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遠
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とほ
ふりがな文庫
“
遠
(
とほ
)” の例文
昨
(
さく
)
年の
初夏
(
しよか
)
兩親
(
れうしん
)
の家から
別居
(
べつきよ
)
して、赤
坂區
(
さかく
)
新町に家を持ち、
馴染
(
なじみ
)
のその
球突塲
(
たまつきば
)
が
遠
(
とほ
)
くなるとともにまた
殆
(
ほとん
)
どやめたやうな
形
(
かたち
)
になつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりで、
恁
(
か
)
うして
火
(
ひ
)
を
置
(
お
)
かせたまゝ、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
小間使
(
こまづかひ
)
さへ
遠
(
とほ
)
ざけて、ハタと
扉
(
ひらき
)
を
閉
(
とざ
)
した
音
(
おと
)
が、
谺
(
こだま
)
するまで
響
(
ひゞ
)
いたのであつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
説
(
と
)
く
所
(
ところ
)
、
厚利
(
こうり
)
に
出
(
い
)
づる
者
(
もの
)
なるに、
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
くに
名高
(
めいかう
)
を
以
(
もつ
)
てせば、
則
(
すなは
)
ち
無心
(
むしん
)
にして
事情
(
じじやう
)
に
遠
(
とほ
)
しとせられ、
必
(
かなら
)
ず
(六三)
收
(
をさ
)
められざらん。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
『お
絹
(
きぬ
)
さん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げた。お
絹
(
きぬ
)
はにつこり
笑
(
わら
)
つて、さつと
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
めて、
禮
(
れい
)
をした。
人
(
ひと
)
と
車
(
くるま
)
との
間
(
あひだ
)
は
見
(
み
)
る/\
遠
(
とほ
)
ざかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
すると
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
でパタ/\と
小
(
ちひ
)
さな
跫音
(
あしおと
)
のするのが
聞
(
きこ
)
えました、
愛
(
あい
)
ちやんは
急
(
いそ
)
いで
眼
(
め
)
を
拭
(
ふ
)
いて
何
(
なに
)
か
來
(
き
)
たのだらうかと
見
(
み
)
てゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
しかし
室
(
しつ
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
に
廣
(
ひろ
)
く
作
(
つく
)
られるのが
通常
(
つうじよう
)
であるから、
右
(
みぎ
)
のようなものゝ
落
(
お
)
ちて
來
(
き
)
さうな
場所
(
ばしよ
)
から
遠
(
とほ
)
ざかることも
出來
(
でき
)
るであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
からお
品
(
しな
)
のいふなりに
成
(
な
)
るのであつた。
二人
(
ふたり
)
は
遠
(
とほ
)
くは
行
(
ゆ
)
けないので、
隣村
(
となりむら
)
の
知合
(
しりあひ
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じた。
兩方
(
りやうはう
)
の
姻戚
(
みより
)
が
騷
(
さわ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
新年
(
しんねん
)
が
停滯
(
もたれ
)
てゐるのは
實
(
じつ
)
に
苦
(
くる
)
しいですよ。
夫
(
それ
)
で
今日
(
けふ
)
の
午
(
ひる
)
から、とう/\
塵世
(
ぢんせい
)
を
遠
(
とほ
)
ざけて、
病氣
(
びやうき
)
になつてぐつと
寐込
(
ねこ
)
んぢまいました。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
燕
(
つばめ
)
は
嬉
(
うれ
)
しさうに
父
(
とう
)
さんを
見
(
み
)
て
尻尾
(
しつぽ
)
の
羽
(
はね
)
を
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふり
)
ながら、
遠
(
とほ
)
い
空
(
そら
)
から
漸
(
やうや
)
くこの
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
へ
着
(
つ
)
いたといふ
話
(
はなし
)
でもするらしいのでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遠
(
とほ
)
ざかるが
最期
(
さいご
)
もう
縁
(
ゑん
)
の
切
(
き
)
れしも
同
(
おな
)
じこと
取
(
と
)
りつく
島
(
しま
)
の
頼
(
たの
)
みもなしと、
我
(
わ
)
れ
振
(
ふ
)
りすてられしやうな
歎
(
なげ
)
きにお
園
(
その
)
いよ/\
心細
(
こヽろぼそ
)
く
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我等
(
われら
)
兩人
(
りようにん
)
が
目指
(
めざ
)
すコロンボ
市
(
し
)
にも、また
櫻木海軍大佐等
(
さくらぎかいぐんたいさら
)
と
再會
(
さいくわい
)
すべき
筈
(
はづ
)
の
橄欖島
(
かんらんたう
)
にも
左迄
(
さま
)
では
遠
(
とほ
)
くない
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
であつた
事
(
こと
)
と。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これを見て
皆
(
みな
)
打ゑみつゝ
炉辺
(
ろへん
)
に
座列
(
ゐならび
)
て酒
酌
(
くみ
)
かはし、やゝ時うつりて
遠
(
とほ
)
く
走
(
はせ
)
たる者ども立かへりしに、
行方
(
ゆくへ
)
は
猶
(
なほ
)
しれざりけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あまさかるは、やはり
枕詞
(
まくらことば
)
で、ひなのひといふ
語
(
ご
)
を
起
(
おこ
)
してゐます。
意味
(
いみ
)
は、
天
(
てん
)
に
遠
(
とほ
)
くかゝつてゐる
日
(
ひ
)
といふことなんです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
……おゝ、
脊中
(
せなか
)
が、
脊中
(
せなか
)
が! ほんに
貴孃
(
こなた
)
が
怨
(
うら
)
めしいわいの、
遠
(
とほ
)
い
遠
(
とほ
)
い
處
(
ところ
)
へ
太儀
(
たいぎ
)
な
使者
(
つかひ
)
に
出
(
だ
)
さッしやって、
如是
(
こん
)
な
死
(
し
)
ぬるやうな
思
(
おも
)
ひをさすとは!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
細
(
ほそ
)
い
足
(
あし
)
のおかげで
走
(
はし
)
るわ、
走
(
はし
)
るわ、よつぽど
遠
(
とほ
)
くまで
迯
(
に
)
げのびたが、
藪
(
やぶ
)
のかげでその
美
(
うつ
)
くしい
角
(
つの
)
めが
笹
(
さヽ
)
に
引掛
(
ひつか
)
かつてとう/\
猟人
(
かりうど
)
につかまつたとさ。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「あの
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
して
下
(
くだ
)
さい。」——この
言葉
(
ことば
)
は
嵐
(
あらし
)
のやうに、
今
(
いま
)
でも
遠
(
とほ
)
い
闇
(
やみ
)
の
底
(
そこ
)
へ、まつ
逆樣
(
さかさま
)
におれを
吹
(
ふ
)
き
落
(
おと
)
さうとする。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
また
當時
(
とうじ
)
の
少女
(
しようじよ
)
はまだ
生
(
い
)
きてゐて、そこからあまり
遠
(
とほ
)
くない
村
(
むら
)
に
住
(
す
)
んでゐるといふことを
番人
(
ばんにん
)
の
女
(
をんな
)
から
聞
(
き
)
きましたが
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
千駄木
(
せんだぎ
)
の
奥
(
おく
)
の
此
(
こ
)
の
私
(
わたし
)
の
家
(
いへ
)
から
番町
(
ばんちやう
)
までゞは、
可也
(
かなり
)
遠
(
とほ
)
いのであるが、
出
(
で
)
てからもう
彼此
(
かれこれ
)
一
時間
(
じかん
)
も
経
(
た
)
つから、
今頃
(
いまごろ
)
は
父
(
ちゝ
)
と
母
(
はゝ
)
とに
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
から
笑顔
(
ゑがほ
)
を
見
(
み
)
せられて
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのうちにも、
病人
(
びやうにん
)
の
容態
(
ようたい
)
は、
刻々
(
こく/\
)
險惡
(
けんあく
)
になつてゆくので、たうとう、そこから
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
くない、
府下
(
ふか
)
××
村
(
むら
)
のH
病院
(
びやうゐん
)
へ
入院
(
にふゐん
)
させるより
仕方
(
しかた
)
がなくなつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
閭
(
りよ
)
が
其
(
その
)
視線
(
しせん
)
を
辿
(
たど
)
つて、
入口
(
いりくち
)
から一
番
(
ばん
)
遠
(
とほ
)
い
竈
(
かまど
)
の
前
(
まへ
)
を
見
(
み
)
ると、そこに
二人
(
ふたり
)
の
僧
(
そう
)
の
蹲
(
うづくま
)
つて
火
(
ひ
)
に
當
(
あた
)
つてゐるのが
見
(
み
)
えた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
われ/\の
遠
(
とほ
)
い/\
最初
(
さいしよ
)
の
祖先
(
そせん
)
が、はじめてこの
地球上
(
ちきゆうじよう
)
に
現
(
あらは
)
れたころには、
森林
(
しんりん
)
は、そのまゝ
人間
(
にんげん
)
の
住
(
す
)
みかでもあり、また
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
の
出
(
で
)
どころでもありました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
飮
(
のみ
)
たる事までも今はさつぱり
分
(
わか
)
りしが餘り
咄
(
はな
)
しの出來すぎて花見は又も
廢止
(
やめ
)
になり
再度
(
ふたゝひ
)
遠
(
とほ
)
き音羽より
辨當箱
(
べんたうばこ
)
を
脊負
(
しよひ
)
戻
(
もど
)
せしに
幼稚意
(
こどもごゝろ
)
に
管伴
(
ばんたう
)
を恨む
罪
(
つみ
)
もなかりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
成功
(
せいこう
)
した
其時
(
そのとき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさも
思出
(
おもひい
)
でるが、
併
(
しか
)
し
多
(
おほ
)
くは
其時
(
そのとき
)
一處
(
いつしよ
)
に
行
(
い
)
つた
友
(
とも
)
の、
死
(
し
)
んだのや、
遠
(
とほ
)
ざかつたのや、いろ/\それを
懷出
(
おもひいだ
)
して、
時々
(
とき/″\
)
變
(
へん
)
な
感情
(
かんじやう
)
に
打
(
う
)
たれもする。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
境を定め邦を開きて、
近
(
ちか
)
つ
淡海
(
あふみ
)
に制したまひ
一二
、
姓
(
かばね
)
を正し氏を撰みて、
遠
(
とほ
)
つ
飛鳥
(
あすか
)
に
勒
(
しる
)
したまひき
一三
。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
『もちろん
僕
(
ぼく
)
は
初
(
はじ
)
めてだ。こんなに
飛
(
と
)
べるとは
思
(
おも
)
はなかつたよ。
愉快々々
(
ゆくわいゆくわい
)
。そりやさうと
大分
(
だいぶん
)
寒
(
さむ
)
くなつて
来
(
き
)
た。ラランよ、ヱヴェレストのてつぺんはまだ
遠
(
とほ
)
いか。』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
お
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
紀
(
こつな
)
さへ
席
(
せき
)
を
遠
(
とほ
)
ざけられて、
何
(
なに
)
かしら
込
(
こ
)
み
入
(
い
)
つた
話
(
はなし
)
のありさうなのを、
玄竹
(
げんちく
)
は
氣
(
き
)
がかりに
思
(
おも
)
ひつゝ、
落
(
お
)
ち
着
(
つ
)
かぬ
腰
(
こし
)
を
無理
(
むり
)
から
落
(
お
)
ち
着
(
つ
)
けて、
天王寺屋
(
てんわうじや
)
、
米屋
(
よねや
)
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我國
(
わがくに
)
の
國債
(
こくさい
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
見
(
み
)
ると、
今日
(
こんにち
)
既
(
すで
)
に五十九
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
して
居
(
を
)
り
從來
(
じうらい
)
の
大勢
(
たいせい
)
を
以
(
もつ
)
て
計
(
はか
)
れば
年々
(
ねん/\
)
巨額
(
きよがく
)
の
國債
(
こくさい
)
が
殖
(
ふ
)
えるのであつて百
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
するも
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
からざることである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
遠
(
とほ
)
くアムールの
岸
(
きし
)
を
噛
(
か
)
む
波
(
なみ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは、
興安嶺
(
こうあんれい
)
を
越
(
こ
)
え、
松花江
(
しようくわかう
)
を
渡
(
わた
)
り、
哈爾賓
(
はるびん
)
の
寺院
(
じゐん
)
を
揺
(
ゆ
)
すり、
間島
(
かんたう
)
の
村々
(
むら/\
)
に
伝
(
つた
)
はり、あまねく
遼寧
(
れいねい
)
の
公司
(
こんす
)
を
揺
(
ゆ
)
るがし、
日本駐屯軍
(
にほんちうとんぐん
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
に
迫
(
せま
)
る
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
そして
遠
(
とほ
)
い
遠
(
とほ
)
いその
故郷
(
こきやう
)
のお
家
(
うち
)
へかえるには、それはそれは
長
(
なが
)
い
旅
(
たび
)
をしなければならないの。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
イワン、デミトリチは
初
(
はじ
)
めの
中
(
うち
)
は
院長
(
ゐんちやう
)
が
野心
(
やしん
)
でも
有
(
あ
)
るのでは
無
(
な
)
いかと
疑
(
うたが
)
つて、
彼
(
かれ
)
に
左右
(
とかく
)
遠
(
とほ
)
ざかつて、
不愛想
(
ぶあいさう
)
にしてゐたが、
段々
(
だん/\
)
慣
(
な
)
れて、
遂
(
つひ
)
には
全
(
まつた
)
く
素振
(
そぶり
)
を
變
(
か
)
へたので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
雨戸
(
あまど
)
をさす
間
(
ま
)
もなく、
今
(
いま
)
まで
遠
(
とほ
)
くの
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
に
聞
(
きこ
)
えてゐた
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
は、
巨人
(
きよじん
)
の
手
(
て
)
の一
煽
(
あふ
)
りのやうに
吾
(
われ
)
にもない
疾
(
はや
)
さで
驅
(
かけ
)
て
來
(
き
)
て、その
勢
(
いきほ
)
ひの
中
(
なか
)
に
山
(
やま
)
の
雪
(
ゆき
)
を一
掃
(
は
)
き
捲
(
ま
)
き
込
(
こ
)
んでしまつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
『して其人は
何處
(
いづこ
)
にお
在
(
は
)
する』。『そは
此處
(
こゝ
)
より程
遠
(
とほ
)
からぬ
往生院
(
わうじやうゐん
)
と
名
(
なづ
)
くる古き僧庵に』。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
宮中
(
きうちう
)
の
官吏
(
くわんり
)
が
互
(
たがひ
)
に
佛語
(
ふつご
)
で
話
(
はな
)
してゐるのを
見
(
み
)
てトルコの
滅亡
(
めつばう
)
遠
(
とほ
)
からずと
直感
(
ちよくかん
)
したのである。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
ひさかたの
天道
(
あまぢ
)
は
遠
(
とほ
)
しなほなほに
家
(
いへ
)
に
帰
(
かへ
)
りて
業
(
なり
)
を
為
(
し
)
まさに 〔巻五・八〇一〕 山上憶良
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
何
(
なん
)
でも
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
は
遠
(
とほ
)
い
処
(
ところ
)
だ、さうして
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
は、われわれのごとく
傍
(
そば
)
にお
出遊
(
いであそ
)
ばすのだ。
衆
(
みんな
)
は
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
まで
往
(
い
)
かれまい。
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
が
衆
(
みんな
)
のとこへ
来
(
く
)
るだらう。
丁度
(
ちやうど
)
自分
(
じぶん
)
にも
来
(
く
)
るやうに。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
前日来の
艱酸
(
かんさん
)
と
辛労
(
しんろう
)
とは茫乎として
転
(
うた
)
た
夢
(
ゆめ
)
の如し、一行皆沼岸に
坐
(
ざ
)
して
徐
(
おもむ
)
ろに風光を
賞嘆
(
しやうたん
)
して
已
(
や
)
まず、
遠
(
とほ
)
く対岸を
見渡
(
みわた
)
せば無人の一小板屋
忽
(
たちま
)
ち双眼鏡裡に
映
(
えい
)
じ来る、其
距離
(
きより
)
凡そ二里
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
千代
遠
(
とほ
)
いい、遠いい、
父様
(
ととさま
)
や、ばば様、ぢぢ様の国にまゐりたいといふて泣く。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
学士
(
がくし
)
ですの
何
(
なん
)
のと云ツた
処
(
ところ
)
で
味噌摺
(
みそすり
)
の
法
(
はふ
)
を
知
(
し
)
らずお
辞義
(
じぎ
)
の
礼式
(
れいしき
)
に
熟
(
じゆく
)
せざれば
何処
(
どこ
)
へ
行
(
いつ
)
ても
敬
(
けい
)
して
遠
(
とほ
)
ざけらる〻が
結局
(
おち
)
にて
未
(
ま
)
だしも
敬
(
けい
)
さるゝだけを
得
(
とく
)
にして
責
(
せ
)
めてもの
大出来
(
おほでき
)
といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
其内
(
そのうち
)
に
山田
(
やまだ
)
は
芝
(
しば
)
から
一
(
ひと
)
ツ
橋
(
ばし
)
まで
通学
(
つうがく
)
するのは
余
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
いと
云
(
い
)
ふので、
駿河台
(
するがだい
)
鈴木町
(
すずきちやう
)
の
坊城
(
ばうじやう
)
の
邸内
(
ていない
)
に
引越
(
ひつこ
)
した、
石橋
(
いしばし
)
は
九段坂上
(
くだんさかうへ
)
の今の
暁星学校
(
ぎやうせいがくかう
)
の
在
(
あ
)
る
処
(
ところ
)
に
居
(
ゐ
)
たのですが、
私
(
わたし
)
は
不相変
(
あひかはらず
)
芝
(
しば
)
から
通
(
かよ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
右大臣
(
うだいじん
)
は
待
(
ま
)
ちかねて、
自分
(
じぶん
)
でも
遠
(
とほ
)
い
海
(
うみ
)
に
漕
(
こ
)
ぎ
出
(
だ
)
して、
龍
(
たつ
)
を
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
矢先
(
やさき
)
にかけて
射落
(
いおと
)
さうと
思
(
おも
)
つてゐるうちに、
九州
(
きゆうしう
)
の
方
(
ほう
)
へ
吹
(
ふ
)
き
流
(
なが
)
されて、
烈
(
はげ
)
しい
雷雨
(
らいう
)
に
打
(
う
)
たれ、その
後
(
のち
)
、
明石
(
あかし
)
の
濱
(
はま
)
に
吹
(
ふ
)
き
返
(
かへ
)
され
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
わが
家
(
いへ
)
の
遠
(
とほ
)
つ
代
(
よ
)
にひとり美しき娘ありしといふ
雨夜
(
あまよ
)
夜ざくら
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
わが歌は吾が
遠
(
とほ
)
つ
祖
(
おや
)
サモスなるエピクロス師にたてまつる歌
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
うれひのみ笑みはをしへぬ
遠
(
とほ
)
びとよ死ねやと思ふ夕もありぬ
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
群禽
(
むらどり
)
の
木末
(
こずゑ
)
にきほふひとなだれ
遠
(
とほ
)
のながめも
寂
(
さ
)
びあまりけり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
戀
(
こひ
)
」の
玉座
(
ぎよくざ
)
は、さはいへど、そこにしも
在
(
あら
)
じ、
空
(
そら
)
遠
(
とほ
)
く
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
食国
(
をすくに
)
の
遠
(
とほ
)
の
朝廷
(
みかど
)
に
汝等
(
いましら
)
し 斯く
罷
(
まか
)
りなば 平らけく 吾は遊ばむ
手抱
(
たうだ
)
きて 我は
御在
(
いま
)
さむ
天皇
(
すめら
)
朕
(
わ
)
が うづの
御手
(
みて
)
以
(
も
)
ち
掻撫
(
かきな
)
でぞ
労
(
ね
)
ぎたまふ うち撫でぞ 労ぎたまふ 還り来む日 相飲まむ
酒
(
き
)
ぞ この
豊御酒
(
とよみき
)
は
君臣相念
(新字旧仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
遠
(
とほ
)
つ
海
(
うみ
)
や、——あゝ、
朝發
(
あさびら
)
き、
水脈曳
(
みをびき
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
河岸
(
かし
)
遠
(
とほ
)
く、をりから
物
(
もの
)
の
落
(
お
)
つる
音
(
おと
)
霜夜
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
遠
(
とほ
)
みちも
夜寒
(
よさむ
)
になりぬ
川向
(
かはむか
)
う
荷風翁の発句
(旧字旧仮名)
/
伊庭心猿
(著)
わが身をはじめ
遠
(
とほ
)
のきて
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
“遠”を含む語句
遠方
永遠
遠雷
遠近
迂遠
遠江
無遠慮
遠眼鏡
遠国
望遠鏡
遠灯
遠々
遠離
遠望
遠慮
遠退
遠山
待遠
遠路
遠吠
...