
(
あつま
)
つて
來
(
き
)
て、
最早
(
もはや
)
工作
(
こうさく
)
の
始
(
はじ
)
まる
模樣
(
もやう
)
、
且
(
か
)
つは、
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
には
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
東西
(
とうざい
)
、
最初
(
さいしよ
)
お
聞
(
きゝ
)
に
達
(
たつ
)
しまするは
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞
(
きゝ
)
暫
(
しば
)
し思案して申ける樣和尚は何と
思
(
おも
)
はるゝや
拙者
(
せつしや
)
大言
(
たいげん
)
を
吐
(
はく
)
に似たれども伊賀亮
程
(
ほど
)
の大才ある者久しく山中に
隱
(
かく
)
れて
在
(
ある
)
は
黄金
(
こがね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先年蒲原郡の内
或家
(
あるいへ
)
にて井を
掘
(
ほり
)
しに、其夜
医師
(
いし
)
来りて井を掘し㕝を
聞
(
きゝ
)
、家に
皈
(
かへ
)
る時
挑灯
(
てうちん
)
を井の中へ入れそのあかしにて井を見て立さりしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其方
(
そちら
)
に
思
(
おも
)
ひ
寄
(
より
)
もあらば
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れとてくる/\と
剃
(
そり
)
たる
頭
(
つむり
)
を
撫
(
な
)
でゝ
思案
(
しあん
)
に
能
(
あた
)
はぬ
風情
(
ふぜい
)
、はあ/\と
聞
(
きゝ
)
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
は
詞
(
ことば
)
は
無
(
な
)
くて
諸共
(
もろとも
)
に
溜息
(
ためいき
)
なり。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
嘸
(
さぞ
)
かし御退屈でござりましたろうが、此の
埋合
(
うめあわ
)
せには、又其の内に
極
(
ごく
)
面白いお話をお
聞
(
きゝ
)
に入れる
積
(
つも
)
りでござりますれば、相変らず
御贔屓
(
ごひいき
)
を願い上げます。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
対手と云う証拠は有ません(荻)併し遺恨と云う証拠は(大)其証拠が仲々
入組
(
いりくん
)
だ議論です気永くお
聞
(
きゝ
)
を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
財主
(
ざいしゆ
)
の
妹
(
いもうと
)
を
殺
(
ころ
)
したる
一條
(
いちじよう
)
を
難
(
なん
)
じて「その
氣質
(
きしつ
)
はかねて
聞
(
きゝ
)
たる
正直質樸
(
せうじきしつぼく
)
のものたるに、これをも殺したるはいかにぞや………さてはのち
我
(
われ
)
にかへりて大にこれを痛み悔ゆべきに、」云々と
言
(
い
)
はれたり。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
後
(
あと
)
で、それは日本から輸出したものだと云ふ事が分つて大笑ひになつた。三越陳列所へ行つて、それを調べて来たものは代助である。
夫
(
それ
)
から西洋の音楽が
好
(
す
)
きで、よく代助に誘ひ出されて
聞
(
きゝ
)
に行く。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
和尚
(
おしよう
)
如何
(
どう
)
だナ
抔
(
など
)
と
扶持
(
ふち
)
でもして
置
(
お
)
くやうに
巾
(
はゞ
)
を
利
(
き
)
かせて、茶の
呑倒
(
のみたふ
)
しを、コレハ先生よくこそ
御来臨
(
ごらいりん
)
、
幸
(
さいは
)
ひ
左
(
さ
)
る
方
(
かた
)
より
到来
(
たうらい
)
の
銘酒
(
めいしゆ
)
、これも先生に口を
切
(
きつ
)
て
頂
(
いただ
)
くは、
青州
(
せいしう
)
従事
(
じゆうじ
)
が
好造化
(
かうざうくわ
)
などゝ
聞
(
きゝ
)
かぢりと
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
聞
(
きゝ
)
成程
(
なるほど
)
何時
(
いつ
)
迄當院の
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
なつ
)
ても居られず何分にも宜しくと頼みければ感應院も承知なして
早速
(
さつそく
)
彼
(
かの
)
片町の醫師方へ
往
(
ゆき
)
右
(
みぎ
)
の
咄
(
はなし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
巻中の画、老人が
稿本
(
かうほん
)
の
艸画
(
さうぐわ
)
を
真
(
しん
)
にし、
或
(
あるひ
)
は京水が越地に
写
(
うつし
)
し
真景
(
しんけい
)
、或
里人
(
さとびと
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
きゝ
)
て
図
(
づ
)
に作りたるもあり、其地に
照
(
てら
)
して
誤
(
あやまり
)
を
責
(
せむ
)
ることなかれ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
やれ
貰
(
もら
)
へと
無茶苦茶
(
むちやくちや
)
に
進
(
すゝ
)
めたてる
五月蠅
(
うるさ
)
さ、
何
(
ど
)
うなりと
成
(
な
)
れ、
成
(
な
)
れ、
勝手
(
かつて
)
に
成
(
な
)
れとて
彼
(
あ
)
れを
家
(
うち
)
へ
迎
(
むか
)
へたは
丁度
(
てうど
)
貴孃
(
あなた
)
が
御懷妊
(
ごくわいにん
)
だと
聞
(
きゝ
)
ました
時分
(
じぶん
)
の
事
(
こと
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
引き続きお
聞
(
きゝ
)
に入れまするは、羽生村の名主惣次郎を山倉富五郎が手引をして、安田一角と申す者に殺させます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兎に角斯う種々様々の傷の有る所を見れば、
好
(
よい
)
かえ
能
(
よ
)
く
聞
(
きゝ
)
たまえ、一人で殺した者では無い大勢で寄て
襲
(
たか
)
ッて殺した者だ(大)成る程—(谷)シテ見れば先ず曲者は
幾人
(
いくたり
)
も有るのだが
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
玉を烹たるもの、そのゆゑを
聞
(
きゝ
)
て
釜
(
かま
)
の
蓋
(
ふた
)
を
啓
(
ひらき
)
て
視
(
み
)
れば
已
(
すで
)
に玉は
半
(
なかば
)
枯
(
かれ
)
たり。其
珠
(
たま
)
径
(
わたり
)
一寸
許
(
ばかり
)
、
此
(
これ
)
真
(
しん
)
に
夜光
(
やくわう
)
明月の
珠
(
たま
)
なり。
俗子
(
ぞくし
)
に
厄
(
やく
)
せられたる事
悲夫
(
かなしきかな
)
と
記
(
しる
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
をかしかるべき
世
(
よ
)
を
空蝉
(
うつせみ
)
のと
捨
(
す
)
て
物
(
もの
)
にして
今歳
(
ことし
)
十九
年
(
ねん
)
、
天
(
てん
)
のなせる
麗質
(
れいしつ
)
、をしや
埋木
(
うもれぎ
)
の
春
(
はる
)
またぬ
身
(
み
)
に、
青柳
(
あをやぎ
)
いと
子
(
こ
)
と
名
(
な
)
のみ
聞
(
きゝ
)
ても
姿
(
すがた
)
しのばるゝ
優
(
やさ
)
しの
人品
(
ひとがら
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一席引続きましてお
聞
(
きゝ
)
に入れますは、累が淵のお話でございます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いえ私しは初めから店へ出て居たから
聞
(
きゝ
)
ませんでしたが
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
これを見これを
聞
(
きゝ
)
て、雪の
遠
(
とほ
)
からざるをしる。年の
寒暖
(
かんだん
)
につれて
時日
(
じじつ
)
はさだかならねど、たけまはり・どうなりは秋の
彼岸
(
ひがん
)
前後
(
ぜんご
)
にあり、
毎年
(
まいねん
)
かくのごとし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
むせび
泣
(
な
)
きの
聲
(
こゑ
)
きこえ
初
(
そ
)
めて
斷續
(
だんぞく
)
の
言葉
(
ことば
)
その
事
(
こと
)
とも
聞
(
きゝ
)
わき
難
(
がた
)
く、
半
(
なかば
)
かかげし
軒
(
のき
)
ばの
簾
(
すだれ
)
、
風
(
かぜ
)
に
音
(
おと
)
する
夕
(
ゆふ
)
ぐれ
淋
(
さび
)
し。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やがてかまどのもとに立しきりに
飯櫃
(
めしびつ
)
に
指
(
ゆびさ
)
して
欲
(
ほし
)
きさまなり、娘此
異獣
(
いじう
)
の事をかねて
聞
(
きゝ
)
たるゆゑ、飯を
握
(
にぎ
)
りて二ツ三ツあたへければうれしげに持さりけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
石之助
(
いしのすけ
)
其夜
(
そのよ
)
はをとなしく、
新年
(
はる
)
は
明日
(
あす
)
よりの三ヶ
日
(
にち
)
なりとも、
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
にて
祝
(
いは
)
ふべき
筈
(
はづ
)
ながら
御存
(
ごぞん
)
じの
締
(
しま
)
りなし、
堅
(
かた
)
くるしき
袴
(
はかま
)
づれに
挨拶
(
あいさつ
)
も
面倒
(
めんどう
)
、
意見
(
いけん
)
も
實
(
じつ
)
は
聞
(
きゝ
)
あきたり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
如何
(
いか
)
に
聞
(
きゝ
)
て
如何
(
いか
)
ばかり
案
(
あん
)
じやしけん、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
のことしてけるよ、いで
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
も
暮
(
くれ
)
なんとするを、
例
(
れい
)
の
足
(
あし
)
おとする
頃
(
ころ
)
なり、
日頃
(
ひごろ
)
くもりし
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
すゞしき
物語
(
ものがたり
)
に
晴
(
はら
)
さばやとばかり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
女
(
おんな
)
は
不思議
(
ふしぎ
)
さうに
立
(
た
)
つてゆくを
客
(
きやく
)
は
聞
(
きゝ
)
すまして
笑
(
わら
)
ひながら
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
には
及
(
およ
)
ばない、
逢
(
あ
)
つて
來
(
き
)
たら
宜
(
よ
)
からう、
何
(
なに
)
もそんなに
體裁
(
ていさい
)
には
及
(
およ
)
ばぬではないか、
可愛
(
かわい
)
い
人
(
ひと
)
を
素戻
(
すもど
)
しもひどからう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御新造
(
ごしんぞ
)
は
驚
(
おど
)
きたるやうの
惘
(
あき
)
れ
顏
(
がほ
)
して、
夫
(
そ
)
れはまあ
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
やら、
成
(
なる
)
ほどお
前
(
まへ
)
が
伯父
(
おぢ
)
さんの
病氣
(
びやうき
)
、つゞいて
借金
(
しやくきん
)
の
話
(
はな
)
しも
聞
(
きゝ
)
ましたが、
今
(
いま
)
が
今
(
いま
)
私
(
わた
)
しの
宅
(
うち
)
から
立換
(
たてか
)
へようとは
言
(
い
)
はなかつた
筈
(
はづ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其子
(
そのこ
)
も
昨年
(
さくねん
)
の
暮
(
くれ
)
チプスに
懸
(
かゝ
)
つて
死
(
し
)
んださうに
聞
(
きゝ
)
ました、
女
(
をんな
)
はませな
物
(
もの
)
ではあり、
死
(
し
)
ぬ
際
(
ぎは
)
には
定
(
さだ
)
めし
父樣
(
とゝさん
)
とか
何
(
なん
)
とか
言
(
い
)
ふたので
御座
(
ござ
)
りましよう、
今年
(
ことし
)
居
(
ゐ
)
れば五つになるので
御座
(
ござ
)
りました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子
(
こ
)
たる
我々
(
われ/\
)
が
申譯
(
まをしわけ
)
の
言葉
(
ことば
)
なし、
是非
(
ぜひ
)
に
止
(
と
)
まり
給
(
たま
)
へと
言
(
い
)
へども、いや/\
其樣
(
そのやう
)
の
事
(
こと
)
はお
前樣
(
まへさま
)
出世
(
しゆつせ
)
の
曉
(
あかつき
)
にいふて
下
(
くだ
)
され、
今
(
いま
)
は
聞
(
きゝ
)
ませぬとて
孤身
(
みひとつ
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
づゝみ、
谷中
(
やなか
)
の
家
(
いへ
)
は
貸家
(
かしや
)
の
札
(
ふだ
)
はられて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫
(
そ
)
れに
構
(
かま
)
はず
唇
(
くちびる
)
を
甞
(
な
)
めて、まあお
聞遊
(
きゝあそ
)
ばせ、
千葉
(
ちば
)
が
其子
(
そのこ
)
を
見初
(
みそめ
)
ましてからの
事
(
こと
)
、
朝
(
あさ
)
學校
(
がくかう
)
へ
行
(
ゆき
)
まする
時
(
とき
)
は
必
(
かなら
)
ず
其家
(
そこ
)
の
窓下
(
まどした
)
を
過
(
す
)
ぎて、
聲
(
こゑ
)
がするか、
最
(
も
)
う
行
(
い
)
つたか、
見
(
み
)
たい、
聞
(
きゝ
)
たい、
話
(
はな
)
したい
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
丸窓
(
まるまど
)
にうつる
松
(
まつ
)
のかげ、
幾夜
(
いくよ
)
詠
(
なが
)
めて
月
(
つき
)
も
闇
(
やみ
)
になるまゝにいと
子
(
こ
)
の
心
(
こゝろ
)
その
通
(
とほ
)
り、
打
(
うち
)
あけては
問
(
と
)
ひもならぬ、
隣
(
となり
)
の
人
(
ひと
)
の
素性
(
すじやう
)
聞
(
きゝ
)
たしと
思
(
おも
)
ふほど、
意地
(
いぢ
)
わろく
誰
(
た
)
れも
告
(
つ
)
げぬのか
夫
(
それ
)
ともに
知
(
し
)
らぬのか
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
聞
(
きゝ
)
なされませ
書生
(
しよせい
)
の
千葉
(
ちば
)
が
初戀
(
はつこひ
)
の
哀
(
あは
)
れ、
國
(
くに
)
もとに
居
(
お
)
りました
時
(
とき
)
そと
見初
(
みそ
)
めたが
御座
(
ござ
)
りましたさうな、
田舍物
(
いなかもの
)
の
事
(
こと
)
なれば
鎌
(
かま
)
を
腰
(
こし
)
へさして
藁草履
(
わらぞうり
)
で、
手拭
(
てぬぐ
)
ひに
草束
(
くさたば
)
ねを
包
(
つゝ
)
んでと
思召
(
おぼしめし
)
ませうが
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
憂
(
う
)
く
恥
(
はづ
)
かしく、つゝましき
事
(
こと
)
身
(
み
)
にあれば
人
(
ひと
)
の
褒
(
ほ
)
めるは
嘲
(
あざけ
)
りと
聞
(
きゝ
)
なされて、
嶋田
(
しまだ
)
の
髷
(
まげ
)
のなつかしさに
振
(
ふり
)
かへり
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
たちをば
我
(
われ
)
れを
蔑
(
さげす
)
む
眼
(
め
)
つきと
察
(
と
)
られて、
正太
(
しようた
)
さん
私
(
わたし
)
は
自宅
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
るよと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
連
(
つ
)
れて
來
(
こ
)
やうと
思
(
おも
)
ひましたけれど
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
は
宵
(
よひ
)
まどひで
最
(
も
)
う
疾
(
と
)
うに
寐
(
ね
)
ましたから
其
(
その
)
まゝ
置
(
お
)
いて
參
(
まゐ
)
りました、
本當
(
ほんたう
)
に
惡戯
(
いたづら
)
ばかりつのりまして
聞
(
きゝ
)
わけとては
少
(
すこ
)
しもなく、
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
れば
跡
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひまするし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今日此頃
(
けふこのごろ
)
の
全盛
(
ぜんせい
)
に
父母
(
ふぼ
)
への
孝養
(
こうよう
)
うらやましく、お
職
(
しよく
)
を
徹
(
とほ
)
す
姉
(
あね
)
が
身
(
み
)
の、
憂
(
う
)
いの
愁
(
つ
)
らいの
數
(
かず
)
も
知
(
し
)
らねば、まち
人
(
びと
)
戀
(
こ
)
ふる
鼠
(
ねづみ
)
なき
格子
(
かうし
)
の
呪文
(
じゆもん
)
、
別
(
わか
)
れの
背中
(
せな
)
に
手加减
(
てかげん
)
の
秘密
(
おく
)
まで、
唯
(
たゞ
)
おもしろく
聞
(
きゝ
)
なされて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
八
月
(
ぐわつ
)
廿日
(
はつか
)
は
千束神社
(
せんぞくじんじや
)
のまつりとて、
山車屋臺
(
だしやたい
)
に
町々
(
まち/\
)
の
見得
(
みえ
)
をはりて
土手
(
どて
)
をのぼりて
廓内
(
なか
)
までも
入込
(
いりこ
)
まんづ
勢
(
いきほ
)
ひ、
若者
(
わかもの
)
が
氣組
(
きぐ
)
み
思
(
おも
)
ひやるべし、
聞
(
きゝ
)
かぢりに
子供
(
こども
)
とて
由斷
(
ゆだん
)
のなりがたき
此
(
この
)
あたりのなれば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
行
(
ゆき
)
かよふ
人
(
ひと
)
の
顏
(
かほ
)
少
(
ちい
)
さく/\
擦
(
す
)
れ
違
(
ちが
)
ふ
人
(
ひと
)
の
顏
(
かほ
)
さへも
遙
(
はるか
)
とほくに
見
(
み
)
るやう
思
(
おも
)
はれて、
我
(
わ
)
が
踏
(
ふ
)
む
土
(
つち
)
のみ一丈も
上
(
うへ
)
にあがり
居
(
ゐ
)
る
如
(
ごと
)
く、がや/\といふ
聲
(
こゑ
)
は
聞
(
きこ
)
ゆれど
井
(
ゐ
)
の
底
(
そこ
)
に
物
(
もの
)
を
落
(
おと
)
したる
如
(
ごと
)
き
響
(
ひゞ
)
きに
聞
(
きゝ
)
なされて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
といひかけて
笑
(
わら
)
ひ
消
(
け
)
す
詞
(
ことば
)
何
(
なに
)
としらねどお
施
(
ほどこ
)
しとはお
情深
(
なさけぶか
)
い
事
(
こと
)
さぞかし
可哀
(
かあい
)
さうのも
御座
(
ござ
)
いませうと
思
(
おも
)
ふことあれば
察
(
さつ
)
しも
深
(
ふか
)
し
花子
(
はなこ
)
煙草
(
たばこ
)
は
嫌
(
きら
)
ひと
聞
(
きゝ
)
しが
傍
(
かたはら
)
の
煙管
(
きせる
)
とりあげて
一服
(
いつぷく
)
あわたゞしく
押
(
おし
)
やりつそれはもうさま/″\ツイ
二日計前
(
ふつかばかりまへ
)
のこと
極貧
(
ごくひん
)
の
裏屋
(
うらや
)
の
者
(
もの
)
が
難産
(
なんざん
)
に
苦
(
くるし
)
みまして
兄
(
あに
)
の
手術
(
しゆじゆつ
)
に
母子
(
ふたり
)
とも
安全
(
あんぜん
)
では
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ありましたれど
赤子
(
あかご
)
に
着
(
き
)
せる
物
(
もの
)
がないとか
聞
(
き
)
きませば
平常
(
つね
)
の
心
(
こゝろ
)
に
承知
(
しようち
)
がならず
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
通
(
とほ
)
して
針仕事
(
はりしごと
)
着
(
き
)
るもの
二
(
ふた
)
つ
遣
(
つか
)
はしましたと
得意顏
(
とくいがほ
)
の
物語
(
ものがた
)
り
徳
(
とく
)
は
陰
(
かげ
)
なるこそよけれとか
聞
(
きゝ
)
しが
怪
(
あや
)
しのことよと
疑
(
うたが
)
ふ
胸
(
むね
)
に
相談
(
さうだん
)
せばやの
心
(
こゝろ
)
は
消
(
き
)
えぬ
花子
(
はなこ
)
さま/″\の
患者
(
くわんじや
)
の
話
(
はなし
)
に
昨日
(
きのふ
)
往診
(
みまひ
)
し
同朋町
(
どうぼうちやう
)
とやら
若
(
も
)
しやと
聞
(
き
)
けばつゆ
違
(
たが
)
はぬ
樣子
(
やうす
)
なりそれほどまでには
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
聞
常用漢字
小2
部首:⽿
14画
“聞”を含む語句
外聞
御聞
見聞
聞分
聞人
申聞
新聞
風聞
聞取
聞済
名聞
聴聞
聞説
醜聞
聞合
新聞記者
伝聞
聞流
聞違
傍聞
...