えう)” の例文
それは食料しよくれうまきとの不廉ふれん供給きようきふあふがねばならぬからである。勘次かんじはおしな發病はつびやうから葬式さうしきまでにはかれにしては過大くわだい費用ひようえうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
女王樣ぢよわうさま論據ろんきようでした、何事なにごとにせよ、まつた時間じかんえうせずしてうせられなかつたなら、所有あらゆる周圍しうゐたれでもを死刑しけいしよする。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
その輕氣球けいきゝゆう飛揚ひやうして、だれか一二めい印度インドのコロンボ其他そのた大陸地方たいりくちほう都邑とゆうたつし、其處そこで、電光艇でんくわうていえうする十二しゆ藥液やくえき買整かひとゝの
えうするに娘が内職ないしよくするは親に関することなく妻が内職ないしよくは夫にくわんすることなし、一経営上けいえいじやう全くこれは別口べつくちのお話とも申すべきものにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
〔譯〕心は現在げんざいせんことをえうす。事未だ來らずば、むかふ可らず。事已にかば、ふ可らず。わづかに追ひ纔かに邀へば、便すなはち是れ放心はうしんなり。
……とひまに、なんの、清水谷しみづだにまでけばだけれど、えうするに不精ぶしやうなので、うちながらきたいのが懸値かけねのないところである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
えうするに世間せけんいま固有名こゆうめいなるものゝ意味いみ了解れうかいしてをらぬのであらう。固有名こゆうめい普通名ふつうめいどう程度ていどてゐるのであらう。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さうでせう。』と、かれほそめてふた。『貴方あなただの、貴方あなた補助者ほじよしやのニキタなどのやうな、然云さうい人間にんげんには、未來みらいなどはなんえうわけです。 ...
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
之より国境を通過つうくわして清水越しみづごえいたらんには、少くとも十数日の日子をえうし、又利根岳より尾瀬沼即ち岩代と上野の国境にでんにも亦十余日をえうすべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
わが國民こくみん今後こんご責任せきにんます/\重大ぢうだいならんとするのとき活動くわつどう根本機關こんぽんきくわんとも身體しんたい攝養せつやうにはもつと注意ちゆういえうす。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
えうなきむねいためけん、おろかしさよと一人ひとりみして、竹椽ちくえんのはしにあしやすめぬ、晩風ばんぷうすゞしくたもとかよひて、そらとびかふ蝙蝠かはほりのかげ二つ三つ、それすらやうやえずなりゆく
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
えうするにかれぐらゐ年輩ねんぱい青年せいねんが、一人前いちにんまへ人間にんげんになる楷梯かいていとして、をさむべきことつとむべきことには、内部ないぶ動搖どうえうやら、外部ぐわいぶ束縛そくばくやらで、一切いつさいかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
霎時しばしありて、姫は詞の過ぎたるを悔み給ひしにや、面に紅を潮して我手を取り、アントニオとても我心の平和を破り、我にえうなき物思せさせんとにはあらざるべしと宣給ふ。
だけど、子供こどもなんからないなどゝ仰言おつしやるのは、えうするに空虚くうきよ言葉ことばにちがひありません。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
畫題ぐわだいといひ色彩しきさいといひ、自分じぶんのはえうするに少年せうねんいたぐわ志村しむらのは本物ほんものである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
言込は何より安き事ながらたゞ云々これ/\と言許りで向うの名さへもしらざる所へ突然いきなりゆきても話し難しえうこそあれとかんがへしが漸々やう/\思ひ附事ありて明日とく起出おきいで音羽の方へ至るについては案内者に和吉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
えうへいつよくし(一〇六)馳説ちぜい(一〇七)從横しようくわうものやぶるにるなり。ここおいみなみは百ゑつたひらげ、きた陳蔡ちんさいあは(一〇八)しんしりぞけ、西にししんつ。諸矦しよこうつよきをうれふ。
シユワツブ氏は、これまでの古い家を、今はもうそれにえうがないからといつて、ばらばらにこはすことを好まなかつた。出来ることならそのまゝそつくり屋敷のどこかへ持つてゆきたいらしかつた。
で取りかゝりからもう熱がめる、きようが無くなる、しんから嫌氣いやけして了ツた。然うなると、幾ら努力したと謂ツて、あがいたと謂ツて、何のやくにも立ちはしない。で、たゞ狼狽する、えうするに意氣鎖沈せうちんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
けふ咲ける桜はわれにえうあらじひとのうそをばひたにかぞふる
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
いまじつ非常ひじやう塲合ばあひである、非常ひじやう塲合ばあひには非常ひじやう决心けつしんえうするので、躊躇ちうちよしてれば、吾等われら一同いちどうはみす/\ひとこの山中さんちう
彼等かれらあじはふのではなくてえうするに咽喉のどあなうづめるのである。冷水れいすゐそゝいでのぼろ/\な麥飯むぎめしとき彼等かれら一人ひとりでも咀嚼そしやくするものはない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
えうするに、このごろにいたつて地震ぢしんおそろしさがやうやかつたので、かみまつつてそのいかりをかんとしたのであらう。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
えうするに——くるまちるものと心得こゝろえるのである。しかして、惡道路みちわると、さか上下じやうげは、かならりて歩行あること——
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
〔譯〕凡そ事をすには、すべからく天につかふるの心あるをえうすべし。人に示すのねんあるを要せず。
夜晝よるひるるなんてんな仕事しごとでせう!貴方あなた地球ちきう其地軸そのちゞく回轉くわいてんするに二十四時間じかんえうする——
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
わたひとりしかほ女中ぢよちゆうならばなにとせんことばがけられなばなにといはんはぢ上塗うはぬりはえうなきことなり車代しやだいといふもれたものけずともよしこのまゝにかへらんかいなしければこそゆき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
えうするに、かれもんしたすくんで、れるのをつべき不幸ふかうひとであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
勿論もちろんこれ雜作ざふさことですが、れには別室べつしつ修繕しうぜんえうすると其事そのことです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
深井の二君は精密せいみつなる地図をせいせられたり、利根河上流の模様もやうは将来すこぶる改正をえうするなり、上越国界にいたりても同じく改正を要すれども、なほ精確せいかくを得んには向後尚一国上越及岩代の三ヶ国より
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
太史公たいしこういはく、老子らうしたつとところみちは、(一二二)虚無きよむにして因應いんおうし、無爲むゐ變化へんくわす、ゆゑ著書ちよしよ(一二三)辭稱じしよう微妙びめうにしてがたし。莊子さうじ(一二四)道徳だうとくさんじて放論はうろんす、えうまたこれ自然しぜんせり。
えうするに彼は、宇宙うちうの本體をさぐらうとしたり人生じんせいの意義をきはめやうとして、種々な思想を生噛なまがみにしてゐるうちに、何時かデカタン派の影響えいきやうけて、そして其の空氣が弱い併しながらねばツこい力で
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しからば北歐羅巴きたようろつぱ方面はうめんはどうかと見遣みやるに、この方面はうめんついてはわたしあまおほらぬが、えうするに幼稚えうちきはまるものであつて、規模きぼきはめてちいさいやうである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
大使命だいしめいやくわたくし武村兵曹たけむらへいそうとにさだまると、本島ほんたうのこ櫻木大佐等さくらぎたいさら吾等われら兩人りようにんとのあひだには、きはめて細密さいみつなる打合うちあはせをえうするのである。その打合うちあはせはうであつた。
それ、徒労力むだぼねことよ! えうもない仕事三昧しごとざんまい打棄うつちやつて、わかひとつま思切おもひきつて立帰たちかへれえ。老爺おやぢらぬ尻押しりおしせず、柔順すなほつまさゝげるやうに、わかいものを説得せつとくせい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悄然せうぜんとしてあといて勘次かんじえうはないからと巡査じゆんさ邪慳じやけんしかつてひやつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
凡そ學を爲すのえうは、これよりしてもとゐおこす。故に曰ふ、誠は物の終始しゆうしと。
えうするに彼等かれら世間せけんうとだけそれだけなか夫婦ふうふであつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
誰方どなたたちでも、小兒こどもこれきだとふのはあまりなからう。十四五ぐらゐの少年せうねんで、ぼくどうふがいよ、なぞは——説明せつめいおよばず——おやたちの注意ちういえうする。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わがくに姓名せいめい發生はつせい發達はつたつ歴史れきしはこゝにべないが、えうするに今日こんにち吾人ごじんせいしやうするものはじつは苗字といふべきもので、苗字と姓とうじとはその出處でどころことにするものである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
えうするに、化物ばけもの形式けいしき西洋せいやうは一たい幼稚えうちである。希臘ぎりしや埃及えじぷとおほ人間にんげん動物どうぶつ繼合つぎあはせをやつてことまへべたが、それではかたちたくみ出來できても所謂いはゆる完全くわんぜん化物ばけものとはへない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
その準備じゆんびいても取々とり/″\ことがあるが、それはまあ、おあづかまをすとして、帳場ちやうばゑて算盤そろばんく、乃至ないし帳面ちやうめんでもつけようといふ、むすめはこれを(お帳場ちやうば/\)とつてるが、えうするに卓子テエブルだ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
外人ぐわいじん地震説ぢしんせつは一けんはなは適切てきせつであるがごとくであるが、えうするにそは、今日こんにち世態せたいをもつて、いにしへの世態せたいりつせんとするもので、いはゆる自家じかちからもつ自家じか強壓けうあつするものであるとおもふ。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
五月雨さみだれ茅屋かややしづくして、じと/\と沙汰さたするは、やまうへ古社ふるやしろすぎもり下闇したやみに、な/\黒髮くろかみかげあり。呪詛のろひをんなふ。かたのごと惡少年あくせうねん化鳥けてうねらいぬとなりて、野茨のばらみだれし岨道そばみちえうしてつ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はゝゝ、大丈夫だいじやうぶ心配しんぱいいとふに、——おうら所在ありかも、すくみちも、すべてたなごゝろうちる。吾輩わがはいつかんでる。えうたゞつかんだひら時間じかんことだ。——いまひらけ、とつてもうは不可いかん。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いかに息災そくさいでもすでに五十九、あけて六十にならうといふのが、うちでこそはくる/\𢌞まはれ、近頃ちかごろ遠路とほみちえうもなく、父親ちゝおやほんる、炬燵こたつはし拜借はいしやくし、母親はゝおや看經かんきんするうしろから、如來樣によらいさまをが身分みぶん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
よろしいかね、これえうするに、すくなくとも空屋あきやかぎる……りますか、ひとない小家こやはあるか。れば、其処そこく。これからあしぐにきます。——宿やどかへつて一先ひとま落着おちつけ? ……呑気のんきことを。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)